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更新日:2015年4月1日

情報048:民間で全国初、女子中学生対象の全寮制サッカー選手育成組織

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小美玉フットボールアカデミー

小美玉市からなでしこジャパンを目指す地域環境

2011年の『FIFAワールドカップ』優勝、2012年の『ロンドンオリンピック』では銀メダルを獲得するなどの活躍から、注目度・認知度を上げ続ける日本女子サッカー。未来のなでしこジャパンを目指す少女が増加しているとはいえ、そんな彼女たちを取り巻く環境は、他のメジャースポーツと比べると決して恵まれたものとは言えません。現に茨城県の中学校で女子サッカー部が存在するのは、わずか4校。もちろん、その傾向は茨城県に限った話ではなく、全国的に見ても成長するための受け皿は非常に少ないのが現状です。

 

そんな状況を打破すべく、『NPO法人小美玉スポーツクラブ』によって2013年4月に開校されたのが『小美玉フットボールアカデミー』です。全寮制および週末宿泊型の形で、サッカーの練習に対し、同アカデミーのメッセージでもある「やりたいこと、全力で。」の想いを持つ女子中学生たちが一生懸命に取り組んでいます。
女子中学生を対象とした、全寮制のシステムを有するサッカー選手の民間育成組織は、全国初です。

『小美玉フットボールアカデミー』の寮は、小美玉市から借りており、もともとは大型ホームセンター『ジョイフル本田』の創始者であり前会長、故・本田昌也氏のご自宅だった建物。「地元の小美玉市を元気にしたい」の想いで小美玉市に寄付されました。ちょうどその頃、なでしこジャパンがワールドカップに優勝したこともあり、本田氏と懇意な間柄にあった筑波大学名誉教授の森岡理右氏(現・小美玉フットボールアカデミー校長)からのアドバイスに沿って『小美玉フットボールアカデミー』は創設に向かいスタートしたのです。

 

文部科学省が推進する、老若男女の誰もが楽しめる総合型地域スポーツクラブ『小美玉スポーツクラブ』と『小美玉フットボールアカデミー』の運営が、『NPO法人小美玉スポーツクラブ』の2大事業。共に小美玉市と強い連携を取りながら、長期的なスパンでの地域に根ざした活動を展開しています。強力なバックアップ態勢は地元自治体だけでなく、筑波大学、彼女たちが通う小川南中学校、地域企業など、実に多くの人々が、未来のなでしこジャパンを見守り、サポートする中、少女たちの「やりたいこと、全力で。」を実践できる環境が整備されているというわけです。

大切なのは、セルフマネジメントの高い意識

初年度2013年の『小美玉フットボールアカデミー』一期生は13名。出身県などの内訳は、地元茨城が7名、福島が2名、長野が1名、神奈川が1名、栃木が1名、親御さんの仕事の関係でジャカルタからの参加が1名となります。全寮生活を送るのは、内9名。県内在住の4名は、ウイークデーには各地元中学校の放課後に保護者の送迎などで練習へ参加し、週末の金曜・土曜にアカデミー寮へ宿泊する週末宿泊型として活動に取り組んでいます。

県内外から全寮制の『小美玉フットボールアカデミー』へ入校した9名に関しては、小学校を卒業してすぐに、親元を離れての寮生活が待っているわけで、そこには多くの戸惑いやさびしさも潜んでいるはずです。逆に言えば「好きなサッカーを頑張りたい」という相当な覚悟が窺えます。寮生活とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

各自の起床時間は自主性に委ねられますが、朝7時には通学の準備を整えたうえで朝食を開始。中学校へ通い、16時には完全下校。そこから1時間はそれぞれの勉強に充てられます。内容は後に記述しますが、17時45分~19時30分までが練習時間。寮に戻り20時15分程からが夕食です。その後は洗濯、入浴などを済ませ、22時には就寝というのが基本的なタイムスケジュールになります。
驚いたのが、洗濯は全て自分で行なうこと。しかしここに『小美玉フットボールアカデミー』らしさを集約させた姿勢があります。スクールマスターとして同アカデミーを統括する松下潤さんが、じっくりと話してくれました。

「彼女たちに成長してもらいたいのは、自分で考え、決断し、行動できるようになる点。自主性を伸ばしていくのが一番。大切にしているのが、時間を含め、自己管理していくセルフマネジメントの部分です。サッカーや勉強はもちろん、起床時の体温計測や体組成計での体重などの測定、食事における炭水化物量の調整、洗濯を自分で済ますこともその一つ。自宅ではどうしても甘えが出てしまいますよね。だからこそ全寮制にも意味がある。寮生活というと時間の管理に厳しいイメージがあるかと思いますが、せっかく本田さんが残してくれたアットホームな住まいの寮なのだから、最低限のタイムスケジュールだけは私たちが決め、それ以外では、自分が何をすべきかを考える余地を与えています。

起床後の朝練習は設定していませんが、芝生の広い庭がありますから、意識の高い子は自主的にトレーニングしていますよね。学業が遅れている子は起きてから30分、1時間と自習もしています。あまりに全体が疎かになっているケースを除き、セルフマネジメントの自主性に任せている部分は大きいです。それが身につけば、サッカーも勉強も含め、何だってできるようになりますから」

 

様々なトレーニングと実践で成長を遂げた一期生たち

『小美玉フットボールアカデミー』がトレーニングするホームグラウンドは、小美玉市のサポート態勢もあり、夜間照明付きの小川運動公園。
他にも、毎週、筑波大学を訪ね、走り方トレーニングを行ないます。

また、バレエのトレーニングで、理想的な身体の使い方・動きづくりにも力を注いでいるのです。これらにはしっかりとした理由が存在。男子に比べ、女子は骨盤が開き、膝が内側に入って前十字靭帯を損傷しやすいため、その予防を兼ね、正しい身体の動かし方を覚えます。姿勢・バランス・柔軟性。怪我なく成長のステップを踏めるようにとの配慮が各種プログロムには敷き詰められています。

次に、おおよその年間スケジュールを説明します。5月のゴールデンウイークに最初の公式戦である『茨城県女子ユース(U-15)サッカー選手権大会』が開催されます。これが全国へと繋がる第一歩で、勝ち上がり茨城県の代表になると、6月の関東大会へ。さらに関東代表になれば、8月に全国大会へ進むという流れです。ちなみに、一期生が臨んだ昨年2013年では、茨城県大会で3位と健闘しましたが、県の代表になることは叶いませんでした。また、毎年、5月後半か6月の前半から茨城県女子サッカーリーグが始まり、7月までの前期、9月から12月ぐらいまで続く後期のリーグ戦を戦い抜きます。2013年に茨城2部リーグに所属した『小美玉フットボールアカデミー』は見事、優勝。そのため2014年からは1部リーグへ昇格し、さらなるレベルの高い闘いを展開していくことになります。

 

地元の食材が育む未来のヒロイン

今年の2014年度には、二期生として6名が入校する『小美玉フットボールアカデミー』。県別の内訳は、茨城2名、兵庫2名、北海道1名、福島1名です。茨城と隣の福島の半数は地域的になるほどという気がしますが、もう半数の兵庫と北海道の出身地にも、実は得心する理由が潜んでいました。ピンと来た方も多いかもしれません。そう、空港が繋がっていることです。茨城空港の存在があったおかげで、3名の少女の「やりたいこと、全力で。」のチャレンジが叶ったことも、非常に興味深いポイントという気がします。

二期生も加え、新しい展開、そしてこれから無限の可能性を私たちに見せてくれるであろう彼女たちを支える、食の部分についての情報も記しておきましょう。口にする物の多くが、メイドイン茨城。米は小美玉産のコシヒカリ、卵も県内で出荷量が最も多い地元小美玉市の養鶏場から、パンやヨーグルトも地元のお店、野菜も地元の直売所から購入します。納豆に関してはスポンサードしてくれている『タカノフーズ』から提供していただいているのだそう。地元の食べ物・企業・人々、ひいては茨城という環境全体が彼女たちをバックアップしているのだよいうことを、改めて感じさせる事象です。活動拠点の茨城の食べ物を食べ、地元のヒロインが育つ。やがて日本を元気にする存在となって、各人の地元地域も元気にする。これはとても夢のある話ではないでしょうか。『小美玉フットボールアカデミー』の大きな活動意義の一つが、まさにこの点へ潜んでいるような気がしてなりません。

 

フットボールアカデミーのこれから

最後に、今一度『小美玉フットボールアカデミー』スクールマスターの松下さんにご登場してもらい、入校からの1年間の総括と、今後の展望を語っていただきましょう。

4コマ・マンガ「ガマくんとローズくん」

「当初、考えていたよりもチームとして結果を残せた1年間だったかなとは実感しています。思っていた以上に選手が頑張ってくれたおかげで結果も伴ったのかなと。春先にはエリートプログラムというトレーニングキャンプに選抜された選手もいます。そういうレベルで戦える選手がもうちょっと出てくればいいとは願いますね。2013年度は茨城県内の対戦が多かったので、今後は関東・全国と自分たちのレベルの差を測れる展開も見据え、今持っている力というものをじっくり見極めていきたいです」

「今後の展望は、予定としてですが、一期生が高校生になるタイミングの2016年に、高校のフットボールアカデミーをスタートしたいと考えています。地域の選定や、学校の受け入れ態勢なども調整する形で。ただ、中学・高校の6年間をこのアカデミーで絶対にやる、ではなく、3年間経った段階で、また違う環境で頑張りたいという子はそれでもいいと思いますし、逆に高校から参加する子がいてもいいと思っています。入ったり抜けたりの刺激を受けながら、さらなる切磋琢磨していく環境も、彼女たちを成長させるはずですから。どのような環境を整えられるかは、私たち大人の課題ですが、いずれにしても彼女たちが、地元を愛し、地元に愛される存在として輝けるよう、これからも選手・スタッフが一丸になって進んでいきたいと思います」

 

 

全力でサッカーに取り組む、彼女たちの声

紺野真優さん:福島県出身、好きな選手は大野忍選手

「全力でサッカーに取り組める場所がなかったことや、放射能の影響のことも考え、お父さんから教えてもらった『小美玉フットボールアカデミー』に来ました。最初はホームシックになったり、それまでしたことのなかった洗濯とかで大変でしたけど、今はもう慣れましたし、逆にみんなと練習できたり勉強したり、毎日が楽しいです。今年はチームとして全国に進みたい。将来的な目標は、なでしこジャパンに入って、ワールドカップやオリンピックで優勝することです」


 

吉岡若菜さん:茨城県在住、好きな選手はスペインのシャビ選手

「週末宿泊型で入校しました。『小美玉フットボールアカデミー』が開校することを知ったのは、ガールズの合宿に来てくれた松下さんから説明されて。それと親がホームページで探してくれて、詳しい内容がわかりました。普通の日は帰りが夜遅くになるし、週末は寮なのでさびしく思うこともあるけど、みんなとサッカーできることが嬉しいです。このチームで、できれば全国に行きたいし、個人としてはトレセン(優秀な選手を日本サッカー協会が育成する制度)にも選ばれるように頑張りたい。将来は、なでしこジャパンに入って、海外でも活躍する選手になりたいです」


 

河部真依さん:ジャカルタでの生活経験あり、好きな選手は川澄奈穂美選手

「小学4年生の時からジャカルタで両親と弟と生活していました。それまでバスケをやっていましたが、ジャカルタに引っ越してできなくなって。その代わりに弟がやっていたサッカーを自分もやってみたら面白かったので始めました。ただ、向こうだと週に1回か2回しか好きなサッカーができないんです。毎日サッカーができる環境で生活したいと思っていたら、お母さんがインターネットで『小美玉フットボールアカデミー』のことを調べてくれました。最初はさびしくてジャカルタの家族のところへ戻りたいと思ったこともあったけど、今は楽しく充実した生活ができてるので、もう大丈夫です。もっと得点の取れるフォワードになりたい。将来は海外で活躍できる選手になるのが目標です」

 

取材協力

小美玉フットボールアカデミー(外部サイトへリンク)

 

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