わたしたちの県議会 茨城県議会

平成24年第1回定例会で可決された意見書・決議

《意見書》


東京電力福島第一原子力発電所事故による放射線被ばくの健康影響に関する意見書

 東京電力株式会社福島第一原子力発電所で発生した事故は,大量の放射性物質を外部に放出し,食品,水道水,大気,海水,土壌等に拡散した。事故発生からすでに1年が経とうとする現在もなお,通常時と比べて高い放射線が福島県のみならず,広範囲にわたり観測されている。
 このような状況が長期にわたることで,子どもを抱える母親などから健康に対する不安の声が高まっており,放射線被ばくによる住民の健康影響調査に関する対応方針を早急に策定することが求められているところである。
 現在,放射線の健康影響調査については各自治体がそれぞれの判断や手法で対応しているが,本来,国が基準や方針を示し,系統だてて実施すべきものである。
 よって,政府及び国会においては,誰もが安心して暮らすことができるよう,下記の項目の早期実現について強く要望する。

  1. 放射線による住民への健康影響調査について,実施の必要性,対象者,実施内容,実施主体などに関する統一的な基準を早急に示すこと。
  2. 健康影響調査の実施の際には,各自治体と連携し,国が直接実施する体制を構築するとともに,関係自治体に負担を生じさせないよう,国の責任において万全の財政措置を講ずること。
  3. 放射線・放射性物質の人体影響,放射線防護の方法等に関する知識の普及啓発を図るなど,不安解消に向けた取り組みを積極的に行うこと。

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無料低額宿泊所等に係る法制度の整備を求める意見書

  雇用情勢の悪化を受け,住まいを失った生計困難者に対して無料又は低額な料金で提供される住宅や宿泊施設の設置が増加している。
 このような中,一部の事業者が営利目的で無料低額宿泊所を開設し,利用者に劣悪な居住環境を強いたり,利用者の同意を得ずに生活保護費等から施設利用料の徴収や金銭の預かりを行う,いわゆる「貧困ビジネス」などの問題が発生している。
 無料低額宿泊所を提供する事業は,社会福祉法の第二種社会福祉事業に位置づけられているものの,同法において,施設設置基準等の具体的な定めがなく,事業開始後の届出が義務付けられているだけであり,比較的に容易に設置することが可能である。
 このため,各地方自治体においては,国の「無料低額宿泊所の設備,運営等に関する指針」等に基づき,事業者等を指導しているところであるが,法的位置付けのない施設については行政指導も困難であることから,対応に苦慮しているところである。
 よって,国においては,無料低額宿泊所等の適正な運営を確保するため,施設の開設にあたっては届出制ではなく,市町村長の同意を踏まえた許認可制に改めるよう強く要望する。


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戸別所得補償制度の見直し等,農業政策の立て直しを求める意見書

 世界的な人口急増や開発途上国における生活水準の急激な向上に伴う世界的な食料争奪の時代は目前に迫っている。わが国の食料自給率は既に40%を切り(平成22年度,カロリー換算),自給率向上に向けて国内の農地を最大限活用し,担い手が意欲を持って,消費者の需要に応えられるような食料の供給体制を整備することが求められている。
 民主党政権が行っている農業者戸別所得補償制度は,未だ制度が固定化されず内容的には政策効果に乏しいばらまき政策であり,農地集積が進まない等,多くの欠陥を抱えている。昨年の自民・公明・民主の三党合意では「政策効果の検証をもとに,必要な見直しを検討する」ことを約束したものの,政策効果を十分に検証することもなく,平成24年度予算に戸別所得補償関連経費6,900億円を計上したことは,現政権に対する真意を疑う。
 早急に農業・農村の持続的な発展に向けて,農業政策の立て直しを図っていくためにも,下記の事項について実現を図るよう強く求める。

  1. 「農業者戸別所得補償」は名称の変更を含め,国民の理解が得られるような制度とすること。
  2. 政権交代直後に大幅に削減された農業農村整備事業及び強い農業づくり交付金などに十分な予算を復活すること。
  3. 計画的な食料自給率の向上や農地の利用集積など,目指すべき政策目標を明確にし,計画的に実現できるような予算編成・執行をすること。

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年金制度抜本改革の全体像を早期に公表することを求める意見書

 政府は税と社会保障の一体改革に強い意欲を示しているが,肝心の年金制度の抜本改革については,全体像が明らかになっていない。政府・民主党は平成21年の衆院選公約(マニフェスト)で「年金一元化」「月額7万円の最低保障年金の創設」を掲げた。ところが,政権交代から2年6ヶ月が経過しても,最低保障年金に必要な財源や,年金一元化に向けた具体的な制度設計は依然として明らかになっていない。政府の社会保障・税一体改革大綱では国民的な合意に向けた議論や環境整備を進め,平成25年の通常国会に法案を提出するとしているが,現時点において全く内容が不透明なままでは来年の通常国会に提出される見通しが立たず,「新たな年金制度創設のための法律を平成25年までに成立させる」との,マニフェストの実現は全く目途が立っていない状態となっている。
 平成23年3月に民主党内で最低保障年金創設に向けて行った試算では「新たに消費税率7.1%の増税が必要」と結論が出て,野党の求めに応じてこの試算を公表した。しかしながら,本来ならば試算を基に,党内議論を重ね制度設計をすることが与党として当然の務めだが,その責任を果たさず試算を「民主党の案でもない」と位置付けている現状では,民主党が公約した新年金制度の全体像を明らかにする姿勢は全く感じられない。
 「税と社会保障の一体改革」と言うのであれば,消費税の増税案と年金制度の改革案は一体で議論されるべきであり,全体像が明らかにならないままでは,国民が消費税増税に納得しないことは言うまでもない。
 よって,茨城県議会は,政府に対して年金制度抜本改革の全体像を明らかにするよう強く求める。


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国民が安心できる原子力防災体制の構築に関する意見書

 福島第一原子力発電所の事故を踏まえ,防災指針の見直しを検討してきた原子力安全委員会から『「原子力施設等の防災対策について」の見直しに関する考え方について中間的なとりまとめ』が示されたところである。
 この中間とりまとめでは,これまでのEPZに代わり,PAZ,UPZを設定すること,避難等の防護措置実施の判断には,SPEEDIによる予測的な手法に代わり,環境における計測可能な判断基準(OIL)を用いること,オフサイトセンターの機能のあり方については,緊急時対応拠点と対策実行拠点の設置の必要性等,見直しの考え方や方向性が示されているものの,具体的な対応策や指標についてはなんら示されていない。
 また,原子力安全委員会委員長からは,委員会が策定した防災指針を基に整備・維持を推進してきたSPEEDIを自ら否定する発言もあり,国の原子力安全行政への信頼を著しく低下させた。
 よって,国においては,国民が安心できる原子力防災体制を構築するため,以下のことを強く求める。

  1. 国は責任をもって,原子力防災のあり方,原子力施設の種類ごとの災害想定等を早急に見直すとともに,新たに設定されるUPZ等の範囲において実施すべき具体的な防災対策を速やかに示すこと。
  2. SPEEDIの問題点を精査するとともに,迅速な避難等の防護措置を実施するための手法を具体的に示すこと。
  3. 既存のオフサイトセンターの防護対策,電源・通信設備の強化を含めて,オフサイトセンターの機能のあり方を具体的に示すこと。
  4. 原子力安全委員会委員長に対し,原子力行政への国民の信頼回復のための断固たる処置を講ずること。

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東日本大震災で発生した災害廃棄物の本県の受け入れを求める決議

 東日本大震災から1年が経過した現在においても,東北沿岸部の被災地では,多くの災害廃棄物がうず高く積み上げられており,その量は,平時の十数年分に相当する膨大なものである。また,廃棄物処理施設も被害を受けたことから,東北地方だけで処理することは極めて困難であり,このことが震災からの復旧・復興の大きな妨げとなっている。
 この問題は,地震国に暮らす我々全国民が,東北被災地の置かれた状況を我が事に置き換え,行動すべきものであり,災害廃棄物処理の全国的な展開が必要である。
 しかし,東京電力福島第一原子力発電所の事故に起因する放射性物質の影響により,地域住民の理解が得られないなどの理由から,東京都と青森,山形の東北二県の市町村の一部でしか受け入れを実施していないのが実情である。
 政府においては,各都道府県に対する広域処理の協力要請が遅く,ようやく広域処理に係る費用助成など促進に乗り出したという状況であり,このままでは事態の進展が期待できない。
 茨城県は同じ東日本大震災の被災地であることから,本県が受け入れを表明することにより,被災地を支援していく強い使命感を,広く全国に発信することになると信ずる。
 よって,本議会は,関係機関に対して次のとおり求めるものである。

  1. 県においては,市町村や民間の廃棄物処理事業者と協力して,東北被災地の厳しい現状に鑑み,率先して,災害廃棄物を受け入れていくこと。
  2. 国においては,災害廃棄物の安全性について,科学的知見に基づき丁寧な説明と積極的な情報提供を行うとともに,受け入れにあたって懸念される風評被害も含め,県や市町村の負担が生じないよう十分な財政措置を行うこと。

 県民の皆様におかれましては,多くの方々が自らも被災され,現在も不自由な生活を強いられていることと思いますが,同じ日本国民である東北被災地の方々の復旧と復興を支援するため,災害廃棄物の受け入れについて,ご理解とご協力を願うものであります。


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