平成24年度 研究・普及・教育に係る事業推進の基本方針
農業経営課技術普及室
農業総合センター
平成23年度は、新たに策定された「茨城農業改革大綱(2011-2015)」に基づき、農業改革の取組を加速化させようとしていたが、東日本大震災及び原発事故により、本県農業は深刻な影響を受けたところである。このため、県では震災からの復旧・復興を最優先に進め、農畜産物などの安全性確認検査や風評被害払拭のためのキャンペーンなどに全力で取り組んできたところであるが、放射性セシウムの新基準値が4月から適用されたことなどから、依然として本県農業に多大な影響を及ぼしている状況にある。
平成24年度においては、これらの状況を踏まえ、
- 原発事故に起因する課題に対しては、引き続ききめ細かな対応を行い、農業者が自信を持って生産できるよう技術対策を進めるとともに、農畜産物の検査を徹底して行い、消費者に安心して買ってもらえるよう、的確に情報を伝達しながら、風評被害の払拭に向けて販売促進活動を推進していく。
- 新たな茨城農業改革の本格的なスタートの年との認識に立ち、農業者が所得向上を実感できるよう「儲かる農業」を実現するため、技術に支えられた高品質安定生産、加工品開発など6次産業化の推進、マーケティング戦略に基づく販売促進、さらには未来につなぐ担い手の育成などを推進していく。
これらの取組を進めるにあたっては、研究・普及・教育が一体となって取り組むことはもちろんのこと、関係各課や関係機関とも密接な連携を図り、さらには、食品関連業者や消費者、NPOなど様々な分野の方々との交流・連携を促進しながら、組織の力を結集して茨城農業改革を推進していく。
1.「儲かる農業」の実現に向けた農業改革の推進
(1)研究・普及・教育の三位一体的な施策推進
- 新品種・新技術等の開発を行う研究機関、高度な技術・経営の普及を行う農林事務所経営・普及部門及び地域農業改良普及センター(以下、普及センター)、農業担い手となる若者等に対する教育研修を行う農業大学校の各機関が、関係各課等と密接に連携しながら、それぞれの機能を十分に発揮し、一層効果的な活動が展開できるよう的確な企画・調整を行う。
- 消費者・実需者の多様なニーズに対応したオリジナル新品種の育成・普及を進める「新品種育成普及プロジェクトチーム」や、研究と普及が一体となって現場の課題解決を進める「技術体系化チーム」による重点的な研究開発・普及を推進する。
- 研究成果である「普及に移す成果」については、迅速かつ確実な普及を進めるため、現地指導用の普及マニュアルを作成・配布するとともに、普及目標と併せて具体的な推進計画等を策定し、進行管理を行っていく。
- 農産加工については、農業の6次産業化を加速させるため、農産加工指導センターにおける指導力の強化に努めるとともに、他産業等と連携して、産地の牽引役となる特徴ある商品づくりを支援して、農業経営の拡大促進に資する。
- 活動成果等を客観的に評価し、効率的・効果的な活動を一層進めるため、機関評価を含む研究の外部評価を実施するとともに、普及センターにおける外部評価を行う。
- 農業経営士協会、女性農業士会、青年農業士連絡協議会、農村女性ネットワーク、農業研究クラブ連絡協議会などの全県的な生産者組織活動を支援し、農業者や産地が主役となった農業改革の推進に資する。
- 最新の技術情報や研究成果などの情報を、普及指導員はもとより、市町村・JAの職員をはじめ、農業者等を対象とした「公開講座」を開催し、積極的な情報発信を行うとともに、農業経営士等をはじめとする生産現場との意見交換会や検討会などを開催する。
(2)農業情報ネットワークのシステムの活用推進
- 茨城農業改革に係わる現地情報等をホームページやメールマガジン等により、農業者及び関係機関・消費者等へ積極的に提供し、農業改革の推進に資する。
- 行政の透明性や成果が求められる中、わかりやすいホームページを運営し、活動成果を農業者・関係機関のみならず広く一般消費者に情報発信を行う。
- 農業関係職員向けの業務系システムにおいては、業務の効率化・迅速化を図るため、リアルタイム現地情報等により、研究機関、普及センター、農業大学校及び関係各課等における情報の共有化を推進する。
2.研究・普及・教育をつなぐ専門技術指導員活動の推進
- 農林事務所体制下の普及活動が効果的・効率的に展開できるよう、専門技術指導員活動要領に基づく専門項目ごとの年間活動計画や技術指導資料を作成し、専門技術に関する支援を行う。
- 「普及指導員研修計画」に基づき、専門技術や普及指導能力の向上、農政課題への対応力強化を図るため、体系的な研修の企画・実践に当たる。
- 県域的な課題解決を図るため、「新品種育成普及プロジェクトチーム」及び「技術体系化チーム」活動を展開するとともに、研究成果の迅速な普及を図るため、「普及に移す成果」を積極的に推進する。
- 原発事故やエコ農業茨城等の課題に対応するため、関係機関・団体と連携し、普及活動の円滑な推進を図る。
- 担い手の確保・育成については、農業大学校教育活動の支援や、農業経営士、青年農業士等の協力を得ながら、就農啓発活動を実施し、新規就農者の確保・育成活動を強力に推進する。
3.多様なニーズに応えブランド化を目指した新品種・新技術の開発
- 「茨城県農林水産試験研究推進構想(中期運営計画)」(平成23年4月策定)に基づき、目標の進行管理に努めるとともに、県民にわかりやすい情報発信を積極的に行うことにより、研究機関の見える化を進める。
- 東日本大震災や原発事故に関連した吸収抑制などの技術対策については、国や独立行政法人研究機関等とも連携しながら対応する。
- エコ農業茨城の取組を一層推進するため、必要な研究開発・実証を行い、技術指針を策定するとともに、有機農業については、実態調査結果をもとに事例集を作成し、推進に資する。
- 効率的・効果的な研究開発を進めるため、独立行政法人、大学、民間企業等と連携した共同研究や、公設試連携による分野横断的な研究開発を一層推進する。
- 特に、「つくば」の独立行政法人研究機関との交流を推進し、研究成果の迅速な導入と先端技術開発能力の向上を図るとともに、同法人の研究員を「客員普及指導員」として委嘱し、現場課題の早期解決を図る。
- 研究員に対する体系的な研修を行うとともに、最新の行政施策・研究動向・知的財産制度等に関する研修を実施するなど、研究遂行に必要な知識を深めることにより、研究員の資質向上を図る。
4.農業改革を進める普及活動の推進
- 国の「協同農業普及事業の運営に関する指針」や「茨城農業改革大綱(2011−2015)」を踏まえ、「茨城県協同農業普及事業の実施に関する方針」(平成23年3月策定)の一部改正を行うとともに、地域別振興計画と整合性のとれた「普及指導計画」を策定し、地域の実情に即した効果的かつ効率的な普及活動を展開する。
- 普及センターは、活動推進検討会(中間・年度末)等により、普及指導計画の進捗状況や活動成果等をとりまとめ、目標管理を行うとともに、効果的な活動に向け外部評価を実施する。
- 近年の農業情勢の変化や農業形態の多様化に対応した普及活動を推進するため、普及センターが地域の実情に応じて重点的に取り組むチャレンジ普及活動を推進する。
- 普及指導活動で得られた成果等を、農業情報ネットワークシステム等を活用して、農業者はもとより、県民に幅広く発信し、情報の共有化を図るとともに、その波及を推進する。
- 人と農地の問題解決に向け、人・農地プラン(地域農業マスタープラン)の作成への支援を行うとともに、地域の中心となる経営体である家族農業経営、集落営農、法人経営、新規就農者等への農地集積及び地域と調和して農業に参入する企業等への技術的支援を行う。
- 地域農業を支える認定農業者等の担い手の育成・確保に向けて、地域農業再生協議会等と連携しながら、経営管理能力の向上や販売経路の多様化などを進める。
- 県内の事例を基に主要作目の経営指標を作成し、これを活用して経営改善への取組を支援する。
- 新規就農を促進するための情報提供、相談など、地域就農支援協議会を中心とした地域段階における新規就農者の確保・育成活動を推進するとともに、新規就農者の確保と定着に向け、青年就農給付金等の活用を推進する。
- 環境にやさしい農業を進める「エコ農業茨城」や、消費者の「安全・安心」志向に応えるGAP導入等に留意するとともに、鳥獣害対策など農業者や産地が進める課題解決活動を支援する。
5.農業大学校における農業者教育と担い手の確保・育成の推進
- 高度な生産技術と経営管理能力を兼ね備えた、たくましい農業担い手の育成に向けて、研究機関の成果を取り入れたプロジェクト活動等の実習教育を行うとともに、普及センター等とも連携して、先進農家や研究機関における研修を行うなど、実践能力を高める教育を展開する。
- 「いばらき営農塾」を充実・強化し、就農コーディネーターや関係機関と連携しつつ、就農定着及び農業経営の確立を支援する。
- 多様な体験研修(農業機械研修、オープンキャンパス、農業体験研修等)や学校訪問、広報媒体を通して、継続的な学生募集と周知・PRを強化する。
- 普及センター及び地域就農支援協議会と連携しながら、学生や研修受講者の募集から、教育・研修終了後の経営確立に至るまでを積極的に支援する。
- 農作業事故を減らすため、農業機械の安全利用を推進するための研修を行うとともに、大型特殊免許等の取得を推進する。
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