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更新日:2017年7月26日

人民日報海外版日本月刊(2013年8月号)

人民日報海外版日本月刊(2013年8月号)に掲載された記事からの転載です。

これからの日本を支え、発展の一翼を担う茨城

茨城県と中国とのつながりは350年前にさかのぼる。「徳川御三家」水戸藩藩主の徳川光圀公は、日本に亡命してきた明朝の学者である朱舜水を招へい、舜水は「水戸学」に影響を与えた。
茨城県が中国を知り、理解し、学んだ350年後の今日、現在の茨城県を知り、理解し、学ぶべく、5月21日、県庁に橋本知事を訪ねた。特筆すべきは、知事自身が「茨城県日中友好協会」の会長であることである。

必要不可欠な中国ビジネス

-現在、県内企業は、中国とどのような経済交流があるのでしょうか。

 日本企業の中国進出は1980年代後半に始まりました。
 1990年代前半には、機械メーカーなどが次々に中国を生産拠点とすべく進出ブームが起き、本県においても1990年代に、日立グループをはじめとする機械メーカーや電子機器メーカーなどが進出しました。現在では県内企業の約200社が中国に拠点を持っており、中国ビジネスは必要不可欠なものとなっています。
 本県では、中国経済の将来性・重要性について、早くから注目していました。1996年11月に上海事務所を設置し、中国への進出や販路拡大を図る県内企業への支援をはじめとして、観光客の誘致や県産品の輸出促進、日中友好交流の支援等に取り組んでいるところです。
 企業からの貿易に関する相談では、中国とインドネシアへの関心が高くなっています。しっかりと企業に情報を提供していますので、具体的なイメージを持ちながら取り組んでもらえると思っています。現在は、原発事故の影響で中国への食品の輸出が停止になっています。本県では、徹底した放射性物質の検査により、農産物などは安全なものだけを出荷しています。中国においても輸入規制が早く解除されて欲しいと思っています。

中国の子どもたちにもつくばの「サイエンスツアー」を

-2010年から春秋航空の上海―茨城便が就航し、中国国内での茨城県の知名度は上昇しています。
銀聯カードの普及を含め、中国人観光客誘致についてはどのようにお考えですか。

 2012年に本県がお迎えした外国人観光客は約1万9,000人でした。東日本大震災の前年の2010年と比べて約5,000人増えています。茨城空港への春秋航空の就航便数拡大が大きく貢献していると考えています。
 春秋航空では、茨城空港から上海まで、1週間に6便運航しており、就航以来高い搭乗率を維持しています。また、県では、茨城空港から東京まで500円で行けるバスも運行しています。茨城空港を利用して良かったと言われるような努力がさらに必要だと思っています。
 中国の皆さんにとって、日本への旅行の最大の目的は自然、温泉、ショッピングだと思います。本県には、日本三名瀑の一つである袋田の滝、日本三名園の一つである偕楽園などの見どころがあるほか、袋田温泉、五浦温泉などの温泉、そして大型ショッピングモールも各所にあり、加えて、常陸牛、各種海産物、イチゴ、メロンなどのおいしいものもたくさんあります。東京も近いのでスカイツリーなども含めたツアーも提案しています。必ず中国の方たちにご満足いただけるものと思います。
 また、中国の方々ご存知のとおり、本県には、日本最大のサイエンスシティであるつくばもあります。つくばには国等の研究・教育機関の約3割に及ぶ32機関のほか、民間研究所なども数多く立地し、約2万人の研究者が様々な研究活動に従事しています。また、研究機関を巡り、研究開発の成果をじかに見学・体験できる「つくばサイエンスツアー」なども行われていますので、ぜひ中国の子どもたちにも最先端の科学技術に気軽に触れ合っていただきたいと思っています。
 銀聯カードについては、デパート、ドラッグストア、電器店、ホテルなど県内の約200店舗で利用できます。数年前までは使える場所が少なかったのですが、現在では本当に便利になりました。

「科学技術創造立県」として大きな役割

-知事は「科学技術創造立県」という言葉を使われていますが。

 ご存じのように、日本は島国で資源も乏しいので、将来にわたって国の活力を維持していくためには資源と食糧を輸入するだけの外貨を稼いでいく必要があります。そのためには創造的な技術革新によって、国際競争力を持つ多くの産業を創出していくことが重要です。そうした強い産業というものは、高度なものづくり技術と最先端の科学技術の分野になると考えています。本県には、高度なものづくり技術という点では、日立、キヤノン、コマツ、ファナックなどの企業が立地しています。例えば、鋳型ひとつをとってみても、他の国の技術者では絶対に真似ができないような技術があります。
 県としては、そうした技術を持った後継者を育成するなどの取り組み等により、高度なものづくり技術に支えられた産業を、地域ぐるみでますます盛んにしていきたいと考えています。
 また、最先端の科学技術の分野については、優秀な人材に加え、ある程度規模の大きな実験施設・設備が必要になってきます。こうした分野で日本が世界をリードしていくためには、東京だけ、大阪だけといった狭いエリアでの拠点づくりではなく、例えば東京を中心に、埼玉、千葉なども含めた広域的な科学技術の拠点づくりが必要になってくるのではないかと思います。
 本県には、東海村に世界有数の加速器施設「J-PARC(大強度陽子加速器施設)」があり、つくばの研究機関の集積などと合わせて、日本の科学技術を支える環境が整っています。東海やつくばにいる科学者に加え、都心にいるたくさんの科学者達が、うまく協力し合っていく体制を創っていく必要があります。また、最先端のがん治療法であるBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)や生活支援ロボット、藻類バイオマスエネルギー、ナノテクといった、県内で研究開発が進められている分野においても、日本をリードしていくような展開ができればと考えています。

継続したパートナーシップを

-知事は茨城県日中友好協会の会長ですが、日中両国の民間交流の重要性をどのように考えていますか。

 両国は一衣帯水の関係であり、お互いに重要なパートナーです。これからも関係は深まりこそすれ、疎遠になることはないと思います。
 政府間のやりとりもありますが、市民・国民のレベルでは、お互いに、人、風習等をこれまで以上に理解し合っていく必要があると思います。いろいろ課題はあるにしろ、お互いを知ることは大変大事であり、民間交流を途切れず進めて行くことが必要だろうと思っています。

 

中国酒と日本酒の交流

-知事は茨城日本酒党の総裁だそうですが、中国のお酒を召し上がったことはありますか。また、中国でも日本酒は人気ですが。

 中国のお酒はずいぶんいただきました。初めて中国に行ったのは30年以上前でしたが、その時は、茅台酒(まおたい)と五糧液(ごりょうえき)といった、アルコール度数の非常に高いものをいただきました。しかし今、上海あたりでは、紹興酒や外国ワインが好まれているなど、以前と変わってきているなと感じています。ただ、北京は相変わらず白酒(ばいじゅ)など強いものが主流だと思いますので、地域ごとに特色があると感じています。また、これも以前の話ですが、北京ではビールをあまり冷やさないで飲んでいましたが、上海ではすごく冷やしていました。今もそうした傾向があるのでしょうか。
 また、中国での日本酒人気は私も伺っています。多くの中国の方々に日本酒の魅力を知っていただきたいと思います。日本酒はアルコール度数13%から14%ほどで、どなたでも安心して飲んでいただけます。適度に飲むと美肌効果があると言われ、女性にも好まれています。
 特に、差しつ差されつ、注ぎ合って人間関係を強めることができるのが日本酒の良い点です。茨城県内でも数多くのおいしい日本酒が造られていますので、中国の方にもぜひ味わっていただきたいと思います。

茨城を訪れる方々とともに

-茨城県人の県民性について。

 同じ県内でも、山間部で自然が多く残る県の北部と開発が進む県の南部では県民性は大分異なっていると思います。また、よく茨城県人の気質として、理屈っぽい、怒りっぽい、飽きっぽい、骨っぽいなどと言われる「水戸っぽ」の気質があげられます。一方で見方を変えれば、この「水戸っぽ」は、あれこれと議論することが好きな気質を表しているのかもしれません。
また、例えば江戸時代末期の水戸藩主・徳川斉昭公などは、「開国」を論じるうえでよく世界の動きを見ていたという話もありますように、先駆的な発想も持っていると思います。
加えて、つつましやかで、強引な主張をしないところもあります。茨城を訪れる皆さんは「茨城がこんなにいいところとは知らなかった」とおっしゃいます。他県から見れば素晴らしいものでも、特別いいものを持っていると感じずに当たり前だと思ってあまり自慢をしない。これは観光のPR という面で言えば、非常にもったいないことだと思いますので、これからは積極性を強く出して行く必要があると思います。
茨城県の一人当たりの県民所得を見ると、1975年当時で105万円だったものが2010年には298万円と約3倍になっており、はるかに向上しております。まさに、これからの日本を支えていくという、極めて大きな役割を果たしていかなければならない県になっています。
積極性を出しながら、これまでの「水戸っぽ」の良き気質と、茨城に新しくお住まいになる方々、茨城を訪れる方々の新しい気質を融合し、育んでいくことが大切だと思っています。

 

 

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