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平成25年度 第8回霞ヶ浦野外講座 恋瀬川河口の植物と湖岸の史跡

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概要

西浦に流れ込む恋瀬川河口を歩きました。この地はヨシ再生事業により広大なヨシ原が広がっています。以前はオニバスの群生が見られましたが今はありません。一部にハスが見られる程度です。河口付近にはヨシ・ヤナギ群落になっています。サクラタデはちょうど満開でした。他にイヌタデ・ヤナギタデ・アキノウナギツカミ・サデクサ・イシミカワ・ミゾソバ・ヤノネグサなどのタデ科植物が多く生育します。そのなかで茨城県絶滅危惧U類にあげられているナガバノウナギツミの生育を確認できたことは感動的でした。アカメヤナギ・イヌコリヤナギ・カワヤナギ・タチヤナギなどヤナギ類が生育しています。アゼガヤツリ・ウキヤガラ・カサスゲ・コアゼガヤツリ・コブナグサ・ヘラオモダカ・マツカサススキなど湿性植物も見られました。堤防には産地原野の日当たりのよい草地に生育するシダ植物のフユノハナワラビが胞子葉を伸ばしており,皆さん初めて見た人が多く盛んにシャッターを切っていました。水辺にはマコモが生育し安定した植生が見られました。茨城県準絶滅危惧種のセイタカヨシは今回は見ることはできなかったが近くに群生が見られる。

今回の観察地は,季節を変えて観察してみたい場所でした。観察会では92種類観察しました。

午後は湖岸の史跡3カ所を見学し,岩波さんから資料を用いての話がありました。

石岡市高浜の船塚山古墳は古墳時代中期5世紀頃築かれた全長182mの前方後円墳で東国古墳のうちでは2位,常陸では第1の古墳である。登ってみると遠くに筑波山を望み麓に霞ヶ浦が広がる雄大な景色が望まれる地である。船塚山古墳に埋葬された人物は明らかになっていないが当時の豪族の存在が感じられる。

岩屋古墳は雲母片岩を用いた板石組横穴式石棺が露出した状態で見られる。筑波山麓から運ばれたと考えられている巨大な石をいかなる方法で運んだのか想像を掻き立てられる遺跡である。

かすみがうら市安食にある太子古墳は石室内部に朱色の壁画が施されていることから注目された古墳である。壁画の模様は,死者の霊魂の場に他の人物が立ち入ることを防ぐ封禁の呪力の意味が込められていると考えられています。埋葬時期は,まさに聖徳太子が生きていた時代の出来事であったとのことです。3カ所の古墳を見て古墳時代に思いを巡らした研修でした。


恋瀬川河口の植物観察


岩屋古墳について研修

 


ナガバノウナギツカミ(タデ科)


フユノハナワラビ(ハナワラビ科)

 


サクラタデ(タデ科)


セイタカヨシ(イネ科)