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更新日:2018年1月12日

デザイナー 鈴木潤さん / 県北にクリエイティブの風を巻きおこす

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インタビュー

地域とデザイン。いまや各地域に数多く事例が生まれているその関係。必ずしも地域の課題や問題をデザインだけが解決するわけではないと思いますが、地域にとってデザインの力が必要なことは確かですし、地域の人、物、事を発信する際にデザイナー人材が重宝されている場合も多いように思います。流行に従順盲信なデザインでなく、そこでしか生まれないデザインを試行し、過程を大事にして成果を本気になって考える。そういった姿勢が地域とデザインの相乗効果を加速させてくれるように思います。今回インタビューさせて頂いたのは、日立市出身の鈴木潤さん。鈴木さんは現在、東京墨田区を拠点に活躍されるデザイナーでインクデザイン合同会社(外部サイトへリンク)の代表を務めています。そんな鈴木さん、昨年2017年に地元である日立市常陸多賀に自身のもう一つの拠点、そして地域のクリエイティブが加速する”場”を作られました。茨城県北地域のクリエイティブイノベーションが生まれるその1歩手前の今、鈴木潤さんにお話しを聞きました。

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きっかけは、茨城県北クリエイティブプロジェクト

あんまり地元に帰るつもりは当初なかったんですけど、こっちにいる親も歳をとってきたので少しずつ気にはなっていたんですね。そんな時、ネットサーフしていたら、このウェブサイト(茨城県北クリエイティブプロジェクト)の存在を知って、その場でビビッと来ちゃったんですよね。地元でこんなことが起こってるなら、面白く出来そうかもと思ったんです。

運命的に本ウェブサイトと出会い…(笑)入居の際の助成制度も活用され、日立市常陸多賀駅前商店街にあるシェアオフィスひたちたがに進出を決められた鈴木さん。普段はデザイナーとしてどのようなお仕事をされているのでしょうか。

弊社はデザイン会社なんですが、一般的なデザイン会社とは少し違っていて、企業のコーポレートツールをメインに制作しています。IRツールといって企業の株主や投資家向けのプレゼンのツールなども作ります。上場企業様の案件もあり、秘密保持契約をガチガチに結んで仕事をしていくので、緊張感はありますね。社名であるインクデザインというのは、会社(inc.)をデザインする会社という意味です。

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▼墨田区にあるシェアオフィス co-lab墨田亀沢 の一角にオフィスを構える

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▼女性スタッフも所属し、和気あいあいとしたムードのオフィス

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▼もとは同ビルに入る印刷会社が所有していたフロアをリノベーションしたシェアオフィス。印刷会社でデザイナーとしてのキャリアを積んだ鈴木さんには自身のアイデンティティに親しい空間

 

クリエイティブ公民館 KAZAMIDORI

仕事や家族の生活の拠点は東京にある鈴木さん。金曜から土曜にかけて週1回日立のオフィスに通う日々が始まりました。契約して間もない頃、ポツンと一人デスクで作業されていた様子が思い起こされます。地元に人脈も仕事もない中、きっと不安な部分もあったと思うのですが、よそ者の視点を持って帰ってきた自分が、地元を再発見する面白さでワクワクすることの方が勝っていたんではないでしょうか。そこで、鈴木さんは行動します。

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最初は単純に、このシェアオフィスひたちたがのワンフロアが広いので、多くとも週に1回くらいしか来れない自分だけが使うのはもったいないなと思ったんです。それと、地域の中で繋がりをもっと作りたいし、繋がりが生まれる場を作ることが必要かなと思いました。

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(写真 :KAZAMIDORIホームページより抜粋)

 

クリエイティブが地域と呼応することで加速する場。その名もクリエイティブ公民館 KAZAMIDORI。シェアオフィスひたちたが(外部サイトへリンク)のワンフロアに入居した鈴木さんが、そのスペースをクリエイティブに特化した公民館のように、地域に開放していこうという場所。一人では何も出来ないけど、みんなでやれば日立をもっと面白く出来る。

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▼オープニングパーティーには多くの方が集まっていました

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僕はここ出身ですけど、地元での繋がりってほとんどなくて。同じような感覚とビジョンを持っている人がいるかどうかも分からなくて。けど、実際にこの地域で活躍されている人達と交流を持つと、意外に熱い人多いじゃん!というのが大きな発見で励みになりました。

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KAZAMIDORI 応援コメント

茨城移住計画代表 / ひたちもん大學学長 菅原広豊さん

 

1984年生まれ。秋田県秋田市出身。茨城県日立市在住。大学卒業後、就職するも5歳から続けていたラグビーを再度やりたくなり、茨城県日立市へラグビーをするために移住。引退後は会社員をしながら、2013年に教育をテーマにしたヒタチモン大學を設立。「家族で学べる場」をコンセプトに、地域に密着したイベントを開催。3歳~90歳まで参加する、多世代のコミュニティづくりを実践。2017年には「スポーツ」をコンセプトにした茨城移住計画を立ち上げ、地域のジョイントリーダーとして茨城県内だけではなく県外も含め多種多様な人をつないでいる

「茨城県北にできた新しい風、コワーキングスペースKazamidori。県北にはたまり場が少なく、仲間と集える場所と言ったらカフェかファミレス。そこに鈴木潤さんが作ってくれた新しい場。気軽に、クリエイティブに、ここを拠点に新しいつながりが生まれ日立が盛り上がることにワクワクしています。応援してます!」

 

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KAZAMIDORI 応援コメント

えぽっく 若松祐樹さん

 
1985年日立市生まれ。 大学進学を機に、都内で過ごす。 ITベンチャーと、食と農のシンクタンク会社を経験した後、 2014年10月より茨城県にUターンし、「えぽっく」として活動する。 中小企業の経営革新と若者の人材育成を目的とし、 インターンシップコーディネーターや、企業のアドバイザーとして活動中。

「kazamidoriオープンおめでとうございます!日立市という街は、日立製作所によって大きく発展してきました。その原点には、「国産初のモーターをつくる」ために熱意ある技術者が集ってきたことがあります。それから約100年が経ち、社会が大きくかわっても、大切なのはいつも”人”だと思います。私もUターン組ですが、日立に戻ってきて、地域の中・外に関わらず、多様な人を巻き込みながら、地域を良くしていきたいと活動しています。潤さんの人脈で、オープニングパーティでは、地元だけでなく東京からも色んな人が参加していました。kazamidoriに、アツいプレイヤーが集まって、もっと地元をアツくする場所にしましょう。僕も共犯者として、がんばります!」

  

鈴木さんがKAZAMIDORIについて語る時、これからの可能性に本当にワクワクされていることが伝わってきます。もちろん、オープンして間もないKAZAMIDORIがこれからどのような場所になっていくかは未知数。森に薪を拾いに行き、それらを焚べ、新鮮な空気を用意し続けなければ、場の火を灯し続けることが出来ません。火はエネルギーの結実。そのエネルギーは鈴木さんの場合、何もないと思っていた地元で可能性を見つけ、それを新たな仲間達とともにカタチにしたいという気持ちではないでしょうか。地域内外問わず、興味が湧いた方はぜひKAZAMIDORIの扉を開けてみて下さい。

 

幸せな世の中のために中指立てろ

鈴木さんの会社、インクデザイン合同会社のコーポレートスピリッツは pink punk inc. ピンクなパンク会社。平和的なパンク精神を持って活動する会社。どういった想いが込められているのでしょうか。

パンクっていうと、権力に媚びを売らない反抗的なというイメージがありますけど、少しそれとは違うんです。僕らは幸せということを武器に、世の中の面白くないことに抗っていきたい。そういう精神でデザインのお仕事をしたいし、会社のメンバーや関わってくれている人達とも共有したい。排除や区別をするのではなくて、みんなでワクワクしながらDIY精神を持って取り組んでいく。そういうことをコーポレートスピリッツに込めたんです。幸せな世の中のために中指立てろということです。

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鈴木さんのFacebookを見て、まさにピンクパンクな取り組みだなと思った記事がありました。それは、名刺がなくなった枚数に応じて手当を支払う「名刺手当」という制度を会社で設けていること。会社内に籠もりがちなデザイナー職のスタッフのみなさんに、どんどん人と出会って欲しいからとのこと。思わずさすがだなぁと唸ってしまいました。

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▼一期一会の出会いを大切にすべく、一枚一枚のデザインが異なる名刺(写真:鈴木さん撮影)

 

パンクの一つの象徴、ロックバンド、セックス・ピストルズのシド・ヴィシャスなんて演奏中にベースでお客さんを殴ったなんて逸話がいくらでも出てきますが、鈴木さんのパンク精神がそうでないことは明らか。とてもピースフルな人柄で周りの人達に慕われていることが分かります。そんなピースフルな人がパンク精神を持ちデザインを武器に地域で活動していく。きっと、県北にクリエイティブの風が巻き起こると期待しています!

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いまやデザイナーは地域にとって珍しくないですし、場づくりということも全国各地域で散々言われ、短命に終わる事例も少なからず多いと思います。ですが、何をやるかよりも誰がやるか。結局はそこなんだと思います。夏頃に鈴木さんに最初のインタビューをさせて頂き、ある時はコワーキングスペースとしてのオープン日にKAZAMIDORIにて席を並べ、ある時は日本仕事百貨が運営する清澄白河のリトルトーキョーのしごとバーで共にお酒を飲み、ある時は墨田にあるインクデザイン合同会社のオフィスにお邪魔して、度々お話しを伺ってきました。そこで確信したのは、鈴木さんは違うということ。一方的な考えや思考を押し通すのではなく、きちんと向き合った人や地域と対話し、一緒にワクワクする。そういった姿勢に僕自身も共感した一人です。また次にお会いした時に、お話しを聞くのが楽しみでなりません。

クリエイティブ公民館 KAZAMIDORI
住所 / 〒316-0013 茨城県日立市千石町1-3-6 マイクロクリエイションオフィスひたちたが 4F
Facebookページ / https://www.facebook.com/Kazamidoriクリエイティブ公民館-329036630868864/(外部サイトへリンク)

文・写真 / 山根 晋

 

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政策企画部県北振興局振興

〒310-8555 茨城県水戸市笠原町978番6

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