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更新日:2016年4月25日

情報039:茨城県の外海に、日本で初めて建った本格的洋上風力発電所

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ウィンド・パワーかみす第1洋上風力発電所

本格的に稼働する「ウィンド・パワーかみす第1洋上風力発電所」

茨城県神栖市・鹿島港南海浜地区の沖合いに、日本初の本格的洋上風力発電所が誕生しました。サイト(発電所)名は、「ウィンド・パワーかみす第1洋上風力発電所」。『株式会社ウィンド・パワー・いばらき』が建設し、2010年6月から7基の風車が発電を行っています。1基あたりの発電出力は、約2,000キロワット。7基を合計した総出力は14,000キロワットと、約7,000世帯の年間使用電力量をまかなえるキャパシティーを備えています。

ウインドパワー・かみす

ウィンド・パワーかみす第2洋上風力発電所

 

建設された場所は、海岸道路から約50メートル沖合いの地点。風車の支柱は海面から60メートルで一本の羽根の長さは40メートルと、かなり巨大なサイズです。青い海を背景に7基の白い風車が悠然と回る風景は、まるで自然と共生する近未来の都市を見ているような気持ちにさせてくれます。

風力発電は次世代の再生可能エネルギーとして注目を集め、茨城県内の風力発電所の数は全国6位にランクされています。しかし、海の上に建てられたのは今回が初めて。陸上より建設工事が難しく、設置コストも割高になるのがその理由です。しかし、風力発電の先進国が集まるヨーロッパでは、洋上風力発電がその多くを占めています。

なぜ風力発電所の建設場所が洋上に向かっているのかというと、その理由の一つは風が安定して吹いていること。陸上と比べて地形や建物の影響を受けることが少なく、効率の良い発電が可能になるのです。また、人間の生活圏から離れた海の上に建設することで、騒音や振動といった住民への影響も避けることができます。

洋上風力発電で使用する風車の設置方法は、「着床式」と「浮体式」があります。これまで、浅瀬が少ない日本の海では、海底に支柱を打ち込む着床式は難しいと言われてきました。しかし、海に浮かせる浮体式は設置コストがかさむことが問題です。そこで実際に神栖市の浜を計測してみると、着床式が十分可能な深さ。さらに、沖合い50メートルという距離は陸上からの設置工事ができるため、大幅なコスト削減が実現し、日本初の洋上風力発電所が完成したのです。

ウインドパワー・かみす

安全と安心を実現する地域分散型エネルギー

ウインドパワー・かみす

新エネルギーと呼ばれるものの中で、風力発電は最も効率の良い発電方法だと言われています。風がエネルギー源なので、基本的に燃料費はゼロ。一度設置してしまえば、メンテナンスにかかる経費程度で運営が可能です。温室効果ガスを排出しないので、CO2の削減効果など環境保全の面からも優れています。また、風さえ吹いていれば昼夜を問わず発電できるというメリットもあります。

風がエネルギーと言うと、強い風が必要だと思われるかもしれませんが、決してそうではありません。むしろ、突風などの強い風が吹くと、安全性を維持するため風車は止まってしまいます。風車が効率よく回る風速は、秒速7メートくらい。風車の回転に必要な風は秒速4メートルから20メートルで、1分間に約17回転とゆっくり回りながら発電しています。

ウインドパワー・かみす

もちろん、台風は風力発電にマイナスに働きます。風車を止めなければならないだけではなく、風車自体にダメージを与えかねません。その点、茨城県は台風の直撃が少なく、緩やかな風が吹く平野や長い海岸線が続いているため、風力発電には最適な条件が揃っていると言えます。

風車の安全面を考えると、地震や津波などの自然災害も気になります。しかし、「ウィンド・パワーかみす第1洋上風力発電所」は、2011年3月11日に起きた東日本大震災も乗り越えました。風車は回転している時は常に揺れている状態なので、もともと揺れに強い構造となっているからです。さらに、巨大地震の影響で発生した約5メートルの津波の影響もほとんど無し。洋上風力発電の安全性を実証するかたちとなりました。

東日本大震災では、福島第一原子力発電所の被災の影響で、大規模な停電が発生しました。一カ所で、集中的に大量の電力を供給することの弱点が、露呈した出来事です。しかし、風力発電や太陽光発電などは電力の供給量こそ少ないものの、それぞれの地域の消費分を生産することが可能です。エネルギーを分散して地産地消する。新しい時代のエネルギーの在り方の一つかもしれません。

 

再生可能エネルギーの未来を拓く「鹿島港大規模洋上風力発電所」構想

4コマ・マンガ「ガマくんとローズくん」

ウィンド・パワーかみす第1洋上風力発電所を建設した『株式会社ウィンド・パワー・いばらき』は、電気事業法が改正された1998年から風力発電の事業化を展開してきた風力発電のパイオニアです。

現在、7基が稼働している洋上風力発電所「ウィンド・パワーかみす第1洋上風力発電所」のとなりには、さらに8基が稼働しています。(ウィンド・パワーかすみ第2洋上発電所)また、鹿島港湾区域の護岸から500メートルから2,000メートルの沖合いに大型風車を100基ほど設置する、大規模な洋上風力発電所建設プロジェクト「鹿島港大規模洋上風力発電所」構想を発表。この計画は、環境省が進める環境アセスメントのモデル事業にも選ばれ、本格的な事業としてスタートしました。

この「鹿島港大規模洋上風力発電所」が実現すると、総出力は50万~100万キロワット。この数字は中型の原子力発電所1基分に相当する量となるため、再生可能エネルギーの未来を拓くプロジェクトとして期待されています。

「ウィンド・パワーかみす洋上風力発電所」には、環境学習のため見学に訪れる人が増えています。小学生、中学生、高校生はもちろん、大学や日本の各自治体、海外からも見学の申し込みが多く、環境に対する関心の高さを伺うことができます。青く輝く洋上に真っ白な風車が整然とならんだ風景は、環境に対する意識の高い茨城県のシンボルにもなりそうです。

 

取材協力

株式会社ウインド・パワー・グループ(外部サイトへリンク)

 

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