カキの摘果について(2019年5月)

(写真:摘果後のカキのようす)

昨年のカキは、3月から4月にかけての平均気温が高かったこともあり、生育が平年より2週間程度前進しましたが、今年のカキは、各品種とも概ね平年並みの時期に展葉を開始しました。
カキの「着果」(実をならせる)管理は、つぼみのうちに着果数を減らす「摘らい」を基本とし、開花後に小さい幼果を摘除する「摘果」で仕上げていきます。既に開花期に入っていると思いますので、今後の摘果作業について確認しましょう。

カキは、今年の7日月上旬には、来年着果するための花のもとである「花芽」をつくり始めています。そのため、この時期の着果数が多く樹に負担がかかった状態では、葉でつくった養分を花芽づくりに十分利用できなくなります。その結果、来年の花芽数が少なくなり、着果数が多い年と少ない年を繰り返す「隔年結果」という現象を起こしやすくなってしまいます。
この隔年結果を防ぐためにも、樹の体力に見合った着果数に制限する作業、つまり、摘果をしっかりと行う必要があります。また、摘果には、果実を大きくする効果等もあります。

摘果は、花が咲き終わり、生理落果が終わった6月下旬頃から実施します。
カキの枝は、昨年の生育期に伸びて冬を越した枝(「結果母枝」と言います)から、今年新たに数本の新梢が伸び出していると思います。摘果後の着果数の目安としては、この結果母枝からしっかりとした新梢が4本以上発生していれば、その結果母枝に対して3果程度、結果母枝から発生している新梢が3本以下であれば、その結果母枝に対して1から2果程度の着果量としましょう。
発育不良のもの、形状不良のもの(ヘタの障害も含む)、病害虫の被害を受けているもの、上向きに着果して日焼けが予想されるものを優先的に摘果しましょう。

摘果作業には脚立を使う場合も多いかと思います。ケガには十分に注意しましょう。

専門技術指導員室N.A

2019年05月28日