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更新日:2017年7月24日

CRT栃木放送発行スパグルメ(2010年3月)

CRT栃木放送発行 スパグルメ掲載の福田富一栃木県知事、橋本昌茨城県知事スペシャル対談の記事です。

北関東新時代に向けて
人、物、情報の交流で未来を拓く

CRTスペシャル対談

写真:茨城県知事 橋本 昌

スペシャル対談茨城空港の開港、間近に迫った北関東自動車道の全線開通。北関東圏は今後、人、物、情報の流れが大きく変わっていきそうだ。近県同士が持つよさを持ち寄ってなお一層の連携が進めば、これまでなかった思わぬ効果も期待される。今回、テレビ電話システムによってCRT栃木放送スタジオと茨城県庁応接室を結び、福田富一栃木県知事、橋本昌茨城県知事が対談。それぞれの県の魅力や相互の連携、北関東圏の今後の展望などを語り合った。

茨城県知事 橋本 昌
栃木県知事 福田 富一 【聞き手】
CRT栃木放送アナウンサー 中山 湖

写真:栃木県知事 福田富一

中山(司会) 司会を務めます栃木放送のアナウンサーの中山湖です。きょうは栃木県の福田富一知事、茨城県の橋本昌知事にそれぞれの県の魅力、北関東の新たな展望などについてお話を伺います。お二人が顔を会わせるのは今年初めてということですが。

両知事 初めてです。よろしくお願いします。

中山 でもその前には何度もお会いになっているんですよね。

橋本 群馬、福島、新潟と一緒に、5県知事会議などもありますから、そうした席でお会いしています。

中山 その中でも橋本知事はリーダー的存在ということですが。

福田 その通りです。

中山 橋本知事から福田知事はどのように見えますか。

橋本 頭が切れるだけでなく、行動がさわやかです。英語で言うところの「スマートガイ」ですね。

福田 いやぁ、ありがとうございます。

中山 福田知事から見て橋本知事は。

福田 何でも知っている、的確にアドバイスしてくれる先輩です。これからもご指導よろしくお願いします。

北関東道でより近くに

中山 同じ北関東で“お隣同士”でもある栃木県と茨城県ですが、最近の関心ごとといえば、やはり北関東自動車道の開通ではないかと思います。平成23年度に予定されている全線開通に先立ち、平成20年12月に茨城│栃木間が開通してアクセスが飛躍的に向上しました。それぞれの県でさまざまな効果が出ていると思うのですが、まず福田知事、栃木県はいかがですか。

福田 東西の結びつきがより強固になったと思います。昨年の9月に宇都宮-水戸間の高速バスが開通し、これによってお互いの県民が行き来しやすくなりましたね。また、壬生に道の駅、ハイウェーパークが昨年10月23日にオープンし、近くにあるわんぱく公園と一体的な利用ができるようになりました。ここには毎月10万人が寄ってくれていますが、半分の方は茨城県のナンバーと聞いています。

開通当初は、栃木の車が茨城に行って午後には帰ってくるというパターンが多かったと聞いていましたが、今は相互に行き来する人たちが増えて、よかったと思っています。これからも両県力を合わせ、一人でも多くの皆さんに満足していただけるよう、橋本知事と一緒に取り組んでいきたいと考えます。

中山 橋本知事はいかがですか。

橋本 北関東自動車道の開通で、栃木県の皆さんも海を持つことができたわけです。以前から福田知事からは、海と魚は栃木県民のあこがれだと聞いていましたので、ぜひ活用していただきたいと思います。

これまでも大洗や那珂湊には、栃木県からたくさんの人に来ていただいています。この交流をぜひ県内全域に拡大していきたいですね。茨城県は海の魚の生産量が全国5位、農業産出額は2位です。品目別にみるとメロン、栗などは全国1位。全国1位の農産物は9つあります。2位が11、3位が8つというように、いいものがたくさんありますから、「食の楽しみ」も探していただけたらうれしいですね。

中山 ハイウェーパークの利用者の半数が茨城県の人というのは、私たち栃木県民にとってもうれしいことですね。

橋本 こちらにもたくさん来ていただいていますよ。

福田 那珂湊のお魚市場にはたくさんの人が行っているようですね。それから大洗の水族館。これはまた栃木の子どもたちのお気に入りで、大勢見学に行っているようです。館長さんがわざわざ県庁に訪ねてきてくれまして、ご案内をいただいたりもしています。

橋本 大洗の水族館は日本でも有数の施設です。子どもたちに生き物に関心を持ってもらうためにも、ぜひ来ていただきたいと思います。例えばマンボウなど見ていると心が癒やされますし、「バックヤードツアー」ではエサをどのように与えているのか、魚は魚を食べているのだというようなことを間近で見ていただいています。修学旅行でも来ていただきたいし、栃木県の宿泊施設(とちぎ海浜自然の家)も近くにありますから、そこを利用しながら周辺を見ていただければと思います。

中山 北関東自動車道の開通は、観光の交流だけでなく、物流、経済、さらに教育の分野にまで及ぶもののようですね。

福田 そうですね。茨城県に行きやすくなったことで、海を見て学ぶこともできると思います。

橋本 話は少し変わるかもしれませんが、茨城県には大強度陽子加速器という世界に2つしかない最先端の研究施設があります。タンパク質やリチウムのような軽い元素が見えるなど、研究者にとっては垂涎の的になっています。県では2本のビームラインを整備して、実用化研究に使っていただいています。栃木の企業の皆さんにもこれをぜひ活用していただき、技術の高度化に役立ててもらえればと思います。

福田 産業技術センターにつないで、いろんな分野で研究開発の力をお借りしたいと思います。

連携した交流が不可欠

中山 それぞれの県にとってPRしたいところ、ブランドなどたくさんありますが、そのさらなるイメージアップは共通の課題でもあると思います。橋本知事は栃木県民に茨城県のどんなところに出かけてもらいたいですか。

橋本 例えば日本三名園の一つである水戸の偕楽園は、都市公園としてはセントラルパークに次いで、世界第2位の大きさです。ここに日本一といわれる100品種3000本の梅林があります。梅まつりが3月31日まで開催されていますので、ぜひおいでいただきたいと思います。

その近くには弘道館があります。これは江戸末期の日本最大の藩校で、ここで最後の将軍慶喜公などが勉強して巣立っていったのです。

自然も豊かで、例えば袋田の滝。先日、全面結氷しまして、これは迫力満点です。観光客もたくさん訪れました。そのほか、観梅や紅葉狩りなどでも人気のある筑波山、益子の近くの笠間には陶芸美術館もあります。「食」を楽しんでもらうこともできますし、釣りに来る人もたくさんおられます。また、北茨城や袋田には良い温泉もあります。日立にある「鵜の岬」は国民宿舎では日本一の宿泊利用率を誇り、ここのサービスは栃木の旅館にも負けないほどですので、ぜひ泊まりに来てください。

茨城にはいろいろな楽しみ方がありますので、1回といわず何度でも来ていただければと思います。

福田 梅まつりには去年、おじゃましたんですよ。大変な数のお客さんでしたね。

中山 福田知事は、茨城県の皆さんに栃木のどんなところに触れていただきたいですか。

福田 冬には湯西川温泉でかまくら祭りをやっていますが、ぜひウインタースポーツや雪祭り、氷祭りなどを見においでいただければと思います。また、温泉もたくさんありますし、世界遺産の日光の社寺もあります。アウトレットは茨城にもオープンしたようですが、栃木県にも佐野と那須にありまして、こちらにもたくさんのお客さんが茨城から来てくださっています。

春になりますと、足利フラワーパークの藤棚がきれいです。ここと足利学校、栗田美術館をまとめて、足利の3つの日本一と言っていますが、こういったところも訪れてほしいと思います。

また、栃木県では現在、「食の回廊づくり」を進めています。「食」と県内各地の歴史文化、景観などの地域資源を結びつけ、食をテーマにした9つの街道をつくっています。茨城県に近いところでは「八溝そば街道」、那須、大田原の「那珂川あゆ街道」があります。食べることは旅をする楽しみの1つですから、栃木県内の食べ歩きをしながら金砂郷のそばを食べに行くなど、茨城と栃木を交互に食べ歩きをしてもらえるようにして、お客さんを迎えたいと思いますね。

橋本 茨城にはあんこう鍋もありますし伊勢エビも獲れるんです。岩ガキもあります。

中山 栃木県には海の物はありませんが、イチゴやギョーザがありますよね。

福田 栃木に来てもらってギョーザを食べ、締めにとちおとめを食べてもらえれば満足していただけると思います。

中山 そういう意味では、北関東自動車道の開通によって、茨城だけ、栃木だけでなく、面での観光が可能になってくるということですね。

福田 北関東自動車道もそうですが、今回の茨城空港の開港によっておいでになるお客さんに、茨城県内、栃木県内、群馬県内にも足を伸ばしてもらえるよう、PRを強化していきたいと思います。

茨城空港は安くて便利

中山 橋本知事は茨城空港にどのような期待を持っておられますか。

橋本 茨城空港は大化けするのではないかと思っています。中国では今、大変な勢いで生活レベルが上がっていて、海外旅行をする人がどんどん増えています。どこに行きたいかというと、日本に行きたいという人が多いのです。しかし、日本には今、世界でシェアを伸ばしつつあるLCC(ローコストキャリア)に対応できる空港がありません。でも、ヨーロッパでは既に40パーセント弱がLCCです。

例えばボーディングブリッジ(搭乗橋)を使うと使用料がかかりますので、それをタラップにする。あるいは、航空機も自走式にすればトラクターの利用料がかからなくなります。こうして運賃を安くすることができるのです。

茨城と神戸との間を飛ぶスカイマークは、21日前までに予約すれば最安値で5,800円です。栃木から羽田に行ってスカイマークを使うと約1万6000 円、新幹線で行っても1万7000円から1万8000円位かかります。茨城空港には1300台の無料駐車場がありますから、便利で安く移動できますし、お土産などがたくさんあっても車に積んで帰れます。今後は神戸便を増やすほか、韓国も現在の仁川空港への便に加えて、釜山便も設けます。さらに中国にも広げていき、外国からの観光客をたくさん受け入れていきたいと思っています。

その際、海外から来た人が、茨城だけ見たいということはありません。日光にも行きたいし、スキーにも行きたい。ゴルフ場も両県にはたくさんあります。観光面で栃木と協力し合える分野はさらに多くなってくると思います。

中山 協力し合ってということですが、福田知事、いかがですか。

福田 群馬も含めた北関東3県で「3県広域観光推進協議会」を立ち上げて、連携して韓国や台湾の旅行エージェントの招請事業を実施しています。先ごろ春節を利用して、鬼怒川温泉に中国からのお客さんが600人くらい来てくれました。ちょうどその時雪が降っていまして、皆さん大喜びでした。こういう人たちが今度は茨城空港に降り立って、栃木にもお迎えできたらうれしいですね。

これからも成田、羽田、福島、そして茨城空港と、これらを活用して観光コースがたくさんできるようにしたいと思っています。

橋本 LCCの運賃は、一般的には普通の航空会社の3分の1以下と言われていますから、東京から少し遠くても利用する人がいるのです。そのため、県内の観光コースを巡るバスを当面無料で運行したり、飛行機を利用してきた人は往復1000円で東京に行けるバスを運行するなど、いろいろなことを考えているところです。

茨城空港に着いて、茨城県内である程度過ごして、栃木を見て新潟、群馬、福島に抜けるなど、いろいろな利用の仕方があると思いますので、これからこの5県の連携は今まで以上に大事になってくると思います。

中山 これまでも宇都宮と京都、大阪とを結ぶバスはありましたが、神戸と茨城が結ばれると、神戸方面からのお客様も栃木に来やすくなりますね。

福田 来やすい、行きやすいということです。片道5800円ですからね。何より時間の節約になります。関西方面では北関東3県の認知度は低いですから、茨城空港が、関西方面のお客さんをお迎えして増やしていくための核になってくれたら、こんなにうれしいことはありません。

北関東圏に広がる可能性

中山 茨城空港の誕生によって、両県の観光にこれまでになかった動きが現れてくるのではないかと思います。また、他県も合わせての連携も必要になってくることでしょう。茨城空港の開港に続いて平成23年度には北関東自動車道が全線開通になります。今後は観光、産業、地域振興など各分野で、群馬県も含めた3県による連携の強化がますます必要になってきます。そうした両県、もしくは北関東圏の新たな展望について、まず福田知事、いかがでしょうか。

福田 茨城空港の開港、北関東自動車道の全線開通で、茨城、群馬両県と、人、物、情報、技術、産業、スポーツ、文化など、いろいろな分野でこれまで以上の交流の輪が広がると思います。観光についても連携を強化し、商品の共同開発を行っていかなくてはならないと思います。

単独の県だけでは得られない新たな魅力、活力が創出され、北関東地域の発展のポテンシャルがさらに高まることを期待していますし、連携してPRしていくチャンスだと思っています。

3県の交流を実効あるものにするために、行政だけでなく、産業界、観光業界など民間団体とも一緒になって、交流連携の取り組みを進め、北関東地域全体の振興と経済の活性化が図られるよう努力していきたいと思います。

中山 橋本知事はいかがでしょうか。

橋本 茨城県では、茨城空港や港湾などのインフラの整備が進んでいます。そのメリットを十分に活かしていただきたいと思います。例えば今度、偕楽園で夜間のライトアップをするのですが、北関東自動車道ができたことで、栃木を午後に出発して茨城で食事をして、ライトアップを見て帰るということもできると思います。ますます「近くて近い」関係になると思います。

福田知事の話にもありましたように、関西の人を呼ぼうといった時に、茨城だけでは魅力は出せません。トータルな力で呼んで来なくてはいけない。そうすると広域観光は不可欠です。ましてや外国から来る人は、茨城だけ、栃木だけで満足するわけがありません。日本のいいところを見て帰りたいというのが一般的な考えですから、観光面での連携が特に重要になってくるわけです。

そのほか文化やスポーツ、医療などの面でも、今後さらに交流を活発にしていくことによって、これまで考えられなかったような展開ができるようになるかもしれません。道州制などの動きもありますが、将来的には大きなスケールでの人、物、情報の交流が生まれてくるのではないかと期待しています。

中山 橋本知事のお話を聞いて、福田知事はいかがですか。

福田 日産自動車の栃木工場が、今年の5月から、日立港から北米向けの車を出荷することになっています。栃木県内の企業の皆さんにも、港と空港の両方を活用してもらうよう呼びかけ、貢献していきたいと考えています。

中山 観光だけでなく、経済も重要ですし、スポーツや医療などの分野でも、補い合い、助け合って、日本をリードしていく地域になりそうですね。

橋本 茨城、栃木、群馬の人口を合わせると700万人いるのです。例えば茨城にはつくばと東海という最先端の科学技術がありますが、今後それをどう活用していくかを考えるとき、栃木などの企業も含めてトータルな動きが必要になってきます。そういう意味で、北関東自動車道で結ばれたのは大きなメリットだと思っています。それらを含めて、思いがけない効果が出てくると思います。

中山 福田知事、明るい未来が開けているようですね。

福田 とにかく水戸が近くなった。ますます隣同士、ご近所と言う感じがしてきました。連携を強化して産業も教育も歴史文化も、今まで以上に北関東の果たす役割が大きくなっていくでしょう。必ずそうなると思いますね。

中山 最後に橋本知事から福田知事に何かメッセージはありますか。

橋本 関係を強化する意味では、役所はある程度前向きになっていますが、民間の交流はまだまだ不十分な面があります。栃木県内の方々に茨城のいろいろなものを総合的に利用していただくよう、働きかけていただければ幸いです。

福田 経済団体などにも声をかけて、港も空港も大いに活用してもらうように呼びかけていきたいと思います。

橋本 さらに農業関係者にも茨城空港の利用などを働きかけていただければと思います。

中山 北関東自動車道や茨城空港を有効に使って、連携して両県が持つ可能性を存分に発揮していきたいものですね。本日はありがとうございました。

CRT栃木放送発行 スパグルメから転載

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