上海経済データ

日本に対する意識調査データ 1/2005


概要

2004年は日中間摩擦が顕著に現れた1年だった。2004年明けに行われた小泉首相の 靖国神社参拝に始まり、アジア杯サッカー試合での日本攻撃、中国の東シナ海ガス田開発、中国原子力潜水艦による領海侵入、 対中ODA論議、台湾の李登輝氏への訪日ビザ発給など、日中間の摩擦を生じる出来事が相次いだ。中国社会科学院が行った調査に よると、「日本に親近感がない」が31.2%、「全くない」が22.4%で、合計53.6%の人達が日本に親近感を持っていない事が分った。
 この世論調査結果を詳細に見ると、国内各地によって対日本観が微妙に違うことが判る。上海市と四川省では親近感が比較的 高い一方で、黒竜江省や天津市で親近感が無いとする回答が多い。地域差だけでなく職業や年齢層からも対日観が違うこと も明らかになっており、調査結果は今後の日中関係を考える上で貴重な資料となるだろう。

 調査は政府系シンクタンクである中国社会科学院日本研究所が 行ったもので、2004年11月24日付中国青年報にその内容が掲載された。調査では、「全く親近感が無い」「親近感が無い」とした 回答が全体の53.6%に上り、前回調査(2002年)より10.3ポイント上昇しており、対日世論が悪化していることを裏付けた。 「非常に親近感がある」「親近感がある」は合計で6.3%にとどまった。

 調査では、「全く親近感が無い」「親近感が無い」とした 回答が全体の53.6%に上り、前回調査(2002年)より10.3ポイント上昇しており、対日世論が悪化していることを裏付けた。 「非常に親近感がある」「親近感がある」は合計で6.3%にとどまった。

上海では親近感

調査結果によると、全国では6.3%にとどまった「親近感がある」との回答は、上海市では17.8%に 上っており、平均の3倍近くとなった。四川省は「非常に親近感がある」だけで5.6%と全国トップを記録。「親近感がある」も 加えると、全体で上海に次ぐ16.9%となった。割合は依然少数派ながらも両地域で日本に比較的好印象を持つ中国人が多いことを 裏付けている。一方、親近感が無いとの回答は、黒竜江省が「無い」「全く無い」を合わせて71.1%に上り、全国平均を17.5 ポイント上回った。天津市でも69.8%に上り、両地域の調査対象の約7割が親近感を持っていない結果となった。
調査報告書では、「同じ政府直轄市で上海と天津に大きな差が出た原因について、研究する必要がある」と述べるにとどまり、 直接の原因については言及していない。地域差については、歴史的背景や日系企業数との関連など様々な要因が考えられるものと 見られるが、広大な国土で対日観に差があることを示した結果といえる。

日本人に顔を背けるヤングは少なくなった

若年層の意識

年齢別でみると、20歳以下の年齢層の9.8%が「非常に親近感がある」、「親近感がある」と回答。 全年齢層で最も数値が高かった。「親近感が無い」「全く無い」の合計も47.5%と平均を下回り、これら若年層で対日観が 比較的良好なことを示した。

職業別でも学生の10.6%が、親近感があると回答している。 愛国主義教育で反日の姿勢が強まっているとみられていたが、調査結果を見る限り、若年層での反日意識が一定のレベルでとどまって いることを示している。背景には、中国でも衛星放送やインターネットなどの普及により、情報が偏りなく世界レベルで入手できるように なってきた事がある。また外国留学者や外国勤務者が中国にブレーンとして戻ることが多くなってきており、併せて外国語教育も 普及し、外国の情報をダイレクトに取り入れる事ができる人達が増えてきていることがあげられる。

良好と悪化は、ほぼ同率

親近感が薄れる対日観だが、現在の日中関係について、「非常に良好」、「良好」との回答は21.1% だったが、「悪い」、「非常に悪い」は24.5%にとどまり、良好・悪化の割合はほぼ同率となった。43.8%が「普通」ととらえて おり、日本には親近感が無いとする調査結果ながらも、日中関係についての悪化イメージはそれほど強くないことを示したと いえそうだ。かつて中国という広大な国家を取り纏めるにはターゲットが必要であり、さらにこのターゲットは外にあったほうが いいので、これが反帝国主義や抗日という形になって世代を超えて受け継がれてきた。しかし改革開放政策が始まり、 世界の情報が瞬時に行き交う現代社会では、個人の主観で物事を判断するようになってきている。「良好」と「悪い」が同率に なってきているのは当然の結果だといえよう。

欧米には、より親近感

中国人は一昔前の日本人のように欧米にコンプレックスを持っている者が多く、これが欧米に親近感をもたらして いる。また欧米文化を受け入れている社会現象も多い。例えば、仏教徒ながら英語のクリスチャンネームを持っているヤングが多く、 キャシーとかジャクリーヌとかのニックネームを自分に付けて呼び合い、堂々と名刺にまで刷り込んでいる。中国人の名前は外国人にとって呼び づらいのが理由だとされるが、真由美とか有紀とか日本の名前を付ける中国人は皆無なのは確かである。また日本語習得はビジネスが 主目的だが、英語はビジネスのほか教養の習得でもあるとされる。

欧米人は日本人より受容れ易いらしい

所感

 上海市内の一般外国人向けの商店・飲食店・娯楽施設などに 行った場合、我々が日本人として区別されることはなく、単なる外国人として中国人に見られているようだ。顔馴染みになって 初めて国籍を聞かれる程度であり、要するに我々は外国人の範疇のひとりであり、国籍には全く興味がないのが上海市民のほとんど であろう。だから調査結果において「普通」のパーセンテージが高いのは納得できる数値だ。また国籍に何ら興味を持たない市民がアンケート に答える率が低い反面、日本人を知っている者は必ず回答するので「親近感が無い」とする回答が多いのも当然の結果であろう。

参考: NNA


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