令和3年第4回定例会で可決された意見書・決議・請願

《意見書》

《請願》

私学助成の拡充強化等に関する意見書

 本県の私立学校(高等学校、中等教育学校、中学校、小学校及び幼稚園)は、各々の建学の精神に基づき、時代や社会の要請に応じた特色ある教育を展開し、公教育の発展に大きな役割を果たしている。

 少子高齢化が進行する中で、今後も持続可能な社会を継続するためには、将来を担う子供たちに、時代や社会の変化に対応できる能力や課題解決力を身に付けさせる必要があり、教育環境の整備が最重要課題となっている。

 これに加え、学校のICT化をはじめ、学校施設の耐震化及びコロナ禍における空調・換気設備の整備を進め、有為な人材の育成を通じて国の発展に貢献していくには、まずは学校経営の安定的継続が前提であり、そのためには経常費助成の拡充とともに、これからの公教育の共通基盤となるICT等の教育環境の整備への国公私立を問わない支援が喫緊の課題となっている。

 また、令和3年度から本格実施された授業目的公衆送信補償金制度は、子供たちが安心して資料等を自由に活用するためにも、私立学校が支払う補償金額への確実な支援措置が望まれる。

 授業料支援においても、幼稚園から大学に至る授業料の公的支援制度が実施される中で、私立小中学校における経済的支援の実証事業が今年度で終了することから、制度の恒久化が強く求められている。

 公教育の一翼を担う私立学校が、国の進める教育改革に的確に対応し、新しい教育、特色ある教育を提供できるよう、財政基盤の安定のため、国の全面的な財政支援が求められる。

 よって、国においては、私立高等学校等教育の重要性を鑑み、教育基本法第8条の「私立学校教育の振興」を名実ともに確立するため、現行の私学助成に係る国庫補助制度を堅持し一層の充実を図るとともに、公教育の新たな基盤となるICT環境の整備充実や、私立学校の保護者の経済的負担の軽減のための就学支援金制度等の拡充強化を図るよう強く求める。

新型コロナウイルス感染症対策における有事の医療提供体制と平時の医療提供体制の両立維持のための財源確保を求める意見書

 新型コロナウイルス感染症禍において、今後も緊張感を持った徹底的な感染防止対策が必要である。

 国民の生命と健康を守るため、新型コロナウイルス感染症における有事の医療提供体制と、新型コロナウイルス感染症対策以外の平時の医療提供体制は、車の両輪として何としても維持しなくてはならない。

 よって、国においては、これらを両立・維持するための適切な財源を確保するよう、強く要望する。

令和4年度私立高等学校等経常費等助成に関する請願

 私立高等学校等は、教育の充実・向上を図り、時代の要請に対応した特色ある教育を実践し、次代を担う優れた人材の育成に努め、県民の期待に応えるよう総力を傾注してきた。

 しかし、少子化による生徒数の大幅な減少の影響等により、私立高等学校等の経営は、いよいよ重大な局面を迎えていると言わざるを得ない。

 ついては、将来を担う生徒の教育の機会均等や学校選択の自由の実現が妨げられることの無いよう、新型コロナウイルス感染症対策等により、県財政の厳しい折とは思うが、私立学校教育の振興を図るため、教育基本法及び私立学校振興助成法の趣旨を踏まえ、以下の要望事項について特段のご高配を賜るようお願いする。


 【請願事項】

  1. 経常費補助金について
     私立学校が時代や社会の進展に即した新しい教育を積極的に推進していくためには、これまで以上の経費を必要とするが、少子化に伴う生徒数の減少による納付金の減収により、私立高等学校等を取り巻く状況は厳しさを増している。私立学校経営の健全化と保護者の教育費負担の軽減を図るために、経常費補助金の確保について特段の配慮をお願いする。
  2. 高等学校等授業料減免事業の拡充について
    本県においては、国の就学支援金の制度改正により令和2年度から年収590 万円未満世帯を対象に、支給上限額が年額396,000 円となり、授業料の実質無償化が図られたが、制度を改正しても、なお、公立高校の大半は無償であるのに対し、私立の保護者は依然として教育費を負担しているのが実態であり、公私間格差是正の観点から、家庭の状況に関わらず全ての意志ある高校生等が安心して私立学校で学べるよう、国制度に加えて、実質無償化対象世帯の更なる範囲拡大、多子世帯への所得要件緩和、低所得世帯への一層の軽減等により、教育費負担の軽減化が図れるよう県事業の拡充をお願いする。
     また、文部科学省は、私立中学に対し、平成29年度より実証実験として、年収400 万円未満の世帯を対象に年額10 万円の授業料減免支援を実施し、県からは支援の上乗せをいただいている。
     この文部科学省の授業料減免支援は令和3年度が最終年度とされているが、県においては、引き続き、私立中学に対しても、私立高校と同様に、更なる教育費負担の軽減化が図られるようお願いする。
  3. 教職員研修に対する支援について
     グローバル化への対応や社会を牽引するイノベーション創出を目指す教育のための学習指導要領の改訂等、国の急速な教育改革等に対応するためには、教職員研修はこれまで以上に重要であり、経常費補助金の特別加算分の項目に計上されているが、本県私立学校の実情などを勘案し、教職員研修に対する支援の拡充をお願いする。
  4. 新型コロナウイルスの影響に対する保護者支援について
     本県においては、今回の新型コロナウイルスの影響によって、家計が急変した保護者世帯を対象に授業料軽減措置を行う学校法人に対し、補助事業として「授業料軽減事業」が制度化されているが、当該補助金等の早期給付や影響の長期化等に伴う保護者世帯に対する新たな支援制度の創設等をお願いする。