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更新日:2018年3月23日

平成28年度年報

畜産センター本所

肉用牛研究所

養豚研究所

 

畜産センター本所 飼養技術研究室

牛受精卵移植技術を利用した牛白血病ウイルス(BLV)伝搬防止に関する研究

期間・区分

平成24~27年度,県単

背景・目的

 BLV陽性牛で使用した採卵関連資材および子宮灌流液のBLV遺伝子量の調査並びに,親子の垂直感染防止実験によって胚移植技術におけるBLV感染リスクを明らかにする。

方法

 BLV陽性牛で使用した採卵関連資材(頸管拡張棒,粘液除去棒,バルーンカテーテル,直検手袋)の拭き取り検体,採卵で得られる子宮灌流液および受精卵からBLVをターゲットにリアルタイムPCRを実施した。また,BLV遺伝子陽性牛産子を分娩後すぐに親子分離し,人工初乳および代用乳で哺育した場合の垂直感染の有無を調査した。

成果・評価

 採卵関連資材では,頸管拡張棒および直検手袋の拭き取り検体からBLV遺伝子が検出された。子宮灌流液ではDNAの増幅が認められたが,希釈することにより検出されなくなった。受精卵からはBLV遺伝子は検出されなかった。BLV遺伝子陽性産子を分娩後即親子分離し人工初乳および代用乳で哺育した場合,垂直感染は認められなかった。BLV感染牛から採取した受精卵を十分に洗浄することにより,受卵牛にBLVを注入するリスクを低減できる。 

乳用牛におけるグルタチオンを活用した肝機能改善による繁殖成績向上技術のための試験研究

期間・区分

平成24~28年度,国補

背景・目的

 生体内の主な抗酸化物質であり,肝機能改善効果が示唆されているグルタチオンに着目し,肝機能と卵巣機能の低下要因についてそのメカニズムを解明し,併せて,グルタチオンを活用した肝機能の維持・改善による繁殖成績向上技術を開発する。

方法

 乳用牛4頭に対し,分娩前4週から分娩後12週まで継続的にグルタチオン含有酵母(1日あたりグルタチオン1.5g)を給与し,対照群(4頭)との比較を行った。分娩前後における一般血液成分,グルタチオン,総抗酸化能およびホルモン(プロゲステロン,IGF-1)濃度の血中動態について解析した。また,分娩後の発情回帰日数,受精率等の繁殖成績を調査した。

成果・評価

 血中総抗酸化能は,分娩前4週から分娩後6週にかけて,グルタチオン含有酵母給与群において,対照群よりも高めに推移した。給与群の血中グルタチオン濃度は,給与開始時(分娩前4週)と比較して,分娩後6週まで,対照群よりも高めに推移した。グルタチオン含有酵母の給与により,牛体内の抗酸化能が高まり,酸化ストレスを緩和できる可能性が示唆された。

 また,血中GOT値は分娩前4週から分娩後1週,及び分娩後4週で給与群の方が高値であった。

 グルタチオン含有酵母の給与による,肝機能及び繁殖成績の改善効果については,更なる試験データの積み上げが必要である。

飼料用籾米を中心とした国産飼料資源の利活用試験

期間・区分

平成27~30年度,県単

背景・目的

 飼料用籾米を中心に,生豆腐粕等の地域飼料資源について,栄養特性を考慮しつつ,安価な飼料化およびその保存技術の確立を図るとともに,家畜への給与方法を確立する。

方法

 飼料用米(籾,玄米)と豆腐粕(生豆腐粕,豆腐粕サイレージ)の混合サイレージを2種類(パウチ,40Lプラスチック容器)のサイズで調製した。調製したサイレージについて,発酵品質を調査した。

成果・評価

 パウチの結果として,籾米を使用したサイレージの場合,生豆腐粕50%添加区がpH3.65と有意に最も低く,次いで豆腐粕サイレージ25%添加区(同3.80),籾米のみの区(同4.04),生豆腐粕25%添加区(同4.12)の順であった。

 また,玄米を使用したサイレージの場合,生の豆腐粕25%添加区(同3.97)が玄米のみの区(同3.97),豆腐粕50%添加区(同4.71)に対して有意に低かった。

乳牛における高機能性添加物の給与による繁殖性改善に関する研究

期間・区分

平成24~26年度,県単

平成25~27年度,独法委託

背景・目的

 異なる生育ステージの泌乳牛への機能性物質の給与および飼料組成の調整が,繁殖性,卵巣機能へ及ぼす影響を解明し,高泌乳牛の泌乳能力を最大限に発揮させつつ繁殖性を改善する栄養管理技術を開発する。

方法

 初産牛での飼料組成調整による潜在性ルーメンアシドーシス(以下,SARA)への影響を検討するため,飼料用米(ペレット)を一定量(配合飼料現物中25%)含有するNFC水準の異なる(40%,36%)泌乳前期飼料で飼養し,血液性状,ルーメン液pH,分娩後の繁殖性および産乳性等への影響を調査した。
また,経産牛への機能性添加物(活性型酵母)の給与が,血液性状,ルーメン液pH,分娩後の繁殖性および産乳性等への影響を調査した。

成果・評価
 初産牛での試験において,ルーメン液pHは飼料中のNFC水準の影響をより強く受け,NFC水準を高くした場合には低pHを示す時間が長くなり,ルーメン内容液のエンドトキシン活性もやや高く推移するとともに,乾物摂取量が低下した。

 このことから,飼料用米(ペレット)を泌乳前期飼料に活用する場合,SARAを予防するためには,飼料の組成,特に易消化性炭水化物の含量を考慮し,NFC水準をやや低めに設定する必要があることを明らかにした。
 経産牛での試験において,乾乳後期に活性型酵母を給与した場合,直接的なSARA予防効果は見られなかったものの分娩前後のルーメン液pHの変動が緩和された。

(初産牛5県協定研究,経産牛5県協定研究)

飼料作物品種選定試験・高能力飼料作物品種選定調査

期間・区分

昭和58年~,県単

平成23年~,受託

背景・目的

 イタリアンライグラスおよび飼料用トウモロコシについて,本県の気候・風土に適合した優良品種を選定し,県奨励品種決定の基礎資料とすることにより,本県の自給粗飼料の生産性向上を図る。

方法

【イタリアンライグラス】

 両試験合わせて極早生~晩生の23品種について生産力検定を行った。前年度の10月10日に播種し,施肥等は県耕種基準を準用した。

【飼料用トウモロコシ】

 両試験合わせてRM(相対熟度)115~123の28品種について,生産力検定を行った。5月上旬に播種した。施肥等は,県耕種基準を準用し,収量調査は黄熟期に行った。

成果・評価

【イタリアンライグラス】

 1番草,2番草の乾物収量の合計は極早生ではハナミワセおよびさちあおばが,早生品種ではワセアオバ,友系31号,いなずまが,晩生品種ではジャイアントがそれぞれ多収傾向にあった。

【飼料用トウモロコシ】

 乾物収量の全品種平均は2,725kg/10aだった。極早生品種のうちP9400(パイオニア100日)が,中生品種のうちSH3786(スノーデント118S)が他品種に比べ多収であった。

 関東北部・甲信越地域のコントラクター向け省力多収栽培技術の開発

期間・区分

平成25~27年度,受託

背景・目的

 都府県では労働力不足により飼料作物の作付が減少傾向にあるため,農家に変わって飼料作物の作付や収穫調整を行うコントラクターの活用が注目されており,コントラクター体系にあった作付の技術開発が求められている。

方法

 トウモロコシとソルガムの混播を行い,播種期及び収量時期が単位面積当たりの単収にあたえる影響を確認した。1回目の収量調査はトウモロコシの黄熟期に行い,その後ソルガムの再生草の収量調査を行った。調査期は出穂期(10月)または降霜後(11月)とした。

 供試品種はトウモロコシが極早生(36B08,KD510)と早生のタカネスター,ソルガムは東山交30号と高糖分ソルゴーとした。

成果・評価

 播種時期を4月中旬から5月上旬に播種することでトウモロコシの発育を促し高い乾物収量を得つつ,1番刈りの乾物収量のトウモロコシ構成比を62~66%まで高めることができた。

牛の受精卵移植技術の普及定着に関する研究

期間・区分

平成2年度~,県単

背景・目的

 黒毛和種の受精卵移植技術の普及定着を図るためには,農家への安定した受精卵の供給と凍結保存受精卵の高い受胎率が必要である。そのために,受精卵の効率的な生産および凍結・誘拐技術の確立を図る。

方法

 当センター飼養の供卵牛(黒毛和種)を供試牛として,定法で過剰排卵処理を行い採卵を実施した。凍結方法は,耐凍剤を用いた緩慢冷却法で行った。

成果・評価

 平成27年度は,延べ38頭で採卵した結果,回収卵数は409個であり,そのうち正常卵数は204個であった。正常卵率は49.9%であり,1頭当たりの正常卵数は5.4個であった。農家飼養黒毛和種雌牛延べ31頭で採卵した結果は,回収卵数446個のうち正常卵数181個で,平均正常卵数は1.8個,正常卵率は20.6%であった。

 供卵牛のうち延べ16頭についてβカロテン添加飼料給与による採卵成績の検討を行った。その結果,前回採卵より正常卵率上昇が8頭,低下が7頭,変わらずが1頭であった。給与日数については,12日間から18日間給与で前回採卵より正常卵率上昇が4頭,低下が1頭,変わらずが1頭であった。20日間から24日間給与で前回採卵より正常卵率上昇が4頭,低下が5頭であった。さらに49日間給与した1頭は前回より低下した。

 農家への譲渡個数は,143個であった。

黒毛和種性選別精液を用いた体内胚採取における受精率向上方法の検討

期間・区分

平成28~31年度

背景・目的

 乳用牛,肉用牛とも全国的に人工授精の受胎率が低下しており,その向上が課題となっている。酪農家では不受胎対策として黒毛和種受精卵を利用した受胎率向上の取り組みがなされており,受精卵の需要が増加している。一方で,黒毛和種子牛の市場価格は雌子牛より雄子牛で高値の傾向が続きており,一部では市場価値の高い黒毛和種雄子牛の選択的に生産できる性選別精液が利用されているものの,現状ではその受精率の低さが課題となっている。

 そこで,受精率が低い性選別精液を使用した体内胚採取において,深部注入器を用いることで受精率の向上を図り,効率的な牛体内胚生産を目的とする。

方法

(1)供試牛に常法にて過剰排卵処置を行い,通常または性選別精液を用いて人工授精を行い,7日後に子宮

かん流液にて採胚し,胚の受精率について比較検討した。

(2)供試牛に常法にて過剰排卵処置を行い,性選別精液を用いた人工授精行う際に,通常の人工授精器と深

部注入器を用いて授精を行い,7日後に子宮かん流液にて採胚し,胚の受精率について比較検討した。

成果・評価

 通常精液を通常の人工授精器で授精し採卵する区(対象区),雄性選別精液を通常の授精器で授精し採卵する区(試験区1),雄性選別精液を深部注入器で授精し採卵する区(試験区2)をセンター供卵牛5頭に対し3か月程度間隔をあけて各区1回ずつ実施し,受精率の比較検討を行った。なお,精液を各区とも1回の授精で2本ずつ使用した。その結果,試験区1で受精率57.1%であったのに対し,深部注入器を使って授精した試験区2では受精率76.2%で受精率が上がった。

 採取した受精卵をセンター飼養ホルスタイン種延べ5頭,黒毛和種1頭に移植したが,妊娠鑑定待ちの1頭を除いて,すべて受胎しなかった。

 採卵した5頭中1頭で,2回目,3回目の採卵で,卵巣に複数の黄体があるにもかかわらず卵が回収されなかった。深部注入器による障害があった可能性もあると考えられる。

デヒドロエピアンアンドロステロンを用いた牛体内胚採取成績向上に関する研究

期間・区分

平成28~32年度

背景・目的

 牛の人工授精での受胎率が全国的に低下(初回受胎率-乳用牛H14:54.4%→H24:44.7%,肉用牛H14:60.8%→H24:56.0%)しており,経営を圧迫する大きな要因となっていることから酪農家での不受胎対策により黒毛和種受精卵の需要が増加している。このため受精卵の卵子品質の向上,胚採取数を増加させる方法,さらに過剰排卵処置への反応鈍化により胚採取数が低下している供卵牛への対策が求められている。

 デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)は性ホルモンであるアンドロジェンやエストロジェンの前駆物質であり,その硫酸化体で相互変換し得るDHEA-sulfate(DHEA-S)と合わせて体内で最も多く存在するステロイドホルモンで,主に副腎皮質網状帯で合成される。ヒトのDHEA-Sの血清濃度は年齢とともに減少し,20-30歳の女性において血中DHEA-S濃度が低い女性は血中DHEA-S濃度が高い又は普通の女性と比較すると卵巣機能不全になるリスクが高いという報告がある。産婦人科領域では卵巣の反応性が低下した患者にDHEAを投与することで回収卵数が増加し,胚の品質も向上することが報告されている。また,牛では乳用牛38頭において発情が強い牛では血中Estradiol,Teststerone及びDHEA-S濃度が高く,人工授精による受胎率が高い傾向を示す報告もあるが,牛ではDHEAに関する報告が少なく,その効果や利用法が明らかになっていない。

 そこで,黒毛和種繁殖雌牛の血中DHEA(-S)濃度と体内胚採取成績との関連性を解明することで,血中DHEA(-S)が体内胚採取成績の指標となるかを明らかにするとともに,DHEAの投与により体内胚採取成績を向上させる方法を明らかにし,より効率的な体内胚採取方法を確立する。

方法

〇イムノアッセイ法による黒毛和種繁殖雌牛の血中DHEA(-S)と関連ホルモン濃度の測定

  1. 発情日の翌日から次の発情日までの経日的な採血を1頭で行った
  2. 過剰排卵処置時起点とした発情日の翌日から人工授精日までの経日的な採血を1頭で行った
  3. 体内胚採取時に当センター飼養牛5頭および農家飼養牛6頭の計11頭から採血を行った

これらの血漿を用い,DHEAでは放射性免疫測定法(RIA法),DHEA-Sでは化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法),及びEstradiolでは電気化学発光免疫測定法(ECLIA法)の婦人科領域で一般的に使われている各イムノアッセイ法を外部へ発注し測定した。

〇固相抽出後のイムノアッセイ法による黒毛和種繁殖雌牛の血中DHEA(-S)と関連ホルモン濃度の測定

 黒毛和種繁殖雌牛20頭プール血漿を作製し検体として使用した。まず,カラムC18H050(ADVANTEC)に2,3及び4mlのプール血漿を注入し,メタノールで抽出乾燥後,1mlの活性炭処理牛胎児血清へ溶解した材料を各イムノアッセイ法によりDHEA,DHEA-S及びEstradiol濃度を測定した。

〇液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計による黒毛和種繁殖雌牛の血中DHEA(-S)と関連ホルモン濃度測定

  1. 発情日の翌日から次の発情日までの経日的な採血を1頭で行った
  2. 過剰排卵処置時起点とした発情日の翌日から人工授精日までの経日的な採血を1頭で行った
  3. 体内胚採取時に当センター飼養牛5頭および農家飼養牛4頭の計9頭から採血を行った

これらの血漿を用い,外部発注により液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計(LC-MS/MS)でのDHEA,DHEA-S及びEstradiolの測定を行った。

成果・評価

〇イムノアッセイ法による黒毛和種繁殖雌牛の血中DHEA(-S)と関連ホルモン濃度の測定

  1. 発情周期中の23検体の全てでDHEA及びDHEA-Sは下限値以下で,E2でも1検体のみで測定されただけであった。
  2. 過剰排卵処置時の14検体でも全てでDHEA及びDHEA-Sは下限値以下で,E2でも1検体のみで測定されただけであった。
  3. 体内胚採取時の11検体は,DHEA,DHEA-S及びE2で全ての検体が下限値以下で測定されることがなかった。黒毛和種の血中DHEA(-S)とE2濃度(DHEA:100~800pg/ml,DHEA-S:調査中,E2:1~12pg/ml)は,ヒトに比べ極めて微量であるため婦人科領域で確立されているイムノアッセイ法では測定することが困難であった。

〇固相抽出後のイムノアッセイ法による黒毛和種繁殖雌牛の血中DHEA(-S)と関連ホルモン濃度の測定

 固相抽出により,DHEA-Sは,いずれの注入量でも下限値以下となった。DHEA及びE2は,各注入量で測定することができたが,注入量を増やしても測定値が比例的に上昇することはなかった。固相抽出を行うことで,脂溶性であるステロイドホルモンを血漿から抽出できると考えられたが,血漿中の脂肪分によるカラムの目詰まりや夾雑物の影響により信頼の得られる測定値を得ることができなかった。固相抽出により,イムノアッセイ法で測定するためには,血漿中から脂肪を除く操作を加えるなど抽出方法のさらなる検討が必要である。また,測定が可能になったとしても,イムノアッセイ法では下限値近くの測定値となってしまうため,測定値をそのまま読み取ることには不安が残る。

〇液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計による黒毛和種繁殖雌牛の血中DHEA(-S)と関連ホルモン濃度測定

 液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計(LC-MS/MS)の下限値は以下のとおりである。

 DHEA : 10 pg/mL

 DHEA-S : 50 pg/mL

 超高感度E2 : 0.025 pg/mL

 LC-MS/MSによる測定では,イムノアッセイ法に比べ大きく下限値を下げることができる。

 

畜産センター本所 生産技術研究室

発酵飼料を用いた低タンパク質飼料による豚ふん悪臭低減技術の開発

期間・区分

平成27~29年度、受託

背景・目的

養豚経営における持続的かつ生産性の高いシステムへの脱皮は、日本畜産業における焦眉の課題となっている。家畜ふん尿処理過程から発生する臭気を低減するには、給与飼料を工夫して悪臭の原因となる物質の少ないふん尿を排せつさせる技術開発が必要である。低タンパク質飼料として、地域の未利用資源を利用した発酵飼料混合低タンパク質飼料と低タンパク質飼料を豚に給与し、飼料原料の違いによる排せつ物の堆肥化過程における臭気発生状況を解析、飼料組成と臭気発生の関係を明らかにして臭気発生の少ない低タンパク質飼料を開発する。今年度は、低タンパク質飼料導入による臭気低減効果の検証を行った。

方法

  1. 堆肥化方法
    • 低タンパク質飼料及び一般配合飼料給与豚の糞を水分調整してチャンバーに堆積した。切り返しは週1回、発酵温度が低下してからは2週間に1回実施し、約2か月間実施した。
  2. 測定方法
    • 堆積物は切り返し後、臭気は切り返し前及び翌日に採取した。硫黄化合物及び低級脂肪酸はガスクロマトグラフィ、アンモニアはマルチガスモニターで連続的に測定した。

成果・評価

臭気物質であるアンモニア、低級脂肪酸、硫黄化合物ともに区間における差は見られなかった。堆積物中の成分値も両区ともに差がなく堆肥化した。一般的に低タンパク質飼料給与による窒素低減効果は、主に尿に影響が出やすい。本試験では、通常の肥育豚の糞よりも硬く尿が混入しにくい状態であったため、窒素の低減効果が顕著に起こらなかったものと考えられた。

活性汚泥由来微生物を利用した養豚排水の窒素除去技術に関する研究

期間・区分

平成25~29年度、県単

背景・目的

本県は養豚が盛んであり、うち霞ヶ浦流域は県全体の5割の養豚農家が集中している。霞ヶ浦流域では、県条例による排水基準が厳しく、従来の浄化処理では対応が困難なため、大部分が液状コンポストによる農地利用または蒸発散処理されている。しかしながら、過剰な窒素施肥は環境負荷につながるため、霞ヶ浦条例に対応し、放流可能な窒素除去技術の確立が必要である。

窒素除去は、通常アンモニアを硝化させた後、脱窒反応により行うが、豚舎汚水は有機炭素/窒素比が低いため困難である。近年報告されているアナモックス反応は、窒素除去に有機炭素を必要としないため、有機炭素/窒素比が低い豚舎汚水への応用が期待されている。また畜産農家からのアナモックス汚泥の採取と畜産廃水へのアナモックス処理の利用の可能性が示唆されている。本研究は、霞ヶ浦排水基準に対応したアナモックス反応による窒素除去技術の開発を目的とする。

方法

  1. アナモックス菌が多く生息している県内養豚場汚水処理施設(回分式活性汚泥法)の水質調査を年8回実施した。
    • 調査項目:水温、溶存酸素量(DO)、pH、無機態窒素量、BOD、SS、アナモックスコピー数
  2. 県内の養豚場から採取したアナモックスを含む汚泥について、パイロシークエンスによる菌叢解析を行った。
  3. 活性条件の検討
    pHとDOの差がアナモックス活性に与える影響を人工培地を用いて調査した(25℃、20時間)。

成果・評価

  1. 水質調査結果
    • 曝気槽内の水温は年間を通して12℃から31℃の間で推移した。アナモックス菌の最適条件として30~37℃とされているが、水温が12℃程度であった冬期においても目視によりアナモックス菌を確認できた。また、曝気槽内のDOは平均0.4mg/lで運転されていた。
    • アナモックスコピー数と汚水性状の関係は、投入汚水のアンモニア態窒素濃度に強い正の相関があること、曝気槽内の浮遊汚泥濃度と強い負の相関があることがわかった。
  2. 菌叢解析
    • 県内養豚場由来の汚泥中ののアナモックス菌の割合は全バクテリアの約2割を占めており、Ca.BrocadiaとCa.Jetteniaに属するものであることがわかった。これらはこれまでに他分野で報告されているものと同様の菌叢であった。
  3. pH7のとき窒素除去率が最も高い結果が得られた。酸性、アルカリ性に偏ると窒素の除去率が低くなる傾向がみられた。
  4. 溶存酸素量が低いと窒素の除去量が高い傾向を示し、6.46区と比較して0.61区は窒素除去量が有意に高かった。

堆肥化処理過程において発生する臭気物質の解明

期間・区分

平成26~28年度、県単

背景・目的

畜産経営にとって悪臭問題は大きな問題であり、本県の畜産業に起因する苦情発生割合では悪臭関連が6割と最も多い。悪臭発生原因施設のうち、糞尿処理施設の多くは開放型の堆肥舎であり、切り返し等を行う際に臭気が拡散され、悪臭の原因となる場合が多い。
本研究では、豚の堆肥化処理施設で発生する臭気物質の捕集方法の検討と、臭気物質の発生パターンを把握する。併せて堆肥化による臭気対策技術を確立する。
今年度は臭気の捕集方法を検討及び戻し堆肥被覆による臭気発生への影響を調査した。

方法

  1. 臭気の捕集方法の確立
    1. 堆肥化方法:水分調整した豚糞1トンを開放して堆肥化した。試験期間は1ヶ月とし、週に1回切り返しを行った。
    2. 測定方法:臭気の捕集はチャンバー内及び堆積物上部(0m)、2m、5m地点で行った。硫黄化合物及び低級脂肪酸はガスクロマトグラフィ、アンモニアは検知管を用いて測定した。
  2. 戻し堆肥被覆による臭気発生への影響
    1. 堆肥化方法:オガコにより水分調整した豚糞をチャンバーへ堆積し、切り返しを週に1回、堆肥の温度が低下してからは2週に1回行って堆肥化した。また、切り返し後に固形分のサンプリングを行い、切り返し前と翌日に臭気を捕集した。
    2. 測定方法:低級脂肪酸及び硫黄化合物はガスクロマトグラフィ、アンモニアは検知管により分析を行った。

成果・評価

  1. 臭気の捕集方法の確立
    • チャンバーから採取したものと各地点から採取した臭気成分構成に差はみられなかったが、臭気発生地点から離れた距離で採取すると、臭気濃度が低いため正確に臭気発生を確認することは難しい。
  2. 戻し堆肥被覆による臭気発生への影響
    • 堆積物中の成分値は全窒素、無機態窒素で対照区に比べ試験区で高い傾向にあった。アンモニア及び低級脂肪酸濃度は堆肥化全期間を通し、対照区に比べ試験区での発生が少なかった。硫黄化合物濃度については、試験区において堆肥化3週目に突発的な硫化水素の発生が見られたが、その他の期間は対照区よりも発生が少なかった。

地鶏供給事業

期間・区分

平成20年度~、県単

背景・目的

本県の地鶏である「奥久慈しゃも」等の原種鶏や種鶏を維持・保存し、地鶏の種鶏のヒナを供給する。

方法

原種鶏の維持

  • 「奥久慈しゃも」原種鶏3系統を維持(しゃもJ系統、名古屋種T系統、ロードアイランドレッド種L系統)
  • 原種鶏1系統を維持(しゃもZ系統系)
  • 日本鶏9品種を維持

成果・評価

奥久慈しゃも種鶏ヒナの供給

  • しゃもJ系統雄ヒナ 150羽、TL系交雑雌ヒナ 1,200羽

地鶏の遺伝子ホモ化に伴う不良形質発現抑制技術に関する研究

期間・区分

平成23~27年度、国補

背景・目的

当センターでは茨城県の銘柄地鶏である奥久慈しゃもの原種鶏を閉鎖群で長年(20年以上)維持している。そのため鶏群の近交度上昇に伴って不良遺伝子が蓄積し,繁殖性低下など近交退化と呼ばれる不良形質の発現が懸念される。

そこで奥久慈しゃもの雄系統について近交退化の指標となる受精率、ふ化率等の繁殖形質と遺伝的多様性等の世代変化を3つの交配試験区を設けて調査し、不良形質発現を抑制する飼養技術を開発する。

方法

維持鶏群について3つの交配試験区を設け、1年1世代の交配を繰り返し、第4世代(G4)まで調査した。

(1)交配試験

  • A区:雄のみ群外(B区)より導入
  • B区:群内飼養羽数増加と凍結精液の利用
  • C区:対照群

(2)近交退化パラメーター調査

 各試験区におけるふ化率、受精率、産卵率(250日齢~300日齢)および精巣重量を調査し、繁殖鶏試悦の指標とした。

(3)DNAマーカーによる遺伝子解析

 ISAG/FAO推奨の30種のマイクロサテライトマーカーのうち28マーカーを用いて遺伝子検査を実施し、対立遺伝子数とへテロ接合率を集計、解析して遺伝的多様性の指標とした。

(4)凍結精液の活用

(独)農業生物資源研究所のジーンバンクにて20年間保存されていた凍結精液により生産した雌鶏2羽の後代鶏をB区における交配に使用するとともに、当センターにて約2年から5年間保存した凍結精液を人工授精に活用した。

成果・評価

(1)近交退化パラメーター調査

受精率およびふ化率は、全区において世代による低下は認められなかった。産卵率(250日~300日齢)は、C区で世代による低下が認められた。また、飼育環境(平飼い)が同じであるA区とC区について比較したところ、全世代をとおしてA区はC区に比べて高く推移した。

(2)遺伝的多様性調査

試験開始時(G0)の平均対立遺伝子数は1.82、平均ヘテロ接合率は28.5%と開始時から多様性が低い傾向にあった。世代変化は、平均ヘテロ接合率がC区に比べA区およびB区で高く推移した。

(3)まとめ

遺伝的多様性調査から飼養羽数の増加と過去の凍結精液の利用により近交度の上昇を抑制することが示唆された。今後、閉鎖群での種鶏群の近交度対策の対応策の一つとして利用が可能である。

地鶏種卵の長期保存に関する試験

期間・区分

平成26~28年度、国補

背景・目的

 地鶏生産は、産地間競争が激しく、より一層の生産コストの削減が求められている。種鶏ヒナの供給羽数は、鶏舎の収容羽数等の条件により1回当たりの必要羽数が増減するため、種鶏の飼養羽数はヒナの最大必要羽数を満たす羽数の確保が必要となり、生産コスト削減のため単純に飼養羽数を減らすことは困難である。そこで、1回あたり少羽数の種鶏から多数の種卵(ヒナ)を安定的に生産し、地鶏の生産コスト削減につながる種卵の長期保存方法を確立する。

方法

種卵を各種条件で保存し、ふ化率を調査することで、種卵の経済的な長期保存方法を検討する。

(1)供試卵 地鶏奥久慈しゃもの種鶏雌TL種と種鶏雄J種から採取した種卵を用いた。交配は人工授精による。

(2)保存条件

  • 温度:保存温度の変更(温度変更はふ卵開始14日前に実施)
  • 予備加温の有無(ふ卵開始2日前と1日前に加温)
  • 向き:保存する種卵の向きの検討。向きの変更はふ卵開始14日前に実施
  • 保存期間:1~28日

(3)調査項目

  • 受精率・発育中止率:ふ卵開始後13日目に発育卵を選別し、受精率および発育中止率を調査した。
  • 対入卵ふ化率:ふ卵開始後22日目に発生を確認し、入卵数に対するふ化率を調査した。
  • 出荷体重:♂では125日齢、♀では155日齢で体重測定を実施し、通常発生のひなとの出荷体重を比較した。

成果・評価

  1. 受精率および発育中止率
    • 受精率は、各区とも90%以上を示し、良好な結果であった。
    • 発育中止率は、保存温度が高くなるにつれ発育中止率も高くなった。
  2. 対入卵ふ化率
    • 保存期間によって、予備加温を加えること等により75%以上を示し、ふ化率が改善された。
    • 保存期間を長くおいた区では、保存温度全ての区で対照区と比べ低い結果となった。
  3. 出荷体重
    • ♂、♀ともに、通常発生した鶏と同様の発育をした。

肉用牛研究所 改良研究室

牛改良事業

期間・区分

昭和27年度~,県単

背景・目的

優良種雄牛を適正に飼養管理し、高品質な凍結精液の生産と譲渡を行う。

方法

種雄牛及び候補種雄牛を繋養し、精液を採取して凍結した。このうち、検査に合格したものを保存し、希望に応じ県内に譲渡した。

成果・評価

候補種雄牛を含め20,046本を生産し、11,030本を譲渡した。譲渡した精液は、北国関7が10,830本、福茂光が40本、北平5が160本であった。

肉用牛広域後代検定推進事業(直接検定)

期間・区分

平成11年度~県単

背景・目的

肉用牛の改良を図るため、遺伝的能力評価の高い繁殖雌牛へ基幹種雄牛を指定交配し,生産された雄子牛について能力を調査し選定する。

方法

公益社団法人全国和牛登録協会で定める産肉能力検定直接法に基づいた。

成果・評価

  1. 「芳美428」の検定を実施するとともに、「百合桜」「北光」を検定予定牛として導入した。
  2. 1日平均増体量は、1.17kg/日であり、茨城県肉用牛育種改良推進協議会専門部会で審査した結果、「芳美428」を検定合格とした。

肉用牛広域後代検定推進事業(後代検定)

期間・区分

平成4年度~、県単

背景・目的

直接検定により選抜された候補種雄牛の現場後代検定を実施し、優秀な種雄牛を選抜する。

方法

公益社団法人全国和牛登録協会で定める産肉能力検定(現場後代検定法)に基づいた。

  1. 検定場所
    • 畜産センター肉用牛研究所
    • 全国農業協同組合連合会茨城県本部肉用牛哺育育成センター
    • 民間農場
  2. 供試牛頭数
    • 概ね18頭/1種雄牛
  3. 出荷月齢
    • 雄去勢 29か月齢未満
    • 雌 32か月齢未満

成果・評価

候補種雄牛「菊美6」「森鈴5274」の産子について検定を終了した。枝肉重量及び脂肪交雑(BMS)の推定育種価は「菊美6」が+29.232kg,+1.507、「森鈴5274」が+28.139kg,+1.989で能力評価基準値に満たないことから茨城県肉用牛育種改良推進協議会で不合格と決定する。

デルタ6デサチュラーゼ遺伝子多型と黒毛和種のおいしさに関する研究

期間・区分

平成23~27年度、国補

背景・目的

和牛において、長鎖不飽和脂肪酸であるアラキドン酸が肉のおいしさに大きく影響していると推察されるが、このアラキドン酸の生成に関与する酵素であるデルタ6デサチュラーゼ、エロンガーゼ及びデルタ5デサチュラーゼを発現する遺伝子座は未解明なため、この遺伝子多型を解析するとともに、肉質、産肉性との関連を検証することにより遺伝子に基づく能力評価法を確立し、本県和牛集団の改良を促進する。

方法

エロンガーゼの遺伝子座を解明するため、ダイレクトシークエンス(増幅したDNAを直接解析し塩基配列を決定する方法)により塩基配列を解析し、変異部である一塩基多型(SNP)を検索した。

成果・評価

エロンガーゼ遺伝子に関連する遺伝子領域について、牛肉56検体のダイレクトシークエンスによる塩基配列の解読を行ったが、アミノ酸非同義置換を伴う遺伝子多型は見つからなかった。

現在、他の酵素について検討中である。

遺伝子解析を活用した肉のおいしさ向上に関する試験

期間・区分

平成23~27年度、国補

背景・目的

牛肉では高度不飽和脂肪酸が肉の食味・おいしさに影響を及ぼしているという報告があり、遺伝的改良が期待されている。本研究では、鶏肉に於いて食味性の増強効果が示唆されているアラキドン酸を含む長鎖不飽和脂肪酸に注目し、アラキドン酸の生合成に関わる酵素酵素(デルタ6デサチュラーゼ(D6D)、エロンガーゼ(EL5)及びデルタ5デサチュラーゼ(D5D))の遺伝子多型と牛肉のおいしさの関連性を明らかにする。

方法

  • 官能評価試験 牛肉のアラキドン酸についての官能評価試験を行う。
  • 遺伝子解析 アラキドン酸の生成に関わるDNA領域について塩基配列を解読(ダイレクトシークエンス)。解読した塩基配列のうち、翻訳領域(エキソン)での遺伝子多型を同定する。牛肉中のアラキドン酸含量と遺伝子多型との相関を解析する。遺伝子多型マーカーを合成し、最適な検出条件を検討する。
  • 遺伝子多型と牛肉のおいしさとの相関解析 遺伝子多型と牛肉の長鎖不飽和脂肪酸成分(アラキドン酸を含む)、或いは産肉成績との相関を解析する。

成果・評価

アラキドン酸の官能評価試験を牛脂マーガリン法で実施したところ、アラキドン酸が味の増強効果に関与していることが明らかとなった。D6Dのエキソン2及びエキソン7上に、D5Dのエキソン11上に非同義置換を伴うSNPは確認されなかった。

D6DのSNP型と牛肉のアラキドン酸含量との関係を調べたところ、エキソン7上にSNPを持つ個体において、SNPを持たない個体よりアラキドン酸含量が有意に高い(P<0.01)ことが明らかとなった。

肉用牛研究所 飼養技術研究室

茨城県における黒毛和種繁殖牛の周年放牧実証試験

期間・区分

平成23~27年度県単

背景・目的

近年、簡便な電気牧柵の普及により小規模な遊休農地を利用した放牧が可能となり、低コストで省力的な飼養管理方法として放牧が見直されている。放牧利用は春から秋にとどまり、冬季には牛舎で飼養する形態が一般的であるが、より一層の低コスト化・省力化を図るため放牧期間を簡易に延長し、黒毛和種繁殖牛の周年放牧技術を開発する。

冬季に放牧するため、以下3課題を設定し検討を行った。

1 放牧地(放牧利用後)へ牧草を追播導入する効果の検討

不耕起・不鎮圧の条件で追播し、冬季の放牧利用方法を検討した。
追播草種についてはイタリアンライグラス、エンバク、ライムギ及びライコムギの追播試験を行った結果、ライムギが最も適していた。そこでライムギの播種時期および利用時期について検討し、10月中旬播種が最も収量が高く、1月中旬および3月下旬に放牧利用が可能であった。

ライムギを利用した放牧実証試験の結果、1月下旬~4月下旬に1番草から3番草まで利用でき、牧養力は合計で44CD/10aであった。

方法

1月中旬に放牧利用し、更に再生草を利用して3月下旬に再度放牧可能か検証を行った。

  1. 追播草種 ライムギ(品種:春一番(極早生品種))
  2. 追播量 8kg/10a散布(10月中旬)
  3. 追播前圃場管理 前植生低刈り、不耕起、蹄耕法鎮圧
  4. 施肥量 尿素(N6kg/10a)散布(10月中旬)
  5. 調査圃場 10a(放牧地)
  6. 放牧方法 補助飼料無し
  7. 放牧牛 黒毛和種繁殖牛2頭
  8. 放牧時期 1月中旬(1番草)、3月下旬(再生草)
  9. 調査内容 生育調査、牧養力調査、成分調査など

成果・評価

  1. ライムギの乾物重と日本飼養標準肉用牛(2008年版)の成雌(体重500kg)の維持に要する養分量から推定牧養力は1月中旬22.0CD/10a、3月下旬8.9CD/10aであった。
  2. 1月中旬及び3月下旬の牧養力はそれぞれ14.0CD/10a、8.0CD/10aであったことから、冬季から春季に同一圃場において2回放牧利用可能であった。
  3. 1月中旬のライムギの成分値は日本飼料標準の成雌維持時の給与飼料中養分含量を満たし、硝酸態窒素(乾物中)については1,000ppm以下であり、問題はなかった。
  4. 放牧牛の健康状態に、特に問題はなかった。
  5. 野兎による食害防止のため、電気牧柵等を低く設置する必要がある。

2 水田の冬季放牧地としての利用性の検討

水田の冬季放牧地として、ひこばえ(再生稲)の利用性を検証した。

継続試験結果から、ひこばえの収量は圃場による差が大きいものの、飼料米ひこばえは食用米ひこばえと比較して収量が多く、放牧利用に適していた。そこで9月中旬に稲刈りを行い、水田裏作としてイタリアンライグラスを追播し、冬季に飼料米ひこばえおよびイタリアンライグラスの放牧実証試験を行ったところ、推定牧養力はひこばえは2.7CD/10a、イタリアンライグラスは19.4CD/10aであった。また、11月下旬~12月下旬に放牧を行い、牧養力は5.8CD/10aであった。

方法

イタリアンライグラスの年内利用性を検証するため、本県の追播推奨時期(9月中~下旬)に合わせて9月中旬に稲刈り及びイタリアンライグラス追播し、飼料米ひこばえとイタリアンライグラスを併用した年内放牧利用性を検証した。

  1. 飼料稲品種 ホシアオバ(中生、極穂重型)
  2. 稲刈取時期 9月中旬
  3. 追播 イタリアンライグラス(コモン)2.5kg/10a散布(9月中旬)
  4. 施肥 尿素20kg/10a散布(9月中旬)
  5. 調査圃場 1.5ha(飼料稲水田、条間30cm、株間20cm、稲の刈取高15cm)
  6. 放牧方法 補助飼料給与無し
  7. 放牧牛 黒毛和種繁殖牛3頭
  8. 放牧時期 11月下旬~3月上旬
  9. 調査内容 生育調査、牧養力調査、成分調査など

成果・評価

  1. ひこばえの乾物重と日本飼養標準肉用牛(2008年版)の成雌(体重500kg)の維持に要する養分量から推定牧養力は3.4CD/10a、イタリアンライグラスの推定牧養力は12.0CD/10aであった。
  2. ひこばえ及びイタリアンライグラスを併用して11月下旬~3月上旬に放牧し、牧養力は23.8CD/10aであった。
  3. ひこばえ及びイタリアンライグラスの成分値は日本飼料標準の成雌維持時の給与飼料中養分含量を満たした。また硝酸態窒素濃度(乾物中)は1,000ppm以下であり問題がなかった。
  4. 放牧牛の健康状態に、特に問題はなかった。

3 秋季備蓄草地(ASP)を利用した冬季放牧の検討

 秋季に放牧利用後の草地を秋季備蓄草地(ASP)として備蓄し、その冬季の利用性について検証した。
継続試験の結果から、1月中旬以降の備蓄草はCP含量が12%(日本飼養標準肉用牛(2008年版)の成雌(体重500kg)の維持に要する養分量)以下となった。野草地で行った放牧実証試験の牧養力は18CD/10aと低かった。また、窒素施肥量は尿素施肥N15kg/10aが最も収量が高かった。

方法

本年度は寒地型牧草主体草地で9月中旬から備蓄草地の備蓄を開始し、12月中旬から放牧を行い、牧養力について検証を行った。また、1月中旬以降CP含量維持のための窒素施肥量の効果の検証も行った。

  1. 備蓄前圃場管理 前植生低刈り、不耕起、不鎮圧(9月中旬)
  2. 施肥量
    1. 放牧試験尿素散布(N15kg/10a)
    2. 窒素施肥量試験
      • 対照区無施肥
      • 試験区
      • オール14区オール14化成散布、N10kg/10a(9月中旬)
      • 尿素区尿素散布、N15kg/10a(9月中旬)
      • 尿素+オール14区尿素+化成散布、N15kg/10a(9月中旬)
  3. 放牧地 5a
  4. 放牧方法 ストリップ放牧、補助飼料無し
  5. 放牧時期 12月中旬
  6. 窒素施肥量効果調査 12月中旬、1月中旬
  7. 調査内容 牧養力調査、収量調査、成分調査など

成果・評価

  1. 本年度の放牧地の植生はオーチャードグラス等の寒地型牧草が主体の牧草地であった。
  2. 12月中旬の推定牧養力は86.3CD/10a、放牧実証試験の結果、牧養力は30CD/10aであった。
  3. 放牧試験中体重は2頭とも増加し、健康状態に、特に問題はなかった。
  4. 乾物収量は尿素区 =尿素+オール14区 >オール14区 > 無施肥区の順であった。成分的には1月下旬ではどの区もCPは12%以下であり、施肥量による成分の維持は困難であると考えられた。
  5. 硝酸態窒素濃度(乾物中)はどの区でも飼料中硝酸濃度のガイドライン中の安全に給与できる基準である1,000ppm以下であり問題はなかった。

牛肉のフレーバーリリースプロファイリングと香気マッピングに関する研究

期間・区分

平成23~27年度、国補

背景・目的

肉を食べた時の口中の香り(フレーバーリリース)は肉のおいしさを左右すると言われているが、これまでほとんど研究されていなかった。そこで、機器分析によりフレーバーリリースの成分を検出する手法を開発し、嗜好型官能評価の結果とあわせて肉のおいしさを科学的に評価する手法の確立を目指す。

方法

機器分析及び嗜好型官能評価を用いて、評価方法を検討した。

  1. 供試牛肉 黒毛和種、ホルスタイン種リブロース胸最長筋
  2. 機器分析
    • (A)高感度ガス分析装置を用いた、牛肉の経時的ガス変化の分析
    • (B)ガスクロマトグラフィー質量分析(GCMS)を用いた、牛肉の香気成分分析
  3. 嗜好型官能評価
    • (A)5cm×3cm×4mm厚、285℃片面30秒加熱
  4. 牛肉の脂肪関連の成分分析

成果・評価

高感度ガス分析装置による牛肉の経時的な総ガス放出量変動のサンプル数を増やした。

再度、総ガス放出量が増加し始めた静置21日目に、フレーバーリリースに係わる評価用語を用いた嗜好型官能評価を行った。その結果、パネリストは乳発酵臭を有意に強く感じ、血の臭いを有意に弱く感じた。

嗜好型官能評価に用いた牛肉を用いて、GCMS分析を行った結果、静置21日目にアセトイン量が約2倍に増加した。

飼料用籾米を中心とした国産飼料資源の利活用試験-黒毛和種育成牛における給与試験-

期間・区分

平成27~30年、県単

背景・目的

飼料高騰化対策ならびに自給率向上対策として輸入原料に依存しない国産飼料を確保することが求められている一方、水田農業の分野では、通常の稲作栽培体系で生産が可能な飼料用米の活用が注目されている。黒毛和種における飼料用米の利用では、新たに飼料用籾米(ソフトグレインサイレージ等)の農家段階での利用が期待されているが、特に育成牛における給与技術は確立していない。

また、食料製造副産物等で食用に供されなかった生豆腐粕等が廃棄されており、地域未利用資源の有効活用面からも、飼料米と組み合わせて利活用することが求められている。

そこで、飼料用籾米と生豆腐粕等をサイレージ化したものについて肉用育成牛への給与方法を確立する。今年度は、黒毛和種育成牛の嗜好性試験を行った。

方法

  1. 供試牛 黒毛和種育成牛2頭(去勢、7~8ヶ月齢)
  2. 試験内容
    1. 供試牛の単房に供試飼料4種類を置き、30分間自由採食させた上で、その採食量を測定し、嗜好性を判定する。次の日は最も採食量が多かった飼料を除外して実施する。
    2. 試験配置Omit式Cafeteria法(最も嗜好性の高い飼料をomit(除外)しながら行う全点自由選択法)
    3. 試験区
      • 対照区配合飼料区:通常給与している配合飼料のみ
      • 試験区25%生豆腐粕区:配合飼料70%+(a)を30%混合
      • 50%生豆腐粕区:配合飼料70%+(b)を30%混合
      • 25%豆腐粕サイレージ区:配合飼料70%+(c)を30%混合
      • 注)(a)25%生豆腐粕+75%生籾米で調製したサイレージ
      •  (b)50%生豆腐粕+50%生籾米で調製したサイレージ
      •  (c)25%豆腐粕サイレージ+75%生籾米で調製したサイレージ

成果・評価

25%豆腐粕サイレージ区が最も採食量が多かったが、試験区間に有意差はなく、どの試験区も配合飼料と同程度の嗜好性と考えられた。

 

養豚研究所 育種研究室

デュロック種系統造成試験

期間・区分

平成23~28年度県単

背景・目的

養豚経営における肉豚生産では三元交配豚を利用するため、雄系及び雌系の各品種について総合的な育種改良が必要になっている。

雌系であるランドレース種及び大ヨークシャー種について、本県は全国に先駆け昭和45年にランドレース種の系統造成を開始し、昭和54年にはわが国第1号の系統豚として「ローズ」が認定され、その後、ランドレース種2系統、大ヨークシャー種2系統を造成してきた。

これらの系統豚は、本県の銘柄豚肉であるローズポークをはじめとする高品質豚肉生産の基礎豚として県内で広く利用され、高く評価されているところである。

しかし、それら系統豚を基礎豚として生産される県内の雌豚(LW、WL)に適合した優良な雄豚(デュロック種)は、デュロック種生産者の高齢化等によって減少し安定供給が難しくなってきている。

そこでローズポークをはじめとする優良な三元交配豚を安定的に生産し、県内の高品質豚肉の生産性向上を図るため、養豚農家から要望の高い肉質向上や肢蹄の強健性を改良目標に加えたデュロック種の系統を造成する。

方法

平成23年度より第一世代の生産・選抜を開始し、以後一年一世代の選抜を繰返して平成28年度に5世代で造成を完了する。集団の規模は雄10頭雌40頭の閉鎖群で、選抜形質および改良目標値(検定期間:体重30~105kg)は、一日平均増体重(DG)1000g、飼料要求率(FCR)2.9、筋肉内脂肪含量(IMF)5%と設定した。肢蹄の強健性については独立淘汰法により実施する。

成果・評価

平成26年度に生産した第四世代候補豚321頭について、体重30kg時に第一次選抜を実施し、雄35頭、雌68頭、調査豚69頭(雌、去勢)を選抜した。このうち検定を終了した雄35頭、雌68頭の一日平均増体重、飼料要求率、筋肉内脂肪含量(調査豚での値)の平均値は雄でDG890.3g、FCR 2.74、IMF 4.80%、雌でDG 782.4g、FCR 3.09、IMF 3.96%であった。

総合育種価および肢蹄の強健性により第二次選抜を実施し、雄9頭、雌46頭を選抜した。第二次選抜豚の各形質の平均値は雄がDG 952.0g、FCR 2.77、IMF 5.10%、雌でDG 787.5g、FCR 3.12、IMF 4.30%であった。

第二次選抜豚雄9頭、雌46頭を交配し、第五世代豚の生産を開始した。

ローズ改良普及試験

期間・区分

昭和45年度~,県単

背景・目的

大ヨークシャー種系統豚「ローズW-2」は、本県の銘柄豚肉である「ローズポーク」の基礎豚等として、平成15年度から農家に供給してきたが、受胎率、分娩頭数などの繁殖成績が低下してきたため、平成25年度に系統豚の認定を取り消した。

しかし、生産農家からは大ヨークシャー種の払い下げの要望が多く、この優良な系統豚の資質を高品質豚肉生産の基礎として長期間利用するため、外部から優良な種豚や精液を導入し、開放型育種手法の開発及び確立を図りながら、農家ニーズに対応した高能力純粋種豚を作出・供給し、広域的な改良効果を生み出していく。

方法

常時種雄豚5頭、種雌豚15頭を飼養した。交配は可能な限り血縁の遠い種雄豚を用いるとともに、適宜外部から優良な種豚(精液)を導入し繁殖集団を構成する。集団の遺伝的構成、繁殖・育成成績、産肉成績などを調査する。
また、育成豚および人工授精用精液を養豚農家に払い下げる。

成果・評価

導入精液により生産された子豚の中で体型、乳器、肢蹄等が優良な雌12頭、雄4頭を種豚用に選抜した。
育成豚を養豚農家に21頭(雌6頭、雄15頭)、人工授精用精液を58本を売却した。

デュロック種の系統造成豚を活用した肉質向上試験

期間・区分

平成26~30年度、県単

背景・目的

筋肉内脂肪含有量の向上を改良指標の1つとして造成中のデュロック種系統豚の活用を図るため、この系統豚を用いて三元交雑肉豚を生産したとき肉質(筋肉内脂肪含有量等)へ及ぼす影響を判明させる。
また、筋肉内脂肪含有量を増加させる飼養管理法(給与飼料等)の検討を行い、高品質豚肉生産の技術確立を目指す。

方法

平成27年度は、所内飼養中のランドレース種及び大ヨークシャー種系統豚により作成したLW母豚に,デュロック種系統造成途中世代(G3)雄豚を交配して生産したLWD豚の筋肉内脂肪含有量等を調査し,前年度実施したLW豚の成績と比較した。
肉質調査は生体重105kgでと畜し、胸最長筋5カ所を採取して脂肪含有量を測定した。
また、一部は茨城県中央食肉公社に出荷し、市場性を調査した。

成果・評価

  1. LWD肉質調査豚及び昨年度実施したLWの筋内脂肪含量は3.05%であり,LWより1.30%高かった。
  2. LWD及びLWの市場性は表2のとおり、枝肉格付け上物率はLWが0.0%に対してLWDは58.8%と明らかに良かった。また,1日平均増体重もLWDの方が69.9g良かった。

体細胞クローン技術の高度化及び遺伝子組換え豚の維持・保存に関する開発研究

期間・区分

平成19年度~,独法委託

背景・目的

独立行政法人農業生物資源研究所で医療用モデルブタとして作出された2種類の遺伝子組替えブタ(TGブタ)について、遺伝子のホモ化を行うとともに、小規模集団での遺伝子組換えブタの系統維持法の開発及び将来に向けた増殖技術の確立を目指す。

  1. ヒト補体制御因子(hDAF)並びに異種抗原であるαGal抗原を特異的に切断する酵素(EndoGalC)の2種類の遺伝子を持つTGブタ(臓器移植モデルブタ)。
  2. LDLR遺伝子をノックアウトし、高脂血症を発症するTGブタ(LDLRブタ)。

方法

  1. 臓器移植モデルブタは、hDAFおよびEndoGalCの遺伝子がホモ型の個体、および体型が小型の個体を中心に選抜を行い、上記遺伝子のホモ化を行う。
  2. LDLRブタについては雌雄共に遺伝子型のホモ化が完了したため、同遺伝子型を保持する個体の維持と共に小型の個体を中心に選抜を行う。

成果・評価

  1. 臓器移植モデルブタについては1腹の分娩があり、両遺伝子がヘテロ型の子豚4頭(雌2頭、雄2頭)を選抜した。また、hDAF、EndoGalC遺伝子が共にホモ型の種雄豚の精液を凍結保存した。
  2. LDLRブタは年間で2腹の分娩があった。種豚候補豚2頭(雌1頭、雄1頭)を選抜し、種豚を1頭更新した。 

 

養豚研究所 飼養技術研究室

系統豚維持試験

期間・区分

昭和62年度~,県単

背景・目的

ランドレース種系統豚「ローズL-3」(2011年度認定)は、本県の銘柄豚肉「ローズポーク」や高品質豚肉の基礎豚として長期間に渡り、安定して利用することを目的に、認定時の能力を保持しながら近交係数・血縁係数の上昇を最小限に抑える維持と供給を行う。

方法

「ローズL-3」を維持施設内で分娩させ、繁殖・育成成績、産肉成績および育成豚の主要形質の成績、集団の遺伝的構成などを調査し、系統豚「ローズL-3」を維持した。更に育成豚を養豚農家に供給した。

成果・評価

  • 維持頭数:雄6頭、雌38頭。
  • 繁殖・育成成績:のべ60腹分娩。一腹平均ほ乳開始頭数は10.82頭、3週齢の育成率は90.8%。
  • 産肉成績:30kgから105kgまでの一日平均増体重は、雄で864.8±50.6g、雌で840.2±85.2g。背脂肪厚は雄で1.6±1.2cm、雌で1.5±0.9cm。ロース断面積は雄で26.0±2.3㎠、雌で25.9±2.3㎠。
  • 集団の遺伝構成:平均血縁係数は24.27%、平均近交係数は8.98%、遺伝的寄与率変動係数は1.44。
  • 配布頭数:維持育成候補豚から除外した豚を養豚農家38戸に145頭(雄8頭、雌137頭)、また、人工授精用精液を9頭分払い下げた。

養豚における飼料用米と豆腐粕の混合サイレージの給与技術確立試験

期間・区分

平成27~30年度,県単

背景・目的

飼料用米と地域未利用資源である生豆腐粕について、栄養性を考慮しつつ飼料化とその保存技術の確立を図るとともに、肥育豚、種豚及び子豚への給与技術を確立する。

方法

適切な混合割合を調査するため、玄米に豆腐粕を25%、50%添加・混合し、サイレージの品質を2か月後に観察した。

さらに、作製したサイレージを試験豚(WLD体重50kg~75kg)に9月~10月約1か月間給与すると共に、一般配合飼料(TDN:78%,CP:13%)を不断給与した慣行区と比較検討した。

成果・評価

玄米に豆腐粕を添加したサイレージ調整では、25%添加・混合したサイレージが品質的に良好であった。
さらに、嗜好性試験では、各区とも1頭当たり採食量に大きな差は無く、豆腐粕の添加量には左右されなかった。

また、1頭当たり増体重量にも大きな差は無く、地域未利用資源である豆腐粕活用の可能性が示唆された。 

豚肉のフレーバーリリースプロファイリングと香気マッピングに関する研究

期間・区分

平成23~27年度、国補

背景・目的

豚肉のおいしさは、フレーバーリリース(口中で咀嚼した際に鼻から抜けるにおい)が重要とされているが、研究はほとんど行われていない。また、豚肉の熟成過程でにおいが変化することは知られているが、においが飼料の影響でどのように変化するのか詳細は解明されていない。そこで、飼料ならびに熟成(保存)期間が豚肉のフレーバーリリースに及ぼす影響について分析型官能評価を行った。

方法

試験には、所内で生産した三元交雑種(WL・D)の同腹去勢豚2頭を用いた。

配合飼料のみ給与したブタを対照区とし、肥育後期に配合飼料の30%(重量比)を飼料用米で代替した飼料を給与したブタを飼料用米区とした。

肥育終了後、所内でと畜し、翌日に解体を行い、ロース部位を得た。

凍結保存したロース部位を、飼料用米区および対照区ともに試験実施日の前日と6日前に冷蔵庫内で解凍し、と畜後2日目と7日目の豚肉とした。

豚肉は、背最長筋に皮下脂肪層が1cmつくように、縦5cm×横5cm×厚さ0.2cmに成形した。

豚肉は、沸騰純水中で60秒間加熱後放冷し、試験に供した。

パネルは、嗅覚同定能力測定用カードキットで選抜した12名とした。

評価はブラインド方式とし、豚肉のにおいに関する5つの項目(ミルク臭、血臭、獣臭、脂臭及び豚肉臭)について、6段階(非常に感じる~全く感じない)の評点法により反復で実施した。

評価結果は「全く感じない」を1点とし、「非常に感じる」まで1点ずつ加算配点し、集計した。
サンプルとサンプルとの間には、純水で口すすぎならびに1分間の休憩を実施した。

成果・評価

対照区では、と畜後2日目の豚肉は、と畜後7日目の豚肉に比べて血臭が有意(p<0.05)に強く、獣臭が強い傾向(p<0.01)がみられた。また、と畜後7日目の豚肉は、と畜後2日目の豚肉に比べてミルク臭が有意に強い(p<0.05)結果となった。

一方、飼料用米区では、と畜後2日目と7日目の豚肉間に有意差はみられなかった。
このため、飼料用米の給与は、保存(熟成)日数によるにおいの差を減少させる可能性が示唆された。

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