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更新日:2015年4月1日

情報017:茨城だけに残された幻の伝統食材『凍みこんにゃく』

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情報017茨城だけに残された幻の伝統食材『凍(し)みこんにゃく』

常陸太田市天下野町の特産品

奥久慈の自然と人間の手間が伝統の食文化を生み出す

凍(し)みこんにゃく

凍とうふ(高野豆腐)は精進料理などで有名ですが、『凍みこんにゃく』というと知らない方も多いのではないでしょうか。実はこの凍みこんにゃく、全国で唯一、茨城県だけで生産されている幻の食材なのです。凍みこんにゃくは、もともと茨城県常陸太田市天下野町(旧・水府村天下野)の特産品です。しかし、昭和30年代の後半から生産者が激減し、現在は全国を見渡しても、茨城県北地区で数件の生産者を残すのみとなってしまったのです。

凍みこんにゃくは江戸時代から、農閑期の副業として盛んに作られてきました。生産農家は、厳冬期の田畑に藁を敷き詰め、ハガキ大に切り分けたこんにゃくを丹念に並べます。こんにゃくは夜から朝方にかけて凍るので、昼間の直射日光を当ててゆっくり解凍。そこに水をかけ、また夜間に凍らせ、日中に溶かす。この作業を約20日間繰り返すうちに、こんにゃくの水分が抜け、色合いも灰色から白色に変化。仕上げにしっかり乾燥させると、スポンジ状になった凍みこんにゃくのできあがりです。

凍みこんにゃく凍みこんにゃく

凍みこんにゃく

このように、自然の力を利用して作られる凍みこんにゃくには、生産に適した気候と風土が必要です。夜間に凍ることはもちろん、日中には溶けなければなりません。また、雨が多いと乾燥が進まず、風が強ければ乾燥し過ぎる。本当に限られた地域だけで生産される食材なのです。

また、作り手の労力もかなりのものです。寒さが厳しい冬の山間で、毎日、こんにゃくに水をかけ、時期をみては裏返す。生産が可能な12月の中旬から2月いっぱい、まったく手を抜くことはできません。高齢化が進む農村部で、生産者が激減したのは無理のないことなのかも知れません。

 

凍みこんにゃくに込めた農民への思い

4コマ・マンガ「ガマくんとローズくん」

一説によると凍みこんにゃくは、江戸時代中期の1771年(明和8年)に茨城県常陸太田市天下野町(旧・水府村天下野)に伝えられたといいます。製法を持ち帰ったのは1752年(宝歴2年)、久慈郡天下野村(現・茨城県常陸太田市天下野町)に生まれた木村謙次。全国的には江戸時代の医師、または、蝦夷(現・北海道)を調査した北方探検家として有名な人物です。

謙次は幼い頃から読書に励み、16歳で学問の道を志しました。その後、医術を修め、京都や水戸藩の名医について修業を積み、多くの学者と交友を重ねることになります。その出会いの中で、政治や社会の動きに大きな関心を持つようになりました。そんな中、謙次を取り巻く社会情勢は、大きな危機に直面します。日本近海にたびたび外国船が現れ、ロシアの使節団が根室に来航し通商を迫ってきたのです。ことの重大性を感じた水戸藩は、北方警備の重要性を考え、謙次を含む調査団を蝦夷に派遣しました。10カ月にわたるこの調査記録は、後に「酔古日札」という書物にまとめられています。

日本の未来を憂えた謙次は、国防だけでなく、農政問題の改革に関しても書物を残しています。特に有名なのが「農政論」。貧しい農民の生活を救済するための政策を書いた書物です。凍みこんにゃくには、ふるさとで働く農民たちに対する謙次の思いが詰まっているのかも知れません。

 

家庭の温もりを乗せて食卓を彩る

凍みこんにゃくの調理法で、最も一般的なのが“煮しめ”です。もともと凍みこんにゃくには、味や香りがなく、なんとも言えない新鮮な食感を楽しむ食材。砂糖、酒、しょうゆ、みりんなどで味付をして、ご家庭の味を楽しむのが一番です。最近はその他にも“天ぷら”や“フライ”また“お吸い物”の具など、さまざまな調理法が考案されています。また、カロリーゼロで繊維質やカルシウムを多く含む凍みこんにゃくは、優れた健康食品。乾燥状態を保てば、50年経っても食べられる優れた保存食でもあります。

凍みこんにゃく料理凍みこんにゃく料理

 

凍みこんにゃくはこんなことにも使えます

洗顔用スポンジとしても使えますさらに凍みこんにゃくは、洗顔用スポンジとしても使用できます。10分程度、水かお湯につけ、充分にアクを抜けばできあがり。水でもどした凍みこんにゃくは、柔らかい海綿状になりきめ細かく肌に優しいスポンジになります。使用後は陰干しをして、保存してください。使用回数は気温により変化しますが、高温になりやすい夏場は傷みに注意が必要です。ただし、まれに肌に合わない場合があるので、刺激を感じたらすぐに使用を止めましょう。使うのは通常の凍みこんにゃくでもいいのですが、写真のような商品も販売しています。「水府の生娘」いかにも肌触りのよさそうな素晴らしいネーミングです。

 

大変手間がかかっている食材なので、昔は冠婚葬祭や田植えのときしか口に入らない高級品だった凍みこんにゃく。しかし、その生産量は減少する傾向にあります。その原因の一つが、地球温暖化による異常気象。奥久慈特有の自然環境を活かして作る凍みこんにゃくは、天候や気候の変化が生産量を大きく左右するのです。凍みこんにゃくが本当に幻となってしまう前に、ぜひ一度ご家庭で調理し、家族みんなで味わってください。

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