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更新日:2015年4月1日

情報032:茨城県に完成した、世界で1番高いエレベーター研究塔

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情報032茨城県に完成した、世界で1番高いエレベーター研究塔

地上高213メートルのエレベーター研究施設G1TOWER

ビルやデパートなどで、日常的に利用することの多いエレベーター。快適に各フロアーを昇降する手段として、近代建築にはなくてはならない存在です。そして、そのエレベーターを研究・実験するための、世界一高い塔が茨城県に建設されました。それがひたちなか市に完成した、日立製作所の「G1TOWER(ジーワンタワー)」です。

G1TOWER

G1TOWERとは、世界一(G1:グローバルナンバーワン)のエレベーター技術および製品を生み出すと言う決意を込めて付けられた名称で、その高さは、なんと地上高213メートル。ここでは1分間に1,080メートルという世界最高速で運行するエレベーターの実証実験や、世界最大級となる積載質量5トン(定員約70名)で1分間に600メートルの速度で運行する、高速・大容量エレベーターの製品開発などが行われます。。

例えば、安全装置のひとつであるエレベーターかごの非常止め装置の場合、定格速度1,080メートル/分の条件で設計通りに機能するかどうかを実験することができます。具体的には、試験専用のかごを落下させ、建築基準法で定められた動作速度に達した時点で正常に非常止めが働き、かごが設計通りに停止するかどうか確認することができるのです。

 

G1TOWER

また、エレベーターの乗りかごはガイドレールに沿って昇降するので、エレベーターが高速走行するとガイドレールの微小な曲りなどの影響で乗りかごに振動が起きることもあります。そこで、このG1TOWERでは、振動を低減して乗り心地を向上させる制振装置の開発も行います。また、高層ビルなどでは地上階と高層階の気圧が異なるため、エレベーターが高速走行中に乗客に耳詰まり現象が発生することがあります。その耳詰まり現象を抑制するために気圧を制御する、かご内気圧調整装置の開発なども行います。

G1TOWERでは、製品化間近の試作エレベーターや近い将来に製品化するエレベーターの実験なども行われます。もちろん、さまざまな実験を行っていくうちに、設計時には分からなかった想定外のことも起こりえます。そのような問題が起きた場合、調整や設計変更などを行い解決することがこの研究棟の役割。そして、すべての調整および試験が完了した後に、エレベーターは製品としてビルや建物に設置されているのです。

 

人や環境に優しいエレベーターを開発

4コマ・マンガ「ガマくんとローズくん」

この研究棟では、他にも、昇降路の省スペース化などにも取り組んでいます。ビルや建物のオーナーにとって、建物の内部はできるだけ広く活用したいもの。設備の一つであるエレベーターの機械室や昇降路面積も、できる限り小さいほうがメリットは大きくなります。

もちろん、定格速度や積載量を小さくすればいいのですが、それでは輸送能力が低下するというデメリットが発生することも事実です。そこで、エレベーターの定格速度や積載量を変更せずに、機械室や昇降路面積を小さくするのが省スペース化の技術。エレベーターの輸送能力はそのままで、ビルや建物の有効スペースを広くするための研究・開発です。

また、地球温暖化防止の一環として、エレベーターにも環境への配慮が求められています。そこで日立製作所では、エレベーターの省エネ化を推進。かごの軽量化に向けた技術開発やかごを昇降させる巻上機の小型化をはじめ、部品を少なくすることによる省資源化、モーター駆動に効率の高いインバーター制御方式の適用、乗り場ボタンやかご内照明へのLEDの採用など、さまざまな角度から、省エネ化に向けた技術開発が行われます。

その一方、従来から誰もが安全で快適にエレベーターを利用することができるよう、バリアフリーへの取り組みも進められています。これまでにも、車椅子に乗ったまま操作できる乗り場ボタンや、エレベーターの運行状況を音声案内するシステムなどを開発。他にも、ハイコントラスト凸文字ボタンや大きさに差をつけた開閉ボタンなど、見やすく、触って分かりやすいユニバーサルデザインも積極的に採用しています。

さらに、地震が発生したときでもエレベーターを安全に運転可能にするための技術や、ドアに挟まれることを防止する技術の研究なども行われ、エレベーターの安全性は日々向上しています。

 

世界最初の近代エレベーターが茨城県に!?

好文亭

好文亭

 

また、茨城県はエレベーターとのゆかりの深い県でもあります。なんと日本最初のエレベーターが、茨城県に存在するのです。そのエレベーターが設置されているのは、1842年(天保13年)に水戸藩藩主・徳川斎昭が創設した偕楽園の好文亭。食事などを運ぶ小さな運搬機が、日本エレベーターの元祖とされています。このエレベーターは手動ですが、構造はつるべ式で、1903年に欧米で開発された近代エレベーターと同じ原理で作られていました。「世界に先駆けて発案された近代エレベーター」と言えるかも知れません。

 

最先端技術を搭載したエレベーターが茨城県から世界へ

地上213メートルという高さのG1TOWERには、その建物自体にもさまざまな工夫が凝らされています。設計時には「台風などの強風が建物に吹き付けたときによる揺れを軽減する」という課題もありました。その課題を解消するため、建物の中央部に風穴を開口。また、建物内に制振装置を設置することによって、風による建物の揺れを軽減することに成功しています。

そして2010年夏には、中国・上海の生産拠点で、中国一の高さとなる172メートルの研究塔も完成。中国市場でのエレベーターの高速化に対応した機種の拡大に向けて開発が進められます。

時代は流れ、近年、世界的に建築物の高層化・大規模化が進み、中国をはじめとする新興国ではエレベーター市場の拡大が予想されています。そして、中・高層オフィスビルや大規模複合施設などでは、一度に多くの乗客を安全かつ快適に運ぶことのできる高速・大容量のエレベーターの需要が増加しています。

この茨城県にあるG1TOWERで研究・開発されたエレベーターが、世界の建物で活躍する姿を想像してみてください。遠く離れた大都市や観光地が、少しだけ近くに感じられませんか?

取材協力

株式会社日立製作所(外部サイトへリンク)

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