令和8年第1回定例会で可決された意見書
意見書
不登校児童生徒に対する学ぶ権利の保障の確立を求める意見書
現在、学校に通う児童生徒を取り巻く環境は大きく変化するとともに、学び方も時代の流れによって多様化している。このような中、全国的に不登校児童生徒数が増加しており、令和6年度の義務教育段階における不登校児童生徒数は、全国で過去最多の35万3,970人であり、12年連続で増加している。本県においても7,935人の児童生徒が不登校となっており、依然として高い水準で推移している状況である。
不登校児童生徒の増加により、不登校は、どの子にも起こりうるものであるとの認識も広まりつつあるが、依然として学校復帰のみをゴールとする支援がなされたり、家庭の経済状況によって学びの機会に格差が生じたりしている現実がある。
文部科学省は、不登校を問題行動ではないとしているところ、そうであれば、義務教育制度をより充実させながら、一方で不登校を多様な学びの一つとして位置付け、早急に、不登校児童生徒の「学ぶ権利」を保障するための制度設計を行うことが必要である。
よって、国においては、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(平成28年法律第105号)の理念を具現化し、子どもたちが誰一人取り残されることなく、自らの可能性を最大限に伸ばせる社会を実現するため、下記の措置を講じられるよう強く要望する。
記
- フリースクール、ICTやメタバースを活用したオンライン学習、ホームエデュケーション等を選択肢として法的に位置付け、学校外の学びを出席扱いとする全国統一かつ柔軟な制度を構築すること。また、オンライン支援と家庭訪問等のアウトリーチ支援を一体的に強化すること。
- フリースクール等の設立や運営に対する経済的支援制度を創設するとともに、不登校児童生徒が、家庭の経済状況に関係なくフリースクール等を活用した学びの機会を確保できるよう、経済的支援を実施すること。
- 不登校児童生徒が放課後児童クラブの施設を居場所として活用でき、かつ学習等の機会が確保できるよう、制度を整備すること。
- 教育予算を拡充し教員の増員を進めるとともに、校内教育支援センターの運営のため、専任教員・支援員配置を制度化すること。
- 公認心理師、臨床心理士等の資格を有するスクールカウンセラーや、社会福祉士、精神保健福祉士等の資格を有するスクールソーシャルワーカーといった専門的人材の育成を推進し、学校のみならず、多様な学びの場での全国配置を行うこと。
- 教員養成課程及び現職研修において、不登校対応や多様な学びに関する専門的知識と実践力を体系的に習得できる仕組みを整備すること。
- 国主導で官民連携プラットフォームを構築し、不登校に関する全国的データ、支援情報等を共有できる体制を整備すること。
- 不登校児童生徒の保護者が、離職や就業制限を余儀なくされることがないよう、不登校対策に関する行政の取組や相談窓口に関する情報の周知を徹底し、介護休業・休暇制度等の利用についても啓発を促進すること。