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平成25年度 第1回霞ヶ浦野外講座 春の湖岸植物と牛渡の伝説

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概要

かすみがうら市牛渡の霞ヶ浦揚水機場付近を歩きました。ここには,ミズアオイ・セイタカヨシ・ミクリなどの貴重な植物が生育していますがまだ芽生えの時期です。カラスノエンドウ・スズメノエンドウ・その中間の形質のカスマグサが花をつけています。ノジシャは欧米ではサラダとして食用にします。江戸時代長崎で栽培されたものが各地に広まっている外来植物です。枝が二股に分かれ,うす青い花が見頃でした。ミツバアケビ・アケビが隣り合って花をつけていました。比較するとその違いが明確になるものです。湖岸ではヨシやシロネが芽吹いています。タチヤナギ・オノエヤナギ・ジャヤナギなどヤナギ類も見られました。今日は90種類ほど観察できました。参加された皆さんもメモをとりながら熱心に観察されていました。

午後は鹿島神社へ移動しての研修です。毎年5月5日に催される「平三坊祭り」は,五穀豊穣と子孫繁栄を祈願するユーモラスなお祭りだそうです。古代からの農民の信仰の姿が如実に出ている祭りです。つぎに牛渡銚子塚古墳を見学しました。奈良平安の昔常陸の国府に下向した勅使がこの地で亡くなって埋葬した前方後円墳です。形状が保たれ非常に美しい古墳です。さらに牛渡牛塚古墳を見ました。村内で最も低いところにある古墳です。対岸の馬掛との古代交通路を想像される遺跡です。出島村を通っていた古代の駅道を示唆しているとのことでした。古代の出島村に想いを馳せた一時でした。

午後は,山頂に鎮座する浅間神社で研修しました。富士山は「ふじやま」と読みます。筑波山周辺には富士山が3つほどあり,小字の地名に「富士」の着くものがやたらに多く、10カ所もあるそうです。一帯の「柿岡盆地」には,このように取り残された山がいくつもあります。麓の人の話によると山の峰には足で強く踏むと震動するような場所があるといいます。それで鼓ガ峰といわれたのでありましょうか。いまから三百数十年前,筑波山の名所であったことがうかがえる文献があります。日本武尊東征の伝説もある山です。夏に麓の人たちによる祭礼が続いているようです。ご婦人たちは直登する登山道は登りがきつくて,途中までしか登れませんとのことでした。

今回の講座に参加された皆さんからは,『勉強になりました』『楽しかったです』『次回も是非参加したいです』等々の感想が寄せられました。


湖岸の植物を観察しました


牛渡の「へいさんぼう」について研修中

 


ノジャシャ(オミナエシ科)


ミツバアケビ(アケビ科)

 

 


アケビ:ミツバアケビより大きい花です


湖岸:シロネの芽生え