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人民元の行方  2-2/2004


香港の銀行の人民元業務が2月25日にスタート

 中国人民銀行(中央銀行)の周小川行長(総裁)は7日、香港銀行が今月25日から、預金や送金といった個人向け人民元業務を開始することを明らかにした。 中国人民銀行は昨年12月、香港銀行での人民元建て決済業務取扱銀行として、中国銀行(香港)を指名していた。
 人民元業務開始により、大陸部と香港の間の経済関連業務や人的往来といった分野で便宜を図ると同時に、香港へ持ち出された人民元を規範的に大陸部へ還流させるねらいがあるものとされる。香港銀行は国務院の批准を経て、香港での預金、為替、バンクカード、送金といった4項目の個人向け人民元業務を取り扱うことになる。
 周・人民銀行長は香港金融管理局(HKMA)の任志剛総裁との会談後に開いた共同記者会見で、香港での人民元業務開始を「中国本土と香港の経済が融合していく過程での必然的な発展」と表現。その上で,「特に問題は出ないと思うが、不確定要素はまだある。運営や決済に当たっては技術的な穴やミスがないかどうが、注意に注意を重ねる必要がある」と語った。周行長はこの日の任・HKMA総裁との会談で、次の段階の人民元業務について話し合っている。
 
HKMAはすでに各銀行に対し、人民元業務の内規とリスク監視システムの確立を求めるガイドラインを出した。香港における人民元決済の指定行となっている中銀香港は、2月9日に決済業務の詳細を発表する予定。また香港銀行協会(HKAB)の王冬勝会長(スタンダード・チャータード銀行取締役兼香港地区最高経営責任者)は2月6日、HKABが人民元業務対策小委員会を設置したことを明らかにしている。

 
香港の銀行が2月25日から始める人民元業務は預金、送金、交換(両替)の3業務で、人民元建てクレジットカードの発行は来月になる見通し。取り扱いを予定している各銀行は、中銀香港の決済業務発表を待ってそれぞれの人民元業務の内容を公表する予定だ。本土資本の銀行であることに加え決済指定行という強みを持つ中銀香港のほか、HSBC、恒生銀行、東亜銀行など主要各行は「人民元業務に対応するコンピューターシステムの準備は完了済み」としている。
 中国で現地通貨⇔外貨の両替は銀行及び銀行の出張所でしか認められないが、香港では一般の両替商が認められており、市内のいたるところで大小さまざまな両替店が営業している。この両替店が今まで人民元の交換業務を実質的に独占してきた。しかし今後は銀行という強力なライバルの出現に直面することになる。8日付星島日報は「規模の小さい両替店のうち20〜30%は閉業に追い込まれるのではないか」という両替店の展望を伝えた。これに対し、両替店では手数料免除や客に優位な換算レートをもって銀行に対抗する考えを示しているという。
 周・人民銀行長は香港での人民元業務開始に関連し、「マネーロンダリング(資金洗浄)については人民銀とHKMAが協力して防止に当たる方針である」と表明、さらに贋札については、「完全撲滅は難しいが贋札偽造防止技術の水準向上を継続していきたい」と述べた。

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人民元切り上げ

 北京の経済新聞「China Business Post」の2月7日付け報道によると、人民元の対米ドル相場は今年3月中に5%切り上げられ、2005年までに最大10%切り上げられると予測した。そして最終的には変動相場制に移行するとしている。もし変動幅が5%に拡大すれば為替レートは現在の8.277元/$から7.887元/$になる。
 しかしながら中国人民銀行(中央銀行)は週明けの2月9日付け、この報道を否定し、「人民元切上げスケジュールは未定であり、China Business Postの報道は何ら通貨切上時期とは関係が無い」と強く反論した。当日の外国為替市場は一時動いたものの、中国政府のコメントを反映して、また先週末の市場価格まで値を戻した。さらに中国人民銀行総裁は、2月11日「人民元相場形成システムを今年改善する」と述べ、年内に何らかの具体的措置を取る方針を示した。
 
さらに2月13日には米国のスノー財務長官が上院議会の席上、中国通貨当局が本格的な改革に動き始めたとの認識を示した。時期については、「中国側からは『直ちに実施に踏み切るわけではない』と伝えられた」とだけ述べた。
 
2月15日付け中国青年報によると、中国が人民元為替相場を解放すると、国内外の投機家が人民元を投機の対象にし、為替相場の大きな変動を生む。さらに銀行から人民元預金が多量に引き出されて預金と貸付金のバランスが崩れ、銀行の危機を引き起こしかねないとの記事を掲載した。
 
Shanghai Business Review紙の「2004年に人民元切上はあるか?」の特集記事によると、同誌が上海市内の114名の外資企業総経理にアンケート調査した結果、人民元切り上げ後、企業のビジネス効果は、「良くなる」と、「悪くなる」がそれぞれ約30%になっており、約40%が「切り上げ後も変わらない」と回答している。つまり業種によって恩恵を授かる企業がある一方、デメリットをもたらす企業も同じ数だけある。しかし平均値ではほとんど変わらないという結果になっており、人民元切り上げは外資企業全体のビジネスには大きな影響は与えないとされる。
 周知の通り、中国人民元の外貨為替相場の基準は米ドルベースとなっている。約1年前15\/元だった円の為替相場は現在円高ドル安の影響で約13\/元となって日中間の通商問題に発展している。一方、日本から中国へ訪れる観光客にとっては人民元両替の際、非常に得なレートとなっており、観光客誘致には高い効果を示している。

参考:人民網、中国情報局新聞、上海デーリー 、時事速報、NNA、Shanghai Business Review

Shanghai Business Review Jan/Febより


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