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更新日:2017年7月24日

「週刊ダイヤモンド」2007年9月29日号

週刊ダイヤモンド」平成19年9月29日号に掲載された、茨城県知事のインタビュー記事です。

特別広告企画「茨城県特集」

陸・海・空のインフラ整備が進展し立地拠点として脚光を浴びる茨城県

茨城県に続々と企業が立地している。つくば、東海、日立、鹿島・・・など特長ある産業資源集積地を有するのに加え、陸・海・空のインフラ整備も進むなど、企業活動に好適な環境が評価されているからだ。県のポテンシャルや産業活性化に向けた取り組みについて、橋本 昌知事に伺った。
聞き手:勝 恵子(キャスター)

勝:今日は茨城県の魅力について、知事にいろいろお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
はじめに、茨城県の特長からお話しいただけますか。

知事:茨城県はとかく印象が薄くて、どういう県なのかを知らない方も多いのですが、人口全国第一一位、農業産出額全国第三位、製造品出荷額全国第九位と、バランスのとれた産業基盤を持つ県なのです。また、筑波山や霞ヶ浦、袋田の滝などの豊かな自然に加え、偕楽園や鹿島神宮といった名所旧跡、笠間焼や結城紬など郷土工芸品も数多く、温泉を含む観光資源も豊富であります。首都圏からも近いですから、日帰りで来て楽しんでいただけるのも茨城の特長だと思います。

勝:確かに、上野駅から水戸駅までJR常磐線で約一時間とアクセスがいいですね。そういえば、つくばエクスプレス(TX)も茨城県を都心に近づけたのではないですか。

知事:おっしゃる通り、TXの開業によって都心から茨城へのアクセスは格段に便利になりました。東京に一番近い守谷駅と秋葉原駅間はわずか三二分、秋葉原駅から山手線で新宿駅に行くのと同じ所要時間なんですよ。

勝:それは知りませんでした。茨城県も都心まで随分近くなりましたね。

知事:つくば駅と秋葉原駅間も四五分です。すでに一日約二三万人の方がTXを利用されており、毎日、秋葉原駅を始めとする都心の駅や山手線の車内などでTXの名前がアナウンスされることで、つくば、さらに茨城のイメージアップに大きく貢献しています。

工場立地面積全国第一位優良企業の立地が相次ぐ

勝:この産業基盤が充実している茨城県を、知事はどのような方向に導かれていこうとお考えですか。

知事:これから本格的な人口減少時代を迎え、地域間競争が激しさを増していくなかで、茨城県が今後も発展していくには、働く場所を確保することが一番大切だと思っています。そのために県では新茨城県総合計画『元気いばらき戦略プラン』を策定し、「人が輝く、元気で住みよい、いばらきづくり」を進めており、なかでも産業の活性化については最も力を入れているところです。

勝:産業活性化の主な方策についてお聞かせください。

知事:大きく分けると、企業誘致、科学技術を活かした産業振興、中小企業振興の三つです。
企業誘致については、多くの企業に茨城県に注目し、立地していただいております。私も多くの企業トップの方々とお会いして、文字通りのトップセールスをしておりますほか、東京に設置した産業立地推進東京本部を中心に積極的な誘致活動を行っております。
科学技術を生かした産業振興については、つくば、東海などのポテンシャルを生かして産学連携の推進をしていきたいと考えています。
また、中小企業の振興については、活力を高めるために創業、新事業創出や販路拡大の支援、生産コスト削減等への支援、資金調達の円滑化や法務・税務相談など多様な支援措置を講じているところです。

勝:好調な企業誘致が好調とのことですが、その現況をお教えいただけますか。

知事:二〇〇六年(平成一八年)の工場立地面積は全国第一位で二位よりも五割も多いという実績でした。二〇〇六年までの一〇年間でみても、工場立地面積は一〇八六ヘクタールと全国一位、県外企業立地件数も昨年に続き全国第一位でした。象徴的なのは、コマツ、日立建機、ファナック、中国木材、アステラス製薬といった優良大手企業の立地が相次いでいることです。

税制優遇策の充実や、陸・海・空インフラ整備が企業立地を促進

勝:茨城県では大型補助金などの優遇措置は行なっていませんね。にもかかわらず誘致が好調な理由は何なのでしょうか。

知事:茨城県では全国に先駆けて、ほぼ全産業・全業種を対象に、立地企業に対し法人事業税の三年間免除と不動産取得税の免除を実施しているほか、県内の大半の市町村でも固定資産税の減免措置などを行なっています。企業が立地を決定するにあたり、最も重視するのは補助金ではなく、企業が活動しやすい環境だと思います。インフラの整備を立地環境の向上に努めてきたことが、多くの企業に評価された結果ではないかと思います。

勝:自治体の過剰気味な立地競争を企業は冷静に見極め、本当に活動しやすいところを選んでいるということですね。ではインフラ整備の進捗について教えて下さい。

知事:高速道路は現在、北関東自動車道、東関東自動車道、圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の整備が進められています。なかでも北関東自動車道は、すでにひたちなかICから友部ICまでが開業しており、本年11月には笠間西ICが開通します。さらに二○○九年には東北自動車道に直結し、二○一二年の全線開通時には関越自動車道とも結ばれます。この北関東自動車道と常磐自動車道の結束点である友部ジャンクションから一○数キロメートルの場所では茨城空港(二○○九年度開港予定)の整備が進んでいます。
また、茨城県には四つの重要港湾があるのですが、なかでも欧米や韓国・中国への国際定期貨物航路を持つ常陸那珂港は高速道路と直結しており、多くの企業に注目されています。

企業活動を加速する産業資源集積地

勝:つくばや東海の科学技術、鹿島の石油化学コンビナートなど、産業資源が集積しているのも茨城県の大きなポテンシャルだと思います。

知事:私は科学技術創造立国を進めていく上で、つくばと東海を抱える茨城県は極めて大きな役割を果たしていけると考えています。つくばには約五七〇〇人の博士を含む約二万二○○○人余の研究者がおり、国等の研究機関の三分の一、三七機関が立地しているほか、二三二の民間研究機関が立地し、相互交流も行なわれています。さらに、科学技術振興機構のサテライトができて、研究成果の掘り起こしや実用化に向けた産学官の共同研究など、多様な取り組みがなされています。

勝:東海地区ではどのような取り組みがあるのでしようか。

知事:東海村では、世界最高性能を誇る大強度陽子加速器(J-PARC)が建設中で、来年から稼動する予定です。この加速器は、アメリカと東海村にしかないものであり、茨城県は中性子を利用した最先端の生命科学や物質科学などの世界的な研究拠点として期待されています。県では産業利用を促すことで新産業の創出や県内企業の高度化を目指しており、「生命物質構造解析装置」と「材料構造解析装置」の二種類の構造解析装置を整備し、民間企業に利用を呼びかけています。
また、中性子利用促進研究会というものを、一三ほど立ち上げて、J-PARCの早期活用に向けてさまざまな支援をしているところです。

勝:鹿島地区も企業活動が活発だと伺っておりますが、要因についてお聞かせください。

知事:鹿島には鉄鋼と石油化学という素材産業が集積していますが、この素材産業のさらなる集積と発展を目標に、特区による徹底した規制緩和で企業が活動しやすい地域にしています。そのかいあって特区制度導入以降、企業の設備投資額は五○○○億円を超えると推定されます。

勝:地域を活性化させていくために企業誘致は不可欠であり、立地した企業が地域の産業基盤を強くしていくのですね。

知事:そうですね。一時期、日本の製造業は中国への設備投資が盛んでしたが、近年は対象が中国だけではなくなってきています。また、ノウハウを最大限提供して外国に進出するよりも国内に一番大事な拠点を置くべきだという考え方が高まっています。製造業の国内回帰は、日本の産業の将来にとってはいい傾向だと思いますし、一方で、そうした設備投資を日本で行っても十分に採算がとれるような環境をつくり、提供していかなくてはなりません。その点、茨城県は企業にとって投資しやすい環境が整備されてきていると思います。

勝:各地区とも今後の発展が大いに期待されますね。最後に立地を検討している企業の方へのメッセージをお聞かせください。

知事:はい。これからも日本が豊かな国として発展していくには、ものづくり産業の振興や世界最先端産業の育成などにより、外貨を稼げるようになっていかなければなりません。茨城県は、つくば、東海の科学技術の集積、日立のものづくり技術の集積、鹿島の日本一の素材生産基地などの拠点に加え、近年、陸・海・空の交通網の整備が急速に進み、企業にとって大変活動しやすい環境が整備されてきています。多くの企業が茨城県に進出し、茨城県のポテンシャルを活用して最先端の製品開発や、世界で競えるものづくりにチャレンジしていただきたいと思います。

勝:茨城県のように、科学技術やものづくり技術、素材生産基地といった特徴ある産業資源の集積地を持つ県というのは、全国を見てもなかなか見あたらないように思います。
本日は、茨城県について知事から直接、お話をお聞きすることができ、産業基盤の水準の高さだけでなく、茨城の総合的な魅力を再発見することができました。どうも有り難うございました。

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