わたしたちの県議会 茨城県議会

平成17年第4回定例会で可決された意見書
《意見書》
森林及び林業に関する施策の充実並びに財源確保を求める意見書
地域医療を守るための医師確保に関する意見書
「少人数学級」の推進によりきめ細かなゆきとどいた教育の実現を求める意見書
軽油引取税に係る暫定税率の一時引下げを求める意見書

森林及び林業に関する施策の充実並びに財源確保を求める意見書

 地球温暖化防止を掲げて本年2月に発効した「京都議定書」において,我が国は,温室効果ガスを6%削減することを国際社会に約束した。このうち,我が国の森林には吸収源として3.9%の削減が課せられているが,これを確実なものとするためには「森林・林業基本計画」に基づく計,画的な森林の整備などの吸収源対策の推進が必須である。
 ところが,我が国の森林・林業・木材産業の現状をみると,国産材の需要及び木材価格の長期的な低迷や林業労働力の減少等により,林業生産活動は停滞し,間伐をはじめとする森林の管理が行き届かず,その結果として山地災害が多発しており,このままでは二酸化炭素吸収源としての役割はもとより,国土を保全し国民の安全な暮らしを守るという役割も果たすことができなくなることが懸念される。
 また,違法な森林伐採の阻止は,本年7月のグレンイーグルスサミットでも合意されたところであるが,違法伐採は,森林の減少・劣化を招き,地球温暖化を加速させるほか,違法伐採による木材が市場に流通することで,我が国でも健全で持続可能な森林経営が阻害されており,その対策は喫緊の課題である。
 以上のように,我が国の森林・林業・木材産業が厳しい環境におかれている現状や,森林が公益的機能を有する社会的資産であることを踏まえ,平成18年度予算等において,下記の事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。

1  「森林・林業基本計画」に基づく森林の整備・保全及び山地に起因する災害を防ぐための治山対策を推進し,併せて「緑の雇用」事業による人材の育成及び確保を支援すること。
2 伐期の長期化に伴う森林経営の実態に即した借換え融資制度の創設など,森林・林業・木材産業の再生に向けた施策を展開し,更には地域林業の担い手としての林業公社に対する支援措置を強化すること。
3 持続可能な森林経営の推進に支障となる違法伐採を防止するため,原産地等表示木材を普及推進し,併せて消費者へ情報提供すること。国際的にはWTO林産物関税の堅持により違法伐採木材の輸入阻止を図ること。
4 地球温暖化防止対策を確実に推進するため,環境税の創設により安定的な財源を確保し,その使途に,森林吸収源対策,木材利用の推進を位置づけること。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


地域医療を守るための医師確保に関する意見書

 平成16年4月からの新医師臨床研修制度の開始及び臨床研修マッチングシステムの導入により,地域における医師確保がますます厳しい状況になっている。
 本県では,人口10万人当たりの医師数は全国最下位のレベルにおかれており,特に,全国平均の3分の1の医師しかいない二次保健医療圏があることや,小児科や産婦人科にあっては診療休止を余儀なくされる医療機関が相次いでいることなどから,地域医療体制の充実を図るためには,医師の確保は喫緊の課題となっている。
 国においては,今年度中を目途に,医師の養成・就業の実態,地域や診療科による偏在等を総合的に勘案し,医師の需給見通しの見直しを行うこととされているが,地域における医療提供体制の確保のため,下記の事項について特段の措置を講じるよう強く要望する。

1 地域医療を担う医師の都道府県格差を是正し,医師不足が深刻化している地域の医師を確保する観点から,医科大学入学定員の削減方針を撤回し,医科大学入学定員の増員を図るなど,必要な措置を講じること。特に,筑波大学及び自治医科大学の入学定員を増員すること。
2 小児科・産婦人科医師の不足が小児救急や周産期医療の提供に支障となっていることを踏まえ,小児科・産婦人科医師の負担を軽減し継続的な勤務ができるよう,診療報酬上の配慮や不足地域へ全国から医師を派遣するシステムの構築など,医師確保のための抜本的な対策を早急に講じること。

以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


「少人数学級」の推進によりきめ細かなゆきとどいた教育の実現を求める意見書

 二十一世紀を迎え,豊かな人間性と創造性に富み,自らの能力・適性・興味・関心等に応じて主体的に行動できる人材を育成していくことは大変重要なことである。
 このため,学校教育では,基礎学力の定着の上に児童生徒の一人ひとりの可能性を余すことなく発揮できるよう,個に応じたきめ細かな指導を推進することが不可欠である。
 現在,少人数学級編制は都道府県の判断により実施されているが,この少人数学級は,これらきめ細かなゆきとどいた教育を実現する上で,極めて効果的な教育施策であり,今後,政府の負担・責任においてより一層の推進を図る必要がある。
 また「いじめ「不登校「学級崩壊」など山積する教育課題を解決するためには,地域や子, 」, 」,どもの状況を踏まえ多様な教育活動が推進できるよう,学校や市町村教育委員会が主体的に教職員配置が行える仕組みに改善することが喫緊の課題である。
 よって,政府においては「少人数学級」の推進によりきめ細かなゆきとどいた教育を実現する,ために,新たな教職員定数改善計画を策定し,少人数学級の一層の推進を図るとともに,学校や市町村教育委員会が主体的に教職員配置を行える仕組みに改善するよう強く要望する。

以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


軽油引取税に係る暫定税率の一時引下げを求める意見書

 運送業界は,産業活動を支えるとともに,緊急災害時には,食糧・医薬品等をいち早く現地に輸送するなど,物流の基幹産業として大きな役割と責任を果たしている。
 トラック等の燃料である軽油には,都道府県税である軽油引取税が課税されており,その税率については,平成5年度以降は,1キロリットル当たり32,100円の暫定税率となっている。
  しかしながら,軽油価格は,近年の原油価格の高騰に伴い,平成14年7月を底値として値上がりが始まり,平成14年1月の当県内平均1リットル当たり61円50銭,平成17年に至っては毎月のように値上がりし,10月には1リットル当たり85円50銭と高騰し,インタンクで1リットル当たり24円の値上げとなっており,このようなかつてない軽油価格の高騰で,運送業界の経営はまさに経営破綻の危機に瀕している。
 よって,国においては,運送業界の厳しい経営状況に鑑み,軽油価格が平成14年7月当時の価格に引き下がるまでの間,軽油引取税の暫定税率を平成4年度以前の1キロリットル当たり24,300円に引き下げるよう強く要望する。

以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


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