野生きのこ類の名前を調べる相談と
毒きのこによる中毒発生状況
 各林業指導所やきのこ博士館、林業技術センターで対応した野生きのこの名前を調べる相談と県内で発生した毒きのこによる中毒の概要を紹介します。野生のきのこは、種類を調べ名前を知るのが難しい上、猛毒を持つものもあるので、食用にする場合は、慎重に選別して下さい。
 なお、名前を調べる相談の「種数」は、相談ごとの重複や名前のわからなかったものも積算しています。
・平成22年度

1.名前を調べる相談
 (1)対応件数と種数
    件数: 2,289件   種数:6,898種(うち毒きのこ884種)

 (2)相談の多い種別相談件数(食用,有毒種上位各5種)
    食用:ウラベニホテイシメジ  (509件)
        クリフウセンタケ (277件)
        サクラシメジ (140件)
        ナラタケ (115件)
        ハタケシメジ (112件)

    有毒:クサウラベニタケ  (241件)
        ハイイロシメジ (77件)
        ハエトリシメジ (51件)
        スギタケ (46件)
        カキシメジ (45件)
                
  食用きのこの相談件数の上位5種はいずれも相談件数100件を超えた。特に1位のウラベニホテイシメジは,2位のクリフウセンタケよりも200件以上多い相談件数があり,県民の関心が極めて高いことが示された。4位ナラタケは生で食べたり,食べ過ぎたりすると,腹痛や下痢などの中毒を起こすことが知られているので,注意が必要である。
  毒きのこ1位のクサウラベニタケは食用きのことして人気のあるウラベニホテイシメジと間違えやすく,注意が必要である。2位のハイイロシメジは図鑑によって食用扱いにしているものもあるが,中毒を起こすことがあることが知られているので注意を要する。3〜5位のハエトリシメジ,スギタケ,カキシメジについても,それぞれ近縁種に食用きのこがあるため,慎重な同定が必要である。

2.食中毒発生状況
(1)・10月5日,大子町在住の女性が近所の山林で採取したきのこを調理して食べたところ,嘔吐,下痢などを発症し,病院に入院した。持ち込まれたきのこ断片の形状と胞子の形態から,クサウラベニタケと同定した。

(2)・10月7日,大子町在住の男性が近くの山林で採取したきのこを近所の人にみてもらい,ウラベニホテイシメジとサクラシメジと同定し,翌朝味噌汁にして家族4人(男2人,女2人)で食べたところ,4名とも嘔吐や下痢などを発症し,病院に行った。持ち込まれたサンプルの量が少なかったため,種名は確定できなかったが,胞子の形状と症状から,ウラベニホテイシメジと同属のイッポンシメジ属の有毒種と同定した。

(3)・10月11日,日立市在住の夫婦が常陸太田市の山林で採取したきのこを翌日うどんのつけ汁として食べたところ,嘔吐,下痢などを発症し,病院に入院した。持ち込まれたきのこの形状と症状から,クサウラベニタケによる中毒と同定した。

解説:
 ウラベニホテイシメジと誤同定されたきのこによる食中毒は今年3件発生した。ウラベニホテイシメジの見分け方については当ホームページ(「いっぽんしめじ」の見分け方)に掲載しているので,特徴をよく見て慎重に同定してほしい。クサウラベニタケが近くに生えていることもあるし,典型的な形をしていないきのこもあるので,自信を持ってウラベニホテイシメジと同定できるもの以外は食べるべきではない。人から鑑定を依頼された場合も同様で,自信が持てないものについては,食を勧めることは厳に慎むべきである。

(4)・10月17日に水戸市在住の女性が知人よりもらい受けたきのこを調理し,同僚の女2名と食べたところ,30分後にめまい,吐き気,嘔吐,手足のしびれを発症し,病院に入院した。持ち込まれたきのこの形状から,コテングタケモドキと同定した。

解説:
 コテングタケモドキは有毒きのこが多いテングタケ属の一種である。テングタケ属のきのこには,大型で食用になるきのこもあるが,致命的な有毒種もある。このため,この仲間のきのこの同定には細心の注意が必要である。きのこの鑑定に,しばしば地中に埋まっているツボの部分がないテングタケ属のきのこが持ち込まれることがある。ツボの形はテングタケ属の同定に重要であるため,このような場合は不明種として,食べないように回答している。

・平成23年度

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