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平成24年度 第6回霞ヶ浦野外講座 秋の湖岸植物と湖辺の水神宮・万葉歌碑

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概要

秋とはいえまだまだ暑い日々が続いていますが、当日は心地よい風があり絶好の観察日和でした。トンボ池公園には、霞ヶ浦湖面では見られなくなってしまいましたがオニバスの池やミズアオイの池が整備されそれぞれ花盛りでした。 湖畔には海岸付近に生育するワセオバナ(早生尾花/別名ハマススキ)がススキより一足早く咲きそろい、浪逆の浦が海とつながって波が逆立つ当時を彷彿とさせます。一方、特定外来植物のミズヒマワリの白い花も目につきました。 草地にはカヤツリグサ・イガガヤツリ・ヤマイ・コゴメガヤツリ・ミズガヤツリ・ヒメクグなどカヤツリグサ科の植物が見られました。ヒメクグは香油成分を含み独特の甘い香りは好評でした。茨城県の絶滅危惧植物にあげられているカワラニガナが見られたのは収穫でした。今回の観察会では90種ほど確認できました。

午後は、外浪逆浦を眺めながら江戸時代から明治時代にかけて地元農民と水害との戦いの歴史について資料をもとに説明を受けました。 また、湖畔に立つ「万葉集」巻十四の万葉歌碑について学習しました。碑文は次のとおりです。

常陸なる浪逆の海の玉藻こそ引けば絶えすれあどか絶えせむ
【常陸国にある浪逆の海の美しい藻は引けば切れるが、二人の仲はどうして切れたりしようか。】
という恋の歌です。この歌にまつわる事柄について貴族の生活など興味深いお話を伺いました。

さらに、霞ヶ浦湖岸域における水神の分布と機能について、湖との継続的な関わりを通して自然を怖れ「無事」と表現されるような関わりを保持しようとしてきた人々の信仰に想いを致すことができた研修でした。


オニバス(スイレン科)の花はきれいでした


ミズアオイ 葉の形は,控えおろ・・・

 


ワセオバナ(イネ科)海岸性植物です


カワラニガナ(キク科) 県絶滅危惧TB