トップページ > イベント情報 > イベント結果(平成25年7月から9月まで) >平成25年度 第6回霞ヶ浦野外講座 

平成25年度 第6回霞ヶ浦野外講座 初秋の北浦湖岸の植物と北浦航空隊跡

写真

概要

北浦に流れ込む雁通川湖岸を歩きました。河口で目につくのは竹でつくった消波柵です。アサザの生育がはかられた場所ですが,残念ながら生育を確認することはできませんでした。

湖岸の植生は,ヤナギ・ヨシ群落です。ヨシが繁茂し花穂をつけ始めていました。マコモも多く見られ,花穂の先端部が雌花で下の方には紫色をした雄花が開花しています。シロバナサクラタデの群落が白い花をつけてひときわ目立ちました。カサスゲ・チゴザサ・サデクサ・シロネなど湿性植物も旺盛です。蔓植物のガガイモは長い毛が密生する淡紫色の花をつけています。ゴキヅルも水辺に生える蔓植物でおもしろい形の果実を垂らしています。果実が熟すると横に割れ,上半部がかぶせた容器のふたのようにとれることからつけられたことによる「合器蔓」に皆さん興味をもっていました。カヤツリグサ・イガガヤツリ・アゼガヤツリ・ヒナガヤツリ・ホソミキンガヤツリなどカヤツリグサ属の植物も見られました。絶滅危惧植物のジョウロウスゲも見られます。

やや乾燥した所にはタチヤナギ・マルバヤナギ・シダレヤナギなどヤナギ類とハンノキ・タブノキ・ネムノキ・エノキ・カラスザンショウなどの樹木が生育しています。

この地域は魚の産卵場所の確保のために再生されたヨシ原で,安定した植生が保持されています。 今回の観察会では112種類観察しました。

 

午後は北浦航空隊について岩波さんから資料を用いての話がありました。1941年(昭和16)に着工し,1945年には水上飛行機による特攻が開始された。敗戦後解散している。その後紆余曲折を経て敷地は地元地権者に変換された。そのあたりの歴史的経緯について,地元でマリーナを経営している村山進一さんからお話を伺った。湖畔にはコンクリート壁が当時のまま残されており今に伝えている。釣り堀に流れ込む北浦の水は,クレソンが生育する長い掘りを通して浄化されていたのが印象的であった。


雁通川河口の植物観察


北浦航空隊について研修

 


ゴキヅル(ウリ科)の果実 


マコモ(イネ科)の雄花と雌花

 


シロバナサクラタデ(タデ科)


サデクサ(タデ科)