令和4年 営業戦略農林水産委員会 調査結果

 令和4年の営業戦略農林水産委員会(髙橋勝則委員長)の重点審査テーマは「農林水産業の成長産業化と未来の担い手づくり」です。
 本委員会では、この審査テーマに対して県が取り組むべき施策について検討するとともに、その他所管事項についての調査等も行ってまいります。
 以下、調査の概要につきまして、ご報告いたします。
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【令和4年10月12日(水曜日)】

<茨城パン小麦栽培研究会(坂東市)>

 茨城パン小麦栽培研究会は平成27年1月に発足し、現在は18名の生産者が本県産パン小麦の品質向上と安定生産に取り組みながらPR活動や食育活動などを行っています。

 栽培性・製パン適性に優れる品種「ゆめかおり」の品質にこだわり、高い栽培管理技術により生産したたんぱく含量13~14%の小麦を製粉会社に契約販売しています。研究会の小麦は実需者から高く評価され、栽培面積・契約量は右肩上がりに増加しています。

 小麦の生産・販売活動について説明を受けたのち、貯蔵庫など施設見学を行いました。

高橋会長から説明を受ける様子
染野副会長から施設の説明を受ける様子

<トモヱ乳業(株)(古河市)>

 トモヱ乳業(株)は1956年に牛乳専売メーカーとして創業しました。「トモヱ」には、生産者・処理メーカー・販売者の3者が三位一体の関係性を持続し、事業発展に繋げたいという願いが込められています。

 経営理念の「医食同源」を道しるべに、HACCP、FSSC22000※の認証を取得し安全で安心な牛乳・乳製品を消費者に提供しているほか、社会との関わりにSDGsの観点を取り込み、プラスチックストロー削減や産業廃棄物のリサイクルなど環境負荷低減などにも取り組んでいます。

 事業内容について説明を受けた後、日本で唯一の「牛乳博物館」を視察しました。

※FSSC22000:食品安全マネジメントシステムに関する国際規格であるISO22000を追加要求事項で補強した世界基準の食品安全規格。

中田社長から説明を受ける様子
「牛乳博物館」を視察する様子

<(有)大地「グランベリー大地」(常総市)>

 「グランベリー大地」は、(有)大地が圏央道常総IC付近で常総市が進めるアグリサイエンスバレー事業エリア内に令和4年12月にオープン予定の観光イチゴ園です。

 栽培面積1.7haの鉄骨ハウス内は、国内でも珍しいリフティング式(上下に可動するつり下げ型)の栽培棚が導入されており、統合環境制御装置により常にイチゴにとって最適な条件となっています。また、敷地内には、スイーツやドリンク、お土産品を販売するカフェが併設される予定です。

 事業内容や今後の展開についてお話を伺ったのち、観光イチゴ園の見学を行いました。

吉原社長から説明を受ける様子
観光イチゴ園を視察する様子

【令和4年8月19日(金曜日)】

<小松水産(株)(日立市)>

 小松水産(株)は1940年に創業し、しらすや干物を中心とした水産加工品の製造販売を行っています。

 2007年には、食品安全基準の最高峰であるISO22000を取得し、食品の安全を確保できるよう徹底的な品質管理に取り組んでいます。日本だけでなくタイにも加工工場を有し、海外の販売ルートを活かした常陸牛など茨城食材の販促活動も行っています。

 品質管理や消費者目線に立った商品づくり、AIを活用した製造管理システムの導入などについてお話を伺いました。

小松代表から説明を受ける様子
製造管理システムの説明を受ける様子

<エトワ笠間(笠間市)>

 エトワ笠間は、2020年7月に笠間市と(株)コスモスイニシアの公民連携事業により、市内の公共宿泊施設をリノベーションするとともに、グランピング施設を新設して開業しました。

 都内から電車で約90分という立地に加え、緑豊かな景観のなかで「非日常」を手軽に楽しめるスタイリッシュな施設で、地酒や地元農産物が味わえることもありリノベーション前に比べて稼働率が上昇しています。

 開業までの経緯や観光客誘致の取組についてお話を伺ったのち、グランピングテントやキャビンなど施設見学を行いました。

グランピングテントを見学する様子
エトワ笠間の緑豊かな景観

<笠間栗ファクトリー(株)(笠間市)>

 笠間栗ファクトリー(株)は、笠間市、JR東日本水戸支社、JA常陸の3者により、「笠間の栗」のブランド化や新たな地域価値の創出を目的として2021年3月に設立しました。

 2022年4月にはペースト、甘露煮、渋皮煮の製造など栗の一次加工を担う栗加工場が完成し、今後、「笠間の栗」を使用した製品の製造を支援し、消費拡大やブランド価値の向上に取り組んでいく予定です。

 事業内容や今後の展開についてお話を伺ったのち、加工場内の見学を行いました。

山口代表から説明を受ける様子
説明を受ける様子

<IBATENほしいもLab(水戸市)>

 IBATENほしいもLabは、農産物の低温倉庫設備などの設計・施工・販売を行う茨城店舗設備が令和4年7月にオープンした干し芋製造への新規参入を計画する方向けの研修施設です。

 通常7~10日かかる乾燥作業を2日に短縮するオリジナルの低温除湿乾燥室の他、冷蔵庫などの加工所、保管庫、直売所等を備えており、機材のデモンストレーション、干し芋を使った新商品菓子などの商品開発、販売業者とのマッチングなどの拠点となります。

 オープンまでの経緯や新規参入を目指す方への研修制度についてお話を伺ったあと加工施設内の見学を行いました。

富澤所長から説明を受ける様子
施設内を見学する様子

【県外調査(北海道) 令和4年7月13日(水曜日)~15日(金曜日)】

<株式会社Jファーム(苫小牧市)>

 株式会社Jファームは2013年11月に設立し、苫小牧市内の工業団地で高糖度ミニトマトとベビーリーフの生産・販売をしています。

 オランダ型高度栽培システムを導入し、日射・風向きなどの天候データや温室内の温度・湿度など数多くのデータを取り込み、ハウス内環境を植物の生育に最適な条件に制御しています。

 会社概要について説明を受けた後、栽培棟等の視察を行いました。

栽培制御システムの説明を受ける委員
栽培方法について説明を受ける委員

<北海道胆振農業改良普及センター(伊達市)>

 北海道胆振農業改良普及センターがある胆振地域は、冬季が温暖で積雪量が少なく道内有数の野菜産地で数多くの品目が栽培されているほか、畑作、果樹、酪農・肉用牛・養鶏などの畜産も行われています。

 管内におけるGAP認証取得やスマート農業について、無人トラクタやカボチャ収穫支援機など実証試験の動画を交えて説明を受けました。

管内農業について説明を受ける委員
実証試験の動画を見る委員

<白い恋人パーク(札幌市)>

 白い恋人パークは、北海道銘菓「白い恋人」などの製造ラインが見学できるお菓子のテーマパークです。

 観て、知って、味わって、体験できる様々なコンテンツがあり、子どもから大人まで楽しめる札幌市の観光名所となっています。

 施設内を視察しながら、観光施設としての魅力づくり等について説明を受けました。

パーク内を視察する様子
製造ラインを見学する様子

<公益社団法人 北海道観光振興機構(札幌市)>

 北海道観光振興機構は北海道の観光振興推進の中核的機能を担う法人で、マーケティング調査や観光地づくり、国内外におけるプロモーション活動など幅広い観光関連事業を展開しています。

 観光のトップランナーである北海道の観光振興施策について、ウィズコロナ・アフターコロナの取り組みを含めて説明を受けました。

説明を受ける委員の様子①
説明を受ける委員の様子②

<ノーザンホースパーク(苫小牧市)>

 ノーザンホースパークは競走馬生産育成牧場のノーザンファームを母体としており、馬事文化の発展を担う施設です。

 歴史を紹介するギャラリーや、ホーストレッキングやサイクリングなどの豊富なアクティビティを楽しむことが可能です。

 施設内を視察しながら、テーマパーク事業について説明を受けました。

施設内を見学する委員
ホースギャラリーで説明を受ける委員

【令和4年5月20日(金曜日)】

<(株)北龍ファーム(龍ケ崎市)>

 (株)北龍ファームは、龍ケ崎市内を中心に年々規模を拡大している水稲農家で、田んぼに直接種を蒔いて稲を育てる直播栽培や農業用ドローンを使った病害虫防除作業などの省力化技術を積極的に導入しています。また、米でJGAP※を取得し、高水準の品質・安全性の確保に取り組んでいます。

 令和3年3月に導入した乾燥調製施設(ライスセンター)を視察し、黒須代表から現在の取組状況や今後の課題についてお話を伺いました。

※GAP:農業生産工程管理。農産物を作る際に適正な手順やモノの管理を行い、食品安全や労働安全、環境保全等を確保する取組のこと。生産者によるGAPの取組を第三者が審査し証明する民間の認証制度があり、JGAPもそのひとつ。

ライスセンターを視察する様子
黒須代表から説明を受ける様子

<稲葉酒造(つくば市)>

 稲葉酒造は、全国でも数少ない女性杜氏の稲葉伸子氏が2000年に継承した江戸末期から続く歴史ある蔵元です。

 筑波山の湧き水を使い、機械を使わず蔵人の手作業による酒造りをしています。地元「つくば」を全国にそして世界に発信するため、「つくば産」の酒米を原料とした商品を発売し、地元の農業や観光にも貢献しています。

 稲葉伸子氏・芳貴氏から、酒造りや輸出の取組について、今後の構想も含めてお話を伺いました。

稲葉伸子氏のお話を伺う委員の様子
稲葉伸子氏から説明を受ける様子

<石岡市役所>

 石岡市では、「石岡のおまつり」を令和3年12月に「常陸国総社宮祭礼の獅子・山車・ささら行事」として、祭礼行事そのものを石岡市無形民俗文化財に指定しました。

 「石岡のおまつり」は関東三大まつりのひとつであり、毎年9月に行われ、期間中は約50万人の見物客で市街地が大変賑わいます。今後、県・国の無形民俗文化財指定を目指しています。

 石岡市から、おまつりの概要や入り込み客数増加に向けた取組についてお話を伺いました。

説明を受ける様子
教育委員会から説明を受ける様子

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