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平成25年度 第4回霞ヶ浦野外講座 夏のヨシ原と財産区

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概要

浮島の和田岬と妙妓の鼻を歩きました。バス車内でパートナーの二階堂さんが「植物観察のポイント」,有吉さんが「霞ヶ浦のヨシ」について解説していただきました。皆さん予備知識十分です。

和田岬は昭和30年代までは海水浴場として大変賑わったところです。当時の霞ヶ浦は海水が入る汽水湖でした。クロマツ林の浜辺には海浜植物が見られました。今でも当時の名残のハマヒルガオ・ハマアオスゲ・コウボウシバ・ハマエンドウなどが見られます。湖岸の船溜まりにはアサザ・ヒシなど浮葉植物が見られます。シロネも白い花が盛りでした。キシュウスズメノヒエ・ツルヨシが元気でした。ギョウギシバ・ハマスゲ・ヌメリグサ・クサネム・ウキヤガラなどが見られ砂浜の植生はこれから変化していくものと期待されます。特定外来種のミズヒマワリ・アレチウリも侵入していました。

妙妓の鼻の広大なヨシ原はカモノハシとの二層構造をなす草原です。コマツナギが赤紫の花を咲かせていました。チゴザサ・サンカクイ・タチコウガイゼキショウなど単子葉植物が多く見られます。お目当てのミズオトギリは蕾を膨らませていました。ミズチドリは花が終わって実をつけています。ハナムグラはわずかに花が見られました。ムンムンする藪の中でエゾミソハギ・イヌゴマの花が咲き誇っていました。ヌマトラノオ・シロネ・ハンゲショウなどの白い花は夏を感じさせます。酷暑の中での藪こぎはきついものでしたが参加者の皆さんは初めての経験で熱心に観察していました。

妙妓の鼻と浮島財産区について岩波さんから資料を用いての講話がありました。妙妓の鼻の土地は霞ヶ浦の堤外民地107haの内57haを占めます。昭和62年買収契約が結ばれ,それに伴い小堤防が建設され地元財産区により萱場として,また自然景観保全のための取り組みがなされ現在に至るものである。昔は島の大半が萱葺き屋根であったため,ヨシの湿原は必要欠くべからざる資源であった。徳川初期頃から萱帳場の仕組みがあり管理されてきた。野焼きも行われ良質の萱が生産されてきた。現在は野焼きは様々な困難な問題に直面して実現は困難なようである。これからの妙妓の鼻を考える上で大きな課題である

徳富蘆花の「漁師の娘」,江見水蔭(えみ・すいいん)の「恋の浮島」に昔の浮島が描かれていることが紹介された。


和田岬植物観察


妙妓の鼻で茅場の財産区について研修

 


アサザ(リンドウ科)


シロネ(シソ科)

 


エゾミソハギ(シソ科)


イヌゴマ(シソ科)