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更新日:2018年3月17日

【きっかけワークのレポート】漢方ハンドブックを地域の女性のために

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けんぽくレポート

日立市常陸多賀の駅前商店街にて80年以上、地域密着の薬局を営んできた池上薬局。4代目の池上靖人さんから本格的に取り組まれた漢方の話しがとても面白いことから生まれた、きっかけワーク『漢方ハンドブックを地域の女性向けに制作』の募集に対して、お二人のご応募を頂きました。今回、初の顔合わせから、企画がスタートした様子をレポートしたいと思います。

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今回、ご応募頂いたのは茨城県取手市にお住まいのライターの佐々木しづかさんと、神奈川県横浜市にお住まいのエディトリアルデザイナーの上原あさみさん。今回、上原さんが急遽体調不良のため、佐々木さんと池上薬局さんにお邪魔して、ご挨拶と打ち合わせをさせて頂きました。

 

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佐々木しづかさんは、取手市の起業支援プロジェクトの1つである"MATCHMARKET"というチャレンジショップのマネージャーをしながら、経絡のヨガ(身体の気の流れをよくする)インストラクターとして活動されています。そして、取手市が発行するフリーペーパーなどで起業や自分らしい生き方にチャレンジする人を応援するための記事を制作するというライターのお仕事もされているとのこと。もともと、佐々木さんのご実家が漢方を扱う薬局だったということもあり、またご自身の妊娠出産時も漢方で体調を整えられた経験があるとのことで、今回のきっかけワークの募集に応募して下さいました。(まさに適任!)

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池上薬局4代目の靖人さんとも、話しが盛り上がります。

「風邪ひいたなと思ったらネギを〜とかいうのは民間伝承なんですよね。漢方も成分は全て自然のものなんだけども、そういった家々で言われてきた病気に対する処方とは、言ってしまえば、ものが違うんですよね。もちろんそれが悪いわけではないけど、漢方に対する誤解はそういったことも含めて全体像を伝えなきゃなぁと思うんですよね。」

と、靖人さん。確かに、どこか不明瞭なイメージはなくもないですが、漢方もしっかりとした歴史や研究の蓄積による科学があるということに改めて面白みを感じます。

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佐々木さんからは、こんなご意見が。

「痛みや不調を感じない時は、将来起こりうる病気に対しても自分ごとに出来ないですよね。でも、体の不調という分かりやすい形でなくても、心の不調であれば少なからず女性であれば抱えていることも多いような気がします。家族や子供のために、自分を顧みないことも多いから、自分でも気づかないうちに病気が進行している事も多いような気がしますし。」

 確かに西洋医学的なアプローチでは体と心を別に考えることが多いような気がしますが、池上靖人さんから聞く漢方の世界は常に体の不調は心の状態と繋がっていることが分かります。また、佐々木さんご自身も経絡ヨガのインストラクターとして、陰陽五行や整体観念という考えから見えてくる東洋医学の中にある柔らかな思想を伝える活動を普段からされているとのこと。次々と追いつかない部分でお二人の話しが展開していきます。。

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この冊子を通じて、どのようなことを伝えたいか?という質問に対して池上靖人さんは...

「漢方を使うと楽になるんだよ。っていうことですかね。素材自体も自然のものだし、無理がないものなんですよね。だから、それを知って欲しいですよね。」

 その言葉を受けて、深く頷いていた佐々木さんが印象的でした。これから、どのような冊子が出来上がっていくのか楽しみです。

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佐々木しづかさんからのコメント

祖母の影響で小さな頃から知らず知らずのうちに飲んでいた漢方薬。幼い頃から見慣れたお薬たちを池上さんに説明してもらって、改めて祖母の愛情を感じることができました。
 
漢方って、その症状だけを診るのでは、ないのですよね。表に出ている症状は、全体の一部でしかない。
”今、この子の心と体の中では、何が起きているんだろう。どこのバランスが崩れていて、どこの何が滞っていて苦しくて、それを楽にしてあげるためには、何をどうしてあげたらいいんだろう。”
祖母はそうやって、幼い私が言葉では伝えきれなかった小さなSOSをよく診て、よく聴き、最適な処方をしてくれていました。
 
そして池上さんは、それと同じ思いで、相談に来る人の心と体に向き合っているのですね。
 
「自分の子供には、最短で良くなって欲しいと願う。私はいつも、自分の子供に処方するのと同じ気持ちで皆さんに処方しています。」
 
と言った池上さんの言葉が印象的でした。
 
自分の心や体の声を正確に言葉にするのは、大人になった今でも難しいことのように思います。むしろ大人になった私たちは、忙しい毎日の中でつい、自分の小さなSOSをなかったことにしてしまう。今はまだ大丈夫だろう、このくらい我慢できるだろうって、見えないところに隠してしまう。
 
そうやって溜め込んだ自分の心や体の声に一緒に耳を傾けてくれるのが、池上さんであり、東洋医学なのだと思います。
 
奥にしまいこんで自分でも分からなくなってしまった症状を、池上さんが1つ1つ丁寧に紐解いてくれる。うまく言葉で説明しきれなくても、自分でよく分からないままだとしても、そのまんまの状態で池上さんの前に座ってみたら、きっと糸口を見つけてくれる。池上さんと初めてお会いして、じっくりお話を伺う中で、そんなことを感じていました。
 
漢方や池上さんと出会うことが、自分の心と体に目を向けるキッカケになってくれたらいいな。何か大きな出来事の前に、日常の中で一人でも多くの人が漢方に出会ってくれたらいいな。そんな思いを込めて、普通の毎日の中に溶け込むような冊子を作りたいなと思っています。
 
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 ▼池上靖人さん直筆の書

私たちが取材で訪れ、出逢うことが出来た茨城県北地域の資源である池上薬局さんの歴史、地域での役割、そして漢方の知恵。それをこのような形で、具体的な仕事というきっかけで共感をお持ち頂いた地域外の方とお繋ぎ出来たことを嬉しく思います。引き続き茨城県北クリエイティブプロジェクトでは、こちらのきっかけワーク「漢方ハンドブックを地域の女性のために制作」を追いかけたいと思います。

 

茨城県北とクリエイティブな仕事を通じて繋がりを持つという企画により、クリエイターと地元の薬局がどんな活動をしたか、この前段の記事からストーリーは始まります。ぜひ、関連する4編をお楽しみください。 

 

【池上薬局と女性のための漢方ハンドブックの制作をめぐるシリーズ】

 

1 池上薬局 池上靖人さん / 創業82年の老舗薬局が果たす、まちの健康相談所としての役割。そして、クリエイティブな漢方。

2 漢方ハンドブックを地域の女性のために

3 【きっかけワークのレポート】漢方ハンドブックを地域の女性のために

4 漢方の世界へのパスポート。「女性のための漢方はじめてBOOK」ができるまで。

 

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