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依存症Q&A

依存症は意思の強弱は関係なく,依存対象(薬やアルコール,ギャンブルなど)の使用や行為を続けていくことで,依存をやめられなくなってしまう病気です。ここでは,依存症についてよくある質問をQ&Aでまとめましたので,ご参考にしてください。

依存症について

相談について

家族の関わり方について

自助グループについて

 依存症について

どれぐらい使えば依存症になるの?

回数に関係なく依存症になる可能性はあります。しかし,1回使ったからすぐに依存症になるというわけでもありません。続けていくうちに,「やめたくてもやめられない」「依存なしでは生きていけない」「依存を続けるために嘘をつく,約束をやぶる,人間関係が破綻する」等,依存行為を続けることによって心理的・社会的問題が生じていると,依存症の可能性があります。依存症は病気ですので医師による診断が必要です。

依存症になるのは性格が原因?

性格が原因で依存症になることはありません。しかし,依存を続けていくために,嘘をついたり,暴力的な言動をしたりすることで,性格が変化したように感じることはあります。

依存症は治るんですか?

依存症は完治のない病気とも言われており,脳が依存症になる前の状態に戻ることは難しいです。しかし糖尿病や通風などの疾患も完治しないと言われていますが,生活習慣を見直すことで回復し社会参加をすることができます。依存症も同じことで,薬物やアルコール,ギャンブルなどの依存を止め続けることで回復することができます。

どうすれば回復できるんですか?

依存を止め続ける(断薬,断酒,断ギャンブル等)ことで回復ができます。そのためには止め続けている仲間を作ることが大切です。自助グループへ通うことが回復を支えるために必要です。

 相談について

警察に通報されない?

依存症は刑罰で治る病気ではありません。精神保健福祉センターではご本人やご家族と一緒にどのように依存症から回復していくかを考えていきます。違法薬物を使用しているからといって直ちに通報するわけではありませんので安心してご相談ください。

本人が相談に行きたがりません。家族だけでも相談できますか?

もちろんできます。実際にセンターでの相談は、依存症に困った本人よりも,ご家族からのご相談の方が多いです。ご家族が相談機関に繋がり,依存症のことを知ることで,それをきっかけに本人の回復につながることもあります。まずはご家族だけでもご相談ください。

家族教室ってどんなところ?

家族の中に依存症の問題を抱える人がいると,家族は誰にも相談できず孤立してしまいがちです。家族教室では同じ悩みを抱える家族が集まり,悩みや苦しみを話したり,相談機関についての情報共有等を行う場です。先に家族教室に通い始めたご家族(先行く仲間)がいらっしゃるため,ご自分の体験を踏まえたお話をお聞きすることができます。また「言いっぱなし,聞きっぱなし」というルールがあり,意見を批判されることなく安心安全にお話して頂くことができます。

 

薬物家族教室

毎月第1木曜日

13時30分~15時30分

精神保健福祉センター 029-243-2870
アルコール家族教室(水戸)

毎月第3木曜日

13時30分~15時30分

精神保健福祉センター 029-243-2870
アルコール家族教室(土浦)

毎月第4木曜日

13時30分~15時30分

土浦保健所 029-821-5516
依存に悩む家族等のための教室

毎月第2金曜日

14時00分~15時00分

筑西保健所 0296-24-3965

 家族の関わり方について

依存を止めさせるにはどのように関われば良いですか?

依存症や止めろと言われても止めることができない脳の病気です。家族が何とかやめさせようと,本人を監視したり,注意叱責や泣き落としをしても本人の依存は止まりません。何度も裏切られたという思いを繰り返し,ご本人とご家族の関係が悪くなり,家族も疲弊してしまい,より本人の回復を遅らせてしまいます。これは家族もまた依存症という病気に巻き込まれ(共依存)ていることを意味します。家族がまず回復していくことが必要です。家族が依存症という病気を知り,悩みを話せる仲間を持つことが大切です。

※共依存:依存症者のことを憎み,軽蔑しながらも依存症者から離れられない関係性にあること。家族が依存症者の抱える問題を自分の問題だと思い込み,寝ても覚めても依存症者のことばかりを考えている。その結果,抑うつ的になったりする。「私がいないとこの人は駄目になる」との思いから、世話焼きを続けることが多い。自助グループや家族教室に参加して,依存症者と自分の問題を区別していくことが回復につながる。

治療のために強制的に本人を入院させたいんですが?

依存症の治療では、強制的な入院による効果はあまり期待できません。入院中は依存を断つことができても,治ったわけではないので退院後に再使用してしまうことも多いです。また,本人の不信感が高まりその後の治療に悪影響を及ぼすこともあります。自傷他害行為があったり,自殺の危険性がある場合には入院は必要ですが,依存症の治療のための入院については本人や主治医と話し合いながら進めて行ってください。

暴力を振るわれる場合はどうすればいい?

「いかなる暴力(叩く,蹴る,脅し等)も100%拒否する」が唯一の指針です。本人から「親のせいでこうなった」と言われ,「自分が悪いから」と責任を感じ暴力を受けても仕方ないと思われる方もいらっしゃいます。しかし,いかなる理由があろうと,暴力行為は暴力を振るう人に100%の責任があります。ご家族が暴力を受け入れる必要はありません。暴力を振るわれそうなときは、警察に相談したり,安全な場所に避難してください。

本人とどんな会話をすればいい?

普通の会話ができる関係であることが大切ですが,多くの家庭では本人とご家族の関係が悪化していることが多いです。そのような場合は本人の依存症に対してどうするかよりも,まずは本人と家族の関係を改善することが必要です。依存症の問題に限らない話題など,話をできる機会を増やしていきましょう。

 自助グループについて

自助グループってどんなところ?

自助グループとは依存症の当事者や家族がミーティングや例会を行うなかで依存症について理解を深め,依存症からなる問題からの回復を目指していくグループです。

なんのために自助グループに行くの?

依存症からの回復は単に薬物,酒やギャンブルなどの依存をやめればいいというものではなく,依存に頼らない新しい生き方を身に着けていくことで回復となります。自助グループではすでに回復している仲間がいて,その話を聞くことができます。将来依存症から回復できるか不安な当事者やご家族にとって実際の回復のモデルを知ることができます。また,依存症は再発の多い病気でもありますが再発の予防のために効果的とされているのも自助グループです。

どうやって自助グループに参加するの?

アノニマスグループ(NA,ナラノン,AA,GA,ギャマノン)に参加する場合は,それぞれのホームページでミーティングの会場や時間を確認し,その時間にその場所に行けば参加できます。匿名での参加が可能で本名や連絡先を相手に伝える必要もありません。会場にいるチェアマンに「初めての参加です」と伝えてそのままミーティングに参加します。それぞれがテーマに沿って体験談を発表していきます。その時点で話す余裕がなければ聞くだけでも構いません。参加費も無料です。

断酒会(NPO法人茨城県断酒つくばね会,茨城県県北断酒目覚めの会)に参加する場合は、事前にそれぞれの会の連絡先にお問い合わせください。