福島第一原子力発電所事故に伴う県内水産物への影響について

1. 本県沖の漁獲物への影響

 本県沖の水産物につきましては,平成23年3月31日から12月28日までの間に,操業の実態に合わせて,合計92魚種を対象に
847件のサンプルの放射能検査が行われております。
 このうち,イカナゴ(コウナゴ)およびエゾイソアイナメ(ドンコ)を除く88魚種は、すべてのサンプルで厚生労働省の定めた暫定規制値を下回っています

・検査の結果一覧は,このページ下段のリンクからご覧になれます。

●コウナゴについては、平成23年4月1日から4月29日までに北茨城市と高萩市沖で検査のために採取したサンプルから規制値
を超える放射能が検出されたため,4月5日付けで出荷・販売を控えるよう県内の漁業団体へ要請し,漁業団体では,4月30日
付をもって今年のコウナゴ漁を再開しないことを決定しました。
 県内のコウナゴ漁は,例年ですと数百トンから数千トンの水揚げがありますが,今年は震災前に4トンほど漁獲したのみで,震災
以降は全く行われておりません。流通しているコウナゴは安全ですので安心してお召し上がりください


●エゾイソアイナメについては,平成23年9月1日に日立市沖で採取したサンプルから規制値を超える放射能が検出されたため,
当分の間,本県海域で漁獲したエゾイソアイナメについて,出荷・販売を自粛するよう関係漁業団体へ要請しました。
 現在もエゾイソアイナメの出荷・販売自粛は継続していますので,市場には流通しておりません。
 また,これを受けて本県の底びき網は,念のため日立市川尻沖以南で操業しています。


●現在の本県所属船の操業状況
漁業種類 漁船の大きさ 現在の主な対象魚種 現在の操業状況 操業船の所属漁協
まき網 80トン イワシ類,サバ類 八戸沖及び銚子沖で操業    大津,久慈町,はさき
底びき網 10〜20トン ヒラメ,カレイ類,イカ,タコ,エビ等 日立市川尻沖以南で操業
(一部千葉県沖の操業あり)
平潟,大津,
久慈町,那珂湊,はさき
船びき網 5トン未満 シラス 6〜7月末まで操業実績なし。
8月から操業再開後も,平潟,大津及び川尻漁協は休漁。
久慈町,久慈浜丸小,磯崎
那珂湊,大洗町,
鹿島灘,はさき
刺し網 5トン未満 ヒラメ,カレイ類,イセエビ等 10,11月は禁漁期間。12月から2トン未満船で再開。1月中はサヨリひき網を除き禁漁です。 各地
定置網 ヒラメ,スズキ,サバ等 5月13日から操業再開。 久慈町
(会瀬支所)
その他 5トン未満 はまぐり,カレイ,アワビ,ウニ等 アワビ,ウニは10月で操業終了。 各地

●放射能検査の実施体制
 福島県沖で規制値を超えた13魚種(下記)と操業している漁業で水揚げされる主要魚種を中心に検査を行っています。
 検査は環境放射線監視センター,または(財)海洋生物環境研究所で行っています。
 なお,サンマ,カツオ,サバなどの回遊魚は全国団体で検査しています。
 ※11魚種とは,アイナメ,イシガレイ,ウスメバル,エゾイソアイナメ,キツネメバル,クロソイ,コモンカスベ,シロメバル,スズキ,ババガレイ,ヒラメ,マコガレイ,ムラソイです。

流通関係者の方へ
 漁政課トップページから,水産物の放射能検査結果の一覧(公印あり)が印刷できます。
 出荷先への説明や証明等にご利用ください。

2. 福島県沖及び千葉県沖の漁獲物への影響

(1)福島県沖
 福島県沖で操業している本県の所属漁船はありません。

(2)千葉県沖
 国や千葉県と連携して、銚子沖で漁獲される魚の放射性物質の調査を行い、安全性を確認したうえで平成23年3月28日から,
まき網漁業が操業を再開しています。検査開始以降,すべてのサンプルが規制値を大幅に下回っています。最近の検査結果は下表のとおりです。
漁港 品目 採取日 放射能濃度(単位:Bq/kg)
放射性ヨウ素 放射性セシウム
銚子漁港 マサバ 11月11日 検出せず 10.9
11月10日 検出せず 9.0
11月09日 検出せず 11.1
11月08日 検出せず 11.1
マイワシ 11月04日 検出せず 7.4
11月02日 検出せず 8.2
マアジ 11月10日 検出せず 26.0
11月08日 検出せず 45.0
千葉県の公表しているデータを元に作成しています (平成23年11月02日〜11月11日採取分まで)。

3. 霞ヶ浦北浦の水産物への影響

 網いけすで養殖されているコイとアメリカナマズ,湖内のワカサギ,エビ,ハゼ(ゴロ),シラウオ等主要魚種を定期的に検査し,安全性を確認しています。

4. 内水面の水産物への影響

 涸沼のヤマトシジミ,大北川,久慈川及び那珂川のアユ,常陸大宮市の養殖ヤマメ,久慈川,那珂川及び鬼怒川のサケを検査し,安全性を確認しています。

5. 水産加工品への影響

 しらす干し,丸干しいわしなど,前浜の原料を使った加工品の他,輸入原料を使った加工品のほか,漁業者が採った海藻等を自家加工した製品などの検査を行っており,安全性を確認しています。
 なお,県内のコウナゴ漁は,震災以降全く行われておりませんので,現在流通しているコウナゴ加工品は安全です。

6. よくあるお問い合わせ

●アンコウの検査結果について
 あんこう鍋の季節を迎え,アンコウの検査結果のお問い合わせが増えております。
 12月27日現在,北茨城市沖から鹿嶋市沖の計15検体を検査した結果,これまでの放射性セシウム検出の最高値は73Bq/Kgと規制値を大幅に下回っております。

●ストロンチウムやプルトニウムの測定をするべきではないか
 現在,県が行う検査では,ストロンチウムは測定しておりませんが,水産庁において検査を実施しており,
4月に本県沖で採取したイカナゴ2検体及びアカガレイ,6月のマイワシ,7月のゴマサバのいずれも検出下限値以下でした。
詳しくは,水産庁のページをご覧ください。
 環境中のストロンチウムとセシウムの濃度は比例関係にあり,原発事故に起因する海水中のセシウムとストロンチウムの濃度は10:1程度と推定されています。
また,ストロンチウムの魚への濃縮はセシウムに比べてかなり少なく,ストロンチウムの影響は,人体への影響を示す係数(実効線量係数)を考慮してもセシウムに比べて相当に小さいものとなっております。
したがって,セシウムの濃度をきちんと検査していれば,十分に安全性を確認することができます。
 また,暫定規制値自体もストロンチウムを考慮に入れて設定されております。
 ストロンチウムの分析には約3週間と長期間を要し,数多くの水産物の検査ができなくなってしまいますので,ご理解をお願いいたします。
 プルトニウムにつきましては,原発敷地内からごく微量が検出されたものの,原発放水口付近及び沖合域の海水からは検出されておらず,
現時点では広く環境中に放出されている状況ではありません。
 よって現時点で,プルトニウムを測定する必要はないと考えております。

●検査の数値を低くするために内臓を取っているのではないか
 水産物の検査は,食の安全を確保するという観点から,実際の利用実態にあわせた検査を行っています。
 コウナゴやシラスなど,全部を食べる小魚類は,魚全体を検査し,骨や内臓を食べない大型の魚は肉の部分だけを
測定しています。アンコウのように内臓も食べる魚は,全部を測定します。
 セシウムは,内臓よりも筋肉などに取り込まれる比率が高く,内臓を除去すると放射能の数値が低くなるということはありません。

●具体的に人体にどのくらいの影響があるのか
 現在の規制値は,肉・卵・魚介類の摂取による放射能の影響を合計年間1ミリシーベルト以下にするという考え方で設定されています。
 現在,ヨウ素の値はかなり低下してきており,ほとんどの検査で不検出となっておりますので,セシウムの計算式をご紹介します。
 (1)ベクレル(放射能の強さ)からシーベルト(人への影響)への変換
   (検査結果の数値 Bq/kg)×0.000013(換算係数)= ○ミリシーベルト
 (2)食べる魚の量を想定する
   1回に,××グラム食べるとして,全部でどのくらいの量を食べるかを計算・・・△△kg
 (3)放射線の影響を計算し,日常生活の放射線量と比較する。
   ○シーベルト×△△kg=○○ミリシーベルト
  ・胸のレントゲン検査 0.05
  ・東京からニューヨークへの航空機利用 0.1
  ・自然界から受ける放射線(年間・世界平均) 2.4

 (例)検査の結果100Bq/kgの魚を食べる場合
   シーベルトに換算すると,100Bq/kg×0.000013=0.0013ミリシーベルト
   これを,1回に50g,週に3回,1年間(延べ150回)食べ続けたとすると,50g×150回=7.5kg
   放射線の影響は,0.0013×7.5=0.00975ミリシーベルト

7. 関連リンク



(この情報は,平成23年12月28日現在のものです)



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