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更新日:2022年12月9日

人為的な誤りによる樹木の衰退・枯死

 

センターヘは、各林業指導所などを通じて市町村や県民から、樹木の衰退と対策に関する相談が多数寄せられています。
近の相談の中で、A=樹木を大切に育てようと考え、かえって樹木にとって良くない対応をした事例、B=樹木の扱いについて初歩的な知識がないために起きた衰退・枯死の事例があります。これらは、いずれも人為的な誤りであり、今後も同様なことが起きないよう、その概要を紹介します。

 

Aの事例(ケヤキ大木の衰退)

ケヤキの写真 写真は、大切に育てようと考え、かえって樹木にとって良くない対応をした結果、枝枯れのはじまったケヤキ大木です。落葉時期の12月に撮影したので、小枝枯れ、太枝枯れの様子は分かりにくいですが、確実に衰退がはじまっています。
衰退の原因を調べたところ、(1)大木の根が地中に広がる範囲の3分の1をアスファルトで舗装したため、(2)大木にとって風よけの役目を果たしてきた竹林を、このケヤキの日当たりが悪くなるとの理由ですべて伐採したため(現在の写真では、ケヤキの後方が良く見えますが、竹林の代採前は、遠方がまったく見えませんでした)、(3)竹林があった範囲にケヤキの生育に良いと思い込み、粘質な土壌を厚く客土したため、の3点でした。
この場合、(1)は敷地内の土地利用上、ある程度仕方ないとしても、(2)は隣接する竹林が北東風に対する防風効果とケヤキ周囲の乾燥防止に果たしてきた役目を見落としています。また、(3)は地表近くに多量に伸びるケヤキの細根を、客土によって全面的に枯らすことになり、むしろ逆効果です。

 

Bの事例(キャラボク垣根の衰退・枯死)

幹に紐が巻き付いた写真 写真は、苗木の扱いについて初歩的な知識が無く起きたキャラボク垣根の衰退・枯死の事例です。植栽前に根鉢を固定していた紐が、自然にはけっして腐らないエスロンテープだったため、苗木の生長に伴って幹を締め、枯死した切株です。エスロンテープを巻いた部分の幹の窪みとその後、切り取っても残ったままのテープが確認できます。
この垣根は、専門の造園業者が植栽し、その後2~3年経過してから、針葉が黄色化する木が少しずつ現れたので、原因を調べて分かったものです。紐としてシュロ縄を用いた場合にも、枯れた事例がありますので、植栽時には必ず紐をはずすべきでしょう。
 

 

樹木の相談79事例の内容を整理したところ、衰退・枯死の原因の15%は、人為的な誤りでした。そのため、人間の取扱上の誤りは、意外にも重要な樹木の衰退・枯死の原因です。

(林業いばらき1999年7月号・横堀)

 

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