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平成25年度 第7回霞ヶ浦野外講座 巴川河口の植物と鹿島灘の製塩

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概要

北浦に流れ込む巴川河口を歩きました。この地は下水処理場をつくるに当たって特殊工法で北浦湖岸に堤防が築かれた場所です。湖岸にはマコモ・ヨシ・ヤナギ類が生育するヨシ群落が見られます。湖岸堤の縁には地盤沈下と水位の上昇によって湿地が形成されイヌタヌキモが見られます。平成23年7月の観察会で消波堤の内側にヨシ苗が植えてあった場所は立派なヨシ群落になっていました。

湖岸は,ヨシが繁茂し花穂をつけていました。マコモも多く見られ,花穂の先端部が雌花で下の方には紫色をした雄花が開花しています。湿性植物は,カヤツリグサ・ホソミキンガヤツリ・イガガヤツリ・コゴメガヤツリ・マツカサススキなどが見られます。カサスゲもヨシ原の下草としてみられます。絶滅危惧植物のジョウロウスゲは花の時期は終わりましたが元気です。ヒメジソ・ヤナギタデ・ヤマイなども花の見頃です。

前回の観察会で初めて見た外来植物のメリケンムグラはマット状に広がり,先端が4裂した白い花をつけています。オギ・シロバナサクラタデ・シロネ・サデクサ・ゴキヅル・ヒロハホウキギクなどおなじみの植物も見られます。

この地域は魚の産卵場所の確保のために再生されたヨシ原で,安定した植生が保持されています。 今回の観察会では87種類観察しました。

午後は塩釜神社へ移動して鹿島灘の製塩について岩波さんから資料を用いての話がありました。

人間の社会生活の中で,塩は三白と呼ばれるほどの生活必需品であり,代替品のないことから,古来より人々はその確保に少なからず努力をはらってきた。中世になると塩はけがれを清めるといった機能をもち,神事の中でも必要不可欠な位置をしめるようになってきた。製塩法も発達し,各地に塩釜神社や塩と関係のある神社が祀られた。塩たきをやり長者になった「文太長者」の伝説も語り継がれている。

塩釜神社は小さい社であるが,その境内からは当時の隆盛を感じるに十分の風格が感じられた。


巴川河口の植物観察


鹿島灘の製塩について研修

 


ヒメジソ(シソ科)の花


マツカサススキ(カヤツリグサ科)の花穂

 


イガガヤツリとヤマイ(カヤツリグサ科)


メリケンムグラ(アカネ科)