落葉果樹における剪定前の確認事項と苗木の植付け方法について(2019年11月)

柿の写真

剪定前の確認事項

落葉果樹は、落葉して休眠期に入ると剪定の時期になります。
剪定前に、花芽(来年の春に咲く花のもとができている芽)や果実が実る位置の習性(結果習性と言います)についてよく確認することが重要です。
例えば、ウメは今年伸びた枝の葉えき(葉のつけねの部分)に花芽がつき、翌年、果実がそこに実ります。花芽は丸く膨らんでいて葉芽(葉になる芽)と区別しやすく、来年着果させるための花芽をどの程度確保しているかも比較的確認しやすい樹種と言えます。

一方、カキやクリは、今年伸びた枝の先端の芽(頂芽)とその近辺の葉えきにできる芽(えき芽)が花芽になり、ここから伸びた枝に果実が実る性質があります。ウメに比べると、剪定の段階で来年の花芽の確保数や、着果位置をイメージするのがやや難しくなります。また、むやみに今年伸びた枝の先端付近を剪除すると、せっかくの花芽を取り除いてしまうことになり、場合によっては翌年の着果数が減少してしまいます。
剪定前には、栽培している樹種の結果習性を再度確認し、毎年安定した花芽数を確保できるようにしましょう。

苗木の植付け方法

落葉果樹の植付けについては、大きく分けて、秋植え(落葉後~12月上旬)と春植え(2月下旬~発芽前)があります。
一般的には秋植えを基本にしますが、冬の寒さが厳しい地域では、凍害等を避けるため、春植えにすることも出来ます。
土壌改良資材等を適量混和した植付け場所に、苗木の根を広げるためのマウンド状の小さな山をつくり、山に沿って四方に根を広げます。さらに、接ぎ木部分は地上部に出すよう浅めに覆土し、支柱を立てて固定します。
果樹は、果実を安定して実らせられるまで年数が必要で、生育次第で大きく差がつきます。丁寧な植付けを心掛けましょう。


専門技術指導員室N.A

2019年12月09日