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更新日:2018年3月16日

四類感染症

E型肝炎 Viral hepatitis E

  • 病原体
    E型肝炎ウイルス
  • 潜伏期
    平均6週間
  • 感染経路
    汚染された食品や肉(ブタやイノシシ等)の生食あるいはそれに近い状態での喫食によりに感染する。
    (発展途上国では、汚染された水を介して感染する。)
  • 症状
    A型肝炎と類似し、38度以上の発熱をもって発病、全身倦怠感、食欲不振、黄疸等の肝症状を呈する。また、腹痛や下痢、頭痛等の症状が認められることもある。予後も通常は慢性化することはないが、妊婦(第3三半期)に感染すると劇症化しやすく、致死率も高く20%に達することもある。
  • 予防
    標準予防策(接触感染対策)

ウエストナイル熱(ウエストナイル脳炎) West Nile fever

  • 病原体
  • ウエストナイルウイルス
  • 潜伏期2~14日
  • 感染経路
  • 主にウイルスを保有する蚊の吸血により感染する。輸血や臓器移植等特殊な場合を除き、ヒトが感染源となることはない。
  • 症状
    3~6日持続する発熱、頭痛、筋肉痛、リンパ節腫脹などの症状を呈する。症状は通常1週間以内で回復するが、その後全身倦怠感が残ることも多い。特に高齢者においては、さらに重篤な症状として、激しい頭痛、嘔吐、方向感覚の欠如、麻痺、意識障害等の症状が出現し髄膜脳炎、脳炎を発症することがある。重篤な例では、筋力低下が約半数に認められている。
  • 予防
    標準予防策

A型肝炎 Viral hepatitis A

  • 病原体
    A型肝炎ウイルス
  • 潜伏期
    平均4週間
  • 感染経路
    汚染された食品や水等を介して感染する。食品では、生カキが感染源になることもある。
  • 症状
    臨床的症状は、発熱、全身倦怠感、食欲不振で、黄疸、肝腫大などの肝症状が認められる。一般に予後は良く、慢性化することはないが、まれに劇症化することがある。小児では不顕性感染や軽症のことが多い。
  • 予防
    標準予防策(接触感染対策)

エキノコックス症(包虫症) Echinococcosis

  • 病原体
    単包条虫(Echinococcus granulosus)、
    多包条虫(Echinococcus multilocularis)、Echinococcus vogeli の幼虫
  • 潜伏期
    数年~10年
  • 感染経路
    動物(キツネや犬等)から排泄された虫卵に汚染された食品や水、埃等を介して感染する。
  • 症状
    感染初期(約10年以内)は、無症状で経過することが多い。症状は存在部位により異なり、肝臓の包虫症では、疲れやすさや右季肋部痛や黄疸等がみられ、肺の包虫症では、血痰等がみられる。体内に発生した嚢胞は、緩慢に増大し、周囲の臓器を圧迫する。
  • 予防
    標準予防策

黄熱 Yellow fever

  • 病原体
    黄熱ウイルス
  • 潜伏期
    3~6日
  • 感染経路
    ウイルスに感染した蚊(主にネッタイシマカ)の吸血により感染する。
  • 症状
    突然の発熱、頭痛、嘔吐、筋肉痛、出血傾向、黄疸等の症状を呈する。通常は、7~8病日から治癒に向かうが、重症の場合には乏尿、心不全、肝性昏睡などがみられる。
  • 予防
    標準予防策

オウム病 Psittacosis

  • 病原体
    オウム病クラミジア(Chlamydia psittaci
  • 潜伏期
    1~2週間
  • 感染経路
    主にオウムやセキセイインコなどの排泄物に含まれる菌体の吸入や、口移しでエサを与えることによりヒトに感染する。
  • 症状
    突然の発熱で発病し、初期症状として悪寒を伴う高熱、頭痛、全身倦怠感、食欲不振、筋肉痛、関節痛などがみられる。呼吸器症状としては、咳、粘液性痰などがみられる。軽い場合はかぜ程度の症状であるが、高齢者などでは重症になりやすい。重症例では、呼吸困難、意識障害、DICなどがみられる。
  • 予防
    標準予防策

オムスク出血熱 Omsk hemorrhagic fever

  • 病原体
    オムスク出血熱ウイルス
  • 潜伏期
    3~9日
  • 感染経路
    主にマダニの刺咬により感染するが、げっ歯類の排泄物による接触感染、稀にヒト-ヒト感染することもある。
  • 症状
    発熱、頭痛、筋肉痛、咳、徐脈、脱水、低血圧、消化器症状を生じ、稀には出血熱となる。患者の30~50%は二相性の発熱を示し、第二期には髄膜炎、腎機能障害、肺炎などを生じる。致死率は0.5~3%であるが、難聴や脱毛、神経精神障害などの後遺症を残すことがある。
  • 予防
    標準予防策

回帰熱 Relapsing fever

  • 病原体
    コロモジラミ媒介性Borrelia recurrentis やヒメダニ媒介性B.duttonii
  • 潜伏期
    5~15日
  • 感染経路
    感染シラミやダニを潰したときに刺咬口や傷口から感染する。
  • 症状
    菌血症による発熱期、菌血症を起こしていない無熱期を3~5回程度繰り返す。
    発熱期:菌血症による頭痛、筋肉痛、関節痛、羞明、咳などをともなう発熱、悪寒がみられる。また、このとき点状出血、紫斑、結膜炎、肝臓や脾臓の腫大、黄疸もみられる。
    無熱期:発熱期が3~7日続いた後、一旦解熱する。発汗、全身倦怠感、時に低血圧や斑状丘疹をみることもある。この後5~7日後再び発熱期に入る。
  • 予防
    標準予防策

キャサヌル森林病 Kyasanur forest disease

  • 病原体
    キャサヌル森林病ウイルス
  • 潜伏期
    3~12日
  • 感染経路
    マダニの刺咬、感染動物との接触により感染する。
  • 症状
    突然の発熱、頭痛、筋肉痛、咳嗽、徐脈、脱水、低血圧、消化器症状、出血などの症状を呈する。約40%に出血性肺水腫がみられ、ときに腎不全も生じる。患者の15~50%では1~3週間寛解が続いた後、再度発熱がみられ、髄膜炎や脳炎を生じて項部硬直、精神障害、振戦、めまいなどを来たす。
  • 予防
    標準予防策

Q熱 Q fever

  • 病原体
    コクシエラ・バーネッティ(Coxiella burnetii)
  • 潜伏期
    2~3週間(慢性Q熱:数ヶ月~数年)
  • 感染経路
    家畜やネコなどのペットの流産や出産に関連して、胎盤に感染しているC.burnetiiを吸入し感染する。
  • 症状
    急性Q熱では、インフルエンザ様で突然の高熱、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感、眼球後部痛の症状で始まる。間質性肺炎が主体の肺炎型や肝機能異常が主体の肝炎型がある。自然治癒傾向が強く、多くは14日以内に解熱する。1割程度が慢性Q熱に移行するとされ、弁膜症などの基礎疾患を持つ例で心内膜炎を起こすと難治性となり、致死率が高くなる。
  • 予防
    標準予防策

狂犬病 Rabies

  • 病原体
    狂犬病ウイルス
  • 潜伏期
    1~3カ月(まれに1年以上)
  • 感染経路
    狂犬病ウイルスを保有するイヌ、ネコ、コウモリ、キツネ、コヨーテなどの野生動物に咬まれる等したときに感染する。
    ※日本では1957年以降発生していない。
  • 症状
    発熱、頭痛、倦怠感、筋痛、食欲不振、悪心・嘔吐等の症状に加え、咬傷周辺の知覚異常、疼痛等がみられる。その後、強い不安感、に襲われ、約半数の患者では、咽頭喉頭の痙攣が起こり、水や食物が摂取不能となる。さらに進行すると、高熱や全身の痙攣、麻痺症状が現れ、昏睡に陥る。発症すると致命的となり、致死率はほぼ100%である。
  • 予防
    標準予防策

コクシジオイデス症 Coccidioidomycosis

  • 病原体
    真菌 Coccidioides immitis
  • 潜伏期
    1~4週間
  • 感染経路
    土壌中の真菌を吸入することにより肺に感染する。この病原体を取り扱う実験者、検査従事者などの2次感染の危険性が高い。
  • 症状
    無症状のことも多いが、発熱、体重減少、倦怠感などの全身症状や呼吸器症状を示すこともある。
    播種型では皮疹などの皮膚病変、髄膜炎症状、関節痛などを呈する。
  • 予防
    標準予防策

サル痘 Monkeypox

  • 病原体
    サル痘ウイルス
  • 潜伏期
    7~21日(平均は12日)
  • 感染経路
    げっ歯類やサルなどの野生動物、感染したペットに咬まれる、あるいは血液、体液、発疹などに触れることで感染する。ヒトからヒトへの感染はまれではある。
  • 症状
    発熱、不快感、頭痛、背部痛、発疹、リンパ節腫脹などの症状を呈する。重症例では、痘そうとよく似た症状がみられ、臨床的に区別できない。
  • 予防
    接触感染対策

重症熱性血小板減少症候群Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome: SFTS

  • 病原体
    SFTSウイルス
  • 潜伏期
    6~14日
  • 感染経路
    主にマダニ(フタトゲチマダニなど)の刺咬により感染する。
  • 症状
    発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)を主徴とし、時に、頭痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴う。血液所見では、血小板減少(10万/㎣未満)、白血球減少(4000/㎣未満)、血清酵素(AST、ALT、LDH)の上昇が認められる。
  • 予防
    標準予防策、接触感染対策

腎症候性出血熱 Hemorrhagic fever with renal syndrome:HFRS

  • 病原体
    ハンタウイルス
  • 潜伏期
    2~4週間
  • 感染経路
    主にネズミの排泄物に含まれるウイルスとの接触(エアロゾルの吸入を含む)により、感染する。
  • 症状
    ア.重症アジア型
    発熱で始まる有熱期、低血圧期(ショック)(4~10日)、乏尿期(8~13日)、利尿期(10~28日)、回復期に分けられる。全身皮膚に点状出血が出ることがある。発症から死亡までの時間は4~28日で、尿素窒素は50~300ミリグラム/dlに達する。常時高度の蛋白尿、血尿を伴う。
    イ.軽症スカンジナビア型ごく軽度の発熱、蛋白尿、血尿がみられるのみで、まれに重症化することもある。
  • 予防
    標準予防策

西部ウマ脳炎 Western equine encephalitis:WEE

  • 病原体
    西部ウマ脳炎ウイルス
  • 潜伏期
    5~10日
  • 感染経路
    ウイルスに感染したイエカの刺咬により感染する。
  • 症状
    頭痛、発熱、情緒不安、振戦、易興奮性、項部硬直、羞明、などの症状を呈し、ときに異常な精神状態などがみられる。脳炎を生じると意識障害、弛緩性/痙性麻痺がみられる。特に乳児では急速な経過を取り、固縮、痙攣、泉門膨隆などがみられ、生残者の60%以上で脳に障害を残し、進行性の知能発育不全をきたす。
  • 予防
    標準予防策

ダニ媒介脳炎Tick-borne encephalitis:TBE

  • 病原体フラビウイルス科フラビウイルス属に属するダニ媒介脳炎ウイルス
  • 潜伏期
    7~14日
  • 感染経路
    主にマダニの刺咬によるが、ヤギの乳の飲用により感染することもある。
  • 症状
    • ア.中央ヨーロッパ型
      発熱、筋肉痛などのインフルエンザ様症状が出現し、2~4日間続く。症例の1/3では、その数日後、髄膜脳炎を生じて痙攣、眩暈、知覚異常などを呈する。致死率は1~2%であるが、神経学的後遺症が10~20%にみられる.
    • イ.ロシア春夏脳炎
      突然に高度の頭痛、発熱、悪心、羞明などで発症し、その後順調に回復する例もあるが、髄膜脳炎に進展し、項部硬直、痙攣、精神症状、頚部や上肢の弛緩性麻痺などがみられる例もある。致死率は20%に上り、生残者の30~40%では神経学的後遺症を来たす。
  • 予防
    標準予防策

炭疽 Anthrax

  • 病原体
    炭疽菌(Bacillus anthracis
  • 潜伏期
    1~7日
  • 感染経路
    感染動物との接触により、皮膚の傷口から感染する。あるいは、汚染された食べ物や水、芽胞の吸引により感染する。
  • 症状
    • ア.皮膚炭疽(95~98%)
      初期病変はニキビや虫さされ様で、かゆみを伴うことがある。初期病変周囲には水疱が形成され、次第に典型的な黒色の痂皮となる。多くの患者では痂皮の形成後7~10日で治癒するが、20%では感染はリンパ節及び血液へと進展し、敗血症を発症して致死的である。
    • イ.肺炭疽
      上部気道の感染で始まる初期段階はインフルエンザ等のウイルス性呼吸器感染や軽度の気管支肺炎に酷似しており、軽度の発熱、全身倦怠感、筋肉痛等を呈する。重症例では、数日すると突然呼吸困難、発汗及びチアノーゼを呈する。
    • ウ.腸炭疽
      本症で死亡した動物の肉を摂食した後2~5日で発症する。腸病変部は回腸下部及び盲腸に多く、初期症状として悪心、嘔吐、食欲不振、発熱があり、次いで腹痛、吐血を呈し、血液性の下痢を呈する場合もある。
    • エ.髄膜炭疽
      皮膚炭疽の約5%、肺炭疽の2/3に引き続いて起こるが、まれに初感染の髄膜炭疽もある。
  • 予防
    標準予防策

チクングニア熱 Chikungunya fever

  • 病原体
    チクングニアウイルス
  • 潜伏期
    3~12日
  • 感染経路
    ウイルスに感染したネッタイシマカやヒトスジシマカなどの吸血により感染する。
  • 症状
    発熱と関節痛は必発であり、発疹は8割程度に認められる。関節痛は四肢(遠位)に強く対称性で、その頻度は手首、足首、指趾、膝、肘、肩の順であり、関節の炎症や腫脹を伴う場合もある。多くは3~10日で消失するが、関節痛は数週間から数ヶ月持続し、時にリハビリを要することもある。血液所見では、リンパ球減少、血小板減少が認められる。
  • 予防
    標準予防策

つつが虫病 Tsutsugamusi disease

  • 病原体
    つつが虫病リケッチア(Orientia tsutsugamushi
  • 潜伏期
    5~14日
  • 感染経路
    ダニの刺咬により感染する。
  • 症状
    全身倦怠感、食欲不振とともに頭痛、悪寒、発熱などを伴って発症する。体温は段階的に上昇し、数日で40℃に達する。刺し口は皮膚の柔らかい隠れた部分に多く、刺し口の所属リンパ節は発熱する前頃から次第に腫脹する。第3~4病日より不定型の発疹が出現するが、発疹は顔面、体幹に多く四肢には少ない。
  • 予防
    標準予防策

デング熱 Dengue fever

  • 病原体
    デングウイルス
  • 潜伏期2~15日
  • 感染経路
    ウイルスに感染したネッタイシマカやヒトスジシマカなどの吸血により感染する。
  • 症状
    突然の高熱で発症し、頭痛、眼窩痛、顔面紅潮、結膜充血を伴う。初期症状に続いて全身の筋肉痛、骨関節痛、全身倦怠感を呈する。発症後3~4日後胸部、体幹からはじまる発疹が出現し、四肢、顔面へ広がる。症状は1週間程度で回復する。出血やショック症状を伴う重症型としてデング出血熱(※)があり、全身管理が必要となることもある。
    (※)デング出血熱:デング熱とほぼ同様に発症経過するが、解熱の時期に血漿漏出や血小板減少による出血傾向に基づく症状が出現し、死に至ることもある。
  • 予防
    標準予防策

東部ウマ脳炎 Eastern equine encephalitis:EEE

  • 病原体
    東部ウマ脳炎ウイルス
  • 潜伏期
    3~10日
  • 感染経路
    ウイルスに感染したヤブカの刺咬により感染する。
  • 症状
    高熱、悪寒、倦怠感、筋肉痛などを生じるが、1~2週間で回復することが多い。ときに脳炎を発症し、昏睡、死亡に至ることがある。脳炎は50歳以上や15歳以下で起こりやすく、致死率は33%にも上り、生残者の半数は軽度~高度の永続的な神経学的後遺症を残す。
  • 予防
    標準予防策

鳥インフルエンザ(H5N1を除く) Avian Influenza

  • 病原体
    トリに対して感染性を示すA型インフルエンザウイルス(H5N1亜型を除く。)
  • 潜伏期
    2~8日
  • 感染経路
    感染した家禽や野鳥からの飛沫感染や、体液・排泄物等の接触により感染。
  • 症状
    発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感等の症状を呈する。初期症状の多くは、高熱と急性呼吸器症状を主とするインフルエンザ様疾患の症状がみられる。A/H7N7亜型ウイルスの感染では結膜炎を起こした例が多い。
  • 予防
    飛沫感染対策

ニパウイルス感染症 Nipah virus infection

  • 病原体
    ニパウイルス
  • 潜伏期
    4~18日
  • 感染経路
    感染動物(主にブタ)の体液や組織との接触により感染する。
  • 症状
    発熱と筋肉痛などのインフルエンザ様症状を呈する。重症例では、意識障害、痙攣などを伴い、脳炎を発症する。
  • 予防
    標準予防策、接触感染対策

日本紅斑熱 Japanese spotted fever

  • 病原体
    日本紅斑熱リケッチア(Rickettsia japonica
  • 潜伏期
    2~8日
  • 感染経路
    ウイルスを保有するマダニ(キチマダニ、フタトゲチマダニなど)に刺されることで感染する。
  • 症状
    頭痛、全身倦怠感、高熱などを伴って発症する。高熱とほぼ同時に紅色の斑丘疹が手足など末梢部から求心性に多発する。リンパ節腫脹はあまりみられない。刺し口が診断の助けとなる。つつが虫病と同様、CRP陽性、白血球減少、血小板減少、肝機能異常などが認められるが、つつが虫病に比べDICなど重症化しやすい。
  • 予防
    標準予防策

日本脳炎 Japanese encephalitis

  • 病原体
  • 日本脳炎ウイルス
  • 潜伏期
    1~2週間
  • 感染経路
    ブタが増幅動物となり、コガタアカイエカなどの蚊を介して感染する。
  • 症状
    急激な発熱と頭痛を主訴として発症し、その他、全身倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛等もみられる。発熱は発症4~5日に最も高くなり、熱はその後次第に低下する。その後悪化し、項部硬直、羞明、意識障害、興奮、等の症状が出現する。致死率は約25%であり、患者の50%は後遺症を残し、その他は回復する。
  • 予防
    標準予防策

ハンタウイルス肺症候群 Hantavirus pulmonary syndrome:HPS

  • 病原体
    ハンタウイルス属のウイルス
  • 潜伏期
    数日~6週間(通常2週間)
  • 感染経路
    主にウイルスを含む排泄物を経気道経路で吸入し感染する。また、ウイルスを含むネズミの排泄物や唾液との接触により感染することもある。
  • 症状
    前駆症状として1~4日続く発熱と筋肉痛、悪寒がみられ、次いで咳、急性に進行する呼吸困難が特徴的で、しばしば消化器症状及び頭痛を伴う。頻呼吸、頻拍の出現頻度が高い。半数に低血圧等を伴う。早い場合は発症後24時間以内の死亡も頻繁にみられる。
  • 予防
    標準予防策

Bウイルス病 B virus disease

  • 病原体
  • マカク属のサルが保有するBウイルス
  • 潜伏期
    2~5週間
  • 感染経路
    実験室、動物園あるいはペットのマカク属サルとの接触(咬傷、擦過傷)及びそれらのサルの唾液や粘液との接触により感染する。
  • 症状
    発熱、悪寒、頭痛や神経症状等がみられ、サルとの接触部位(外傷部や粘膜)に炎症が出現することもある。感染後期には、目まい、失語症、意識障害、脳炎症状を来し、無治療での致死率は70~80%である。生存例でも重篤な神経障害が後遺症としてみられる。
  • 予防
    標準予防策

鼻疸 Glanders 

  • 病原体
    鼻疽菌(Burkholderia mallei
  • 潜伏期
    1~14日
  • 感染経路
    ウマの分泌物の吸入またはそれらとの接触により感染する。
  • 症状
    初発症状は発熱、頭痛などであるが、重篤な敗血症性ショックを生じやすい。特徴的な局所症状はほとんどないが、皮膚に潰瘍を形成することもある。また、肺炎(急性壊死性肺炎)や肺膿瘍を発症する例もあり、慢性感染の場合には、皮下、筋肉、腹部臓器などに膿瘍を形成する。
  • 予防
    標準予防策

ブルセラ症 Brucellosis

  • 病原体
    Brucella abortus、 B.suis、 B.melitensis、B.canis
  • 潜伏期
    1~18週
  • 感染経路
    感染動物の組織、乳汁、血液、尿、胎盤、膣排泄物、流産胎児などとの接触により感染する。
  • 症状
    発熱、脾腫、関節炎、リンパ節(特に頚部、鼠径部リンパ節)の腫脹があり、その他に20~50%の患者に、進行の時期によって泌尿器生殖器症状があらわれる。B.melitensisの感染では、約70%の患者に肝腫大が認められる。ヒトブルセラ症の3~5%に神経症状や精神神経的な症状が出現するとされる。
  • 予防
    標準予防策

ベネズエラウマ脳炎 Venezuelan equine encephalitis:VEE

  • 病原体
    ベネズエラウマ脳炎ウイルス
  • 潜伏期
    2~5日
  • 感染経路
    ウイルスを保有するイエカやヤブカの刺咬により感染する。
  • 症状
    発熱、頭痛、筋肉痛、硬直などを呈し、中枢神経病変を生じると項部硬直、痙攣、昏睡、麻痺などがみられる。成人患者より小児患者の方が脳炎のリスクが高い。
  • 予防
    標準予防策

ヘンドラウイルス感染症 Hendra virus infection

  • 病原体
    ヘンドラウイルス
  • 潜伏期
    4~18日
  • 感染経路
    感染動物(主にウマ)の体液や組織との接触により感染する。
  • 症状
    ヒト症例は非常に少数であり、臨床像の詳細は明らかでないが、発熱や筋肉痛などのインフルエンザ様症状、重篤な肺炎、さらには脳炎による意識障害、痙攣などがありうる。
  • 予防
    標準予防策

発しんチフス Epidemic louse-borne typhus fever

  • 病原体
    発疹チフスリケッチア(Rickettsia prowazekii
  • 潜伏期
    6~15日
  • 感染経路
    ウイルスを保有するシラミの体液や糞便で傷口等が汚染された場合や刺咬により感染する。
  • 症状
    発熱、頭痛、悪寒、脱力感、手足の疼痛を伴って突然発症する。発疹は発熱第5~6病日に、体幹から全身に拡がる。患者は明らかな急性症状を呈するが、発熱からおよそ2週間後に急速に解熱する。重症例の半数に精神神経症状が出現する。再発例をBrill-Zinsser病といい、症状は軽度である。
  • 予防
    標準予防策

ボツリヌス症 Botulism

  • 病原体
    ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)が産生するボツリヌス毒素、又はC. butyricum、C. baratiiなどが産生するボツリヌス毒素
  • 潜伏期
    5時間~3日間
  • 感染経路
    ボツリヌス毒素又はそれらの毒素を産生する菌の芽胞が混入した食品の摂取などによって発症する。感染経路の違いにより、以下の4つの病型に分類される。
    • ア.食餌性ボツリヌス症(ボツリヌス中毒)
      食品中で菌が増殖して産生された毒素を経口的に摂取することによって発症
    • イ.乳児ボツリヌス症
      1歳以下の乳児が菌の芽胞を摂取することにより腸管内で芽胞が発芽し、産生された毒素の作用によって発症
    • ウ.創傷ボツリヌス症
      創傷部位で菌の芽胞が発芽し、産生された毒素により発症
    • エ.成人腸管定着ボツリヌス症
      汚染された食品を摂取した1歳以上の人の腸管に数ヶ月間菌が定着し毒素を産生。乳児ボツリヌス症と類似の症状が長期間続く。
  • 症状
    神経・筋接合部、自律神経節、神経節後の副交感神経末端からのアセチルコリン放出の阻害により、弛緩性麻痺を生じ、種々の症状(全身の違和感、複視、眼瞼下垂、嚥下困難、口渇、便秘、脱力感、筋力低下、呼吸困難など)が出現する。適切な治療を施さない重症患者では死亡する場合がある。
  • 予防
    標準予防策

マラリア Malaria

  • 病原体
    Plasmodium vivax(三日熱マラリア原虫)、Plasmodium falciparum(熱帯熱マラリア原虫)、Plasmodium malariae(四日熱マラリア原虫)、Plasmodium ovale(卵形マラリア原虫)など
  • 潜伏期
    三日熱マラリア:12~17日、熱帯熱マラリア:7~14日(通常1ヶ月以内)、四日熱マラリア:18~40日、卵形マラリア:16~18日)
  • 感染経路
    原虫を保有するハマダラカの刺咬により感染する。
  • 症状
    発熱期には頭痛、顔面紅潮や吐き気、関節痛などがみられる。発熱発作の間隔は虫種により異なり、三日熱と卵形マラリアで48時間、四日熱マラリアで72時間である。熱帯熱マラリアでは36~48時間、あるいは不規則となる。未治療の熱帯熱マラリアは急性の経過を示し、錯乱など中枢神経症状(マラリア脳症)、急性腎不全、重度の貧血、低血糖、DICや肺水腫を併発して発病数日以内に重症化し、致死的となる。
  • 予防
    標準予防策

野兎病 Tularemia

  • 病原体
    野兎病菌(Francisella tularensis
  • 潜伏期
    3日をピークとする1~7日
  • 感染経路
    保菌動物の組織または血液との接触、マダニ、アブなど節足動物の刺咬により感染する。また、汚染した生水からも感染する。人は感受性が高く、健康な皮膚からも感染する。
  • 症状
    初期症状は菌の侵入部位によって異なり、潰瘍リンパ節型、リンパ節型、眼リンパ節型、肺炎型などがある。一般的には悪寒、波状熱、頭痛、筋肉痛、所属リンパ節の腫脹と疼痛などの症状がみられる。
  • 予防
    標準予防策

ライム病 Lyme disease

  • 病原体
    ライム病ボレリアBorrelia burgdorferi
  • 潜伏期
    1~3週
  • 感染経路
    菌を保有するマダニ(Ixodes属)の刺咬により感染する
  • 症状
    感染初期には、刺咬部を中心に特徴的な遊走性紅斑を呈することが多く、筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱、全身倦怠感などのインフルエンザ様症状を伴うこともある。
    播種期には、皮膚症状、神経症状、心疾患、眼症状、関節炎、など多彩な症状が見られる。
    慢性期には、慢性萎縮性肢端皮膚炎、慢性関節炎、慢性脳脊髄炎などがみられる。
  • 予防
    標準予防策

リッサウイルス感染症 Lyssavirus infection

  • 病原体
    リッサウイルス属のウイルス(狂犬病ウイルスを除く)
  • 潜伏期
    20~90日
  • 感染経路
    コウモリの唾液や舌等に含まれるウイルスが咬傷や粘膜と接触することにより感染する。
  • 症状
    頭痛、発熱、全身倦怠感、創傷部位の知覚過敏や疼痛を伴う場合があり、興奮、恐水症状、精神錯乱などの中枢神経症状を伴う場合もある。一般的に、発症後2週間以内に死亡する。
  • 予防
    標準予防策

リフトバレー熱 Rift Valley fever

  • 病原体
    リフトバレー熱ウイルス
  • 潜伏期
    2~6日
  • 感染経路
    主に蚊あるいは他の吸血性昆虫の刺咬により感染するが、動物の血液や他の体液による接触感染もありうる。
  • 症状
    発熱、頭痛、筋肉痛、背部痛等のインフルエンザ様症状を呈し、項部硬直、肝機能障害、羞明、嘔吐を呈することもある。重症例では網膜炎(0.5~2%)、出血熱(<1%)、脳炎(<1%)を発症することがある。後遺症としては、網膜炎後の失明が重要である。
  • 予防
    標準予防策

類鼻疸 Melioidosis

  • 病原体
    類鼻疽菌(Burkholderia pseudomallei
  • 潜伏期
    3~21日
  • 感染経路
    主に土壌や地上水との接触感染であるが、粉塵の吸入や飲水などにより感染することもある。
  • 症状
    皮膚病変としては、リンパ節炎をともなう小結節を形成し、発熱を伴うこともある。呼吸器系病変としては、気管支炎、肺炎を発症するが、通常は高熱を伴い、胸痛を生じ、乾性咳嗽、あるいは正常喀痰の湿性咳嗽がみられる。HIV感染症、腎不全、糖尿病などの基礎疾患を有する場合には、敗血症性ショックを生じることがある。慢性感染では関節、肺、腹部臓器、リンパ節、骨などに膿瘍を形成する。
  • 予防
    標準予防策

レジオネラ症 Legionellosis

  • 病原体
    Legionella属菌
  • 潜伏期
    レジオネラ肺炎:2~10日、ポンティアック熱:1~2日
  • 感染経路
    人工水環境(循環式浴槽水、冷却塔水、給湯水など)中の菌がエアロゾルとともに飛散し感染する。(日本では循環式浴槽における感染事例が多い。)
  • 症状
    レジオネラ肺炎:全身倦怠感、筋肉痛、頭痛、高熱、腹痛、嘔吐、意識障害等
    ポンティアック熱:発熱、悪寒、頭痛などのインフルエンザ様症状
  • 予防
    標準予防策

レプトスピラ症 Leptospirosis

  • 病原体
    病原性レプトスピラ(Leptospira interrogans など)
  • 潜伏期
    3~14日
  • 感染経路
    病原性レプトスピラを保有しているネズミ、イヌ、ウシ等の尿で汚染された水や泥等から経皮的に感染する。また、汚染された飲食物の摂取により感染することもある。
  • 症状
    突然の悪寒、戦慄、高熱、筋肉痛、眼球結膜の充血がみられる。重症型(ワイル病)では、黄疸や腎不全を伴い、出血傾向を呈する場合もある。
  • 予防
    標準予防策

ロッキー山紅斑熱 Rocky mountain spotted fever:RMSF

  • 病原体
  • ロッキー山紅斑熱リケッチア(Rickettsia rickettsii)
  • 潜伏期3~12日
  • 感染経路
  • 菌を保有するダニの刺咬により感染する。
  • 症状
  • 頭痛、全身倦怠感、高熱等で発症する。高熱とほぼ同時に、紅色の斑丘疹が手足などの末梢部から求心性に多発し、部位によっては点状出血を伴う。その後、中枢神経系症状、不整脈、乏尿、ショック等の合併症を呈する。
  • 予防
  • 標準予防策

このページに関するお問い合わせ

保健福祉部衛生研究所企画情報部

茨城県水戸市笠原町993-2

電話番号:029-241-6652

FAX番号:029-243-9550

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