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更新日:2021年3月3日

トピックス2012年度

日本農業実践学園」が視察研修にて来所(2013年2月25日)

 2月25日、水戸市にある「日本農業実践学園」の学生、職員44名が来所され、卒業を前に産地の先進技術や抱えている問題、対策技術などを幅広く学ぶために、当所でおこなっているピーマンおよびセンリョウの試験研究の視察研修会がおこなわれました。

 研修会では脱臭化メチル対策技術やセンリョウ立枯れ症など当所の試験内容について説明を行い、その後、ピーマンやセンリョウの試験圃場を見学しました。

 研修者からはピーマンの「生分解ポット」の直接定植による栽培方法や、「プランター栽培」と袋栽培を比較した場合のピーマンプランター栽培のメリットについてなどの質問があり、活気のある研修会となりました。

センリョウ主要課題現地検討会を開催(2012年8月31日)

 8月31日、鹿島地帯特産指導所において標記検討会を開催し、生産者、関係機関等26名が出席しました。会議では現地で問題となっているセンリョウの病害、およびセンリョウの複合経営作物であるワカマツの虫害対策について検討を行いました。

 会議では農業総合センター・岡部専技から「病害虫防除の基礎知識」、農業研究所・横須賀室長から「コガネムシ類の生態について」の題目で講演を頂きました。また、当所からはH24年度の研究成果の中間報告として、センリョウ炭そ病のベンレート耐性菌が産地全体で発生していること、炭そ病菌に対する有効薬剤の選定結果について、中間報告を行いました。

 参加者からは、展着剤の使用方法や静電噴霧器の効果等、多くの質問が出されました。また、「親から受け継いだ今までの方法では栽培できなくなっている新たな栽培方法を考えるべき」との意見がありました。

 検討会の内容は、生産者の関心が非常に高い内容であったため、当日参加できなかった生産者からの要望を受け、会議終了の後日にも別途説明会を開催し、生産者への情報の周知を行いました(延べ出席人数は65名です)。頂いた意見を試験に反映させながら、試験を普及性の高い成果とするため、これからの試験に取り組んでいきます。

20120831-1室内検討の様子

写真1:室内検討の様子

20120831-2室内検討の様子

写真2:室内検討の様子

輪ギク主要課題現地検討会を開催(2012年8月20日)

 平成24年8月20日、JAしおさい波崎営農経済センターにおいて標記検討会を開催し、生産者、関係機関など、計13名が出席しました。

 現地では神栖市に限定された生理障害‘虎葉症’が発生し、減収益を招くなど大きな問題となっています。検討会は平成23年度に明らかにした試験結果について関係者と検討することで、より普及性・実用性の高い試験成果とすることを目指して行われました。

 会議では圃場でのリン酸集積、亜鉛など金属元素の富化などについて中間報告を行った後、出席者との質疑応答行いました。頂いた意見の一部は下記の通りですが、試験を普及性の高い成果とするため、意見を試験計画に反映させながらこれからの試験に取り組んでいきます。

生理障害の発生要因はリン酸過剰以外にも栽培環境等が相互に関与しているようだ。難しい課題である。

新地では発生しないので、やはり土壌も関わるのではないか?土壌のリン酸集積が怪しい気がする。

(生産者が持ってきた輪ギクのサンプルを見て)生理障害の発生が酷い品種であるが、夏季に栽培すると障害が発生せず、すばらしい樹姿で栽培できる。障害は季節の影響を受ける。

施設内の多湿も関与すると思う。換気が必要だ。

堆肥の多量投入により、圃場には余計な肥料成分が溜まっているのではないか。

20120820-1虎葉症状の葉

写真1:虎葉症状の葉

20120820-2室内検討の様子

写真2:室内検討の様子

還元型太陽熱土壌消毒の実演会を開催(2012年6月20日)

 6月20日、鹿島地帯特産指導所において、鹿行農林事務所経営・普及部門との共催で、還元型太陽熱土壌消毒の実演会を開催し、生産者、および農協から36名が参加しました。この実演会は還元型土壌消毒の作業ポイントを分かりやすく紹介することで、臭化メチル全廃後の病害虫対策に活用して頂くために行いました。

 実際の圃場の状態を体感して頂くため、各作業のポイントがわかるハウスをそれぞれ作成しました。作成したハウスは、フスマ散布後のハウス、ビニール被覆時の土壌の水分状態を示したハウス、消毒1週間後のハウスの計3棟です。

 実演会では、フスマを用いた還元型太陽熱土壌消毒の原理や方法について説明した後、3棟のハウスを見学しながら、この消毒法のポイントをさらに詳しく説明しました。圃場全体に水を行き渡らせる為には、ビニール被覆前に土壌を湿らせておく必要があります。そこで、土壌をどの程度まで湿らせればよいかを実際の圃場でご覧頂いた後、フスマの散布とビニール被覆の実演を行いました。また、被覆・潅水後7日たったハウスにおいて、還元型土壌消毒特有の“ドブ臭”をかいで頂き、ドブ臭がすることが成功の目安であることを説明しました。さらに、被覆後に圃場が乾いた場合に行う、追加潅水の実演を行い、潅水量の目安となる“ビニールが浮く”状態をご覧頂きました。

 参加者からは、「追加潅水のタイミングはいつか」、「この方法はいつ頃まで行えるのか」等、多くの質問を頂きました。

 鹿島地帯特産指導所では、いただいた意見を反映させながら、現地に密着した試験研究を推進していきます。

20120620-1フスマ散布の実演

写真1:フスマ散布の実演

20120620-2ビニール被覆の実演

写真2:ビニール被覆の実演

脱臭化メチルプロジェクト現地検討会を開催(2012年6月14日15日)

 6月14日、15日の2日間、平成24年度実用技術開発事業「臭化メチル剤から完全に脱却した産地適合型栽培マニュアルの開発(脱臭化メチルプロジェクト)」第1回現地検討会を開催しました。このプロジェクトは中央農研が主管となり不可欠用途臭化メチル剤を使用する各県が連携して、脱臭化メチル対策の確立を目的として平成20年から行われています。今回は鹿島地帯特産指導所が担当となり開催しました。

 14日は鹿島セントラルホテルにおいて、前年度までの成果と今年度の試験計画について検討会を行いました。検討会は本事業のプロジェクトメンバーに加え、広く意見を頂くために市町村の担当者、生産者および農協等からも参加を頂き、計78名の参加となりました。15日の現地視察では、神栖市においてピーマン、鉾田市においてメロンの栽培農家および選果場の見学を行いました。

 検討会では各機関が作成した産地対応型のウイルス病対策マニュアルについて、現地に技術を普及させる方法を中心に議論が行われました。茨城県からは腐熟促進、抵抗性品種、紙包み法を組み合わせた現地試験の結果を発表しました。参加者からは紙包み法の作業性や、生分解ポット導入の可能性、腐熟促進の具体的方法について質問がありました。

 不可欠用途臭化メチル剤は平成25年から廃止となるため、対策技術の普及をはかる必要があります。今後も産地普及組織との連携をとり、対策技術の普及に努めていきます。


20120614-1検討会の様子

写真1:検討会の様子

20120614-2ピーマンの試験状況の説明

写真2:ピーマンの試験状況の説明

参考:(独)農研機構 中央農業総合研究センター「臭化メチルにたよらない新規栽培マニュアル」の研究紹介(外部サイトへリンク)

第2回ピーマンモザイク病対策セミナーを開催(2012年6月4日)

 6月4日及び8日の2日間にわたって、第2回ピーマンモザイク病対策セミナーを開催しました。4日は「はさき福祉センター」、8日は「神栖市福祉会館」において、生産者、JA、関係機関から延べ135名(4日75名、8日60名)のご参加を頂きました。

 第1回のセミナーに引き続き、平成25年に迫った不可欠用途臭化メチル廃止にむけて、生産者の方に広くモザイク病対策を知ってもらうために、ピーマン臭化メチル削減対策推進協議会と鹿嶋・神栖地域振興協議会が中心となりJA部会や任意組織、関係機関が連携して開催しました。

 セミナーでは、臭化メチル全廃後に問題となることが予測されるモザイク病対策や疫病・線虫病対策となる還元型土壌消毒についての講演と、鹿島地帯特産指導所で作成したモザイク病発病時のピーマン栽培マニュアルのDVD上映を行いました。マニュアルでは残根の腐熟促進、紙包み法、プランター栽培等の対策を、土壌中ウイルス濃度診断に応じたフローチャートで説明しています。

 質疑応答では、モザイク病が栽培管理により広がることを受け、生産者の方からはさみ等の消毒方法についての質問が多く上がりました。

 平成24年をもってピーマンの臭化メチルは全廃となりますが、今後も関係者が一丸となって脱臭化メチル対策を広く生産者に知ってもらうよう努力していきます。

20120604-1検討会の様子

写真1:検討会の様子

平成23年度試験成績・24年度試験設計検討会を開催(2012年5月9日)

 5月9日、鹿島地帯特産指導所で標記検討会を開催しました。検討会には、生産者、関係機関等、計69名が出席し、鹿南地域の特産であるピーマン、輪ギク、センリョウの平成23年度の試験成績についての検討を行うとともに、平成24年度の試験設計についての意見交換を行いました。

 ピーマンに関しては、「脱臭化メチル栽培マニュアルの開発」での、養液土耕を用いたプランター栽培試験をはじめ、栽培終了後の残根の腐熟促進、生分解ポットの直接定植等の試験を紹介しました。また、「減農薬・減化学肥料栽培技術の確立・実証」では、抑制栽培において、化学肥料を半減しその分を有機質肥料で代替しても収量が変わらないこと、また、カブリダニ・ハナカメムシ等の天敵を利用することで化学農薬の使用を半分以下に抑えることができることを紹介しました。

 花き部門では、輪ギクとセンリョウを対象とした検討を行い、「砂質土壌の輪ギクにおける生理障害対策と土壌管理技術の確立」では、輪ギクの“虎葉症”が土壌・環境要因による生理障害であることを紹介しました。「センリョウにおける立ち枯れ症の原因究明」では、新たに同定したセンリョウ疫病菌・炭疽病菌・灰色かび病菌等について、症状や生理学的特徴等を紹介しました。

 検討会終了後には、所内のピーマン、輪ギク、センリョウの試験圃場を見学し、意見交換を行いました。

20120509-1室内検討の様子

写真1:室内検討の様子

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農林水産部農業総合センター鹿島地帯特産指導所 

〒314-0133 茨城県神栖市息栖2815

電話番号:0299-92-3637

FAX番号:0299-93-1340

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