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更新日:2015年4月1日

統計用語の解説≪統計一般≫

 

 統計一般

一次統計【いちじとうけい】

一次統計とは,統計集団又はその部分集団の大きさ,すなわち,集団に属する個体の数あるいは個体の持っている量の総体を表す統計で,一般に,統計調査の結果,直接得られる統計であり,普通,統計表に見られる統計の大部分はこの一次統計である。

二次統計【にじとうけい】

一次統計に何らかの演算を施して得られる統計で,一次統計に比べて解析的色彩のある統計。二次統計には,集団特性値と呼ばれる代表値(平均値),散布度,尖度などから,指数などを含む統計比例数,相関係数といったようなものまですべて含まれる。また,県民経済計算などのように,いわゆる総合推計による統計数字も,その算出過程から見て,加工統計の典型と考えられる。

営業利益【えいぎょうりえき】

総売上額から売上原価を差し引き,さらに販売費,一般管理費などの営業費用を除いたもの。企業本来の営業活動から得られる利益であり,利子などの財産所得の受払い,資産の売却などの取引を含まない。

営業利益率【えいぎょうりえきりつ】

営業利益の売上高に対する比率。企業の本来の営業活動以外の取引を含まないことから,企業の基本的収益性を示す指標といえる。

X【えっくす】

「X」は,秘密保護上統計数値を公表しないものである。これは,統計法により,個人の秘密の保護が規定されており,統計数値から,個人が特定されてしまうことがわかっている場合,統計数値を「X」として,個人のプライバシーを保護している。具体的な例でいうと,A市で豚を飼っている家がBさん1戸しかなかった場合,Bさんの飼養頭数がそのままA市の豚の頭数となります。これを公表すれば,Bさんの家の豚の頭数がわかってしまう。2戸の場合も同じように個人が特定されてしまう。このように該当する農家などが2戸以下の場合は,統計数値を「X」としている。

円グラフ【えんぐらふ】

全円を100%にして,その内訳面積の広さを比較することによって,百分比の構成比を観察する,百分比グラフの一種。

帯グラフ【おびぐらふ】

長方形の全面積(長さを含む)を100%にして,分割された内訳面積の広さを比較することによって,百分比の構成比を観察する,百分比グラフの一種。
帯グラフの種類:

  1. 階段型帯グラフ
  2. 分流型帯グラフ
  3. 縦横百分比グラフ
  4. 分離型帯グラフ
  5. スライド型帯グラフ

折れ線グラフ【おれせんぐらふ】

多くは時系列表(例えば,月別降水量や年別米の収穫量)を観察する場合に用いられるグラフで,形態は時系列棒グラフの棒頭中央を線で結び,棒を取り除いたものと思えばよい。その折れ線の傾斜を観察することによって,時間的変動の特徴を明らかにするグラフである。目盛りには算術目盛り(変動差)が多く見られるが,対数目盛り(変動率)が使われることもある。
折れ線グラフの種類:

  1. 普通目盛りの線グラフ
  2. 円形目盛りの線グラフ
  3. 階段型線グラフ
  4. 平面線グラフ
  5. 内訳線グラフ
  6. 立体内訳線グラフ

顔型グラフ【かおがたぐらふ】

このグラフは,数種類の統計数字(異なる性質)で表された,人間の顔の表情を一見することによって,それら数量がもっている総合的特性を,瞬時に明らかにすることをねらいとしたものである。
例えば,物価情報を物価の顔として目…光熱費,マユ…住居費,口…食費などとし,各数量をコンピュータで表すと,その表情は明暗のない標準的な顔を中心にして,笑顔から泣き顔まで,数種類のパターンに変化する。当然,物価の安定を望むならば笑顔に向かうほどよいのだが,その表情で直感的に良否の判断ができる。このフェース(人間の顔)分析のアイディアは,1973年,当時アメリカ・スタンフォード大学のチャーノフ教授が提案したものとされている。

核家族【かくかぞく】

現代は夫と妻とその子供という小家族が多くなったが,この夫婦と未婚で独立前の子供からなる家族は,人類の最も基本的かつ中核的形態と考えられ,その形の家族を核家族と呼ぶ。国勢調査では昭和30(1955)年以後の毎回調査で,調査単位である世帯(普通世帯あるいは一般世帯)を世帯主との続柄に基づいて各種の家族類型に区分し,夫婦のみ,夫婦と子供,父親又は母親と子供から成り立つ家族を,核家族世帯として報告書に掲げている。国勢調査とは調査の仕方が異なるが,国民生活基礎調査(厚生労働省)でも核家族世帯に関する統計が得られる。

加工統計【かこうとうけい】⇒二次統計

重ね合わせ円グラフ【かさねあわせえんぐらふ】

同心円に表された2個以上の円グラフを比較することによって,同内容の構成比(百分比)の場所的比較や時間的変化を観察する,百分比グラフの一種。

家族従業者【かぞくじゅうぎょうしゃ】

統計上では,自営業主の家族で,その自営業主の営む事業に徒事している者をいう。例えば,個人経営の商店主,工場主,農業主,開業医などの家族で,その事業を手伝っている者である。なお,家族従業者とは原則的には無給の者をいう。また,会社組織になっている商店などで,その家族が店の仕事を手伝っている場合は,その会社の役員又は雇用者となる。
労働基準法は「同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人」には適用されない(同法第116条第2項)こととなっており,労働基準法の適用を受けない者として家族従業者の概念が法律上現れてくる。なお,家族従業者と共に1人でも他人を使用していれば当該事業は労働基準法の適用を受けることになり,家族従業者についても当然適用がある。

基準改定【きじゅんかいてい】

統計指標の中には,社会情勢の変化を正しく反映させるため指数の基準が改定されたり,センサス等の結果に基づいて修正されるものがある。例えば,鉱工業生産指数はラスパイレス方式により計算されるが,5年毎に採用品目,ウェイトが見直され,新しい基準に基づいて改定される。また,卸売物価指数も同じように5年毎に改定される。国民経済計算は高度の加工統計であるが,その基礎資料である産業連関表の作成や,国勢調査が5年毎に実施され,また,物価指数等も基準時が改定されるため,5年に1度過去に遡って修正される。

基礎統計【きそとうけい】⇒一次統計

業務統計【ぎょうむとうけい】

統計を作成する場合に,実際に調査を行って調査対象から直接情報を収集するのではなく,登録,届出,業務記録など,行政機関や民間団体が行政上あるいは業務上の必要から集めた,もしくは作成した行政記録又は業務記録をもとに作成した統計を業務統計又は第二義統計という。
戸籍の登録に基づいて作成される人口動態統計(厚生労働省),転出入の届出に基づいて作成される住民基本台帳人口移動報告(総務省),職業安定業務統計(厚生労働省),外国貿易等に関する統計(財務省)を始め,法務統計,警察統計など各省庁の業務に密着した業務統計は数多く存在する。

経済活動人口【けいざいかつどうじんこう】

経済活動人口とは,国連の定義によれば,「経済財の生産やサービスに労働を提供している人口で,雇い人のある業主,雇い人のない業主,家族従業者及び雇用者を含むとともに,調査時にこれらの仕事をしている者,並びに失業者」をいうが,通常,「アクチュアル方式」で把握された「労働力人口」と,「ユージュアル方式」で把握された「有業者」に分けられる。
アクチュアル方式とは,調査日前の特定期間(通常は1週間)に,平常の経済活動とは関係なく,収入になる仕事をした人及び収入になる仕事を探していた人を労働力人口というが,これを把握する方式をいい,このことから,この方式を「労働力方式」ともいう。
一方,ユージュアル方式とは,平常の状態において経済活動に従事している人,すなわち職業を有する者を有業者というが,これを把握する方式で,このことから「有業者方式」とも呼ばれる。

経常利益【けいじょうりえき】

企業が営業上,経常的に得る収益と費用との差。営業利益が,売上高から,売上原価,販売費及び一般管理費を控除したものであるのに対し,経常利益は,さらに金利支払などの営業外費用を控除し,金利受取などの営業外受取を加えたものである。

経常利益率【けいじょうりえきりつ】

経常利益の売上高に対する比率であり,企業の経常的な収益性を示す基本的な指標。

ゲタ【げた】

月次データや四半期データのある経済指標の1年度間の伸び率の計算の1つとして,1年度間の平均値の前年度間の平均値に対する伸び率を計算する方法がある。あるデータが前年度末の近傍になって急激に増加して,前年度末値と前年度平均値との間に差が生じている場合,たとえ当年度間に値が同水準で堆移(各期の伸び率=ゼロ)しても,この方法によれば(前年度末の値-前年度平均値)/前年度平均値によって次年度の伸びが計算される。この伸びをゲタと呼んでいる。
X年度のGDP(第1~第4四半期の平均値)が150でX年度第4四半期が160の場合を考えてみる。この場合,X+1年度の第1~第4四半期がすべてX年度第4四半期と同じ水準の160(各期の伸び率=ゼロ)であっても,X+1年度平均(160)はX年度平均(150)に比べて成長することになる。X年度からX+1年度へのゲタは(160-150)÷150=6.7(%)となる。

減価償却率【げんかしょうきゃくりつ】

生産設備の耐用年数に応じて,更新のために積み立てられる資金を減価償却費と呼び,その設備投資額に対する割合を減価償却率という。投資額の一定部分を毎年償却する定額法と,未償却額の一定割合を償却する定率法が代表的である。企業会計上は,費用として控除されるため,設備投資の実施後,早く償却する方が投資費用の節減となる。このため,政策的に促進の必要がある投資に対しては,加速度償却のような,租税上の特別措置が講じられている。なお,これに,自然災害などにより通常予想される損害に対して積み立てられる資金である資本偶発損を加えたものを,固定資本減耗と呼び,国民経済計算などにおいて用いられる。

公衆衛生【こうしゅうえいせい】⇒社会保障制度

公的扶助【こうてきふじょ】⇒社会保障制度

三角グラフ【さんかくぐらふ】

正三角形内の点の位置から3辺までの距離によって,百分比の構成比を観察する,百分比グラフの一種。ただし,その内訳の数が3つの場合のみの構成比を図示する特殊なグラフでもある。

産業分類【さんぎょうぶんるい】⇒日本標準産業分類

事業所【じぎょうしょ】

工場,商店,事務所,農家,学校などのように,物の生産又はサービスの提供が業として行われている個々の場所をいう。官庁,寺院,教会,労働組合なども事業所である。行商や個人タクシーなどのように働く場所が一定していない者,著述家,画家,内職者などで別に仕事場を持たない者は,それぞれ住居を事業所とみなすことになっている。1つの企業が1つの事業所である場合もあるが,2つ以上の事業所に分かれることもある。経済活動に関する統計調査では,データを事業所ベースでまとめる場合と,企業ベースでまとめる場合がある。理論的にはアクティビティーも単位として考えられるが,実際の統計調査でアクティビティー・ベースのデータを得るのは困難である。産業分類では,事業所を分類適用の単位としている。

指定統計【していとうけい】

統計法の規定により,政府もしくは地方公共団体が作成する統計又はその他のものに委託して作成する統計で,統計法第2条の規定に基づき総務大臣が指定し,その旨を公示した統計をいう。
指定統計に指定される統計は,わが国の統計体系上重要な意義をもつ基本的な統計で,指定統計調査の実施者は,統計法の規定によって,被調査者に申告の義務を課すことができるとともに(同法第5条),調査内容につきその秘密を保護し(同法第14条),調査票を統計上の目的以外に使用してはならない(同法第15条)。さらに,指定統計調査の結果は速やかに公表しなければならない(同法第16条)。
現在,継続して統計が作成されている指定統計は国勢調査をはじめとして約60件あるが,過去に指定されたものを含めると約140件になる。

社会経済分類【しゃかいけいざいぶんるい】

人口を社会的,経済的特性によって区分する分類で,わが国では昭和45(1970)年国勢調査で初めてとり入れられ,以後多くの調査で結果表章に使われている。
分類は,全人口について労働力状態及び年齢,就業者については職業及び従業上の地位を考慮して作成されており,農林漁業雇用者,会社・団体役員,商店主,工場主,専門職業者,技術者,管理職,販売人,保安職,学生・生徒,家事従事者など22項目となっている。

社会福祉【しゃかいふくし】⇒社会保障制度

社会保険【しゃかいほけん】⇒社会保障制度

社会保障制度【しゃかいほしょうせいど】

我が国の社会保障制度は,

  1. 生活保護などのような,国が生活困窮者に健康で文化的な最低限度の生活を保障する所得保障制度である公的扶助
  2. 健康保険や年金保険などのように,原則として加入者の負担においてその給付がまかなわれる社会保険
  3. 児童,母子,老人,障害者などが社会生活を営むのに必要な能力の育成,回復,補強のために,一定の財・人的サービスを供給する社会福祉
  4. 結核予防や栄養改善などをになう公衆衛生

の4部門からなる。
そのうち社会保険は,我が国においては世代間負担が原則であるが,高齢化社会の進展に応じて高齢者も能力に応じて費用負担に参加していく方向にある。また,給付内容的には現金給付(所得保障),医療サービス(医療保障),社会福祉サービス(社会福祉)の3つの仕組みに分けられる。

就業者【しゅうぎょうしゃ】

一般には何らかの職に就いている者をいうが,労働力調査等における統計上の用語としては,就業者とは労働力人口のうち,完全失業者以外の者をいい,従業者と休業者を合わせたものである。すなわち,調査週間中に収入を伴う仕事を1時間以上した者(家族従業着で収入を伴わない場合も含める),及び仕事を持ちながら休んでいた者すべてをいう。

就業者の分類

常住地主義【じょうじゅうちしゅぎ】

人口の調査において,調査時に,本人がふだん住んでいる場所,すなわち常住地でとらえ,調査する方法をいい,この方法で調査された人口を常住人口という。常住地主義では,たまたま居合わせた訪問者(一時現在者)は調査されないが,ふだん住んでいる者で調査時にたまたま不在の者(一時不在者)は調査される。

小地域統計【しょうちいきとうけい】

地域計画,地域分析などに利用するために,通常は市町村の境域より小さい地域別に編成した統計をいう。わが国では,戦後間もない頃までは統計の表章に用いる最小の地域区分は市町村であり,それで十分目的を達していた。ところが,昭和28(1953)年の町村合併促進法及び昭和31(1956)年の新市町村建設促進法の施行以来,市町村合併が促進され,市町村の境域が広大となったため,市町村の境域を区分した地域のデータの必要性が増大してきた。
一方,コンピュータの進歩によって,膨大なデータ処理が可能になり,昭和35(1960)年国勢調査以降数多くの小地域統計が作成されるようになってきた。
主な小地域統計は,人口集中地区(DID),国勢統計区,地域メッシュ,町丁字,国勢調査区,基本単位区,事業所基本調査区,農業集落,漁業地区別の統計などである。

消費支出【しょうひししゅつ】

家計,又は家計部門等が,消費のために支出すること,又はその額をいう。家計がその本来の活動を行うための経常的支出のみを含める方が自然であるが,国民経済計算の上では,住宅の建設や購入の費用を除いて,すべての財貸・サービスの購入を消費支出に含めることとなっている。したがって,家計調査等でも,それに合わせて,耐久消費財の購入等もすべて消費支出に含めている。
なお,国民経済計算では,消費支出の概念は,一般政府や,対家計民間非常利団体等にも適用されている。

職業分類【しょくぎょうぶんるい】⇒日本標準職業分類

ストック【すとっく】

1時点において存在する量。フローが一定期間内に流れた量であるのに対比される。フローとストックとの関係は,よく貯水池の流水量と貯水量との関係に例えられる。一定期間での流入量はフローの概念であり,ある1時点での貯水量はストックの概念である。また,フローの蓄積がストックとなる。例えば毎期の投資の蓄積が毎期末の資本ストックとなるが,その間における資本減耗分を含んだグロス(総,粗)概念とそれを含まないネット(純)概念とは区別される。

星座グラフ【せいざぐらふ】

多変量データの変量を個体ごとに1つ1つをベクトルとして表し,つなぎ合わせて最終点に1つの星を対応させたグラフを星座グラフと呼ぶ。星は必ず半円の中に入るように描き,データ全体を半円内の星座として表現する。

生産額【せいさんがく】

鉱工業生産指数のウェイトとして使われる生産額は,原材料使用額を含む商品の総価額を指し,原材料を含まない付加価値額と対比される。ただし,原材料を含む総価額を「産出」と呼び,単に生産という場合には「付加価値生産」を意味することがあるので注意が必要である。国民経済計算では,このような区別をしており,国民総生産などは,付加価値生産額を指す。

成人病【せいじんびょう】

成人病とは,昭和32(1957)年に公衆衛生審議会が疾病対策の重要な対象として掲げた疾病で,特に悪性新生物,心疾患,脳血管疾患死亡等をもたらす疾病である,がん,高血圧症,心臓病,及びその他の成人病を指し,特に40歳から60歳前後の働き盛りの年齢層を対象とする疾病である。現在では,がん,心臓病,脳卒中は3大成人病と呼ばれ,健康政策の重点にすえられている。

静態統計【せいたいとうけい】

国勢調査,事業所・企業統計調査などのように,調査対象を一定の時点において把握(調査)して作成した統計を静態統計という。これに対して,出生・死亡・婚姻・離婚統計,人口移動統計などのように,一定の期間内に発生する事象を把握して作成する統計を動態統計という。

遡及改訂【そきゅうかいてい】

毎年調査が実施されないため,実施されない中間年次は便宜上統計処理によって求めた数値を用いている統計調査について,新しい調査結果が公表されたとき,そのデータを使って過去にさかのぼって修正すること。

第一義統計【だい1ぎとうけい】⇒調査統計

第二義統計【だい2ぎとうけい】⇒業務統計

体積グラフ【たいせきぐらふ】

図で示された球体や正立方体などの体積によって,数量間(大きな差のある主要国の石油埋蔵量など)の大小を比較(場所的・時間的)する,単純比較統計グラフの一種。

地域メッシュ【ちいきめっしゅ】

各種データを総合的,かつ多角的に利用するために,国土を方形,等積(多くは1平方キロメートル)に区画した地域区分である。地域メッシュの区分方法には,

  1. 経緯度法
  2. UTM座標系による方法
  3. 国土調査の17座標系による方法

の3つの方法がある。
経緯度法は,経度1度,緯度40分ごとに一定の間隔の経度線及び緯度線によって地域メッシュを区画する方法である。地球は球体であるので,経緯度法で区画した地域メッシュは厳密には等形,等積にはならない。UTM座標系による方法は,180度の経線から東回りに6度ごとに区切った経度帯ごとに原点を定め,平面直交座標系を作る方法である。17座標系による方法は,国土基本図や公共測量図などに使われる方法で,全国に17ヵ所の原点を設けて,それぞれの原点を中心に非常に狭い範囲ごとに平面直交座標系を作る方法である。
わが国では,経緯度法による地域メッシュがひろく使われており,この区分方法は,日本工業規格(JIS)に指定されている。基準地域メッシュの第1次地域区画は,全図の地域を1度ごとの経線並びに偶数緯度及びその間隔を3等分した緯度における緯線によって分割された区画で,1辺が約80キロメートルのほぼ方形をした地域である。第2次地域区画は,第1次地域区画を経線方向及び緯線方向にそれぞれ8等分した区画で,1辺が約10キロメートルである。基準地域メッシュは,第2次地域区画を経線方向及び緯線方向にそれぞれ10等分した区画で,1辺が約1キロメートルである。
この地域区分でデータを表章したのが,地域メッシュデータで,国勢調査,事業所・企業統計調査などのデータや,国土情報など多くのデータが地域メッシュデータとして編集されている。地域メッシュデータは,行政区画によらない地域間比較や時系列比較が容易である,位置情報が簡単に得られるので,コンピュータによる地図化が容易である,コンピュータによるデータ処理が容易であるなど多くの利点がある。

調査統計【ちょうさとうけい】

統計の作成を主目的に行われる統計調査から得られる統計。

統計の作成手段【とうけいのさくせいしゅだん】

統計の出所は,統計調査のみではない。統計を作成する方法には,統計の作成を専一又は主目的として実査を行う場合と,他の行政的な業務に伴って統計を作成する場合とがある。前者の場合の統計を「第一義統計」といい,後者のそれを「第二義統計」あるいは「業務統計」と呼んでいる。

統計表に用いる記号【とうけいひょうにもちいるきごう】

 

0 単位に満たないもの
- 事実のないもの
事実不祥又は調査を欠くもの
未発表のもの
X 秘密保持上統計数値を公表しないもの⇒X(えっくす)
*(アスタリスク) 訂正数値
※(米印) 暫定数値
△(三角) 負の数又は減少したもの(温度の氷点下は-)

動態統計【どうたいとうけい】⇒静態統計

日銀準備金【にちぎんじゅんびきん】

準備預金制度に基づき,市中金融機関が日本銀行に無利子で預け入れておくことを義務付けられた資金。必要額は預金等債務の1ヵ月間(月初~月末)の平均残高に対して,預金の種類ごとに定められた率を乗じて求められる。市中金融機関は,その必要額以上を当月16日から翌月15日までの期間に,平均残高として日本銀行の当座預金に積み立てなければならない。市中金融機関はこの積立て資金を,コール市場等の短期金融市場で融通し合っているため,日銀の金融調節はその積立ての進捗率をコントロールすることを通じて行われている。このほか,市中金融機関の無制限な信用創造を抑制し,預金者保護の役割りも果たすものである。

日本標準産業分類【にほんひょうじゅんさんぎょうぶんるい】

事業所において行われる経済活動すなわち産業を,主として

  1. 生産された財貨又は提供されるサービスの種類
  2. 財貨生産又はサービスの提供方法
  3. 原材料の種類及び性質,サービスの対象及び取り扱われるものの種類

に着目して区分し,それを体系的に配列したもの。

日本標準職業分類【にほんひょうじゅんしょくぎょうぶんるい】

職業分類は,個人が従事している仕事の種類を体系的に区分したもので,各種統計調査の結果を職業別に表示する場合に用いられるものである。ここで職業とは,個人が継続的に行い,かつ,収入を伴う仕事をいう。
仕事の継続性とは,仕事が一時的でなく,次のいずれかに該当することをいう。

  1. 毎日・毎週・毎月等の周期をもって行われている。
  2. 季節的に行われている。
  3. 明瞭な周期をもたないが続けて行われている。
  4. 現に持っている仕事を引き続きそのまま行う意志と可能性がある。

収入を伴う仕事とは,現金,現物,又は名目の如何を問わず,賃金・給料・利潤(個人業主)・その他の報酬を伴うか,収入を得ることを目的とする社会的に有用な仕事をいう。この際,仕事の結果,得られる収入は断続的であってもよい。

非消費支出【ひしょうひししゅつ】

住宅の建設・購入の費用以外で,消費支出に含まれない家計の支出をいう。所得税や消費税,社会保険の掛け金,寄付金等が典型的な非消費支出である。これらは,国民経済計算の言葉では,移転支出に分類される。なお,概念上,相続税のような資本移転は含まれない。

付加価値額ウェイト【ふかかちがくうぇいと】

鉱工業生産指数などでラスパイレス型指数を計算するときに生産額ウェイトとともに最もよく使われるウェイトの一種で,基準年の業種あるいは品目ごとの付加価値額である。最近は,生産額ウェイトに比べて採用頻度が高い。

フロー【ふろー】

一定期間内に流れた量をいう。ストックが1時点に存在する量であるのに対比される。経済変数でいうと,投資,所得などはフローの概念。資本ストック,国富,日銀券発行残高などはストックの概念となる。
現行の国民経済計算(新SNA)の特徴の1つは,一国経済の活動をフローとストックの両面から総合的にとらえることである。特にフロー面においては,国民所得勘定,産業連関表,資金循環表,国際収支表を整合的に統合した体系となっている。またストック面においては,フロー面の活動をふまえて国民貸借対照表が作成されている。

棒グラフ【ぼうぐらふ】

基線から出発をした同幅の棒の長短,高低によって,数量間の差や比,また,大小の順序などを観察するのが目的のグラフである(例えば,都道府県別の人口)。
棒グラフの種類:

  1. 単純比較棒グラフ
  2. 時系列棒グラフ
  3. 内訳棒グラフ

面積グラフ【めんせきぐらふ】

図で示された円形や正方形などの面積によって,数量間の大小を比較(場所的,時間的)する,単純比較統計グラフの一種。

有価証券【ゆうかしょうけん】

株券,公債,社債,手形,商品券など財産権を表した証券の総称である。資金や財産などに関する債権・債務関係を表すものであり,当該証券を譲渡することによって債権の流動化が可能となる。流動性をもつ点で貸付による信用供与とは性格を異にするものである。

輸送トンキロ【ゆそうとんきろ】

貨物の輸送トン数と同時に輸送した距離とをあわせて考えた貨物輸送の単位である。各輪送貨物のトン数にそれを輸送した距離を乗じたものの総合計。

輸送人キロ【ゆそうにんきろ】

旅客数と乗車距離の両方を考慮した旅客輸送の単位である。旅客数に各旅客が乗車したキロメーターの距離を乗じたものの総合計。これによって旅客の輸送総量が示される。

預金準備率【よきんじゅんびりつ】

準備預金制度により,市中金融機関は預金等債務の一定比率に相当する額を中央銀行に無利子で預け入れておくことを義務付けられている。その際に適用される預金等債務に対する中央銀行預け金の比率が預金準備率である。市中金融機関は預金の引出しに備えるため,預金の一定比率を手元ないし中央銀行に準備金として留保しておき,それ以外を貸出しすることによって信用創造を行っている。このため中央銀行は,預金準備率を政策的に変化させることによって,市中金融機関の準備金に直接影響を与え,信用創造能力をコントロールすることができる(預金準備率操作)。

ラウンド【らうんど】

統計数値は一定の桁で,ラウンド(四捨五入)を行うことがある。これは,求められた数値の誤差を取り除き,信頼性を高めるために行うものである。数値の大きさによって,この桁までは信頼できる数値である,という基準を定め,その桁でラウンドしている。

レーダーチャート【れーだーちゃーと】

レーダーチャートは極グラフ,風配図,くもの巣グラフなどとも呼ばれ,複数の変量の値を放射状の複数の軸上にとり,それらを順次直線で結んでできる多角形の図表である。測定単位の異なる変量の場合,変量の値を標準化するなどして,変量間のバランスがとれているときには正多角形になるよう軸上の目盛りを操作することが多い。月別降雨量の地域別比較にはこのチャートがよく使われる。

 

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 統計調査

2相抽出法【2そうちゅうしゅつほう】

目的とする項目の調査結果を,良い精度で得るには,効果的な標本設計を行わなければならない。そのためには,一般に,その項目に関係する既存の情報を利用して,例えば,層化,ウェイト付け,系統抽出の際の配列の工夫等が行われる。しかし,既存の情報がないときは,層化などはできない。そのときは,それらの情報を得るために,特別に調査を行うことが考えられる。すなわち,本来の目的とする項目そのものを調査するのではなく,それを効果的に調査できるような標本設計の材料を得る目的で行う調査のことで,第1相の標本調査という。標本の規模は,本来目的とする項目のための標本調査より,かなり大規模なのが普通である。その結果,第1相の標本に関する情報が豊富になる。次に,この第1相の標本をあたかも母集団のように考えて,これを標本設計を施し,本来目的とする項目の調査を行うとするもので,この標本を第2相の標本という。また,この方法を,2相抽出法という。
2相抽出法においては,抽出が2回行われ,調査も2回行われるが,その際,抽出方法はともかく,調査項目が異なるのが原則である。
(例)電話を通じた意識調査などの場合,まず,かなり多くの世帯の標本を抽出して電話の有無,番号,在宅時間帯,利用者の性・年齢・職業・収入・後日の調査の協力度等を第1相として調査する。次に,これらの標本全体を1つの母集団のように見立てて,第1相で得られた性・年齢,収入などによって層化し,あるいは,配列を行って次の抽出,すなわち,本調査又は第2相に備える。次の抽出によって得られる標本は,目的とする意識項目を調べるための標本で,第1相の標本の標本である。この場合,第1相の標本を親標本又はマスターサンプルということがある。第2相の標本はマスターサンプルから小出しにすることになる。この方式は,定期的に,繰り返し行われる標本調査などによく採り入れられている。

2段抽出法【2だんちゅうしゅつほう】

集落抽出法によって抽出した標本集落の中に,構成単位が多くあるとき,その全部を標本としないで,再抽出を行って標本とする方法を2段抽出法という。この場合,初めに集落を抽出することを1段目の抽出又は第1次抽出,集落の中での抽出を2段目の抽出又は第2次抽出という。例えば,家計調査を行うのに,初めに調査区を抽出し,次に,抽出された調査区の中から世帯を抽出するという方法が2段抽出法の一例である。
2段抽出法においては,各段で抽出単位が異なるのが特徴である。すなわち,第1次抽出単位は第2次抽出単位の集落である。しかし,取り扱う項目は各段共通である。この点,2相抽出法と対照的である。

意識調査【いしきちょうさ】

世論調査のように,ある主題について,個人の意見,態度,知識,関心,評価,満足度などを調べる調査を意識調査という。意識調査では,個人の主観的な意識だけでなく,実態に関する事項を含めて,多面的に調査するのがふつうである。意識調査も統計調査の一種であるが,わが国では統計法の適用を受けないのが通例である。統計法の適用を受ける統計調査の中にも,事実だけでなく,個人の意識に関しても調査しているものがあり,定義上,意識調査との明確な区分をするのは難しい。意識と実態のどちらの調査事項が多いかとか,調査の狙いによって区別しているケースが多い。わが国では,意識調査は,内閣総理大臣官房広報室,各省庁統計担当部局以外の部局あるいは,民間の機関で実施されることが多く,ふつう官庁統計という場合,意識調査は含まない。

一部集計【いちぶしゅうけい】

調査対象の一部を集計対象とするもの。通常全部集計に先立って,集計結果の早期公表を目的として行われる。集計客体の選択方法によって,抽出集計と部分集計に分けることができる。

聞き取り調査法【ききとりちょうさほう】⇒他計申告

系統抽出【けいとうちゅうしゅつ】

等確率抽出を行う場合,乱数表等を用いて1つずつ標本を抽出していくことは労力が大きく,通常は,何らかの系統的な方法で標本を抽出することが多く,そのような抽出法を系統抽出法という。例えば,リストから一定の間隔で標本を抽出する方法(等間隔抽出)や,地図の上で系統的に点を定めてその地域を抽出する方法は系統抽出の例である。
等間隔抽出は,例えば,200個の個体からなる母集団の中から10個の標本を選ぶ場合,母集団に1から200まで番号(識別番号)を付け,200/10=20を計算し,1から20までの間の数を乱数表等により1つ選ぶ。その数が仮りに5ならば,5,25,45,……と20を加えていき,その番号に対応する抽出単位が標本となる。このとき,5を抽出起番号,20を抽出間隔という。等間隔抽出は,標本抽出理論としては,集落抽出の一種である。
系統抽出は,調査区などを抽出単位とする集落抽出の場合にも使われ,また,調査区の大きさなどでウェイトを付けて並べて等間隔の抽出をすれば,確率比例系統抽出になる。
一般に,例えば抽出単位を地域の順に並べると,地域的なバランスがよくなるなど,系統抽出は単純任意抽出に比べ精度がよくなるが,母集団に抽出間隔に近い周期がある場合などは精度が非常に悪くなる可能性がある。

系統抽出法【けいとうちゅうしゅつほう】

系統抽出法とは,標本となる抽出単位について,枠内における位置関係に規則性を持たせるような抽出方法のことである。例えば,抽出用一連番号の5番ごとの抽出単位を標本とする抽出方法を採るならば,この方法は,標本の位置が5の間隔という規則性を持つことになるから系統抽出法である。
系統抽出法のうち,最も基本的なものは等間隔抽出法といわれる方法で,これは,抽出の出発点となる位置(抽出用一連番号)を無作為に決め,それから一定の間隔ごとに標本を抽出し,所定数の標本を得る方法である。抽出の作業は,他のどの抽出法よりも簡単であり,最も実用的である。このとき,抽出の出発点となる抽出用一連番号を抽出起番号といい,次に抽出する抽出単位までの抽出用一連番号の隔りを抽出間隔という。

最適配分【さいてきはいぶん】

層化抽出を行う場合,全体の標本数が同数であっても,各層に配分する標本数が異なれば,結果の精度は変わる。また,多段抽出を行う場合,費用が一定であっても各段の抽出単位の標本数が異なれば,標本の精度は変わる。全体の標本数が一定,あるいは一定の費用が与えられたとき,各層又は各段にどのように標本を配分すれば結果の精度が最もよくなるかを決定することを最適配分という。言い換えれば,ある一定の精度を確保するために,各層又は各段にどのように標本を配分すれば費用が最小になるか決定することと同じ意味となる。

サンプル【さんぷる】⇒標本

サンプル調査【さんぷるちょうさ】⇒標本調査

自計申告【じけいしんこく】

統計調査において,被調査者が自分で調査票に答えを記人する方式をいう。留め置き調査ともいう。これに対し,調査員が彼調査者に質問し,回答を記録する方式を他計申告又は聞き取り調査という。
自計申告は,自分の都合のいい時に記入できるので,必要に応じて記録を参照して正確な回答をすることができる,他計申告と比べて調査員の負担が少ない,同時に大勢の調査をすることが可能である,などの長所がある。しかし,申告者が記入もれをしたり,質問を誤解して誤った回答をすることがないよう,調査票の設計や質問の仕方,表現に注意する必要がある。わが国の統計調査では,自計申告の方法が多く使われている。

自計申告調査【じけいしんこくちょうさ】

被調査者が自ら回答を調査票に記入する方法。この方法は費用が少なくてすむが,面接調査と異なり定義などの統一が難しいこと,調査内容が難しいものは正確さが期待できないという制約がある。なお,この方法はその多くが郵送調査と併用して行われるが,統計調査員が調査票を配布し,調査対象者に記入してもらい,後日取り集める方法もある。

試験調査【しけんちょうさ】

本調査の改善のために本調査に先立って行う小規模な調査をいう。試験調査の規模,範囲,内客は,その目的によって異なる。新しい調査事項の適否,質問の仕方や言葉遣い,調査票の設計,調査の手順,調査員や被調査者の負担などについて,部分的に,あるいは総合的にテストする。人口センサスでは,通常,個別の問題についてテストする小規模な試験調査を何回か実施し,さらにその結果を踏まえて総合的なテストを行う。本調査と同じ内容(最終案)で最後に行う試験調査は,ドレス・リハーサル・テストと呼ばれる。試験調査は,大規模なセンサスの場合だけでなく,標本調査の場合にも行われることがある。

事後調査【じごちょうさ】

本調査終了後,本調査のカバレッジ,調査内容の正確性などを検証して,本調査の結果の精度を評価するためのデータを得るとともに,次回調査の企画・設計上の参考資料とするために実施するのが事後調査である。
わが国の統計調査では,事後調査を実施してる調査は非常に少ない。国勢調査では,毎回事後調査を実施して,調査対象の把握状況,各調査事項の記入状況などの検証が行われている。

市場調査【しじょうちょうさ】

企業又は業界が,生産計画,販売促進,サービス,広報・宣伝,新製品開発など,経営戦略,市場における行動を合理的に決定するために,市場の実態や動向,顧客の意識や動向などを調査し,データを収集し,分析する一連の活動をいう。市場調査も,統計的手法を用いた調査で,統計調査の一種である。

悉皆調査【しっかいちょうさ】⇒全数調査

実査【じっさ】

統計調査の実施には,調査の企画・設計,実査,集計,結果の分析・公表の各段階がある。実査は,実地に調査を行う段階をいい,実地調査ともいう。この段階の作業には,調査系統(機関)への指示,調査員の指導,被調査者との対応(調査票の配布・記入依頼,調査栗の記入指導,調査票の回収,あるいは面接による質問調査などであり,狭義の実査は,この段階の業務を指す),調査票の検査・整理・提出などの一連の作業が含まれる。⇒実地調査

実測調査【じっそくちょうさ】

調査員自ら調査対象を測定し,あるいは数えて記入する方法。この方法は,調査の定義の統一や正確さが完全に得られるが,一般に多大の調査労力を要するという欠点があるため,標本調査によることが多くなる。この調査方法でおこなわれる代表的なものに作物統計調査がある。

実地調査【じっちちょうさ】

実地調査には,実査と同義語として使用される場合と,統計法第13条の規定に基づく実地調査の意味で使われる場合がある。後者の場合,指定統計調査に関する事務に従事する者及び統計調査員は,職務権限として,指定統計調査のため,必要な場所に立ち入り,あらかじめ総務大臣の承認を得た事項について,検査をなし,資料の提出を求め,又は関係者に質問をすることができる。

多くの指定統計調査では,この実地調査権を付与しないで統計調査員が調査活動に従事するが,住宅・土地統計調査など実際に立ち入り,目視又は計測しないと調査できない調査事項のある調査において,ここでいう実地調査権が与えられている。

自由回答型【じゆうかいとうがた】

例えば,「……について,あなたはどう思うか。」という質問を,回答を提示せずに行い,被調査者に自由に記入させる方法。

集落抽出【しゅうらくちゅうしゅつ】

調査単位そのものを抽出するのではなく,いくつかの調査単位の集まり(集落)を抽出単位として抽出する方法をいう。例えば,全国から世帯を抽出しようとする際に,市区町村あるいは国勢調査の調査区を抽出する場合,市区町村や調査区が集落に当る。
集落抽出は,抽出単位の名簿の作成が容易であること,地域区分を抽出単位とすれば名簿の変化が避けられること,調査員事務等が容易であること等のメリットがあるが,同じ標本数を調査する場合,通常単純任意抽出に比べ精度は落ちる。

集落抽出法【しゅうらくちゅうしゅつほう】

母集団の構成単位の一部の集まりを集落という。集落の集落もまた集落である.そこで,集落を抽出単位とする抽出法を集落抽出法という。集落抽出法は,単純無作為抽出法,系統抽出法,層化抽出法などと対立的でないから,これらに応用することができる。
集落抽出法においては,抽出単位が集落であるから,抽出の枠は集落で構成されることになる。したがって,母集団の構成単位から成る枠は必要でない。これは実務上簡便な方法である。人や世帯や事業所などを調査するに当たって,調査区を設定して調査区のリストを作り,調査区を抽出単位として抽出し,その中に所在する世帯や事業所などをすべて調べる方式が,この集落抽出法に相当する。

準備調査【じゅんびちょうさ】

当該統計調査本来の情報を得るための本調査を実施する前に,あらかじめ行っておくもので,担当調査地域の範囲の確認,調査対象の把握,調査対象のリストの作成等のための調査。

人口推計【じんこうすいけい】

何らかの方法により推計することによって求められた人口を推計人口,推計人口を求めることを人口推計という。人口推計は,推計の目的や方法によって幾種類かに分けることができるが,推計しようとする人口と基礎になる人口静態統計との時間的関係による区分としては,

  1. 人口調査間年次の人口の推計
  2. 人口調査以前の人口の推計
  3. 人口調査以後最近に至るまでの人口の推計
  4. 将来人口の推計

などがある。
人口の推計は,既存の人口静態統計や人口動態統計を用いて行われるのが一般であるが,人口統計以外の資料によることもある。推計の方法としては,分析的方法(数学曲線の当てはめ)と要因別推計法とが基本的なものである。
なお,広い意味での人口推計は,人口動態統計集団の推計や各種の標本抽出調査に基づく推計も含まれる。
現在,最もよく利用されている代表的な推計人口は,茨城県統計課が毎月行っている「茨城県常住人口月報」,総務庁統計局が毎月行っている全国推計人口(人口推計月報)や,毎年行っている都道府県人口の推計,全国年齢別人口の推計及び都道府県別年齢別人口の推計(各年10月1日現在推計人口で,結果は「人口推計資料」として公表)などである。いずれも人口調査間人口の推計,人口調査以後最近までの人口の推計に該当する。
また,将来人口の推計としては,国立社会保障・人口問題研究所が新しい資料が得られるごとに行う推計(日本の将来推計人口)が,全国的なものとしてはよく使われている。

世論調査【せろんちょうさ】

広く国民(県民)の意見,要望,不満,知識,関心,判断,評価,態度などに関して直接調査するものをいう。世論調査も,統計的手法を用いており,統計調査であるが,実態を調査するのが主目的ではないので,ふつうの統計調査とは区別される。しかし,意識や態度だけを調べてもあまり意味がなく,実態も含めて多面的に調査するのがふつうである。わが国で行われている主な世論調査には,内閣府大臣官房政府広報室の各種の世論調査,新聞社などが実施する選挙予測調査,時事問題調査,社会意識調査などがある。世論調査は,統計法や統計報告調整法の適用を受けない。

センサス【せんさす】⇒全数調査

全数調査【ぜんすうちょうさ】

全部調査あるいは悉皆調査ともいい,国勢調査や農林業センサスのように文字どおり調査単位のすべてを調査する方法。調査対象者のリストが完全であり,各調査対象から真に正確な値を聞き取ることができれば完全な調査となる。しかし,調査の規模が大きいため,調査労力や費用がかさみ,集計期間が長くなり,公表まで長時間を要するなどの短所がある。
全数調査は,一般には,

  1. 国勢調査のように全国の人口といった標本誤差のあることが許されない数字が要求される場合,
  2. 詳細で正確な結果数字が要求される場合,
  3. 調査対象全体の数(母集団という。)が少なく標本調査を行っても標本誤差が大きくなるので全数調査の方が良い場合

に用いられる。

全部集計【ぜんぶしゅうけい】

調査対象すべてを集計対象とするもの。

全部調査【ぜんぶちょうさ】⇒全数調査

層化抽出【そうかちゅうしゅつ】

抽出単位をグループに分割し,各グループごとに抽出単位を選ぶ方法である。抽出単位を分割することを「層化」,分割された各グループを「層」という。調査単位を層化して抽出する場合のほか,集落抽出や多段抽出の場合に調査区などの抽出単位を層化する例が多い。
例えば,調査区を抽出して推計しようとする場合,事前に国勢調査である程度調査区の特性がわかっているなら,その情報で調査区を層化すれば,特性の異なる調査区間でバランスのとれた標本が得られることになる。また,地域や都市階級で層化すれば,地域間,人口規模間で母集団に近い構成の標本が得られる可能性が高くなる。
一般に層化をすれば精度が向上するが,標本誤差を小さくするためには,層化の指標をうまく選び,層内の分散を小さくし,層間の分散を大きくする工夫が必要である。

層化抽出法【そうかちゅうしゅつほう】

一つの粋が母集団を構成しているとき(母集団に対応しているという意味),この枠を分割して.部分母集団となる幾つかの枠を作り,各砕から標本を抽出するとき,各枠に対応する部分母集団を層という。層を作ることを層化,各層から標本を抽出することによって全標本を得るとき,その抽出方法を層化抽出法という。言うまでもなく,層化は抽出単位に対して行われる。
抽出は,原則として,層ごとに独立で行われる。層ごとの抽出は,単純無作為抽出法でも系統抽出法でもよい。また,ある層で単純無作為抽出法を用い,別の層で系統抽出法を用いてもよい。
層化の効果は調査項目ごとに評価される。ある項目に対して層化を効果的にするためには,単なる枠の分割でなく,その項目について同質なものを同じ枠に,異質なものを別の枠にする,という方針で層を作らなければならない。これは,ちょうど,集落抽出法において効果的な集落を作るために同質なものを別の集落に,異質なものを同じ集落にするという方針と逆である。

他計申告【たけいしんこく】

調査員が,被調査者に面接し,調査票に従って質問をし,その回答を調査票に記入する調査方法をいう。聞き取り調査ともいう。
他計申告には,熟練した調査員を使えば回答率が高く,正確な回答が得られる,被調査者が質問を正しく理解できるように調査員が説明で補うことができる,複雑な調査が可能である,などの利点がある。しかし,一般的には調査費用が多くかかるという欠点がある。
開発途上国で,一般の人の識字率,民度が低いところの統計調査では,他計申告によらざるを得ない。

単純任意抽出【たんじゅんにんいちゅうしゅつ】

最も基本的な標本抽出方法であって,母集団のすべての調査単位に対して,同じ確率を与えて抽出する方法である。実際に単純任意抽出により標本を抽出する場合は,すべての調査単位に一連番号を付け,その最終番号以下の数字をくじ引き又は乱数表によって選び,選ばれた数字に対応する調査単位を標本として選定する。ただし,多くの標本を抽出する場合には,単純任意抽出の代用として,ふつう系統抽出が用いられるが,これは,標本抽出理論としては,集落抽出の一種として扱うことになる。

地方分査【ちほうぶんさ】

調査の委任を受けた組織がそれぞれ所管する地域の集計を行い,それを調査実施者がまとめる方式。

中央集査【ちゅうおうしゅうさ】

調査の実施者自らが集計を行う方式。

抽出集計【ちゅうしゅつしゅうけい】

全数集計に対する集計区分を表し,全体の調査票の一部を抽出(使用)して統計表を集計することをいう。調査票の抽出は標本理論に基づいて行われる。全数集計に対しての抽出集計の特徴は速報性と詳細性である。例えば,全数調査である国勢調査では大量の調査票があるから,そのまま集計するにも詳細な分類符号を付けるにも時間がかる。そのため,全体のおよそ1%分の調査票を抽出集計して速報分の統計表を,およそ20%分の調査票を抽出集計して詳細分の統計表を作成している。

抽出単位【ちゅうしゅつたんい】

母集団から標本を実際に抽出する際の単位をいう。母集団の構成要素である調査単位を直接抜き出す場合は調査単位が抽出単位となるが,集落抽出や多段抽出の場合のように調査単位の集まりを抽出単位とする場合も多い。
例えば,個人を調査単位としてその属性を調査し,母集団全体の属性を推計しようとしたとき,世帯の名簿から世帯を抽出して世帯員の属性を調査するなら,世帯が抽出単位となる。
また,世帯を調査単位としてその家計収支を調べる調査において,第1段で市町村を,第2段で国勢調査の調査区を,第3段で世帯をそれぞれ抽出して調査を行う場合,それぞれ市町村,調査区,世帯が抽出単位となる。
多段抽出の場合,第1段の抽出の際の抽出単位を第1次抽出単位,第2段の抽出の際の抽出単位を第2次抽出単位などという。

抽出単位と枠【ちゅうしゅつたんいとわく】

抽出単位とは,抽出の便宜のために設けられる単位であって,集団の構成単位と同一である場合もあるが,そうでない場合(構成単位の集合体)もある。例えば,ある地域の人の集団の中から人を標本とする場合,抽出単位は個人でもよいし,世帯でもよいし,字,丁などの小地域区画でもよい。このように,1つの集団から標本を抽出する際の抽出単位は,種々考えられるのが一般であり,そのうち当該調査目的に最も適するものが採用されるのである。
枠とは,抽出単位のリスト(名簿)と考えてよい。枠としては,例えば,国勢調査の調査区リスト,選挙人名簿,住民基本台帳がある。狭義には,抽出確率の合計が1になる範囲と考えることもある。抽出単位には番号が付けられているのが普通である。番号の系列は必要に応じて何種類も作られる。番号が一連番号でないときは,新たに1から始まり抽出単位数で終わる一連番号を付けると分かりやすい。この番号を抽出単位番号という。抽出の際のウェイト(重み,抽出確率に比例的なもの)が,すべての抽出単位について等しく1のときは,標本は抽出単位番号によって直接示すことができる。抽出の際のウェイトが抽出単位によって異なったり,同じであっても,1でないときは,ウェイトを単位に1から始まりウェイトの総数で終わる一連番号を付けることにする。これは一種の延べ番号であり,抽出用一連番号という。抽出の際のウェイトがすべて1のときは抽出単位番号と抽出用一連番号とは同じになる。
抽出単位番号と抽出用一連番号は枠内の抽出単位の位置を表し,両者はウェイトを通しとすることによって関連付けられる。標本は抽出用一連番号によって直接示されるが,ウェイトを通じて抽出単位番号に換算されるから,抽出単位番号によっても示すことができる。
枠を具体的に示すものとしては,抽出単位ごとのカード,抽出単位を記載した名簿,抽出単位を記録した磁気テープ等がある。

抽出調査【ちゅうしゅつちょうさ】⇒標本調査

抽出率【ちゅうしゅつりつ】

母集団の調査単位数に対する標本数の割合をいう。例えば,単純任意抽出において,母集団の調査単位数Nが20万世帯,標本として選ばれた数nが2000世帯であれば,n/N=100分の1が抽出率である。抽出率の逆数(この例では100)は,系統抽出をする場合の抽出間隔でもあり,また,標本の1世帯が100世帯を代表していることも示しており,母集団の家計収入の合計は標本の家計収入の合計を100倍して推計することになる。
また,多段抽出などの場合の各段での抽出において,抽出単位の総数に対する実際の抽出したものの割合も抽出率という用語を使う。例えば,第1段で調査区を抽出率10分の1で抽出し,第2段で世帯を抽出率3分の1で抽出するといった使い方をする。この場合,10分の1を第1次抽出単位の抽出率,3分の1を第2次抽出単位の抽出率,10分の1×3分の1=30分の1を総抽出率などという。

調査員調査【ちょうさいんちょうさ】

調査対象に,統計調査員が訪問して調査する方法である。調査員調査には,調査票を配布して調査対象に記入してもらう方法(自計申告)と統計調査員が調査対象から聞き取って調査票を作成する方法(他計申告)の二つの方法がある。
この調査員調査は,(1)経費がかかる,(2)調査員の選任,指導の事務がある,(3)相手が不在の場合,面接できない等の短所がある反面,(1)調査票の回収率が高い,(2)調査事項が多少複雑でも調査が可能,(3)質問の内容を相手に理解させることができるから正しい回答が得やすい等の長所があるため,多くの調査でこの方法が用いられている。

調査対象【ちょうさたいしょう】

統計調査で,調査,観察,又は測定の対象とするものの集まりをいう。例えば,国勢調査の調査対象は,国勢調査の調査時において,本邦内に常住している者である。標本調査の場合は,実際に抽出され,調査される標本ではなく,その調査が対象とするものの集団を指す。なお,実際に調査される個々の被調査者を呼ぶのに,調査対象という用語が使われることもあるので注意する必要がある。

電話調査【でんわちょうさ】

電話を通して被調査者と接触し,質問をして必要な情報を集める調査方法をいう。電話調査には,被調査者との接触が簡単である,調査対象が地域的に限られているときには調査費用が比較的少なくてすむ,比較的精度の高い情報を迅速に集めることができる,などの利点がある。しかし,電話ではあまり長時間にわたる調査は難しい。
わが国では,統計調査で電話調査を採用している例は極めて少ないが,世論調査や市場調査の一部では使われている。

留置き法【とめおきほう】⇒自計申告

任意抽出法【にんいちゅうしゅつほう】⇒無作為抽出法

ネイマン配分【ねいまんはいぶん】

標本を層化抽出する場合,各層に配分する標本数を決める問題が標本配分の問題であるが,一定の標本数の下で,最も精度をよくする配分方法がネイマン配分である。具体的には,i番目の層の大きさがNi,標準偏差がσiのとき,i番目の層に配分する標本数をNiσiに比例させる方法である。各層の標本偏差σiが著しく異なる場合は,ネイマン配分が効果的である。しかし,この場合,各層の標準偏差σiが知られている必要がある。

標本【ひょうほん】

調査の対象となる集団である母集団の構成単位から一部を抜き出して得られた集団のことをいう。どの単位が標本として選ばれるか否かが事前に与えられた確率によって示される場合,その標本は確率標本と呼ばれる。確率標本は,事前に推計の精度をある程度知ることができ,また一定の精度を得るために必要な標本数を計算することも可能になる。
一方,調査の設計者の経験等により選ばれた標本は有意標本と呼ばれる。

標本設計【ひょうほんせっけい】

標本調査では,調査対象の集まりである母集団から標本を抽出し,抽出された標本を観察して,その結果に基づき母集団について推定を行う。このとき母集団から,どのくらいの標本をどのように抽出するか,またどのような推定方法を採るか,その際の目標精度がどのくらいかなど,調査に先立って具体的にこれらのことを定めることを標本設計という。

標本抽出【ひょうほんちゅうしゅつ】

標本調査の場合に,母集団の中からその一部を調査対象として抽出することである。標本抽出は,調査企画者が作為的に選ぶとか,調査協力者を募集して選ぶ有意抽出と,どの調査単位もすべて抽出されるような可能性を作って無作為に選ぶ確率抽出とに大別される。

標本調査【ひょうほんちょうさ】

抽出調査ともいい,標本理論に基づき,調査対象全体(母集団)の中から一部分(標本,サンプル)を抽出し,取り出された標本を調査してその結果から全体についての値を推定する方法。この方法は,一部の標本についてのみ調査することから全体とは完全に一致することはあり得ないため代表性が問題となる。しかし,

  1. 少ない費用で行える
  2. 結果をより正確に出すことができる
  3. 速やかに公表することができる

などの長所を持っている。
標本抽出の方法として,単純任意抽出法,系統抽出法,集落抽出法,層化抽出法,多段(副次)抽出法などがある。

比例配分【ひれいはいぶん】

標本を層化抽出する場合,各層に配分する標本数を決める問題が標本配分の問題であるが,各層の抽出率が一定になるように各層の標本数を決める方法を比例配分という。この配分方法によると,母平均の不偏推定量は,標本の単純平均と一致し,集計が最も簡単である。
また,この場合の標本平均の分散は,単純任意抽出の場合より,層間分散の分だけ小さくなる。すなわち,層内がなるべく均質で,層問のばらつきが大きいほど層化の効果が高いことがわかる。

部分集計【ぶぶんしゅうけい】

調査のねらい及び調査対象の性格等により,全調査票のうち特定範囲の客体を対象として集計する方法。その調査のポイントと思われる集計結果を早期に公表する場合に用いられる。

プリコード型【ぷりこーどがた】

あらかじめ回答を幾つかのタイプに分類してコードを付けておき,被調査者に該当するものを選ばせる方法。二項択一型質問と多項選択型質問がある。

母集団【ぼしゅうだん】

統計的観察の対象となる集団は一定の機念によって規定される単位の集まりであるが,その単位の一部によって構成される標本との関係において考えるとき,これを母集団という。その母集団の構成単位が有限個のとき母集団を有限母集団といい,無限のときに無限母集団という。標本理論において標本の非重複抽出を考える際には無限母集団と有限母集団で若干扱いが異なるが,有限母集団でもその構成単位数が十分大きいときには,無限母集団とみなしても実用上はほとんど問題はない。⇒全数調査

本調査【ほんちょうさ】

調査対象に面接し調査票による調査活動を行うもので,統計調査員の活動の中で最も重要で根幹的なものである。

無作為抽出法【むさくいちゅうしゅつほう】

母集団から標本を抽出する際に,選択者の意思が入らないよう全くの偶然に任せて,つまり,くじ引きの原理で標本を抽出する方法。

メール調査【めーるちょうさ】⇒郵送調査

面接調査【めんせつちょうさ】

調査員が調査の対象となる相手に直接面接して,調査票あるいは質問票に従って質問をし,相手の回答を,調査員が調査票に記入する方法をいう。調査相手本人に直接面接して行う聞き取り調査(他計申告)である。面接調査は,調査相手本人を調査すること,質問を相手に理解させやすく,相手が質問の意味を取り違えてもその場で正せること,複雑な質問が可能なこと,などの利点がある。一方,調査に経費がかかること,不在など相手に直接面接できないケースが多くなってきていること,調査員の介在により回答に偏りが生じる恐れがあること,被調査者のプライバシーの問題などの問題がある。

有意抽出法【ゆういちゅうしゅつほう】

できるだけ代表的な標本を選ぶのに,平均や中位に当たると考えられるものを抽出する方法。

有意標本【ゆういひょうほん】

調査の対象となる集団である母集団の構成単位から実際の調査を行う集団として標本を選ぶ際に,乱数表などを使って確率的に選んだもの(確率標本)ではなく,調査の企画者がその知識,経験等により「典型的」あるいは「代表的」であるとして選んだ(有意抽出した)標本をいう。また,例えば応募により標本を選ぶ場合があるが,確率的に標本が選ばれていないので,この場合の標本も有意標本という。
標本調査は,母集団の一部を調査して母集団全体の属性(変量)を推計しようとするものであり,経験などによってうまく標本が選べれば少ないコストで調査が可能になる。わが国の戦前の標本調査の多くはこの方法をとっていた。しかし,経験が常に当てはまるとは限らず,判断の誤りは結果の偏りに直結する。また,確率標本のように誤差を科学的に管理することもできないという欠点もある。
このため,統計調査の標本としては,近来ではあまり用いられることはなくなったが試験調査とか行政モニターなどの標本では,代表的な地域を調べるとか募集によって標本を有意抽出することが多い

郵送調査【ゆうそうちょうさ】

統計調査の調査方法の1つで,調査票を調査相手に郵送して記入してもらい,記入ずみの調査票を郵送で回収する方法である。このような完全郵送方式のほか,配布か回収の一方のみを郵送で行う片道郵送方式もある。郵送調査は,調査経費が安い,調査員を使う調査と違い,調査相手が地域的に広がっていても調査できる,標本調査では,適切な枠が利用できれば抽出段階を減らしてサンプリングの精度を上げることができる,などの利点がある。一方,郵送調査は,自計申告調査と同様に定義の統一や正確さが期待できないほか,一般的にいって回収率が悪いので,督促を行うほか,何らかの補足調査を行い,結果に偏りがないようにしなければならない。
わが国では,郵送調査の方法は,企業や事業所を対象とした統計調査や,意識調査等で使われている。

枠【わく】

調査の対象となる集団(母集団)は,概念的に定められるが,実際の抽出をするには名簿や台帳が必要であり,その名簿や台帳は対象とする集団の枠あるいはフレームと呼ばれる。例えば,A市に居住する20歳以上人口を調査の対象集団としたとき,実際の抽出には住民基本台帳や選挙人名簿等の名簿が枠として必要である。
一般に,枠として使用可能な名簿は概念的に規定される集団とは必ずしも一致しない。住民登録にも登録漏れや移転,死亡等の登録の遅れ等があり,調査時点で実際に居住している世帯の名簿とは必ずしもなっていない。また,全数調査結果を枠として利用することがあるが,例えば事業所・企業統計調査の結果得られる事業所名簿を枠として利用する場合,事業所の改廃,従業員規模の変化等により,名簿が経年的に古くなっていくため,事業所・企業統計調査の実施とは別に中間年に名簿補正のための調査を行っている。
しかし,調査の対象となる集団の枠を用意することは困難であるため,多段抽出法が多く採用され,調査区などを抽出単位として,抽出された調査区内の名簿を作成して標本を抽出することになる。この調査区などのリストも枠あるいはフレームと呼ばれる。⇒抽出単位と枠

 

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 統計制度

公務災害補償【こうむさいがいほしょう】

統計調査員は公務員であるので、統計調査員が統計業務に従事中に災害を受けた場合、国または都道府県が補償する。

指定統計【していとうけい】

政府もしくは地方公共団体が直接又はその他のものに委託して作成する統計で総務大臣が指定し,その旨を公示した統計(統計法第2条)。これらは国民生活にとって重要な関係をもち,国の基本政策決定の基準として必要な統計の体系に属するものである。

指定統計調査【していとうけいちょうさ】

指定統計を作成するための調査で,統計法第7条第1項の規定により総務大臣の承認を得たものを指定統計調査という。調査の実施者は,あらかじめ総務大臣にその計画を提出し,内容の審査を受けて,その承認を得なければならない。調査を中止し又は承認を得た事項を変更する場合も承認が必要である。

  • 申告義務の賦課:調査実施者は,統計の重要性にかんがみ人又は法人に対して申告義務を賦課することができ,義務違反に対しては,懲役刑を含む罰則が設けられている。
  • 秘密の保護:申告義務を課す一方,申告した内容については,統計調査に従事する者が調査上知り得た秘密を漏らしたり,盗用した場合には刑罰が科せられるなど,厳重な秘密の保護が図られている。集められた調査票は,総務大臣の承認を得た場合のほかは使用できない。しかし,調査票は国民全体の貴重な財産であり,公益増進のうえから総務大臣の承認を得て当該統計目的以外の使用の道を開いている。
  • 結果の公表:調査の結果は,特に総務大臣の承認を得た場合を除いてすべて速やかに公表している。
  • 地方公共団体の長に対する事務委任:国が指定統計調査の実施者である場合,その調査事務の一部を地方公共団体の長に委任することができる。
  • その他:統計法は,指定統計調査について,以上に述べたもののほか,調査従事者の資格,統計調査員等についての規定を置いている。

承認統計【しょうにんとうけい】

国の行政機関が統計報告の徴集を行おうとする場合は,統計報告調整法の規定によりあらかじめ総務大臣の承認を受けなければならない(同法第4条)。この規定に基づいて承認されて作成した統計を承認統計という。法律又は政令で定められている統計報告の徴集及び指定統計調査については承認を受ける必要はない。

承認統計調査【しょうにんとうけいちょうさ】

統計報告調整法に基づいて承認された統計調査をいい,国の行政機関が行う統計調査の総数のうち約6割を占めている。同法によれば,国の行政機関が,直接又は地方公共団体を通じて,10以上の人又は法人から統計報告を徴集する場合には,あらかじめ総務大臣の承認を受けなければならない(同法第4条)。総務省は専ら,調査技術上及び調査重複の排除の見地から審査を行い,承認された場合はその証拠として報告様式に承認番号と承認期間を明示することになっている。

調査員確保対策事業【ちょうさいんかくほたいさくじぎょう】

国が実施する統計調査に際して統計調査員の選任が困難となっている現状を改善するため、あらかじめ統計調査員希望者を登録し、統計調査員の確保に資するとともに、統計調査員の資質の向上を図ることを目的に行われている事業。都道府県知事が総務大臣から委託を受けて行う。

調査員同行者【ちょうさいんどうこうしゃ】

総務省が実施する統計調査において,統計調査員の求めに応じて、統計調査員の調査活動中の事故等の未然防止のために同行する者で、あらかじめ、統計調査員の推薦により都道府県に登録された者。

統計【とうけい】

人・土地・物などによって構成された特定の集団について,その集団の全体又は一定の方法によって抽出された標本からなる集団に対して,時と場所を定め,一定の約束のもとにその質的,量的側面を調査し,その結果を集推計し表示したものをいう。統計は,複雑で高度な現代の社会経済活動に関し,最も有効で確実な情報あるいは指標として重要な機能を果たしている。

統計委員会【とうけいいいんかい】

内閣府の審議会。公的統計の体系的かつ効率的な整備及びその有用性の確保を図るため、、統計法(平成19年法律第53号)の規程により平成19年10月1日に新たに発足した。
統計委員会で審議する事項は、1)公的統計の整備に関する基本的な計画、2)国民経済計算の作成基準の設定、3)基幹統計の指定、4)基幹統計調査の承認・変更・中止、5)統計基準の設定、6)匿名データの匿名性の確保、などとなっており、公的統計の整備に関する「司令塔」機能の中核としての役割を担っている。

統計指導員【とうけいしどういん】

総務大臣または都道府県知事の任命により、調査活動が円滑に推進されるよう、統計調査員の指導を行う者。

統計専任職員【とうけいせんにんしょくいん】

地方に配置された全額国費支弁の統計主事または統計事務に従事する専門の吏員。

統計調査員【とうけいちょうさいん】

総務大臣または都道府県知事の任命により、調査対象と直接接触し調査活動を行う者である。
調査対象から報告を徴集する方法には,大別して,郵送による方法,調査員による方法とインターネットによる方法とがあるが、我が国では,回収率や統計の精度等の観点から調査員による方法をとることが多く,国勢調査,事業所・企業統計調査,農林業センサス,工業統計調査,商業統計調査などの市区町村段階で実査が行われる指定統計調査は,すべて調査員調査であり,家計調査,小売物価統計調査,労働力調査,経済産業省生産動態統計調査,毎月勤労統計調査等の都道府県段階で実査が行われる標本調査も調査員によるものが多い。このように,統計調査員は,統計組織の最先端として重要な役割を果たすものである。
この統計調査員の業務内容には二通りがある。調査対象に面接して聞き取りによって調査員が調査票を作成するものと,調査員は調査票の配布,収集等を行い,調査票への記入は調査対象者自身が行うものであり,我が国では,多くのものが後者である。

統計調査条例【とうけいちょうさじょうれい】

県が行う統計調査について、申告義務、実地調査、秘密の保護、結果公表の原則、調査員制度、罰則等を規定した条例。

統計法【とうけいほう】

正確な統計を体系的に得るためには,統計調査に関する一元的な根拠法が必要になる。統計法(昭和22年3月26日法律第18号)の目的は,「統計の真実性を確保し,統計調査の重複を除き,統計の体系を整備し,及び統計制度の改善発達を図る」ために制定された統計に関する基本法であり,政府及び地方公共団体が行う調査のうち,特に重要なものを「指定統計調査」として指定し,国民に申告の義務を課するとともに,秘密の保護にも万全の措置を講じている。また,諸統計の実態把握と重複除去を図るための届出統計制度も定めている。

統計報告調整法【とうけいほうこくちょうせいほう】

昭和27年8月21日施行。統計報告を国民が作成する際の負担を軽減し、行政事務の効率化を図ることを目的としたもの。国の機関が10以上の民間の報告者から統計報告を徴収する場合は、原則として総務大臣の承認を受けなければならないものとしている。
この法律の目的は,「統計報告の徴集方法,報告様式,その他統計報告の徴集について必要な調整を行い,もって統計報告の作成に伴う負担を軽減するとともに,行政事務の効率化を図る」こととし,統計調査の重複を除き,調査の数が多くなるにつれて被調査者の負担が重くなることをさけるために制定されたものである。統計報告調整法により総務大臣の承認を受けた統計報告(一般に「承認統計」と呼ばれる。)は統計法による届出を必要としない。

届出統計【とどけでとうけい】

指定統計調査以外の統計調査については,統計法は,調査実施者は,調査の目的,事項,範囲,期日及び方法を総務大臣に届け出なければならないと規定している(第8条)。ただし,統計報告調整法の承認を受けた統計報告(承認統計)については届出の必要はない(第8条)。届出を必要とする統計調査の範囲については,「届出を要する統計調査の範囲に関する政令」に規定されている。この統計法第8条の規定に基づいて届け出られた統計調査を届出統計という。

 

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