| 林業普及情報No.21(平成13年3月発行) |
| [ 一般現地情報 ] |
| 1.ボランティアによる森づくり−美和村「百樹の森」−(美和村) |
| 2.ドラム缶による原木マイタケ簡易栽培法について |
| 3.電気炉による竹炭及び竹酢生産と商品開発 |
| [ 技術情報 ] |
| 1.クワカミキリによるケヤキの被害 |
| 2.ムラサキシメジの露地栽培 |
| 3.シイタケの原木栽培における害菌,害虫の発生環境と防除対策 |
| シイタケの原木栽培における害菌,害虫の発生環境と防除対策 | |||||||||||||||||||||||||||||||
| シイタケの原木栽培で子実体の収量や品質を低下させる害菌、害虫の生態や被害実態を調査し、既知の情報と併せて、発生しやすい環境と防除対策を整理した。 1.害菌 害菌は、木材腐朽菌と菌寄生菌に分けられる。 木材腐朽菌の多くは、多種の菌が繁殖していない部分の木材に取りつくため、被害ほだ木などの感染源を放置しないことと併せて、植菌後の環境管理により、シイタケ菌の速やかな蔓延をはかることが第一である。シイタケ栽培用に市販されている殺菌剤は、トリコデルマ属菌を予防するためのもので、多くの木材腐朽菌には、効果は期待できない。 菌寄生菌で重要なものは、トリコデルマ属菌である。トリコデルマ属菌の胞子は、87%以上の湿度条件下で発芽する。防除対策としては、発芽した菌糸は乾燥に弱いため、ほだ場の通風を良くして、ほだ木表面が濡れても短時間で乾くような環境を保つと効果的である。過乾燥などにより、樹皮下のシイタケ菌糸が衰弱しても、大きな被害を受けることがあり、シイタケ菌を健全に育成する管理も重要である。 主な害菌の発生環境は、表1のとおりである。
2.害虫 害虫は、新しいほだ木の害虫、完熟ほだ木の害虫、きのこの害虫に分けられる。 新しいほだ木の害虫は、シイタケ菌が蔓延した部分を加害することはできないため、適切な栽培管理により、早期にほだ化をはかることで加害を予防することができる。 完熟ほだ木の害虫は、朽ち木や腐植層の中で繁殖するため、廃ほだや厚く堆積した落葉などをほだ場やその周辺に放置しないことが大切である。 きのこの害虫は、実害が大きく、多発した場合、防除は難しい。光誘引や木酢液の利用を試みたが、実用的な効果はない。特に重要な種は、シイタケオオヒロズコガとセモンホソオオキノコムシであるが、アザミウマ類やトビムシ類などが突発的に多発して大きな被害を受けることがある。 主な害虫は、表2のとおりである。
きのこ栽培では、シイタケに限らず、使用登録のとられた農薬がほとんどないこと、農薬の使用は健康食品としての大きなイメ−ジダウンになること、きのこが農薬を吸収する性質があるため食品安全性の面からも問題があることなどの理由で、農薬に頼った害菌、害虫の管理はできない。各種の生態を利用した耕種的防除を行うべきであり、それには、防除しようとする種を明確にすることが必要である。 本情報は、林業技術センタ−の研究成果解説No.36,37として発行した。 <林業技術センター> |
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