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更新日:2015年4月1日

情報021:日本初のユニバーサルビーチ誕生物語

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情報021日本初のユニバーサルビーチ誕生物語

『ユニバーサルビーチ』として注目を集める大洗サンビーチ

大洗サンビーチ

安全で安心な日本初のユニバーサルビーチ

海水浴シーズンになると、茨城県内・外を問わず、たくさんの人が訪れる大洗サンビーチ。遠浅で波も穏やかな海として、首都圏を中心に有名な海水浴場です。しかし、それだけではありません。全国でも数少ない日本初の『ユニバーサルビーチ』として注目を集めているのです。

更衣室

ユニバーサルビーチとは、お年寄りや身体に障害を持った方でも、不自由なく楽しめる海水浴場。バリアフリーのアイデアも、随所に取り入れられています。例えば、駐車場から砂浜までの段差や溝をなくし、なだらかなスロープで動線を確保。これにより、車椅子での移動が可能になりました。また駐車場自体も一般用とは違い、砂浜に最も近い位置に通常より広いスペースを用意。

障害者手帳を提示すれば、1日中、駐車料金も無料です。その他にも、車椅子でもゆったりと利用できる更衣室やトイレを設置するなど、利用者の立場に立ったアイデアが盛り込まれています。

特殊車椅子『ランディーズ』

特殊車椅子『ランディーズ』

 

さらに、車椅子の利用者から好評なのが、水陸両用の特殊車椅子『ランディーズ』。タイヤが空気を入れたゴムでできているため、砂浜に埋もれることなく快適に移動することが可能です。貸し出しは無料で、現在は19台が稼動。「海の中に入り、少し浮くことができたので、泳いだ気分になって良かった」など、利用者から喜びの声が寄せられています。また、普段はライフセーバーが講習会などを行う、教育エリアという遊泳区域も開放。一般の海水浴客が入ってこない、危険の少ない浜辺を希望者に提供しています。

また、駐車場から浜辺までの誘導などは、すべて地元のライフセーバーが補助。浜辺での監視を含めて、常時、約30人のライフセーバーが安心して楽しめる環境を整えています。ハードだけではないマンパワーの充実が、ユニバーサルビーチには必要不可欠な要素なのです。

海を愛するライフセーバーの挑戦

大洗サンビーチが、ユニバーサルビーチとしてオープンしたのは1997年のこと。その陰にはひとりのライフセーバーの海に対する思いがありました。

足立正俊さん

足立正俊さん

 

それは、1996年の暑い夏のこと。『大洗サーフ・ライフセービング・クラブ』の足立正俊さんがパトロールから帰ってくると、炎天下の中、駐車場で子供の車椅子を押す母子に出逢いました。汗をびっしょりかいたお母さんに「着替えたらどうですか?」と声をかけると、「車椅子で着替えられる施設がないんです。それに、車椅子を預かってもらえる場所も…」。普段から、誰もが安全に海を楽しむことをテーマに活動している足立さんは、その一言に大きなショックを受けました。

それから、ユニバーサルビーチに向けての取り組みが始まりました。最初はライフセーバーたちがボランティアで始めた活動も、すぐに大洗町や地元の工務店の方々などが賛同。試行錯誤を繰り返しながら、より安全で快適なビーチづくりが進められることになります。

ライフセーバー

しかし、問題もありました。なにしろ日本初ですから、参考になるビーチはありません。障害を持つ方々に直接アンケートを実施し、快適な環境を整えるため試行錯誤が繰り返されました。またトイレや更衣室などを設置する土地は、茨城県から借りている土地。海水浴期間が終わったら、施設を撤去しなければなりません。そこで建物を仮設式にし、約40日間のシーズンだけ設置することにしました。こうして、日本初のユニバーサルビーチが茨城県・大洗に誕生したのです。

 

浜辺のバリアフリー化が全国的に高く評価

4コマ・マンガ「ガマくんとローズくん」

こうして地域が一体となって作り上げたユニバーサルビーチは、全国的にも高い評価を得ています。2003年には特定非営利活動法人ユニバーサル社会工学研究会が主催する『水辺のユニバーサルデザイン大賞2003』で大賞を受賞。障害者と健常者とが互いに思いやり、自然の大切さを学ぶという取り組みが認められました。また2007年には、大洗サーフ・ライフセービング・クラブが『平成19年度バリアフリー化推進功労者』として内閣府特命担当大臣表彰奨励賞を受賞。ユニバーサルビーチ誕生10周年目に手にした、記念すべき表彰です。

「ユニバーサビーチルの第1段階は、障害者の人に海に来てもらう。第2段階は、プラスαで楽しんでもらう。そして車椅子の人がライフセーバーになる。これが目標です」。足立さんは、大洗サンビーチの目指す方向をこう語ります。本当の意味でのユニバーサルビーチは、誰もがあらゆる枠組を超えて海の楽しさを味わえるビーチ。車椅子の方がライフセーバーになって車椅子の方の安全を守るというのは、まさに、その象徴的なことでしょう。

海水浴シーズンには障害者参加で行われるフラダンス教室など、さまざまなイベントも企画している大洗サンビーチ。誰もが安心して海を楽しめる日本初のユニバーサルビーチに、ぜひ遊びに来てください!

 

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