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更新日:2015年3月1日

地震及び原発事故に伴う本県農産物の技術対策について(第2報)

公開日 2011年4月8日

このたびの東北地方太平洋沖地震及び東京電力福島第一原発事故により本県農産物に大きな被害や影響が及んでいます。これらの被害や影響を少しでも軽減できるよう技術対策をとりまとめましたので,今後の営農に活用ください。
なお,今後,情報の集積状況などに応じて順次更新してまいります。
※太字は、第1報からの変更・追加情報となります。

水稲

1 地震災害対策

地域によって状況が異なりますので,水田への通水時期については,土地改良区と調整のうえ,浸種作業を行ってください。

(1)田植えの遅延対策について

田植え時期が遅くなると,水温や気温が上昇するので,浸種や育苗の期間が短くなります。また,6月中旬以降の田植えでは,中苗を用いることにより収量を安定させることができます。このため,田植え時期に合わせた苗の準備を行ってください。

<田植え時期別の育苗準備期間の目安>

田植え時期

苗質

浸種

催芽

播種~田植え

全体

5月上旬

稚苗

10日

1日

20~22日

31~33日

5月中旬

稚苗

8日

1日

18~20日

27~29日

5月下旬~6月上旬

稚苗

8日

1日

15日

24日

6月中旬

中苗

8日

1日

30~35日

39~44日

6月下旬

中苗

8日

1日

25~30日

34~39日

(注)浸種時の水温は、5月上旬移植の育苗が12℃、それ以降は15℃とした。

  • ア 気温が高くなると,苗の徒長や苗やけが発生しやすくなるので,温度管理に注意してください。
  • イ 中苗育苗は,箱当たりの窒素量を稚苗育苗の1/3に減らし,播種量は乾籾で80~100gの薄播きにします。
  • ウ 移植時期と収量の関係について
    • あきたこまち
      4月下旬の田植えに比べ,5月中下旬の田植えでも5%程度の減収に抑制できます。
    • コシヒカリ
      5月上旬の田植えと比べ,5月下旬で5%程度の減収に抑制できますが,6月下旬でも中苗密植にすれば15~20%減収にとどまります。
      なお,コシヒカリの地域別の田植えの晩限は以下のとおりです。

2)液状化等被害水田の対策について

  • ア 被害程度が小さい場合
    田面の高低差が10センチメートル未満なら,代かきによる均平作業で修正できます。
    液状化をおこした圃場では,噴砂を表土と混合します。整備後に土壌診断を行い,土壌改良資材や肥料を施用します。
  • イ 被害程度が大きい場合
    高低差が10センチメートル以上ある圃場では,レーザーレベラー等による再整備が必要になります。

(3)塩害軽減対策について

海水の流入した水田は,灌漑水で湛水と落水を数回繰り返し,塩類を洗い流します。さらに,代かきをしてから落水すると,除塩効果が高まります。除塩が必要かどうかはEC値により判断できますので,農林事務所経営・普及部門又は農業改良普及センターにご相談ください。

 

地域

稚苗

中苗

県北、県央、鹿行北部

6月第5半旬

6月第6半旬

鹿行南部、県南、県西

6月第6半旬

7月第1半旬

(4)水稲が作付できない場合の作物導入について

仮に田植えができない場合であっても,大豆,そば,麦類等の作付けが考えられます。
これらの作物は湿害に弱いので,作付けにあたっては農林事務所経営・普及部門又は農業改良普及センターにご相談ください。

野菜

1 原発事故対策

(1)共通事項

植え付け時はなるべくマルチを利用し,野菜への土の付着を少なくします。
出荷調製時には,野菜に付着した土やほこりを良く取り除き,可能な場合は洗浄してください。さらに,葉菜類については,外葉をできるだけ取り除いてください。

(2)施設野菜

換気により大気中の放射性物質が施設内に取り込まれる可能性がありますので,換気にあたっては風向きに注意し,必要最小限にとどめてください。換気扇等を用いた強制換気は行わないでください。

(3)露地野菜

粉じん等を避けるため,なるべくべたがけ資材を利用してください。
収穫中は,収穫物をほ場に長時間放置せず,屋内の施設に取り込んでください。

2 出荷自粛を求められた作目(ホウレンソウ,カキナ,パセリ)の廃棄方法について

出荷自粛を求められている野菜の廃棄は,当面,次の方法により行ってください。

  • すきこみや焼却は行わないでください。
  • すでに刈り取ったものは1箇所に集めて保管してください。
  • まだ刈り取っていないものは,そのまま放置してください。

畜産

1 地震災害対策

(1)給与飼料等の切り替え上の注意

配合飼料等の切り替えが必要な場合は,給餌飼料の急変が家畜へ悪影響を及ぼさないよう徐々に給与割合を変更するなど注意してください。

2 原発事故対策

(1)放牧

放牧は,当面の間,行わないで下さい。

(2)飼養管理上の注意

  • 乾牧草(サイレージを含む)を給与する場合は,事故の発生前に刈り取り,保管されたもののみを使用してください。
  • また,事故の発生時以降も屋内で保管されたものを使用してください。
  • 屋外で保管されたものはラップ等の包材により外気と遮断されたものを使用してください。これらを使用する際は,包材の外装を念のため布でふきとったり,水洗いするなどしてから包材を開けてください。
  • 家畜の飲用水については,井戸水や水道水を利用するほか,貯水槽にふたをするなど降下する粉じんなどの混入を防止してください。

3 出荷自粛を求められた原乳(生乳)の廃棄方法について

  • 出荷自粛を求められている原乳(生乳)の廃棄は,当面,自己所有地に集中的に埋設してください。
  • なお,廃棄に窮する場合には,産廃施設での処分のほか,「急速乾乳法(一発乾乳法)」により乾乳を行うことを念頭に置いてご相談ください。

その他

  • 当面作付け予定のない農地は耕耘・整地などの作業を控えてください。
  • 生産,販売,廃棄に関する記録については,記帳しておくよう注意してください。
  • 原発事故にかかる緊急つなぎ資金(利子助成)が創設されました。詳しくはお近くのJAにお問い合わせください。

農林水産省ホームページに「原子力発電所の事故に伴う出荷制限等への対応に関するQ&A(平成23年4月5日現在)」(外部サイトへリンク)が掲載されました。

URL http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/syukka_kisei.html(外部サイトへリンク)

地震及び原発事故に伴う本県農産物の技術対策について(第2報) (PDF:186KB)

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このページに関するお問い合わせ

農林水産部産地振興課管理

〒310-8555 茨城県水戸市笠原町978番6

電話番号:029-301-3916

FAX番号:029-301-3939

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