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平成24年度 第7回霞ヶ浦野外講座 小貝・利根合流点の植物と縄文貝塚

写真

概要

涼しい風が吹き抜ける秋本番の絶好の観察日和でした。

河畔はヤナギ・ヨシ群落になっており、オギやヨシの穂が秋の日に輝いています。クズ・ヤブガラシ・カナムグラ・イシミカワに特定外来生物のアレチウリなどのつる植物が全面覆い尽くして激しい生存競争をしているような藪状態になっていました。ミゾソバ・アキノウナギツカミ・オオイヌタデ・イヌタデ・ハナタデ・サクラタデ・シロバナサクラタデなどタデ科の植物が花盛りでした。ヤナギタデの葉は辛みが強烈で皆さん咳き込むほどでした。フジバカマ(キク科)は茨城県絶滅危惧U類にあげられている秋の七草の一つですが数株見られました。生乾きの時にクマリンの香りがします。

堤防の法面にはアメリカスズメノヒエ・コマツヨイグサ・ブタナ・ヘラオオバコなど外来植物が多く見られました。今回の観察会で100種類観察することができました。

午後は、花輪台貝塚へ移動して貝塚の成り立ちや発掘調査によってヤマトシジミを主体としてハマグリ・黒鯛・エイ・鹿・兎・犬などの骨が発見され、犬は家畜として飼育されていたと推定されることなどの話がありました。さらに、「花輪台のヴィーナス」の愛称で呼ばれる6cm位のわが国最古の形象土偶が出土しました。女性のもつ美しいプロポーションを見事に具象化しているそうです。古代のロマンが感じられ是非見たいと思ったものでした。

また、江戸時代には新利根川掘削事業によって利根町周辺の水田灌漑がはかられた歴史についても伺いました。当時は広大な湿原であったこの地方を人力によって開墾する壮大な計画が実行されたとのことです。小貝川・利根川と霞ヶ浦とを関連付けた自然との闘いが繰り広げられた土地でもありました。

縄文遺跡の上に立って周囲を見渡しながら様々な先人の生き様に触れた一時でした。


ハマスゲ(カヤツリグサ科)の花はきれいでした


ガガイモ(ガガイモ科)の袋果;長さ10cm

 


フジバカマ(キク科)秋の七草,関東以西


花輪台貝塚で縄文海進の時代に想いを馳せる・・・