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更新日:2021年3月3日
平成22年3月4日、当所内及び現地輪ギク圃場において標記検討会を開催し、生産者、関係機関等、12名が出席しました。
検討会では当所で取り組んでいる「現地圃場における堆肥に由来する肥料成分の削減」について神栖市波崎の現地試験圃場で検討を行い、生産者を交えた意見交換を行いました。
現地圃場は地力の低い砂質土壌であることから、土づくりを目的とした多量の堆肥が施用されています。しかしながら、砂質土壌の特性(保肥力は低いが、リン酸の肥効は高い)から堆肥に由来するリン酸のみが圃場内に過剰集積し、生理障害が発生していることが明らかになりました。また、その他の肥料成分は流亡しているため、環境への負荷が懸念されています。
参加者との意見交換では、生理障害の防止や簡易な栄養診断技術の開発などが今後の要望としてあげられました。土づくりに関する調査は短期間では結果が得にくいため、今後も継続した調査を行っていきます。
写真1:キクの栽培状況の確認
写真2:虎葉症状(生理障害)の被害葉
11月6日、ピーマンの現地検討会を開催し、農家や関係機関など36名が参加しました。はじめに、以下の課題について今年度のこれまでの試験結果をスライドで説明しました。
1.茨城県のピーマン産地における脱臭化メチル栽培マニュアルの開発
(1)PMMoV弱毒ウイルス接種ピーマンの収量・品質
(2)養液土耕と隔離床栽培の組み合わせによるピーマンの収量への影響
2.ピーマンの立枯れ性病害の防除法の確立
(1)疫病耐病性台木の検討
3.エコ農業推進のためのピーマンの減農薬・減化学肥料栽培技術の確立・実証
(1)天敵を利用した減化学農薬栽培の検討
(2)有機質肥料の利用による減化学肥料栽培の検討
出席者からは多くの質問や意見が出されました。その後、試験ほ場に移動して質疑応答や意見交換を活発に行い、有意義な検討会となりました。出された意見を参考に、今後の試験に活かして産地の発展につなげていきたいと思います。
10月29日、他県の普及員や農薬メーカーの方々、およそ30名がIPMの現地研修の一環で来所されました。全国各地で天敵昆虫などを利用したIPM(総合害虫防除技術)の普及に携わる方々です。
当所での天敵昆虫を利用した試験(エコ農業のためのピーマンの減農薬栽培技術の検討)について報告した後、場内の試験圃場を見学していただきました。日頃からIPMの普及に取り組まれている方々から貴重なアドバイスをいただきました。
鹿行農林事務所と鹿島地帯特産指導所の共催による「ピーマン産地強化推進会議」を開催し、生産者や関係機関から35名が参加しました。
当所での養液土耕を利用した試験(根域隔離栽培や有機質液肥を用いた養液土耕栽培)について報告した後、鹿行農林事務所から土作りと天敵利用の現地実証ほの試験について報告しました。また、新たに取り組んでみたい新規技術についてアンケートを実施しました。
その後、会場を移し、神栖市横瀬でピーマンの養液土耕栽培に取り組んでいる生産者のほ場を見学しました。参加者には、これから養液土耕装置の導入を予定しているという方々もおり、篤農家の実際の栽培状況は、これから取り組むうえで大いに参考となったようでした。
8月12日、センリョウの生産現場で発生する問題を解決するため、現地検討会を開催しました。検討会は当所内会議室、および神栖市波崎地区の現地圃場で行われ、生産者や県関係機関など計14名が出席しました。
近年、現地ではこれまでの知見に当てはまらない原因不明の立枯れ症病害が発生し、生産を妨げる大きな要因となっています。病害はこれまでセンリョウの栽培履歴が無かった圃場でも発生するほか、被害の激発した圃場では収穫率が1割以下にまで激減するなど、深刻な問題となっています。これまでにもセンリョウの立枯れ性の病害として、エルビニア属という細菌や、白紋羽病菌、疫病菌などが報告されていますが、今回の現地検討会ではこれらの病原菌の他、これまでに報告例の無かった新たな病原菌なども確認されました。
この検討会の結果を踏まえ、センリョウにおける立枯れ症の原因究明に向けて、生産組織と関係機関が一体となった調査・研究を進めることを、参加者間で確認しました。
写真1:立ち枯れ症が発生したセンリョウ楽屋
5月1日、鹿島地帯特産指導所内で標記検討会を開催しました。検討会には、生産者、関係機関等、計53名が出席し、鹿南地域の特産であるピーマン、輪ギク、センリョウの平成20年度の試験成績についての検討を行うとともに、平成21年度の試験設計についての意見交換を行いました。
ピーマンにおける「臭化メチル代替防除の新たな技術開発」では、土壌消毒剤の使用量削減効果が高い農業用フィルムの試験をはじめ、栽培終了後の残根の腐熟促進、根域隔離等の試験を紹介しました。また、「ピーマンの立枯れ症の原因究明と防除技術の確立」では、現地で多発した原因不明の立枯れ症の原因として、Phytophthora、Rhizoctonia、Fusariumの3属の菌が関与するとともに、還元型太陽熱土壌消毒は防除効果が高いことを紹介しました。
花き部門では、輪ギクとセンリョウを対象とした検討を行い、「砂質土壌における輪ギクに適した土壌養水分管理技術の確立」では、砂質土壌の特性として保肥力・地力が低く排水性が高いこと、現地圃場では窒素が溶脱しリン酸が集積していること等を紹介しました。
出席者からの質疑では、有機質肥料とピーマンの食味の関係、ピーマン養液土耕法における有機質液肥の肥効向上、水封マルチに変わる新しい蓄熱資材・技術の検討、輪ギクにおけるロング肥料の基肥一発施用などについて熱心な質疑応答が交わされました。
検討会終了後には、所内のピーマン、輪ギク、センリョウの試験圃場を見学し、意見交換を行いました。
写真1:室内検討の様子
写真2:室内検討の様子
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