新型インフルエンザ(ブタ由来インフルエンザA/H1N1)に関するQ&A
平成21年5月7日
このQ&Aは,CDC(米国疾病対策センター)の"H1N1 Flu(Swine Flu) and You"(2009年5月3日10:15am)を、現在の日本の状況に会わせて編集したものであり、完訳ではありません。
Q 今回の新型インフルエンザ(ブタ由来インフルエンザA/H1N1)とは何ですか?
A 今回の新型インフルエンザ(ブタ由来インフルエンザ A/H1N1)は、ヒトに病気を引き起こす新しいインフルエンザです。この新しいウイルスは、最初に2009年4月に米国でヒトから分離されました。メキシコやカナダを含む他の国においても、この新しいウイルスに感染した人が確認されています。このウイルスは、主に季節性インフルエンザと同様の感染経路で、ヒトからヒトへと感染していると考えられています。
Q 新型インフルエンザウイルスが、時にブタインフルエンザと呼ばれる理由は何ですか?
A このウイルスは、検査診断によりその遺伝子の多くが、北アメリカのブタに通常感染しているブタインフルエンザウイルスにとても良く似ていることから、最初はブタインフルエンザと呼ばれていました。しかし、さらに研究を進めたところ、このウイルスは、実は北アメリカのブタにふだん感染を起こしているものとは、かなり違うことがわかりました。ヨーロッパやアジアにおいてブタの間で流行しているインフルエンザの2つの遺伝子と、鳥インフルエンザ、ヒトインフルエンザの遺伝子を持っています。専門家はこれを"quadruple reassortant"virus(4種類が組み合わさったウイルス)と呼んでいます。
Q ブタがこのウイルスを媒介して、ブタからヒトが感染するということはあるのでしょうか?
A 現時点では、米国のブタがこの新しいウイルスに感染しているという証拠はありません。しかしながら、普段からブタに感染して流行を起こすインフルエンザウイルスが存在することは知られています。ほとんどの場合、これらのウイルスにはヒトへの感染性はありませんが、インフルエンザウイルスはブタからヒトへ、ヒトからブタへと感染することがあります。
Q 米国では、このH1N1型インフルエンザウイルスに感染した人はいますか?
A ヒトでの感染例は、米国の南カリフォルニアとテキサス州Guadalupe地区周辺で最初に確認されました。その頃から流行は勢いを増し、次々と各州から感染例が報告されました。米国での確定症例数はCDCのホームページに掲載されています。CDC及び各州、地域の保健省は協力して調査にあたっています。
Q 新型インフルエンザ(ブタ由来インフルエンザ A/H1N1)のウイルスには、伝染性がありますか?
A CDCによると、このウイルスは伝染性があり、ヒトからヒトへ感染するとされています。しかしながら、現時点では人々の間でどの程度の感染力があるのかは不明です。
Q ヒトがこのウイルスに感染した場合の症状は?
A 新型インフルエンザ(ブタ由来インフルエンザ A/H1N1)に感染した場合の症状は、発熱、咳、咽頭痛、体の痛み、頭痛、悪寒、倦怠感など通常のヒトのインフルエンザの症状と同様です。このウイルスに感染した人のうち、かなりの人に下痢や嘔吐の症状がみられています。季節性インフルエンザと同様、このウイルス感染に感染した結果、重症化したり、死亡した例もあります。
Q 新型インフルエンザにかかった場合、重症度はどの程度ですか?
A 現時点で、一般の人々がこのウイルスに罹った場合、どの程度重症になるかはわかっていません。CDCは、このウイルスに感染した人の病歴を調査して、どんな人が感染しやすいのか、また重症化するのか、入院が必要になるのかを調べています。季節性インフルエンザでは、年少児、妊婦、慢性疾患がある人、65歳以上の高齢者は、インフルエンザに関連する重症な合併症を起こすことが知られています。しかし、現時点では、特定のグループがこの新型インフルエンザウイルス感染して、重篤な合併症を起こすリスクが大きいというようなことはわかっていません。CDCは年齢によって、このウイルスに免疫を持っている人たちがいるのかどうかについても研究を進めています。
Q 新型インフルエンザは、どのような経路でまん延するのでしょうか?
A 今回の新型インフルエンザは、季節性のインフルエンザと同じ感染経路で拡がると考えられています。インフルエンザウイルスは、主にインフルエンザに罹った人の咳やくしゃみによって、人から人へと感染します。インフルエンザウイルスが付着した物を手で触って、その手で自分の口や鼻を触ることによって感染する場合もあります。
Q 豚肉を食べたり、調理したりすることによって、感染することはありますか?
A いいえ。食品によってH1N1型インフルエンザウイルスに感染することはありません。豚肉やその加工品を食べても大丈夫です。適切に処理、調理された豚肉製品は安全です。
Q 水を飲んで感染する可能性はありますか?
A 従来の殺菌処理がなされた水道水から、インフルエンザが感染することはありません。現在の飲料水の処理方法では、高いレベルでウイルスを除去することが可能です。従来の飲料水処理行程によって、新型インフルエンザウイルス(ブタ由来インフルエンザ A/H1N1)の感染が起こったことを示唆する調査研究は、今のところありません。
なお、従来の飲料水処理工程で使用されている遊離塩素濃度は、H5N1型高病原性鳥インフルエンザを不活化させるのに有効であることが、最近の研究で示されています。今回のH1N1型インフルエンザウイルスのような他のインフルエンザも、これらの塩素濃度で不活化されると思われます。これまで、インフルエンザで汚染された飲料水によって感染が起きた事例は報告されていません。
Q 新型インフルエンザウイルスH1N1は、遊泳プールや温泉、噴水、その他のレクリエーション施設の水で感染することはありますか?
A レクリエーション施設において、CDCの推奨する殺菌レベル(プールでは1-3ppm、温泉では2-5ppm)で処理された水によって、インフルエンザの感染が起きることはないでしょう。現在のところ、インフルエンザウイルスに汚染された遊泳プールの水によって、インフルエンザに感染した事例は報告されていません。遊泳プールや温泉、噴水、その他のレクリエーション施設で使用されている塩素やその他の消毒剤を用いた場合に、感染が起こる可能性を示唆する研究結果はありません。
なお、CDCの推奨する遊離塩素レベルであれば、H5N1型高病原性鳥インフルエンザを不活化させるのに有効であることが最近の研究で示されています。H1N1型インフルエンザウイルスのような他のインフルエンザも、これらの塩素濃度で不活化されると思われます。
Q 新型インフルエンザに罹らないようにするには、どうすればよいですか?
A まず大切なことは、手を洗うことです。全身の健康状態を保つようにしましょう。十分な睡眠をとり、適度に体を動かし、ストレスを調整し、水分を十分に補給して、栄養価の高い食品を摂るようにしましょう。インフルエンザウイルスに汚染されたものに触らないようにして、発症者との接触を避けるようにしましょう。
Q 新型インフルエンザの治療薬はありますか?
A オセルタミビル(商品名:タミフル)、ザナミビル(商品名:リレンザ)が治療薬、あるいは予防薬として勧められます。抗インフルエンザウイルス剤は医師による処方が必要な医薬品で、体内でウイルスの増殖を抑えることにより、インフルエンザに効果があります(タミフルにはカプセル剤、ドライシロップ剤があります。リレンザは吸入剤です)。
もし発症した場合、抗インフルエンザウイルス薬の使用により、病状を軽くしたり、治癒を早めることができます。また、インフルエンザの深刻な合併症を防ぐ効果も期待できます。
Q 新型インフルエンザウイルスに感染した人が、他人に感染させる期間は?
A 現在のところ、CDCでは季節性インフルエンザの場合と同様であると考えています。季節性インフルエンザウイルスに感染した人は、発症1日前から発症後7日目まで、他人に感染させる可能性があることが研究結果により示されています。つまり症状の出ている間だけでなく、発症前でも他人に感染させる可能性があります。また、小児、特に年少児は、より長い期間感染させる可能性があります。現在CDCが研究を進めており、結果が出ればまた情報提供します。
Q どのようなものがインフルエンザウイルスの汚染源となるのですか?
A ウイルスで汚染されている物品の表面を触った手で、目や鼻、口を触った場合に感染する可能性があります。感染した人の咳やくしゃみによって発生した飛沫(しぶき)は、周囲に飛び散ります。そのような飛沫が机などの表面に付き、そこを触った人が手を良く洗わずに自分の目や口、鼻を触ることで感染します。
Q 自分の身体を守るために、我々は何ができますか?
A 現在、新型インフルエンザを防ぐワクチンはありませんが、以下のような方法でインフルエンザのような呼吸器疾患を引き起こす病原体の拡散を防ぐことができます。これらを毎日実行して、ご自分の健康を守りましょう。
- 咳やクシャミをするときはティッシュで鼻と口を覆ってください。使用済みのティッシュは、すぐにゴミ箱に捨ててください。
- 頻繁に石けんと水で手を洗いましょう。特に、咳やくしゃみをしたときにはよく洗ってください。その際には、アルコール入りのハンドクリーナーも効果的です。
- 手であなたの目や鼻や口に触れないようにしてください。ウイルスに感染する恐れがあります。
- インフルエンザに感染している人との濃厚な接触をさけるようにして下さい。 インフルエンザにかかった場合、発症後7日間、あるいは症状が消失してから24時間後までは、自宅に待機してください。これは、他の人への感染を防ぎ、インフルエンザのまん延を防止するために必要なことです。
その他の気をつけるべき大切なこと。
- 学校閉鎖、人混みを避けること、その他、人との距離を保つために行う公衆衛生上のアドバイスに注意してください。
- 自分が病気になって1週間自宅に居る場合に備えましょう。すなわち、常備薬、アルコール入り手指消毒薬、ティッシュ、その他の日用品を備蓄しておけば、あなたが感染力のある期間に外出をせずに済みます。
Q 咳やくしゃみによるウイルスの拡散を防ぐのに最もよい方法は?
A もし発症したら、できる限り他人との接触を避けてください。発症から7日間、あるいは症状がなくなるまで(どちらか長い方の期間)は、学校や職場には行かないでください。
咳やくしゃみをするときはティッシュで鼻と口を覆ってください。他人への感染を予防することができます。使用済みのティッシュは、すぐにゴミ箱に捨ててください。ティッシュを持っていないときは、手で咳やくしゃみを抑え、その手をよく洗いましょう(咳やくしゃみのたびに、こまめに洗いましょう)。
Q インフルエンザの予防を目的とした手洗いの方法は?
A 頻繁に手を洗うことは、ウイルス感染からあなた自身を守るのに役立ちます。
石けんと流水で手を洗ってください。あるいはアルコール入りのハンドクリーナーも消毒効果があります。手を洗う際には(石けんと温水で洗うことをお勧めします)、15秒から20秒間洗浄してください。
石けんと水が使えないときは、アルコール入りの使い捨ての手ふき又はゲル状の手指消毒薬も有効です。
ゲル状の手指消毒薬を使うときは、手指消毒薬が乾くまで手をこすってください。ゲル状の手指消毒薬は水なしで使用でき、成分のアルコールが消毒効果を発揮します(日本でも発売されておりますが、やや高価です)。
Q 万一、インフルエンザ様の症状が出たらどうすべきですか?
A もし、あなたが新型インフルエンザの流行が確認されている地域に10日以内に渡航したことがあり、インフルエンザ様症状(発熱、身体の痛み、鼻水、のどの痛み、吐き気、嘔吐や下痢)が出たら、直接医療機関を受診するのではなく、まず最寄りの保健所に電話してください。保健所では、専門の医療機関(感染症指定医療機関等)を紹介します。
万一、あなたがインフルエンザを発症した場合、医療機関を受診するまでは、病気が拡散することを防ぐために、出来る限り他の人との接触を避けるよう心がけてください。
もし、発症前10日以内に渡航歴があり、インフルエンザ様の症状が出現して、次のような兆候がある場合は、救急車を呼ぶか、保健所や医療機関に相談しましょう(その際は、渡航歴があることを必ず、救急隊員や保健所、医療機関に伝えましょう)。
○子どもの緊急サイン
- 呼吸が速い、呼吸困難がある
- 顔色不良(皮膚の色が青い)
- 十分な水分がとれない。
- 目を覚まさない。反応がない。
- イライラして、抱っこされたがらない
- インフルエンザ様症状が改善したかに見えるが、再び発熱があったり、咳がひどくなる。
- 発疹を伴う発熱
○大人の緊急サイン
- 呼吸困難、息切れ
- 胸部や腹部の痛みや圧迫感
- 突然のめまい
- 錯乱状態
- 重度のあるいは持続的な嘔吐
Q インフルエンザウイルスは、本やドアノブなど物品の表面でどのくらい生きているのでしょうか?
A 研究結果では、インフルエンザウイルスが物品の表面に付着してから、最大2〜8時間はヒトへの感染力があるとされています。
Q インフルエンザウイルスを消毒するにはどうすればよいですか?
A インフルエンザウイルスは75〜100℃(華氏167〜212度)で死滅します。また、塩素や過酸化水素、洗剤(石けん)、ヨウ素を含む消毒薬、アルコールなども、適切な濃度、時間により使用すれば、インフルエンザウイルスに対して効果があります。例えば、アルコールを含む布やゲルを使えば、手を消毒することができます。ゲル状の手指消毒薬を使うときは、消毒薬が乾くまで手をこすってください。
Q インフルエンザウイルスが拡がるのを防ぐために、ゴミはどのように扱ったらよいでしょうか?
A インフルエンザウイルスが拡がるのを防ぐために、感染者が使用したティッシュやその他使い捨てのものは、ゴミ箱に捨てましょう。そして、使用済みのティッシュなど汚染されたものを触った後は、石けんと流水でよく手を洗いましょう。
Q 清掃はどうすればよいでしょうか?
A インフルエンザウイルスが拡がるのを防ぐには、特にベッドサイドテーブル、浴室、台所の調理台やおもちゃなど物品の表面の汚れを、家庭用洗剤を使って拭き取りましょう。家庭用洗剤は、ラベルに記載されている使用法に従って使って下さい。
Q 感染者が使用したリネン、食器や皿はどのように扱ったらよいですか?
A 感染者が使用したリネンや、食器、皿は、特別に洗浄する必要はありません。
シーツやタオルなどのリネンは、家庭用洗濯用洗剤で洗い、高温で乾燥させましょう。自分を汚染させないようにするため、洗う前にリネンを抱きかかえることがないようにしましょう。汚れた洗濯物を触ったあとは、速やかに石けんと流水で手を良く洗うか、アルコール入り手指消毒薬を使いましょう。
使用後の食器は、食器洗浄器を用いるか、水と洗剤を使って洗いましょう。
お問い合わせ
保健福祉部 保健予防課 健康危機管理対策室
電話 029-301-3219