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更新日:2016年3月25日

Q&A

Q1「放射線」「放射能」とは?

「放射線」とは、高速で運動している粒子(電子、陽子、中性子など)やエネルギーの高い電磁波(光)のことをいいます。
なお、放射線を出す物質を「放射性物質」、放射線を出す能力を「放射能」といいます。

 

Q2放射線には種類があるの?

放射線にはいくつかの種類があって透過力(物を突き抜ける性質)も異なります。

よく知られている放射線をいくつか挙げてみます。

1.アルファ線

陽子2個と中性子2個が集まった粒子です。透過力は弱く紙1枚で止まってしまいます。

2.ベータ線

電子がその正体です。透過力はアルファ線に比べると強く、薄いアルミニウム板で止まります。

3.ガンマ線

目には見えませんが、電磁波と呼ばれる光の仲間です。透過力が強く、厚い鉛の板でないと止まりません(X線もこの仲間です。)。

4.中性子線

ガンマ線より透過力が強く、厚い鉛の板も突き抜けてしまいます。水や厚いコンクリートで止めることができます。

放射線の種類と透過

 

Q3放射性物質には種類があるの?

放射性物質には、大きく分けて2種類あり、自然放射性物質と人工放射性物質があります。

1.自然放射性物質

地球が誕生した時から存在する放射性物質、あるいは、宇宙線(超新星爆発等によって発生した放射線)の作用によって生成した放射性物質をいいます。

代表的な自然放射性物質には、ウラン、トリウム、ラジウム、ラドン、炭素-14などがあります。

2.人工放射性物質

ガン治療などの医療目的や産業利用のために作られた放射性物質、あるいは、産業利用の過程で発生する放射性物質をいいます。

また、核爆発実験によって生じた放射性物質も人工放射性物質です。代表的な人工放射性物質には、コバルト-60、ストロンチウム-90、セシウム-137などがあります。

 

Q4空間ガンマ線量率の値がモニタリングステーションの場所によって異なるのはなぜ?

空間ガンマ線量率は、測定器が設置された周辺環境に影響されます。

モニタリングステーション付近に崖や山の斜面、コンクリート建設物等があると、平地にモニタリングステーションがある場合より、地中に存在する自然放射性物質から放出される放射線が多くなるため、やや高い線量率が検出されます。

 

Q5雨が降ると空間ガンマ線量率の値が上がるのはなぜ?

空間ガンマ線量率は通常、宇宙線と自然放射線(自然放射性物質が放出する放射線)を検知しているため、ほぼ一定の値で観測されます。

ところが、雨や雪が降った時には、空間ガンマ線量率の値が上昇します。これは、以下で述べる自然放射性物質の影響によるものです。

自然放射性物質であるウランは、時間が経つとラドン-222という放射性物質に変わります。

このラドン-222はガス状の物質であり、地中から大気中に放出されます。

このラドン-222は更に変化して、鉛-214やビスマス-214となります。

鉛-214やビスマス-214はラドン娘核種と呼ばれ、ラドン-222とともに自然放射性物質です。

これらラドン娘核種は普段ちり状になって大気中を浮遊していますが、雨や雪が降ると雨滴や雪に付着して地表に落下します。

この地表に落下したラドン娘核種から放出される放射線を検知して、やや高い線量率が検出されるのです。

 

Q6原子力施設からの影響がなくても,空間ガンマ線量率の測定値に異常な値が生じることがありますか?

当センターでは、原子力施設の放射線による環境への影響を、常時監視しています。

常時監視結果は、原子力施設からの影響がなくても、次のような場合に、線量率が上昇したり、異常な値が生じることがあります。

1.雨や雪が降った場合に、大気中の自然放射性物質が地表に落下し、線量率が上昇することがあります。

2.測定機器やデータ収集装置に電気ノイズなどが影響して線量率が瞬間的に上昇することがあります。

3.モニタリングステーションの近くで、レントゲン車で住民のエックス線診断を行った場合や、建造物等の診断に非破壊検査を行った場合、エックス線の影響を受けて高い線量率が検出されることがあります。

4.核医学診断や治療のために人工放射性物質を投与された人が、モニタリングステーション付近を通った場合に、投与された放射性物質からの放射線の影響により、線量率が上昇することがあります。

当センターでは測定値にあらかじめ基準値を設けて常時監視を行っています。

異常な測定値を観測した場合は、測定値の詳細な分析を行うほか、原子力施設の関連情報などをあわせて総合的に評価し、影響の有無を確認しています。

 

Q7測定値がゼロでないのは、原子力施設の影響があるということですか?

測定値がゼロを示さないのは、私たちが生活している環境には、自然放射線があるためです。

自然放射線はその場所の地質や地形、気象条件などによって変動し、特に雨が降ると増えます。

ですから原子力施設の影響が無くても、いつも測定値はゼロになりません。

自然放射線は、

1.地中や海水中にあるウランなどの自然放射性物質によるもの

2.大気中にあるラドンなどの自然放射性物質によるもの

3.宇宙から地球に降り注いでいる宇宙線

4.建物の建築材料中に含まれている自然放射性物質によるもの

などが考えれます。

なお、過去の核爆発実験により、地面に沈着したセシウム等の人工放射線の影響も考えられますが、実験から時間が経過し、放射能が低くなったことから、その影響は、ほぼ無くなっています。

 

Q8「テレメータシステム」とは?

テレメータは、英語で「Telemeter」と書きます。日本語に訳すと「遠隔測定」となります。

つまり、遠く離れた場所でいろいろなデータを測定して、その測定データをセンターに自動的に集め、集計、統計処理、異常値の判定などをするシステムです。

このようなシステムは、大気汚染監視システム、道路の交通量調査、河川の水位測定など広く利用されています。

 

このページに関するお問い合わせ

防災・危機管理部環境放射線監視センター企画情報部

〒311-1206 茨城県ひたちなか市西十三奉行11518-4

電話番号:029-200-0011

FAX番号:029-200-0066

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