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2002年12月に、2010年開催の万国博覧会(万博)開催地として上海が選出されたことは周知のとおりだが、当時の熱気をそのまま引き継ぐように、上海を中心として、インフラ整備など国を挙げての万博に向けた具体的な準備が進められている。
空港の拡張や用地の選定など、まさに2003年は上海万博に向けての助走に入った形となった。2003年は新型肺炎SARSのまん延があったものの、マクロ経済は順調な成長を続け、上海を中心とした長江デルタ地域が経済成長のスポットとして脚光を浴び、リニア鉄道の商用化も進んだ。
■ 上海万博運営会社が香港などで株式上場へ
今年5月8日に開催された「万国博覧会と上海の法治化フォーラム」で、2010年上海万博の融資計画を担う上海世博(集団)有限公司(世博集団)の海外における株式上場が実質的な段階に差し掛かっていることが明らかになった。上海万博局の周漢民副局長によれば、世博集団が検討している海外上場については、現在までに候補として米国、英国、シンガポール、香港が挙がっており、上場を順調に進めるために、まず先行してどこか一つの地域で株式を上場させることを検討しているという。周副局長は、現在までに「中国コンセプト」が一部の金融市場で逆風にあり、そのため、世博集団の海外上場も慎重の上に慎重を期す方針を示した。また今後の資金調達について、社債の発行などの方法も視野に入れていることを明らかにした。世博集団は今年2月18日に設立、上海東浩服務貿易(集団)有限公司、上海文広集団、上海国資経営公司、中国貿促会上海分会が共同で出資したもので、資本金は11.1億元。そのうち上海東浩服務貿易(集団)有限公司が8.5億元を出資している。世博集団は上海万博開催のための会場建設などのインフラ整備、企業の誘致や開催期間中の実際の運営を行う。
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上海万博の法整備
周漢民副局長は同フォーラムの席上、「法律に依拠して博覧会を開催するため、立法面で上海は三方面の法律制度を整備する」ことを明らかにした。
三方面とは、第一に知的所有権保護に関する法律制度で、主として上海万国博覧会の名称、博覧会の歌、エンブレム、スローガン、テーマ・フレーズなど、さらに開催過程における各国展覧品に関連する知的所有権に対する保護などがある。また、第二に展覧品の税関監督管理関連、第三に移動、取り壊し関連の法律制度が挙げられている。
また、周副局長は立法過程で法律制度の透明性を重視しなければならないとも語っており、「上海万国博覧会法律法規諮問機構」の設置が検討されている。同機構は上海万国博覧会関連の法律法規の問題に対して回答を行う機関で、博覧会参加各国、各外国企業はスピーディーに中国の関連法律制度の正確な情報を得ることができ、それを参考資料として自己の商業行為を決定することが可能である。周副局長は、「上海万国博覧会の計画準備と開催過程における国際国内商務契約、投融資契約、知的所有権許可協議、特許経営協議、土木工事請負契約、国際貨物売買契約などは8,000余件に達する。そうなれば、必然的にさまざまな法律的紛糾が起きると思う。これらの問題を法に依拠して処理することは、わが国の司法改革を大いに前進せしめることになる」と予見している。さらに、「上海は万国博覧会開催を契機として、公民の法治意識と法律に関する素養を重点的に向上させ、優秀な弁護士群の育成を急ぎ、規範化された法学専門教育を実施する」ことも表明した。
■ 万博会場にリニア鉄道敷設
上海万博事務局の黄健之・副局長は今年4月16日、「2010年上海万博計画設計国際フォーラム」の会場で、上海万博の会場となる「上海世博園」にリニア鉄道を敷設させる計画を明らかにした。
上海リニアは、世界初の商業リニア鉄道で、2002年12月に試運転を開始、2004年1月から正式運行を始めている。しかしながら、ハード面の故障、乗継ぎシステム、高額料金、地盤沈下、駅ロケーションなどが懸案となって経営が伸び悩んでいる。この改善策として今年4月15日から乗車料金(片道)を75元から50元に値下げした効果が出始め、現在、1日当たりの平均乗客数は4,000人を超え、多いときは8,000人を上回っている。
今回の国際フォーラムでは、建築設計士らが上海リニアと万博との関係に言及、上海同済大学でも同園へのリニア開通により、浦東空港からの観光客を効率的に誘導できるとして討論された。また、現代建築設計(集団)公司も、公共交通機関のリニア駅への乗り入れなどを提案。上海万博の開催期間中、集客数はおよそ7,500万人を超え、1日あたり平均乗客数は40万人、多いときでは80万人の客足を予測している。
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Architecture Studio社の上海万博設計
万博建築プロジェクトは国際コンペの結果、フランスのArchitecture Studio社が選ばれているが、同社の基本コンセプトがプレスリリースされたのでここに紹介する。
上海万博のテーマは「快適都市と快適生活」であり、中国及び上海市の歴史に刻まれる大イベントとして位置づけられる。新しい道路、運河のインフラ整備により都市、自然、河、緑地の相互性を高め、都市計画では、都市問題を解決すべく、汚染等について集中的にコントロールする。
この新都市計画は環境にやさしいプロジェクトのである。万博会場は上海市のハートとも言える黄浦江の両側に310haの展示場、126haのアクセスゾーン、保管所、スタッフ宿泊施設を有する。会場建設により、都市ビジョンと未来都市を実感出来る希少な機会となる。浦東、浦西地区は長さ600m、高さ250mの遊歩道「フラワーブリッジ」でつながり、これは万博終了後もイベントのシンボルとして残される。
Architecture Studio社では60名以上の建築スタッフが8名の著名な建築家(M. Robain,
R.Tisnado, JF. Bonne, A. Bretagnolle, RH. Arnaud, LM. Fischer, M. Lehmann, R.
Ayache)をサポートする。同社はストラスブールの欧州会議場、パリ・コボナンのアーク教会、パリ世界アラブ会館、最近ではパレゾーにあるダノン・グループ研究開発センターを設計した実績を持つ。また現在はアテネの文学芸術オナシス財団記念館、上海Wisonグループの本部、TourcongのNational Custom学校などのプロジェクトについても受注している。
世界的に知られている港町上海は、古くから河川を通じて物資の交易点として繁栄してきた。経済発展と共に新しい文化が取り入れられて、新しい都市が建設されている。一方、中国の古い文化は今なお継承され、それらが近代都市とうまく融合している。上海はこういった面を持つグローバル都市である。ここ上海の未来のスケッチは、河川港町の古い文化を雄大な上海市街が包み込むというコンセプトである。市街地の構築物はパブリックとプライベートがあるものの、それら全てが複合して快適な生活環境を形成している。上海万博はまさに「流れる空間」となり、新しいスポットを世界に示すものである。産業発展のプロセスを残しつつ、新しい人間社会と都市空間を全世界に考えさせる。Architecture Studio社が提出した2010年上海万博会場のイメージは遠近双方からデザインされ、テクノロジーを駆使して作成されている。中国伝統文化にマッチして作られる会場は中国社会に受け入れられるものとなろう。結論付ければ、万博が上海に残すものは形跡でなく、本質の重要性である。この本質が万博の基礎であり、基本要素となって上海ハートの発展を促すことになるのである。
上海市が選んだ万博プロットプランは次のとおり。
・会場は黄浦江をはさんだ形で建設する。
・上海、中国をはじめ、世界から集まる百万単位の訪問者の受入体制と宿泊設備を確実なものにする。
・万博テーマ「快適都市と快適生活」を、万博終了後も上海市民の都市生活に活かす。
・自然(黄浦江)と創造(道路・橋梁)とが交差する場所に会場を設け、訪れる客に強い印象を与える。
・浦東空港から会場に直接アクセスできるシステムを構築する。
・万博を訪れるクルーズ客船用の停泊地を設置する。
・交通インフラを整備し、会場を含む市内の交通機関のネットワークシステムを構築する。万博終了後もこのシステムは継続される。
・上記によって次のものが達成される。
-上海万博2010の成功
-上海の新都市としての発展、成功
都市環境インフラについて言えることは、都市構築に必要なものは、単なる技術的問題の解決でもテクノクラシーの問題でもない。今の世界は複合的な同時進行型世界である。テクノロジーは日々の生活と共に、現在を通り越して先へ先へと進んでいる。
世界中の人々の注目を集める「快適都市と快適生活」建設の基本は、複合住宅建設と都市建設を対面させることにある。これは自然と人間との共存であり、都市発展を支えるもののひとつである。
現代の都市は自然を見落としているが、Architecture Studio社がデザインする街は自然を編み込むものである。また最新のアメニティ空間であるこの街では、自然とふれあいながら人と人のやりとり・人々の安らぎ・コミュニケーションが芽生える。Architecture Studio社の環境提案は都会のハートに自然を融和させることにより、その環境インフラが交通・通信インフラと同様、恒久的に重要な構築物となることである。
参考: 中国情報局新聞、人民網、Architecture Studio社プレスリリース
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