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平成19年第1回定例会

 平成19年第1回県議会定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明に先立ち、県政運営に関する所信の一端を申し上げます。

(第1 県政運営の基本方針)

 最近の世界情勢を見ますと、経済はますますグローバル化しつつあり、その大波は、世界市場を拡大し、BRICsと呼ばれる新興経済国をはじめ、多くの国々を経済大国予備軍に押し上げ、この潮流は今後加速されていくものと思われます。
 特に、アジアは世界人口の半分以上を有し、中国やインドの高い経済成長に加え、ASEAN諸国の躍進にも目をみはるものがあります。そのような中で、今、アジアでは、「東アジア共同体」という新たな経済協力の枠組みをめぐり、幅広い協議が進展しつつあります。まさにアジアは、かつてない躍動の時代を迎えております。  一方、我が国においても、経済は戦後最長の「いざなぎ景気」を超えて景気拡大を続けております。しかしながら、大企業の好調な業績に比べ、中小企業を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあり、都市と地方の間における不均衡や、ワーキングプアと言われる層の出現など格差社会への対応が大きな課題となりつつあります。大都市と大企業だけが繁栄するのではなく、地方や中小企業、さらには家計においても景気回復を実感できる社会づくりが強く求められております。
 また、少子・高齢化が一段と進行するとともに、かつて経験したことのない人口減少社会を迎えております。さらに戦後の日本経済を支えてきたいわゆる団塊の世代の方々が今年から大量に退職し、経験豊富な働き手が少なくなり、技術の伝承などが難しくなるという「2007年問題」もクローズアップされてきております。
 このように内外の激しい変革の中で、本県が活力を維持し、さらに発展していくためには、本県の特性を最大限に活かし、激化する地域間競争を勝ち抜いていかなければなりません。
 経済がグローバル化する一方、世界各国では資源ナショナリズムが台頭しはじめており、資源の乏しい日本が、21世紀に繁栄していくためには、科学技術創造立国に努めることがますます重要になりつつあります。
 幸い、本県は、高度な科学技術の集積地を数多く有しており、さらに東海村では、世界最先端の研究施設「大強度陽子加速器(J−PARC)」の建設が進められております。今後、企業や研究者が活動しやすい環境づくりや産学官の一層の連携に努め、日本をリードする科学技術創造立県を目指してまいります。
 また、首都圏に近接し、基盤整備の進んでいる本県は、大きな発展可能性を秘めており、大変企業から注目されている県の1つであります。ある経済誌では、来年度の都道府県別GDP成長率は、本県が全国トップであるという予測もされているところであります。
 今後、本県の持つ潜在力や優位性をより一層生かし、企業誘致や産業の振興に努め、雇用の場が創出された活力あふれる県にするとともに、福祉や医療、教育や文化、環境といった面での施策を一層充実させ、「人が輝く 元気で住みよい いばらき」づくりを進めてまいります。

〔県政の重要課題と予算編成の基本的考え方〕

 次に、当面する県政の重要課題と平成19年度予算編成に当たっての基本的な考え方を申し上げます。
 第1は,改革の推進であります。
 まず、地方分権改革についてでありますが、昨年末に地方分権改革推進法が成立し、第二期の地方分権改革がスタートしました。
 地方分権改革は、住民により身近な自治体にできる限りの権限と財源を集め、知恵と工夫によって、地域に最もふさわしい公共サービスが、多様な形で住民に還元される社会を実現しようとするものであります。
 しかしながら、これまでの改革においては、国の財政再建が優先され、地方財政に極めて深刻な打撃を与えたばかりでなく、地方の自由度はほとんど高まらなかったという誠に残念な結果になっております。
 第二期改革においては、住民の視点に立って、国と地方の役割分担の見直しや国から地方への権限及び税財源のさらなる移譲などが一体的に進められ、真の分権型社会が実現できるよう、地方6団体とも緊密に連携を図りながら、国に対し強力かつ戦略的に働きかけてまいります。
 次に、道州制についてでありますが、「道州制ビジョン懇談会」が道州制担当大臣のもとに設置され、今後3年以内に新たなグランドデザインを策定していくことになったところであります。一方、全国知事会においては、本年1月に「道州制に関する基本的考え方」をとりまとめたところであり、今後とも地方分権改革を進める観点から広範な議論を進めていく必要があると考えております。
 次に、行財政改革についてであります。
 三位一体の改革による地方交付税等の大幅な削減により、一般財源総額が、平成15年度の水準と比較すると、1、000億円程度減少したにもかかわらず、公債費や医療・福祉関係経費、職員の退職手当などが増大したことにより、県財政は急激に悪化の一途をたどり、まさに未曾有の危機に瀕しております。
 このため、来年度予算編成にあたっては、かつてない極めて厳しいシーリングを設定したうえで、事業内容を徹底して精査し、事業の廃止・重点化等を行いました。さらに、当面2年間、職員の給与カットを行うこととしたところであります。
 今後、「第4次行財政改革大綱」及び「財政集中改革プラン」に基づき、聖域のない歳出削減を行うとともに、県税徴収率の向上や県有未利用地の処分促進などにより歳入の確保に努め、これまで以上に行財政改革を強力に推進し、全庁一丸となって財政再建に向け、取り組んでいく決意であります。
第2は、活力ある産業の育成であります。
 本県では、つくばエクスプレスをはじめ、高速道路や港湾の整備、百里飛行場の民間共用化といった広域交通ネットワークやIT社会に対応した情報交流空間づくりなどが着実に進められており、人・もの・情報が活発に行き交う交流拠点の形成を目指しているところであります。
 基盤整備の進む本県には、多くの企業が注目しており、先月、コマツが操業を開始したのに続き、6月には中国木材が、さらに秋口には日立建機が相次いで操業を開始する見込みであり、県内経済の活性化が大いに期待される年であります。
 アジア経済が拡大し、企業部門の好調さが持続している今、この好機を逃すことなく、本県の潜在力や全国一の優遇税制等をアピールしながら積極的に企業誘致に取り組んでまいります。
 また、平成20年度内の供用開始に向けて整備が進められているJ−PARCの中性子ビーム実験装置の産業利用を推進するため、中性子利用促進研究会などによる産学官交流を一層促進し、新事業、新産業の創出を目指してまいります。
 さらに、競争力のある中小企業を育成するため、中小企業のものづくり技術の向上や受注販路の拡大などを支援するとともに、展示会の開催等により、県内中小企業の技術力の高さをPRしてまいります。
 農業につきましては、平成15年度から平成22年度までを推進期間とする「茨城農業改革」が、来年度から後期に入りますことから、グローバル化の進展や消費者ニーズの多様化などの情勢の変化を踏まえ、後期の年次計画を策定し、農業者や産地の創意工夫ある実践活動を支援するなど、農業改革をさらに進展させてまいります。
 また、県北地域の豊かな自然環境と地域の特性を活かし、新しいライフスタイル「いばらき さとやま生活」を首都圏の団塊の世代をターゲットに積極的に発信し、都市と農山漁村の双方に滞在拠点を持つ二地域居住を促進し、交流人口を拡大させ、地域の活性化を図ってまいります。
 第3は、教育の再生であります。
 教育を取り巻く環境は、国際化や少子・高齢化の進展など大きく変化しており、子どもたちの規範意識や公共心の欠如、さらには児童生徒の学力低下やいじめ・不登校の問題など、様々な課題が生じております。
 教育の憲法と言われている教育基本法が、昭和22年の制定以来初めて改正され、教育の目的及び目標として、現行法に規定されている「人格の完成」等に加え、「公共の精神」や「伝統と文化の尊重」などが新たに規定されました。
 本県では、法律改正以前から、子どもたちの規範意識の低下や公共心の欠如に対して危機感を持ち、マナーアップ運動やあいさつ声かけ運動などの取組を実施してまいりました。さらに、道徳教育の充実についても準備を進めてきたところであり、平成19年度からは、全国で初めて全県立高等学校において、「道徳」の授業を実施してまいります。
 また、昨年から、全国各地でいじめによる自殺が相次いでおり、大きな社会問題となっております。県では、全児童生徒にいじめ問題に関するメッセージを配布するとともに、子ども専用の電話相談窓口である「子どもホットライン」を24時間体制にするなど緊急的な対策を講じてまいりました。
 今後は、いじめを生じさせない人間関係づくりのための取組を推進してまいりますとともに、スクールカウンセラーの増員など総合的ないじめ対策を進めてまいります。
 一方、政府の教育再生会議の第1次報告におきまして、「ゆとり教育」の見直しや教員免許更新制の導入、教育委員会制度の見直しなどが提言に盛り込まれました。これらの提言内容は、児童生徒や保護者、教育現場等に極めて大きな影響を与えるものであり、今後、制度改正にあたっては、慎重な検討が必要であると考えております。
 特に、教育委員会制度の見直しに関しましては、教育委員会に対する是正の勧告・指示など文部科学大臣の関与を強化する内容が含まれており、地方分権に逆行するものであります。教育の再生には、各地域が当事者意識と責任を持って教育に取り組むことができるような仕組みをつくることが必要であり、今後、全国知事会とも連携を図りながら、分権型の教育制度の構築に向けて国に働きかけてまいります。
 第4は、少子化対策の推進であります。
 先日公表されました厚生労働省の人口動態統計速報によりますと、平成18年の全国の出生数は前年よりも増加し、合計特殊出生率も、6年ぶりに前年を上回る見通しとなっておりますが、依然として低い水準にあり、少子化対策は当面の最重要課題であると認識しております。少子化の進行は、人口の減少をもたらし、国の活力を低下させ、将来、医療や年金などの社会保障システムの維持が難しくなるなど国家の浮沈に係る大きな問題であります。
 第二次ベビーブーム世代がまだ30歳代である、残り5年程度のうちに国、地方が総力をあげて少子化対策に取り組んでいかなければならないと考えております。
 本県におきましては、これまで仕事と家庭が両立できる環境づくりのため、保育所や放課後児童クラブの整備を促進するなど、子育てサポート体制の充実を図ってまいりました。さらに、今年度からは全国に先駆けて、全小学生を対象に、放課後の遊びや生活の場を提供する「いばらきっずクラブ推進事業」に取り組んできたところであります。国におきましても、来年度から本県と同様の取組を全国的に推進していくこととなりましたことから、今後は、この国の制度を活用して子育て家庭に対する支援を積極的に行ってまいります。
 また、少子化は、未婚化、晩婚化の進展が大きな要因の1つであるところから、引き続き、出会いサポートセンターを中心に、結婚相談事業やパーティーの開催など総合的な結婚対策を推進してまいります。
 さらに、子育て支援に積極的に取り組み、少子化対策のモデルとなるような企業に対する表彰制度を創設し、企業の子育て支援への自主的な取組を普及させてまいります。また、県内のスーパーや宿泊施設等による子育て家庭を対象とした料金割引等の優待制度を創設し、子育て家庭を社会全体で支援する機運を醸成してまいります。
第5は、医療対策の推進であります。
 県内の医師不足は、特に産科や小児科を中心に大変深刻な状況にありますことから、少しでも多くの医師が本県に定着していただけますよう、医師のライフステージに応じた各種の支援策を総合的に実施し、医師の確保に努めてまいります。
 また、助産師も不足しており、少子化対策のためにも早急に助産師の増加を図る必要があることから、県立中央看護専門学校助産学科の入学定員を増員することとし、安心して出産できる環境づくりに努めてまいります。
 がん対策につきましては、県民がより身近な所で質の高いがん医療の提供を受けることができるよう、二次保健医療圏に1ヶ所程度地域がん診療連携拠点病院を整備し、総合的ながん対策を実施してまいります。
 一方、医療制度を将来にわたり持続可能なものにするため、保健医療計画や健康増進計画などを策定し、総合的な医療費の適正化等に向けた取組を実施してまいります。
 次に、県立病院改革についてでありますが、昨年4月から、病院事業管理者のもとで、職員の意識改革や人件費の削減など様々な経営改革に取り組み、さらに、有識者による「県立病院の運営とあり方についての検討会」を設置し、病院ごとの目指すべき方向や担うべき政策医療などについて、検討を重ねているところであります。
 今後は、新院長の招聘により執行体制の強化を図るとともに、中央病院におきましては、救急医療を含めた診療体制の充実強化、友部病院におきましては、政策医療としての精神科救急体制の確立を重点課題とし、県民の付託に応えられる病院を目指して経営改革を進めてまいります。

(第2 予算)

 次に予算について申し上げます。
 本県の予算編成の前提となる国の予算でありますが、一般会計予算の総額は82兆9,088億円で、対前年度比4.0パーセントの増、また、政策経費であります一般歳出については対前年度比1.3パーセントの増となっております。一方、地方公共団体の予算編成上の指針であります地方財政計画を見ますと、総額で対前年度比0.02パーセントの減と6年連続で前年度を下回るとともに、歳出のうち公債費等を除いた地方一般歳出につきましては、対前年度比1.1パーセントの減と8年連続の減となっております。
 次に、本県の平成19年度当初予算について申し上げます。
 まず、来年度の財源見通しであります。県税収入につきましては、法人2税や個人県民税が、企業収益の回復や税源移譲により、大幅な増収が見込まれますことから、18年度当初予算に比べ、全体として21.4パーセント、約733億円の増を見込んでおります。
 一方、その他の一般財源につきましては、地方交付税を18年度当初予算と同額と見込む一方、地方の財源不足に対応して発行が認められる臨時財政対策債を269億円計上いたしました。しかしながら、なお財源が不足するところから、行政改革推進債等の活用や一般財源基金の取り崩し、さらには、緊急避難的に県債管理基金からの借入れなどを行ったところであります。
 また、歳出につきましては、事務事業全般にわたり徹底した削減に取り組むとともに、私や副知事など特別職の給与のさらなる減額と合わせ、職員の給与につきましても、5%から3.5%、当面2年間減額することとし、年間約105億円の人件費を削減することといたしました。
 また、公共事業につきましては、緊急性の高い事業などへの重点化を図りながら、国補公共事業につきましては、6.4パーセントの減、県単公共事業につきましても、6.5パーセントの減といたしました。
 この結果、平成19年度一般会計予算の総額は、1兆602億8千百万円で、前年度当初予算に比べ、3.5パーセントの増となったところでありますが、住宅供給公社等対策関連経費を除きますと、地方財政計画を下回る1.5パーセントの減となっております。
 また、特別会計は17件で、総額2,557億2千4百万円、69.1パーセントの増、企業会計は5件で、総額885億9千4百万円、6.0パーセントの減となっております。
 なお、債務負担行為は、一般会計で40件、特別会計で11件、企業会計で5件であり、その内容は建設工事の請負契約などであります。
 次に、平成19年度の主な施策について申し上げます。  第1は、「活力あるいばらき」づくりについてであります。

(競争力のある商工業の育成)

 まず、競争力のある商工業の育成につきましては、マグネシウムを活用した本県オリジナル技術や新製品の開発を行うプロジェクトなどを推進し、意欲ある中小企業のものづくり技術の向上を支援してまいります。
 また、本県の産業関連情報を一元的にまとめたポータルサイトを開設し、本県のものづくり技術や最先端の科学技術などの情報を効果的に発信してまいります。
 さらに、中小企業に対する融資制度につきましては、中小企業パワーアップ融資や経営合理化融資の融資枠を拡大するなど、資金調達の円滑化を図ってまいります。
 商業の振興につきましては、商店街による地元提案型の活性化事業に対し助成を行い、商店街の活性化に努めてまいります。

(産業を支える人材の育成と就業の促進)

 次に、産業を支える人材の育成についてでありますが、いわゆる「2007年問題」に対応するため、ベテラン技能者が永年培ってきた高度で専門的な技術や技能を、若年技能者に継承する「いばらき名匠塾」を引き続き実施してまいります。
 次に、就業の促進についてでありますが、いばらき就職支援センターにおきまして、引き続き、就職相談から職業紹介までのワンストップサービスを行ってまいりますとともに、フリーターの正規雇用化を促進するための実践的な研修や女性・中高年離職者の再就職に向けたセミナーの開催などを行ってまいります。

(新鮮・安全で多様なニーズに応えられる農林水産物の産地づくり)

 次に、農業についてでありますが、国の「品目横断的経営安定対策」の下での農業担い手を育成していくため、これまでの認定農業者に加え、新たに集落営農組織も無利子で融資を受けられるよう、農協系統資金に対し利子助成を行うこととするほか、経営管理やマーケティングなどについての研修を実施し、認定農業者のスキルアップを図ってまいります。
 また、農地・農業用水等の資源は、農業の生産基盤であるとともに、国土の保全、水辺環境や生態系の保全など多面的機能を有しておりますが、農業者の高齢化や減少により、これらの適切な管理が困難になっていることから、農業者だけでなく、地域住民等も参画した水路の江ざらいや草刈りなどの活動に対し支援を行ってまいります。
 さらに、団塊の世代などを対象に「いばらき営農塾」を開催し、技術習得研修を行ってまいります。
 林業につきましては、採算性の悪化等から間伐などによる適切な保全・整備が行われない森林が増加するなど、森林の有する公益的機能の低下が危惧されていることから、モデル団地を設定して効率的な間伐の推進体制の構築に努めてまいります。
 水産業につきましては、現在進められている漁協の合併を促進するため、経営基盤が脆弱な合併直後の漁協に対し、経営安定のための運転資金を貸し付けるなどの支援を行ってまいります。

(人・もの・情報が活発に行き交う交流空間づくり)

 次に、道路網の整備についてでありますが、北関東自動車道は、年内に友部インターチェンジから(仮称)笠間インターチェンジ間の供用が開始される見込みであり、平成21年度の東北自動車道への接続に向け、整備を促進してまいります。首都圏中央連絡自動車道につきましては、来月10日につくば牛久インターチェンジから阿見東インターチェンジ間の供用が開始されますほか、他の区間の整備を引き続き促進してまいります。常磐自動車道につきましては、新たに石岡・小美玉地区におきまして、スマートIC社会実験の実施に向けて取り組んでまいります。
 また、百里飛行場の民間共用化につきましては、先月、空港の愛称が「茨城空港」と決定されるとともに、来年度早々には新滑走路の整備が始まる予定となっております。平成21年度の開港を目指し、東関東自動車道やアクセス道路等の整備を積極的に推進してまいりますとともに、就航する航空会社の確保にもより一層力を入れてまいります。
 次に、港湾の整備と振興についてでありますが、常陸那珂港におきましては、引き続き中央埠頭の整備を進めてまいりますとともに、企業立地の促進を図るため、港湾関連用地の整備を積極的に進めてまいります。また、鹿島港におきましては、外港航路の浚渫を行い、船舶の航行の安全性の向上を図ってまいります。
 次に、つくばエクスプレスにつきましては、昨年11月に続き、本年1月においても1日当たりの平均乗車人員が20万人を超えるなど、利用客は着実に伸びているところであります。また、昨年12月には、通勤・通学時間帯の混雑緩和や利便性の向上を図るため、開業以来初となるダイヤ改正を実施したところであり、今後とも、より一層の利便性の向上に努め、利用客の増加を図ってまいります。
 次に、情報交流空間づくりにつきましては、県や市町村が所有する地図データをデジタル化し、行政や県民生活など多くの分野で活用できる「統合型GIS」の整備を市町村と共同で進めますほか、県民がインターネットを利用して遺失物を簡単に検索できるシステムを導入するなど、行政サービスのIT化を促進してまいります。
 第2は、「住みよいいばらき」づくりであります。

(安心な暮らしを支える保健・福祉・医療の充実)

 まず、少子化対策につきましては、共働き家庭など留守家庭の小学校低学年の児童を対象とした「放課後児童クラブ事業」に加え、全ての小学生を対象とした「放課後子ども教室推進事業」を連携して実施することにより、子どもたちが自由に遊び学べる、安全・安心な居場所づくりを進めてまいります。
 また、若年妊産婦等の育児不安を解消するため、仲間づくりを行うグループミーティングなどを実施するほか、不妊治療に対する助成制度を拡充してまいります。
 さらに、平日に限られていた夜間の子ども救急電話相談につきまして、365日毎日実施することといたしますほか、地域の内科医等にも小児初期救急医療を担ってもらうための研修を実施するなど、小児救急医療体制の強化を図ってまいります。
 次に、高齢社会への対応といたしましては、団塊の世代の方々の退職する時期を迎え、高齢者が培ってきた豊富な知識、経験、技術等を地域活動の様々なステージで活用できるようにするため、相談窓口と人材バンクを設置し、高齢者の生きがいづくりと社会参加を促進してまいります。
 また、本年11月に、県内21市町を会場として、高齢者のスポーツ、文化、芸術の祭典である「ねんりんピック茨城2007」を開催するとともに、大会を契機として、高齢者の生きがい・健康づくりの機運を高め、成熟した長寿社会の実現に向け、各種施策を展開してまいります。
 障害者福祉につきましては、障害者自立支援法に基づく新たな障害者自立支援制度への円滑な移行を促進するため、「茨城県障害者自立支援対策臨時特例基金」を設置し、激変緩和対策等の各種事業を実施してまいります。  さらに、障害者の就労支援につきましては、各地方総合事務所に就労サポーターを配置し、障害者の適性に応じた職場開拓や就労支援型施設への情報提供を行ってまいりますとともに、工賃倍増計画を策定し、施設利用者が適正な工賃を確保できるよう努めてまいります。
 次に、医師確保対策についてでありますが、医学生に対する修学資金の貸与枠を拡大するほか、医師が不足している地域への後期臨床研修医の派遣を支援するなど、地域医療に従事する医師の養成確保を図ってまいります。
 さらに、近年増加が著しく、また、小児科や産科に従事する割合が高い女性医師を積極的に確保するため、女性医師ネットワークを構築し、子育て中であっても就業が継続できる、あるいは休職した場合でも再就業がしやすいよう各種情報を提供するなど、女性医師が働きやすい環境づくりに努めてまいります。

(平穏で安全に暮らせる社会づくり)

 次に、安全な県民生活の確保につきましては、7年連続で警察官を増員いたしますほか、新たに、警察本部に「地域部」を新設し、地域部門の指導体制の強化を図ってまいります。さらに、犯罪検挙率向上のための犯罪捜査支援システムの整備を進め、犯罪に強い地域社会づくりを進めてまいります。
 学校や通学路の安全の確保につきましては、警察官OB等をスクールガード・リーダーとして委嘱し、学校への巡回指導や学校安全ボランティアに対する指導等を行い、地域ぐるみでの児童生徒の安全体制を整備してまいります。
 また、建築物の耐震偽装事件を契機に、マンション等の建築物の安全性に対する国民の信頼性が揺らいでおります。このため、一定規模以上の建築確認につきましては、構造計算適合性判定が義務づけられたところであり、今後、県といたしましては判定機関の指定や指導を行い、建築物の安全性を確保してまいります。さらに、県有施設につきましても、耐震改修促進法等の基準に基づき、耐震診断を実施してまいります。
 一方、アスベスト問題につきましては、店舗や事務所など多数の者が利用する民間建築物のアスベストの除去等に係る費用について助成してまいりますほか、被害者救済を目的として創設された「石綿健康被害救済基金」への拠出を行ってまいります。

(環境への負荷の少ない持続可能な社会づくり)

 次に、環境への負荷の少ない持続可能な社会づくりについてでありますが、地球温暖化や産業廃棄物の不法投棄、湖沼や河川の水質汚濁など環境を取り巻く課題は多岐にわたっております。
 地球温暖化対策につきましては、昨年、茨城県地球温暖化防止行動計画を改定して、温室効果ガス総排出量の削減目標を定めたところでありますが、目標を達成するためには、県民や事業所が温暖化に対する理解を深め、それぞれがライフスタイルや事業活動の見直しを通じ、省エネ、省資源の推進に努めることが肝要であります。
 今後、大好きいばらき県民会議などと連携したエコライフ県民運動を引き続き展開してまいりますほか、新たに高校生を対象としたエコライフ実践のハンドブックや事業所向けの省エネマニュアルを作成するなど省エネ、省資源の実践活動の拡大を図ってまいります。
 次に、本県の貴重な財産である霞ケ浦につきましては、その豊かな水と美しい自然を取り戻し、後の世代に引き継いでいくことはわれわれの責務であります。そのため長期ビジョンとして「泳げる霞ケ浦」、「遊べる河川」を掲げた「第5期湖沼水質保全計画」を策定し、計画的かつ総合的な水質浄化対策に取り組んでまいりますとともに、この対策をより実効性のあるものとするため、「茨城県霞ケ浦の富栄養化の防止に関する条例」を全面的に改正し、「茨城県霞ケ浦水質保全条例」として霞ケ浦流域における排水規制の強化などに取り組んでまいります。
 また、生活排水対策等のための無利子融資制度を創設するとともに、小規模な事業所の排水対策を指導するため、水質保全相談指導員を各地方総合事務所などに配置し、浄化対策の促進を図ってまいります。
 次に、廃棄物対策につきましては、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の許可の対象とならない小規模の廃棄物焼却炉が著しく増加しているところから、新たに「茨城県廃棄物の処理の適正化に関する条例」を制定し、本県における廃棄物の適正処理を進めてまいります。
 また、有害廃棄物等の撤去に係る基金を創設し、硫酸ピッチなどの処理を促進してまいります。

(快適で質の高い生活環境づくり)

 次に、快適で質の高い生活環境づくりについてでありますが、県道や市町村道における交通危険箇所や通学路の整備などを行う「安全快適なみち緊急整備事業」を引き続き推進してまいりますほか、下水道や農業集落排水施設の整備、合併浄化槽の普及などにつきましても計画的に進めてまいります。
 また、高齢社会の進展や環境保全などに適切に対応していくためには、公共交通を維持・確保していくことが極めて重要であり、利用者の確保を図るための利便性の向上に努めることが必要であります。
 このため、バス路線につきましては、従来の補助対象路線の要件を緩和するとともに、運行時間を延長するモデル的な取組に対して助成してまいります。
 また、鉄道につきましても、利用者が減少している路線等について、利用者の確保による経営の安定を図るため、安全性や利便性を向上させるための施設整備に対し、助成してまいります。
 第3は、「人が輝くいばらき」づくりについてであります。

(未来を担う人づくり)

 学力向上のための「ゆとり教育」の見直しにつきましては、現在、様々な議論がなされておりますが、本県におきましては、これまで「ゆとり教育」の中にあっても、「確かな学力」が身につきますよう、ティームティーチングを全国に先駆けて全ての公立小中学校で実施し、さらに、小学校1、2年生では、茨城独自の少人数教育に取り組んでまいりました。今後も、引き続き、これらの事業の実施により、きめ細かな学習指導等を行い、児童生徒の学力向上に努めてまいります。
 また、小学校低学年を対象に「ことばカルタ」や「絵てがみ」などを作ることを通して言葉の使い方や表現力を身に付けさせるための事業に取り組んでまいりますとともに、小学校高学年及び中学生を対象に読書活動を推進する「みんなにすすめたい一冊の本推進事業」などを引き続き実施し、児童生徒の発達段階に応じた国語力の向上と豊かな心の育成に努めてまいります。
 さらに、ものづくり教育の推進を図るため、「全国中学生創造ものづくり教育フェア」を引き続き開催いたしますほか、高校生等の科学技術に対する志向と関心を高めるため、国際物理オリンピックの国内予選を兼ねた物理コンテストである「物理チャレンジ2007」を開催いたします。
 次に、いじめ対策につきましては、「子どもホットライン」の24時間体制を引き続き維持していくとともに、より多くの電話や電子メール等に対応できるよう相談員を増員してまいります。また、スクールカウンセラーを全中学校に配置し、学校における相談体制につきましても充実させてまいります。
 さらに、児童生徒のコミュニケーション能力を向上させるため、人間関係づくりに精通した専門家を小中学校に派遣する「仲間同士の絆づくりプロジェクト事業」を実施してまいります。
 次に、「つくば養護学校」につきましては、本年4月に、本県初の知的障害教育部門と肢体不自由教育部門の併設型の養護学校として開校いたします。地元の大学等と連携し、特別支援教育の核となるよう、特色ある学校づくりを推進してまいります。
 私学教育の振興につきましては、引き続き、私立高等学校や幼稚園等の運営費に対する助成を行いますほか、スクールカウンセラー配置に要する経費を助成し、児童生徒の悩み等の相談に応じるための体制づくりを支援してまいります。

(個性や能力を伸ばす機会の充実と社会参画の促進)

 次に、青少年の社会参画につきましては、自己啓発研修、海外研修等多彩なカリキュラムの研修により、地域活動のリーダーを養成する「いばらき若者塾事業」を実施し、青少年の積極的な社会参加を支援してまいります。
 また、青少年の健全育成を図るため、「茨城県青少年のための環境整備条例」を改正し、インターネットによる有害情報の閲覧の防止などに努めてまいります。

(学習環境の充実と文化・スポーツの振興)

 学習環境の充実につきましては、昨年、県北生涯学習センターがオープンし、県内5地域に生涯学習の拠点が整備されたところであり、さらに、全国生涯学習フェスティバルの開催によって、県民の皆様の生涯学習への参加意欲が醸成されてきたものと考えております。今後とも市町村等と連携を図りながら、県民のニーズに対応した生涯学習施策を展開してまいります。
 また、平成20年度には、国内最大の文化・芸術の祭典であります「第23回国民文化祭・いばらき2008」を開催いたします。この大会を契機に、本県の特色ある文化・芸術を県内外に発信し、より一層の文化振興と本県のイメージアップが図られますよう、開催準備を進めてまいりますとともに、開催機運の醸成に努めてまいります。

(第3 条例その他)

 次に、条例その他について申し上げます。条例は、新たに制定するもの4件、改正するもの28件、合わせて32件であります。
 新たに制定する条例は、地方自治法の一部改正により、出納長制度が廃止されたこと等に伴い、関係条例を一括して改正する「地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例」などであり、一部改正を行うものといたしましては、県立高等学校の授業料等の改定を行う「茨城県県立学校授業料等徴収条例の一部を改正する条例」などであります。条例以外の議案といたしましては3件で、「包括外部監査契約の締結について」などであります。
 以上で説明を終わりますが、なお詳細につきましては、お手元の議案書などによりご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願いを申し上げます。

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