令和5年第4回定例会で可決された意見書・決議・請願

《意見書》

《決議》

《請願》


持続可能な社会保障制度の確立に向けて、国民が将来にわたり必要な医療・介護を安心して受けられるための財源確保を求める意見書

 長らく続く物価高騰には、一時的ではなく、恒常的な対応が必要である。

 また、支え手が減少する中での人材確保が不可欠であり、政府からも持続的な賃上げが呼び掛けられている。

 しかしながら、公定価格により運営する医科歯科医療機関、薬局、介護施設等は、その上昇分を価格に転嫁することができない。物価高騰と賃上げ、さらには、日進月歩する技術革新への対応には十分な原資が必要である。

 国民の生命と健康を守るため、医療・介護分野における物価高騰・賃金上昇に対する取組を進め、国民に不可欠、かつ日進月歩している医療・介護を提供しなければならない。

 よって、国においては、適切な財源を確保するよう、強く要望する。


私学助成の充実強化等に関する意見書

 本県の私立中学高等学校は、建学の精神に基づき、時代や社会の要請に応じた特色ある質の高い教育を展開し、本県ひいては我が国の公教育の発展に大きな役割を果たしている。

 現在、我が国の少子高齢化は急速に進行しており、人口減少が社会経済に与える影響が深刻さを増す中で、日本社会は、様々な課題解決に迫られている。こうした厳しい状況にあって、我が国が今後も世界の中で後れを取ることなく、国力を維持し発展していくためには、将来を担う子供たちの育成が何よりも重要である。「経済財政運営と改革の基本方針2023」においても「未来への投資」として「人への投資」を促進する政策が最優先され、質の高い公教育の再生に向けて、教育の質の向上に総合的に取り組むと明記されている。

 しかしながら、私立中学高等学校は、学校運営の効率化、教員の資質向上・負担軽減、諸物価の高騰等様々な課題解決を迫られており、もはや自助努力の範囲を超えたものとなっている。

 国による私立高等学校生徒への授業料支援では、年収590万円を境に大きな格差が生じている支援金額の是正や、私立中学校生徒への授業料支援制度の創設も必要である。

 また、現行の就学支援金制度等では、負担が十分に軽減されない保護者がいることから、これらを対象とした教育費の税額を控除する「教育費減税」制度の創設が必要である。

 このほか、ICT環境の整備や学校施設の耐震化及び空調・換気設備等の整備、省エネ・脱炭素化への対策なども急務である。

 さらに、政府が推進する高等学校段階からの海外留学についても、国による支援策の充実が不可欠である。

 このように、公教育の一翼を担う私立中学高等学校が、国が進める教育改革に的確に対応し、特色ある質の高い教育を提供できるよう、財政基盤の安定のため、国による全面的な財政支援が求められる。

 よって、政府及び国会におかれては、私立中学高等学校教育の重要性に鑑み、教育基本法第8条の「私立学校教育の振興」を名実ともに確立するため、私学助成に係る国庫補助制度を堅持され、一層の充実が図られるよう強く要望する。


ガザ地区における平和の早期実現を求める決議

 イスラエルとパレスチナのイスラム組織ハマスの武力衝突により、パレスチナ自治区ガザ地区において、一般市民、特に子供たちの人命が深刻な危機的状況にさらされるとともに、市街地に甚大な被害をもたらしている。

 こうした状況を受け、11月8日の先進7か国(G7)外相会合において、テロ攻撃を断固として非難することや、ガザ地区の人道危機に対処するため、戦闘の人道的休止と人道回廊の設置を支持するなどとしたG7外相声明が発表された。また、11月15日には、国連安全保障理事会において、ガザ地区の子供の人道状況を改善するための戦闘の休止と人質の即時解放を求める決議が採択された。

 ガザ地区での人道危機改善に向けては事態の早期鎮静化が必要であり、イスラエルと自立可能なパレスチナ国家の双方が、平和、安全及び相互の承認の下に共存することを想定した二国家解決が、公正で、永続的で、安全な平和への道であることを、本県としても国連やG7、日本政府と認識を一にするものである。

 茨城県議会は、県民と共に、このたびの紛争に対して次のとおり一刻も早い事態の解決、改善を求める。


1 即時かつ持続的な人道的休戦及び人質の即時解放

2 国際法、国際人道法の遵守

3 人道的被害の抑制、人道支援物資の供給を通じた人道状況の改善


令和6年度私立高等学校等経常費等助成に関する請願

 私立高等学校等は、教育の充実・向上を図り、時代の要請に対応した特色ある教育を実践し、次代を担う優れた人材の育成に努め、県民の期待に応えるよう総力を傾注してきた。

 しかし、承知のとおり、少子化による生徒数の大幅な減少の影響等により、私立高等学校等の経営は、いよいよ重大な局面を迎えていると言わざるを得ない。

 ついては、将来を担う生徒の教育の機会均等や学校選択の自由の実現が妨げられることの無いよう、県財政を取り巻く状況は厳しいとは思うが、私立学校教育の振興を図るため、教育基本法及び私立学校振興助成法の趣旨を踏まえ、以下の要望事項について特段の配慮をお願いする。

[要望事項]

1 経常費補助金の確保について
 私立学校が時代や社会の進展に即した新しい教育を積極的に推進していくためには、これまで以上の経費を必要とするが、少子化に伴う生徒数の減少による納付金の減収により、私立高等学校等を取り巻く状況は厳しさを増している。
 私立学校経営の健全化と保護者の教育費負担の軽減を図るために、経常費補助金の確保について特段の配慮をお願いする。

2 高等学校等授業料減免事業の拡充について
 本県においては、国の就学支援金の制度改正より令和2年度から年収 590 万円未満世帯を対象に、支給上限額が年額 396,000 円となり、授業料の実質無償化が図られたが、制度を改正しても、なお、公立高校の大半は無償であるのに対し、私立の保護者は依然として教育費を負担しているのが実態であり、公私間格差是正の観点から、家庭の状況に関わらず全ての意志ある高校生等が安心して私立学校で学べるよう、他県と同様に国制度に加えて、実質無償化対象世帯の更なる範囲拡大、多子世帯への所得要件緩和、低所得世帯への一層の軽減等により教育費負担の軽減化が図られるよう県事業の拡充をお願いする。

3 教職員研修に対する支援について
 グローバル化への対応や社会を牽引するイノベーション創出を目指す教育のための学習指導要領の改訂等、国の急速な教育改革等に対応するためには、教職員研修はこれまで以上に重要であり、経常費補助金の特別加算分の項目に計上されているが、本県私立学校の実情などを勘案し、教職員研修に対する支援の拡充をお願いする。

4 家計急変保護者世帯等に対する支援について
 新型コロナウイルスの影響は減少しつつあるが、その影響を始めとする家計急変等の理由により、授業料等の納入が困難な中学生を含む生徒等を対象に授業料等の軽減措置を行う学校法人に対し、県補助事業の授業料等軽減事業が制度化されており、当該補助金等の早期給付や影響の長期化等に伴う保護者世帯に対する支援について特段の配慮をお願いする。
 今後も引き続き、私立中学に対しても、私立高校と一体的に教育費負担の軽減化が図られるようお願いする。


笠松運動公園スケートリンクの運営に関する請願

 笠松運動公園は、茨城県都市公園条例の規定により県が設置し、指定管理者による管理を行っている都市公園である。現在、県が設置しているスケートリンクは、笠松運動公園内の1か所のみであるが、屋内水泳プール兼アイススケート場として整備されており、アイスホッケー等の競技者が練習を行える時間が限られる(水曜日等を除く9月 21 日から3月 31 日までの午前9時から午後9時まで※成年に於いては 24 時まで)た め、国民体育大会冬季大会等において、良い結果を残すことができていない。

 このような状況の中、茨城県アイスホッケー連盟としては、ジュニア世代の競技者の普及拡大・強化が急務であると考えているが、これらに多大な費用が掛かることから、希望する練習時間の確保が困難となっている。

 よって、笠松運動公園スケートリンクの運営に関し、下記事項を要望する。

  1. 県は、土曜日、日曜日及び祝日の午前7時から午前9時まで冬季競技の練習を行えるよう措置すること。
  2. 県は、閉場日である水曜日においても、午後6時から午後 10 時まで冬季競技の練習を行えるよう措置すること。
  3. 県は、冬季競技の各団体の大会及びイベントの貸し切りの調整の後に、スポーツ少年団(ジュニアチーム)に対するスケートリンクの貸し切りを優先的に行うこと。
  4. 県は、スケートリンクで練習等を行う冬季競技の各団体に加盟している競技者に対するシーズンパスポート制度(9月 21 日から3月 31 日までの一般開放時間において、競技者に負担のかからない年間利用料金を設定し、スケートリンクを自由に利用できるもの)を設けること。