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平成12年10月
結婚・育児世代による少子化対策懇話会の提言

【結婚部会】
1.結婚に向けての意識啓発

 <結婚すること=夢を断念すること>と思わせる社会では、結婚する人がますます少なくなってしまいます。結婚を男女にとって魅力的なものにする条件づくりが、これから先の行政・マスコミの課題ではないでしょうか。
 また、新婚の友人から聞かされるのろけ話は、時として最も有効に結婚に向けて背中を押してくれるものです。不特定多数むけのPRのほか、直接顔を合わせての意識啓発に取り組んでみてはどうでしょうか。

2.出会いの場の創出

(1)多様な出会いの場の創出・提供
 県が実施した「少子化と結婚・子育てに関する意識調査」によると、「結婚していない理由」として、〈適当な相手にめぐりあわないから〉をあげている人が過半数を占めています。
 出会いがなければ始まりません。ゴールインの数を増やすためには、スタートである出会いの機会が不足している状況が改善されなければならないと思います。

(2)出会いサポートの充実
 異性との付き合い方に不慣れなばっかりに、せっかくのいい縁も立ち消えになってしまうことが少なくありません。デートのノウハウから古式ゆかしいしきたりまで、親身になって相談にのってくれる結婚の専門家が必要です。
3.結婚する人々への経済的支援

 結婚式や結婚後の新生活に多額の費用が見込まれること、独身時代に自分の収入を自由に使っていたのができなくなること、こうしたことへの不安が、結婚を躊躇させる要因のひとつとなっていますので、結婚対策として可能な限りの経済的支援を検討してみてはいかがでしょうか。

4.来るべき結婚生活への不安の解消

 独身の私たちにとって、結婚生活は未知の世界。ばら色か灰色か、甘い苦いかどんなものだか、期待とともに不安も一杯です。
 このため、少しでもこうした不安を解消して結婚生活に飛び込んでいける情報がほしいと思います。
 結婚すれば出産育児を考えないわけにはいきません。先輩たちから子どもを育てることの楽しみや苦労を聞くにつけ、楽しみはそのままで苦労の部分がすこしでも改善され、赤ちゃんが喜んで生まれてきてくれる社会であってほしいと思います。

5.その他

 価値観が多様化し、伝統的な「婚姻届を提出した結婚」以外の結婚が今後増えていくと思われますが、こうした形の結婚への配慮を欠いたままだとますます少子化は進行していくのではないでしょうか。
    
【育児部会】
1.多様な保育サービスの展開

 近年、提供される保育サービスは質量ともに充実してきていますが、就労形態やライフスタイルが今後ますます多様化している中で、なるべく多くの人の需要に応えられるよう、いっそう幅広くきめ細かな保育サービスを提供していただき、女性が出産後も(何人生んでも)容易に社会復帰できるよう支援をお願いしたいと思います。
 また、従来の保育サービスは、もっぱら母親が外で働いている児童を対象としていましたが、最近、ようやく専業主婦向けの支援策もあらわれてきました。子どもを生み育てるのは、兼業主婦も専業主婦も同じですので、今後、いっそうの充実を期待します。

2.育児にかかる経済的負担の軽減


 県が実施した「少子化と結婚・子育てに関する意識調査」で、実際の子どもの数が理想とする数より少なくなる理由を尋ねたところ、「子どもを育てるのにお金がかかりすぎる」と答えた人が過半数を占めていました。育児や教育の高度化が進む中、これは私たちの実感でもあります。部会員が周囲の友人に望む施策をリサーチしても、やはり金銭面でのサポートが一番いいという声が多くありました。
 古い言葉ですが、「子どもは国の宝」といいます。育児の費用は社会全体で負担するという考えが、もっと前面に出てきてもいいのではないでしょうか。

3.育児の情報提供と相談支援体制の充実

 核家族化、都市化に伴い、地域や隣近所とのお付き合いが希薄となり、また子育てに関する知恵やノウハウが世代間で伝承されにくくなってきています。
 このため、子育て家庭における育児不安や孤立感が増大しており、子育てに関する情報の提供や相談窓口の拡充が必要となっているのではないでしょうか。幅広い情報が得られ、専門家に相談を受けてもらうことで安心して育児に取り組むことができるものです。
4.育児にかかる意識啓発

 男女共同参画が語られて久しくなりますが、家事や育児など家庭の役割は共働き家庭においても今なお女性がその大部分を担っているのが現状で、女性が結婚・出産・育児に負担感を持ち、ひいては出生数の減少にもつながる背景となっています。
 少子化対策の観点からも、こうした「男は働き、女は家事・育児」という考えを改め、「子育ては男女が協力し合いながら行うもの」という社会意識を浸透させていくことが必要ではないでしょうか。

5.子どもが健やかに育つ環境づくりの推進

 近年、子どもが自分の部屋でテレビゲーム等で遊ぶことが増えており、路地や原っぱから子ども達の歓声がなかなか聞かれなくなっています。
 子どもは、地域社会の中でのさまざまな経験を通じて創意工夫や思いやりの心をはぐくみ、たくましく成長していくものです。
 児童館や児童公園をはじめとする、子どもたちが子ども同士のふれあいの中で遊び成長できる環境の整備が、今こそ求められているのではないでしょうか。

6.育児と就労を両立できる職場環境づくり

 女性の雇用者は全雇用者の約4割を占めるに至っていますが、「少子化と結婚・子育てに関する意識調査」において、出産や子育てのため退職した女性の4割強が〈子育てと仕事が両立できるようだったら勤め続けていたと思う〉と答えているように、子育てと仕事の両立には、依然として大きな困難が伴っているのが現状です。
 働きながら安心して子どもを生み育てられるような環境の整備を推進してほしいと思います。