茨城県農業総合センター
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イチゴ栽培においては、苗作りが特に大切で、「充実した株作り」「順調な花芽分化」「病害防除」がポイントになります。
「とちおとめ」を例に、育苗・定植のポイントを記述します。
苗には充分光を当て、水は朝のうちに株元にしっかり与えます。夕方幾分萎れ気味になり、次の朝回復している位が理想です。気温が35℃以上の時のみ、30パーセント程度の遮光をします。
午後はなるべく潅水せず、どうしても必要な時は3時頃に最少限与えます。
葉数は3〜4枚になるよう管理し、葉かきは1回に1枚ずつ、鋏でなく手で行ないます。
盆明けには肥料が切れるようにするとともに、葉数を一旦2〜2.5枚に減らすことで、苗の花芽分化を誘導します。
夜冷育苗を行なう場合は、ウォーターカーテン等を用いて8月上旬から夜温18℃以下、暗黒処理16時間(低温短日処理)を25〜30日間継続します。
但し、窒素の切り過ぎは芽なし株の発生を増やすので、普及センターなどに依頼して葉柄汁液の窒素含量を確認し、100ピーピーエムを下回るようなら盆明け以降も窒素含量の低い液肥を時々与えます。
病害で特に問題になるのは炭疽病です。土の跳ね上がりから感染を起こしやすいので、「育苗ハウスには透水シートを敷く」「育苗トレイはベンチやコンテナの上など地面から離して並べる」「潅水は静かに行なう」などに留意します。
その他の病害についても「葉かきを行なう」「葉がいつも濡れた状態にならないようにする」などの注意が必要です。
定植に当たっては、前作や土壌還元消毒により残存する肥料分を、土壌診断によってきちんと測定し、必要な分だけ施肥します。肥料分が過剰になると、収穫開始の遅れ、奇形果の発生、病害の発生につながります。
植え遅れると頂花房の花数が少なくなり減収してしまいます。一方で、定植が早すぎると分化しかかった花芽が葉芽に変わってしまって収穫開始が大幅に遅れる危険性があります。9月15日定植予定の場合は、8月20日頃に窒素が切れているのが目安です。9月10日前に植える場合は、短日夜冷処理で確実に花芽を誘起する必要があります。いずれにしても普及センターなどに依頼して花芽分化の状況をきちんと確認し、定植日を決定しましょう。
(茨城県農業総合センター専門技術指導員S.N)