令和3年4月臨時会で可決された意見書・決議・請願

《意見書》

新型コロナウイルス感染症対策の充実・強化を求める意見書

 新型コロナウイルス感染症の収束に向け、国を挙げて感染まん延や医療提供体制の崩壊を防ぐため懸命な対策が取られてきたが、第4波の到来を受けるに至り、感染力と重症化率が高い変異株が猛威をふるっている。

 変異株は、従来のウイルスよりも子どもに感染しやすいと考えられ、学校や保育施設等を中心に不安の声が高まっている。

 また、感染の波が重なるごとに、その間隔が短くなり、1日あたりの感染者数も第3波を上回る過去最多を記録する自治体もあるなど、深刻な状況である。

 地方自治体では、様々な対策を実施し一定の成果を上げているが、次々と行われる対策の違いが分かりづらく、行動変容を促す効果も薄れるなど取組には限界も見えてきている。

 感染対策の切り札として期待されるワクチンは、いまだ医療従事者に行き渡っておらず、高齢者をはじめすべての対象者に接種が完了する時期は、全く不透明である。

 国民は、いつまで我慢を強いられるのか先が見えない状況であり、「コロナ疲れ」の中で、命と生活の危機に直面する緊迫した状態が続いている。

 よって、国においては対策の目標を明確にした上で、国民の理解と協力を得ながら、新型コロナウイルス感染症対策の一層の充実・強化を図るため、下記の事項について早急に特段の措置を講じられるよう強く要望する。

  1. 感染拡大を未然に防ぐため,地方の理解を得ながら国主導で先手を打って「まん延防止等重点措置」や「緊急事態宣言」を行うこと。
  2. 変異株の増加により、現在ワクチン接種の対象となっていない若年層の感染が拡大していることから、学校や保育施設等でのPCR検査の一斉実施等、クラスター対策を強力に進めること。
  3. 医療従事者や高齢者などの優先接種者を始め、全国民が接種可能な量のワクチンを迅速かつ確実に確保・供給すること。
  4. ワクチン接種については、国民にコロナ禍からの出口を示すため,また実務を担う市町村での準備・接種が円滑に進むよう、種類や量、供給時期、その意義や有効性、副反応の事例・分析結果などの情報を迅速に提供すること。