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更新日:2015年3月20日
各種の統計書をみてみると,グラフを表示している期間は,月報で1年から2年程度,年報でも5年から15年間のものがほとんどです。総務省統計局が発行した「消費者物価指数年報 平成19年」版では平成8年から平成19年までの12年間,農林水産省が実施し5年ごとに行われる「2000年世界農林業センサス結果概要I」は,総農家数は昭和45年から平成12年までの7回分が掲載されていますが,それ以外の農家人口,経営耕地面積,事業体数などは2回(当年と5年前)から3回分(当年,5年前,10年前)にとどまっています。
下のグラフ図1をご覧下さい。
図1 昭和25年を100とした場合の各指標の推移(5年間(平成14年から平成19年))
県人口(各年10月1日現在):国勢調査(総務省統計局),茨城県常住人口調査(茨城県統計課)
死亡者数(全体),自殺者数,交通事故による死亡者数:人口動態統計(茨城県保健福祉統計年報(茨城県厚生総務課))
これは,自殺者数の統計分析を行うために,茨城県の人口と茨城県民の死亡者数とを指標化したグラフです。平成14年から平成19年までの5年間の推移を示したものです。
これをご覧になって,どのような感じをお持ちになりましたか?
わたしがグラフを見て受けた感じは次のとおりです。
あなたはいかがでしたか。
5年間の推移しか見ないと,このような判断になってしまいがちです。
そこで,もっと長い期間を示したのが下のグラフです。
図2 昭和25年を100とした場合の各指標の推移(58年間(昭和25年から平成19年))
県人口(各年10月1日現在):国勢調査(総務省統計局),茨城県常住人口調査(茨城県統計課)
死亡者数(全体),自殺者数,交通事故による死亡者数:人口動態統計(茨城県保健福祉統計年報(茨城県厚生総務課))
先ほどの図1のグラフと比べていかがですか?
時間があればじっくりながめてみましょう。
平成14年以降だけながめてみても,印象がだいぶ違って見えませんか。
これは,時間目盛のしわざです。上の図1のグラフに比べて,下の図2のグラフの方が経過する時間(年)がギュッとつまっていますので,特徴が強く出ます。逆に,上の図1のグラフは特徴が緩やかになります。
改めて,昭和25年からながめてみましょう。
これをご覧になって,どのような感じをお持ちになりましたか?
わたしがグラフを見て受けた感じは次のとおりです。
あなたはいかがでしたか。
長期間の推移をながめていると,何かが見えてきませんか。
まず目立つのが「交通事故による死亡者数」でしょうか。
昭和46年を頂上とする高い山が見えますね。昭和25年を100として,昭和46年は528です。つまり,21年間で5倍を超えてしまったのです。この急激な右上がりのカーブは何を意味するのでしょうか。
たとえば,
などが考えられます。ところが,翌年以降昭和56年まで減り続けた後増加に転じ再び減少傾向にあります。この減少要因は何でしょうか。
たとえば,
などが考えられます。これらの裏付けを時間と共に追ってみるのもおもしろそうですね。
次に,目立つのは何でしょうか。
「自殺者数」が急激に増えていますね。先ほどの図1とはまるで違いますね。
なぜ自殺者が増えたり減ったりしているのか。その分析の試みがこのサイト内にありますので,興味がある方はそちらをご覧下さい。
また,「交通事故によ死亡者数」や「自殺者数」に比べると,「県人口」や「全体の死亡者数」の動きは緩やかな感じを受けます。その2つの動きをじっくりながめてみると,人口が増えている一方で,全体の死亡者数が減り続けた時期があります。人口が増えれば死亡者数も増えるのではないかと思いますが,結果は違いました。なぜでしょうか。減り続けた「全体の死亡者数」も昭和50年代後半から増加に転じています。これはなぜなのでしょう。これらの答えを想像し,統計や保健・医療,制度の見直し,社会現象などで,時間を追って確かめてみるのもおもしろそうです。
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