ここから本文です。

更新日:2018年5月25日

トピックス2017年度

成28年度試験成績・29年度試験設計検討会を開催(2017年5月11日)

5月11日(木曜日),鹿島地帯特産指導所で標記検討会を開催し,生産者,関係機関等,計60名が出席しました。鹿南地域の特産であるピーマン,センリョウ,輪ギクの昨年までの試験成績についての検討を行うとともに,今年度の試験設計についての意見交換を行いました。

ピーマンの試験では,まず3つの課題(苦味の少ないピーマンの系統選抜と栽培方法,土壌病害抵抗性ピーマンの系統選抜,環境制御による栽培技術)について,ほ場内で検討を行い,実際に試験の様子を見ながら,昨年度の成績と今年度の設計を説明しました。

に,2つの課題(PMMoV弱毒ウイルス接種「TSRみおぎ」安定生産技術,トウガラシ安濃交3号現地適応性)について成果を紹介したほか,ピーマンの輪作・休作体系について試験設計を説明しました。出席者からは,「自分たちのほ場で飽差を確認・計算することはできるのか」といった質問があがり,意見交換を行いました。

センリョウでは,輸出を見据えた病害対策技術として,炭疽病及びネグサレセンチュウ類の防除に関する研究の成果を発表しました。また,センリョウプランター栽培試験の取組みについて説明しました。キクについては,生理障害の1つである”虎葉症”発生と土壌物理性の関連性に関する研究成果を発表しました。

参加者からは「センチュウの駆除に熱水消毒は利用できないか」,「センリョウの輸出に切り花で広く普及しているリターナブル容器の利用を検討してはどうか」など,活発な意見が出されました。

鹿島特産指導所では,これからも生産者や関係機関と連携し,産地の発展につながる試験研究を行っていきます。

ピーマン環境制御試験圃場の様子
写真1:ピーマン環境制御試験圃場の様子

 

センリョウプランター栽培試験の様子
写真2:センリョウプランター栽培試験の様子

「日本の伝統花きセンリョウの輸出を見据えた輸送及び病害虫対策技術の確立」に係る研究推進会議の開催(2017年6月29日~30日)

6月29日(木曜日)~30日(金曜日),高知県において,革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト)「日本の伝統花きセンリョウの輸出を見据えた輸送及び病害虫対策技術の確立」に係る研究推進会議を開催し,生産者や関係機関,有識者等36名が参加しました。

29日にホテルなはり(安芸郡奈半利町)で行われた研究推進会議では,昨年度の研究成果の報告及び本年度の試験計画について検討しました。プログラムオフィサー及びアドバイザーからは「病害虫については,研究の目的が検疫対応であるものと,生産性の向上であるものをそれぞれ整理すること」「新規の病害は植物病名目録へ記載される必要があるため,学術報告を行うこと」「この事業で生産者が得られる経営的な効果を定量的に示すこと」等のアドバイスがありました。

30日はJA土佐あき芸東集出荷場千両部会(室戸市吉良川)の圃場及び施設を見学しました。高知県安芸農業振興センターの案内で,圃場と集出荷場を回りながら,栽培状況や生産,出荷及び病害虫防除の取り組みについて説明を受けました。

今回の研究推進会議には茨城,高知両産地の生産者が多数参加し,互いの産地に関する情報交換を行うなど,活発な交流が行われました。鹿島地帯特産指導所では,本課題をとおしてセンリョウの輸出を成功に導くため,今後も生産者や関係機関と連携して課題を推進していきます。

 

研究推進会議の様子
写真1:研究推進会議の様子

ほ場見学の様子
写真2:ほ場見学の様子

いばらき農業アカデミー5回品目別栽培技術高度化講座「ピーマン環境制御技術」を開催しました(2017年10月20日)

平成29年10月20日(金曜日)に鹿島地帯特産指導所において,いばらき農業アカデミー講座「ピーマン環境制御技術」を開催し,生産者・関係機関等合わせて42名の出席がありました。今回の講座では,「篤農技術のみえる化」ができる技術として近年注目を集めている「環境制御技術」について,前提となる「飽差」の考え方と,飽差と炭酸ガス濃度のコントロールを中心として当所で実施している試験研究の成果について紹介しました。

まず,室内での座学による試験概要の説明の後,試験栽培を行っている温室に移動して実際のピーマンの生育状況を見学しました。受講生からは,座学で学んだ知識をすぐに温室で確認できたことがよかった等の意見がありました。また,現場で研究員とディスカッションすることにより,飽差のコントロールは植物の光合成能力を最大限に引き出すことがねらいであり,単に湿度を上げればよいのではないこと等,環境制御の考え方について理解が深まったようです。

講座終了後には,当所で実施しているピーマンに関する他の課題についても紹介する機会を設け,「ピーマンの系統選抜」,「ピーマンの輪作体系」,「苦みの少ないピーマンの栽培方法」について所内ほ場を見学しながら意見交換を行いました。

受講生からは,環境制御がピーマンの生育へ及ぼす効果等に関する質問や,収量アップを期待する等の発言もあり,有意義な講座となりました。

 

室内での座学の様子
室内での座学の様子

試験ほ場における栽培状況の見学
試験ほ場での栽培状況の見学

 

「日本の伝統花きセンリョウの輸出を見据えた輸送及び病害虫対策技術の確立」に係る現地検討会・推進会議を開催(2018年1月18日~19日)

平成30年1月18日(木曜日)~19日(金曜日)に革新的技術開発・緊急展開事業(地域戦略プロジェクト)「日本の伝統花きセンリョウの輸出を見据えた輸送及び病害虫対策技術の確立」の検討会を開催し,生産者・メーカー(品質保持,出荷資材)・輸出業者・学識経験者・関係機関(農林水産省・県庁等)から57名の参加がありました。

輸出を想定したセンリョウの輸送時の品質保持技術の研究開発状況(茨城県,農研機構),並びに鹿島港北埠頭に設置したリーファーコンテナを利用した輸送シミュレーション試験(茨城県,輸出業者)の実施状況について検討しました。

これまでの研究で,1センリョウの品質劣化にはエチレンが関与しており,STS(エチレン阻害剤)が品質保持に効果があること,2通常の出荷箱は船便輸送中の湿度で劣化すること等が明らかになりました。そこで,STS処理の有無×輸送温度×輸送方式(乾式,湿式)等を組み合わせた試験区を設けて,実験室レベルの検討と同時に,実際の輸出を想定した「若松との混載」輸送シミュレーション試験にも取り組んでいます。また,段ボールメーカーの協力を得て船便輸送に適すると思われる材質・構造の輸送箱を供試した輸送シミュレーション試験を実施中です。

北埠頭ではこれらの試験の実施状況を見学し,混載した若松から発するエチレンの影響(エチレン吸着材を使用しないと品質劣化がみられる)や新規段ボールの実用性等を確認しました。生産者からは「研究の成果を現場の実態に合わせて使いやすい形にして欲しい」等の意見が出されました。

本事業を進める中で産地の課題等も明らかになってきており,今後は普及センターとも協力しながら課題解決を図っていきます。

 

鹿島港での様子
鹿島港での現地検討会の様子

 

 

このページに関するお問い合わせ

農林水産部農業総合センター鹿島地帯特産指導所 

〒314-0133 茨城県神栖市息栖2815

電話番号:0299-92-3637

FAX番号:0299-93-1340

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

質問:このページの情報は役に立ちましたか?

質問:このページは見つけやすかったですか?