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更新日:2015年4月1日

情報047:日本最大規模の競走馬のトレーニング・センター

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JRA美浦トレーニング・センター

2000頭と5,000人が生きるコミュニティ・タウン

美浦トレーニングセンターの写真

総面積2,240キロメートル2、実に東京ドーム48個分の敷地を有する美浦トレーニング・センター。
南馬場と北馬場の二つの広大なトラック調教コースには、芝、ダート、ウッドチップの他にも、電線被覆材・ポリエステル不織布・ポリウレタン繊維・硅砂・ワックスなどを混合したニューポリトラックのコースも存在します。このニューポリトラックは、クッション性やグリップ力に優れた素材。
平成19年、日本初のニューポリトラックコースの馬場が美浦トレーニング・センターで開場されました。

 

平成5年に南馬場に新設されたウッドチップの坂路馬場は、当初800mでしたが、2004年には1.5倍の1,200mへと延長されたのです。幅は12m、高低差は何と18m。坂路の性質上、平地を走るよりも前足の負担を軽減し、競走馬に重要な後ろ足をしっかり鍛えます。坂道を上るため、心肺機能の向上にも役立つという、今や不可欠の調教馬場です。ICタグに反応し、ハロン(200m)ごとのラップライムが坂路タワーのモニターに表示されるなど、最新のテクノロジーが駆使されています。

他にも、競走馬スイミングスクール、芝とバーク(杉の皮)の森林馬道、馬にとっての総合病院である診療所など、各施設の充実ぶりに驚かされます。

ただ、施設の充実は、約2,000頭を収容可能な馬にとってだけの話ではありません。調教師・調教助手・厩務員・騎手など美浦トレーニング・センターで働く人々および家族、約1,500世帯・約5,000人のために設定された診療所やスーパーマーケット、野球グラウンドやテニスコートなどの運動施設も揃っているのです。美浦トレーニング・センターは、一つのコミュニティとして“小さな街”を形成しているといって差し支えないでしょう。

 

内定から10年超、困難の果てに開場を実現

JRAのトレーニング・センターは、関東地方と、関西地方の滋賀県栗東市の二つの地域に存在しています。では、なぜ、関東地方のトレーニング・センターが茨城県稲敷郡美浦村にあるのでしょうか。その歴史を紐解いていきましょう。

もともと日本の競馬は、レースを開催する競馬場で、競走馬を管理し、育成から調教までを行なっていました。しかし昭和30年代に入り、日本経済が発展していくのと時を同じくして競馬人気は高まりを見せていきます。競走馬が増えるに従い、厩舎不足、調教施設の狭隘(きょうあい)化が深刻な問題になるのと同時に、競馬場周辺の環境問題が取り沙汰されるように。これらの背景に、昭和30年代後半、「トレーニング・センター構想」が生まれます。

レースとサービスに特化する競馬場。もう一方は、一定の自然環境の中、競走馬が常駐し、調教や育成に専念できる、トレーニング・センター。
この二つを明確に分けるという考えです。

その考えに則って、中京・京都・阪神の競馬場の競走馬を集めた関西地区と、東京・中山の競走馬を集めた関東地区とに分類し、各トレーニング・センターの用地選定に入ります。関西馬のためのトレーニング・センターは、滋賀県の栗東町(当時)との話し合いがスムーズに進展。昭和42年の敷地造成の2年後である昭和44年には、栗東トレーニング・センターが正式に開場を果たします。翌昭和45年には関西の競走馬と厩舎関係者全ての大移動が全て完了するのです。

4コマ・マンガ「ガマくんとローズくん」

一方、関東地区の候補地探しは容易ではありませんでした。計60カ所以上に及ぶ候補地の数々。ちなみに県別の内訳は、東京9、神奈川11、茨城14、栃木5、千葉12、山梨1、福島1、ほか。最後に残ったのは、茨城県美浦村、神奈川県横浜市長津田地区、同じく神奈川県の厚木市棚沢地区の3カ所でした。その候補地の中から、霞ヶ浦を望み、農地が少なく整備工事に適したなだらかな山林丘陵地帯であること。さらには地元の誘致が熱心であることが評価され、昭和42年12月、関東地方のトレーニング・センターの場所は、茨城県美浦村へと内定しました。しかしこれは、大きな困難の道のりのスタートに過ぎなかったのです。

用地買収は、一部の地主からの代替地要請などもあり、解決に4年の年月がかかりました。他にも、用水の確保、厩舎子弟の教育問題、そして医療問題など、様々なインフラ整備が予想外の難事業となるのです。
また、昭和48年に始まったオイルショック後の国を挙げての総需要抑制策の影響などで建設計画も二転三転。全ての建設工事が終わったのは、美浦村内定から10年、着工から5年を費やした昭和52年12月のことでした。
建設工事と並行して行なわれていた美浦トレーニング・センターの発足は同年の2月。移転を巡るトラブルも見舞われながら辛うじて解決を見出すことができ、昭和53年4月10日、美浦トレーニング・センターは開場を迎え、本格的な稼働を開始するに至ったのです。

 

最高峰グレードのレースを、直前から贅沢に満喫!

そんな競馬の調教・育成に特化した美浦トレーニング・センターだけに、一般の方には縁のない場所と認識されている方も多いでしょう。
しかし実は、様々な形で、私たちがこの巨大施設を訪れ、時に調教の様子を見学したり、施設巡りをしたり、馬たちとふれあいの時間を過ごすことができるのです。

ここでは、それら魅力的なツアー、イベント、スポットなどを紹介します。

 

まず『G1調教見学ツアー』。G1レース直前週の追い切り調教を見学できる、競馬ファン垂涎のツアーと言っても過言ではありません。メインスタンドの南スタンドから、そうそうたる数の競走馬が調教される風景を満喫。その後は、坂路タワーからの坂路調教を含めた調教見学。特に坂路タワーのベランダからの南馬場の光景は、背景に筑波山も望める絶景です。
次に、バスで移動し、競走馬スイミングプールにてプール調教を見学します。
通常は以上の内容で終了ですが、特定厩舎を見学できるオプションが加わるケースも存在。また、別のオプションとして、当該週の日曜日に関東(東京・中山)の競馬場ご招待席にご招待するものもあります。オプションは開催ツアーによって異なるため、興味をお持ちの方は、JRAのウェブサイトにて、ご確認を。

『G1調教見学ツアー』の開催は、該当G1レース開催直前の水曜日。抽選で、参加できる人数はおおよそ16名前後。応募方法はEメールになりますので、参加を希望される方は、同様にJRAのウェブサイトをチェックしてみてください。
余談になるかもしれませんが、元ラジオ日経のアナウンサー、「さあ頑張るぞ、オグリキャップ」でお馴染みの白川次郎さんが『G1調教見学ツアー』案内のご解説を務めてくれるというから、これは非常に贅沢な時間の過ごし方です。

 

馬とふれあい、施設を知る、豊富なアプローチ。

次に紹介するのは『施設見学ツアー』。ワゴンの案内車両に乗り坂路コースや競走馬スイミングプールを見学、さらには車窓から厩舎地区も眺めることができます(調教風景や厩舎内の見学はありません)。見学日は毎週土曜日と日曜日(8月以外の第2日曜日は除く)。要事前予約の先着順で、定員は6名。なお、施設の見学後に乗馬とのふれあいを楽しむこともできます。

 

競走馬ではなく乗馬とふれあえる、約1時間のイベント『ウマシタ(ファミリーで馬に親しむ日)』。競馬ファンでなくても、家族で気軽に馬との接点を持てる楽しいイベントです。
体験乗馬、乗馬苑厩舎内でニンジンを馬に食べさせたりの他、場合によっては馬車の試乗ができることもあるのだとか。

応募は先着順で、定員は現在20名。8月を除く月の第2日曜日に開催されます。

今後も新しい内容も含め、随時、ウェブサイトにて案内されるそうなので、ぜひ、そちらを参照に、参加したいツアーを検討してみては。

『ウマシタ』イベントを楽しむ場所である乗馬苑。月曜日と火曜日以外は、通常9時00分~17時00分までの時間帯で苑内広場部分が一般開放されています。さらに南調教馬場や厩舎地区などを一望できるターフプラザ(広報会館4階)は、土曜日・日曜日および月曜競馬開催日に9時00分~16時30分の入館が可能。

美浦トレーニング・センター所属馬のG1優勝パネルや、レプリカゼッケン、記念撮影に最適な天皇賞・秋のレプリカゴールゲート、その他の展示物も実に豊富です。その屋外には、やはり記念撮影に絶好なファントピアが存在するなど、美浦トレーニング・センターには楽しい時間を過ごせる理由と仕掛けがたくさん潜んでいます。午年の2014年。関東を代表する……、いえ、日本を代表する最大規模の美浦トレーニング・センターに足を運び、これまで知らなかった奥深い馬の魅力を存分に堪能してみてはいかがでしょうか。

 

美浦トレーニング・センターの簡易年表

昭和43年12月用地売買の契約凍結。

昭和49年10月茨城国体馬術競技を開催。

昭和52年2月組織規定の改正により、美浦トレーニング・センターを発足。

昭和53年3月東京・中山競馬場から人馬の移動を開始。

昭和53年4月美浦トレーニング・センターを開場。

平成3年11月競走馬スイミングスクールを新設。

平成4年10月南馬場Bコースをウッドチップ馬場へと改造。

平成5年10月坂路馬場を新設。

平成9年10月森林馬道を新設。

平成16年11月坂路馬場を800mから1,200mに延長。

平成19年11月南馬場Cコース一部をニューポリトラック馬場へと改造。

平成24年5月乗馬苑を移設。

 

取材協力

JRA美浦トレーニング・センター(外部サイトへリンク)

 

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