地域の蓄財を活かした地域づくり 〜映画『桜田門外ノ変』の試み〜
水戸藩開藩四百年記念『桜田門外ノ変』映画化支援の会  三上靖彦
(株式会社ミカミ 代表取締役)
 昭和の時代から平成へ,また20世紀から21世紀へ。今,時代は政治的にも経済的にも大きな変わり目を迎えています。地域づくりの現場も同様です。大規模な郊外開発の時代は終わり,小規模でもっと身近なところの整備の時代になりました。また,新しい魅力を導入する時代は終わり、地域がもともと有する既存資源を活かす時代になってきました。つまり,人工的な建造物による地域づくりではなく,もともとその地域にある資源,すなわち歴史や文化,自然,伝統などを活用した地域づくりが求められています。時間とともに古くなり価値が減少する「消耗品」の時代から,時間とともにその存在価値が増してくる「蓄財」の時代への転換でもあります。


 また,地域主権の時代が到来しました。国のルールはともかく,茨城としての有り様が求められています。

記者会見中の佐藤純彌監督,大沢たかおさん,北大路欣也さん
 私は現在,『桜田門外ノ変』映画化支援の会の事務局長として,「映画づくりから始まる地域づくり」を進めています。大型時代劇映画『桜田門外ノ変』は「地域発案型の映画」として注目を浴びています。東京の大手配給会社や制作会社と地方が良きパートナーとして映画づくりを進めています。大沢たかおさん主演のこの映画は,今年10月中旬に封切られます。全国200館以上の映画館で大々的に上映され,配給の東映では200万人以上の動員を想定しています。

 『桜田門外ノ変』は今年の1月20日にクランクインし,高萩市の穂積家住宅を皮切りに,日立市,大子町,常陸大宮市,那珂市,城里町,水戸市,茨城町,かすみがうら市,行方市,常総市,つくばみらい市などでロケが行われました。

 このプロジェクトはしかし,映画を作ることが目的ではありません。映画の力を借りて、茨城を元気にしよう,というプロジェクトです。映画の持つ大きな求心力と波及効果を活用し,茨城県の有する歴史,文化,自然,伝統などの蓄財を大切にした地域づくりを推し進めていこう,というものです。

一般公開中のオープンセット

オープンセットにはたくさんの方が来場されています
 地域の蓄財を活用したそれぞれのロケ地では,俳優さんや女優さんとの間で「小さな物語」が誕生しています。これが新しい観光資源になります。そして,映画が成功すればするほど、これらの観光資源の価値が高まります。

 国内最大級の規模を誇り,メインの襲撃シーンの撮影に使われた千波湖畔のオープンセットは現在,一般公開しています。ここを拠点に,茨城県内外の方々に映画づくりのこと,地域づくりのことをPRしています。みなさんも是非,映画『桜田門外ノ変』のオープンセットにご来場いただき,茨城の歴史と文化と自然,伝統に触れながら,郷土の将来を考えてみてはいかがでしょうか。
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